9.23~29日記

9.23月

4時起きで朝から普通に労働。ちょっとすごくショッキングなことを小耳に挟んでしまい、まだ入って2週間でなにも出来ないだけでなく、遅刻も当日欠勤も多くて勤務態度最悪のK原さんという子が、わたしよりも時給が高いとのこと。くっそ! 自分で言うのも何やけど、こちとら入ってもうかれこれ10年以上の大ベテランやど! まあ10年前は東京都の最低時給も安くてわたし850円スタートやって、でも今はスタートから1100円なんやって! わたし! 1100円ももらってないですけどー! という怒りをどこにぶつけたらいいかわからず、店長にぶつけたいけど、まあ演劇やるとか撮影とかライブとかで休みもらったり、シフト融通聞いてもらってるしな、とか考えたら言い出せず、ゆるやかにやる気が失せていった。そろそろ仕事変えるべきなんかもしれへんけど、もう御年34歳の、喫茶店ウエイトレス以外やったことないババアをどこが雇ってくれるでしょうか。ああ、なんか普段あんまり考えないでおこうと思っちゃってる将来のこととか考えてだんだん真っ暗な気持ちに。わたしは一体どうやって何をやって生きていったらいいのでしょうか、なんて、34歳にもなって何を10代20代みたいなことゆうてるねん、と恥ずかしくなった。

 

9.24火

仕事やる気は完全に失せているけれど、ちゃんと4時起きで出勤して普通に労働。一昨日から昔一緒に働いていた社員のH菜ちゃんという子が異動で出戻ってきていて、H菜ちゃんは当時まだ19歳で働くのもはじめてやしスッピンであどけなく、色白でむき卵のようなお肌であかちゃんのように可愛かったけど、もう25歳になったのやって。そらわたしも年取るはずや。当時から結構わたし、可愛がってあげていたつもりで、恋の悩みを聞いてあげていたこともあったし、そこそこ仲良かったと思っていたのだけど、開口一番「北川さん!」と呼ばれてしまい、あ~れ~となった。まあ、4年も経てば忘れるよね。H菜ちゃんとはフロアが違うので実質一緒に働く時間はあまりなくて残念。仕事終わり、帰りに紀伊國屋書店に寄ると、ずーっと待望していた高橋ユキさんの『つけびの村』がノンフィクションコーナーにずらーっと平積みされていて、興奮して購入。

つけびの村  噂が5人を殺したのか?

つけびの村  噂が5人を殺したのか?

 

 山口県連続殺人放火事件のルポ本なのだけど、この春くらいにnoteで話題になっていて読んでいた。それが書籍化。買うっきゃない。早速買った本を持って帰りにベローチェに寄って読み始める。たのしみにしていた本って、読み終わるのが悲しいからページをめくる手がついゆっくりになってしまう。4分の1だけ読んで今日はここまで。夜、ナックルズのH川さんから電話。ちょっと残念な話。あー色々うまいこといかんわ。経済、わたしは経済をこれからどうしていこうね? 霞を食っては生きられない。仕事をしなければ。

 

9.25水

朝から洗濯して干して、電車に乗って、今日も名曲珈琲・麦へ。モーニングには間に合わなかったので、ランチでピザトースト

f:id:warabisco:20190927161351j:plain

いつもは静かでクラシックが厳かに鳴り響いている麦だけど、今日はおっさんの6人組が大きな声で騒いでいてちょっとガーンだった。まあおっさんらはただの喫茶店と思って入ってきてるのやろうから、喋っていいに決まってると思ってるんやろうけど、一応名曲喫茶やねんけどな~とかって思ってしまうわたし。たぶん渋谷のライオンや高円寺のルネッサンスネルケンやったら「おしゃべりは控えてください」って店員さんが注意するんやろうけど、麦はそこまでは言わない。まあその敷居の低さが麦の良さでもあるから仕方がない。我慢して『つけびの村』を読む。昼過ぎに店を出て、本郷三丁目から荻窪まで丸の内線でびゅーん。荻窪からてくてく歩き、唐組の稽古場へ。途中小学校るのだけど、季節柄運動会の練習をしていてほっこりする。なんか出し物のダンス?かなんかの練習をしてるのだけど、先生一生懸命マイクで注意してるのに生徒たち全然聞いてなくてだらだらして動かず、あ~小学校もたいへんやな~と思った。唐組の稽古場、『ビニールの城』はいよいよ来月頭から本番で、今日は通し稽古だった。ああ、これが本当にめちゃくちゃすばらしすぎて、稽古なのにわたし大号泣して、涙腺ぶっこわれたかと思うほど泣いた。人間は、本心を出せない故に行き違ってしまうものね、くるしいよ、たすけてよって、ビニールの中で叫んでいるのはわたしかもしれないし、と軽率に自分と重ねて見るのは間違ってるかもしれない。とにかくすばらしいので本当にたくさんの人に見てほしいと心の底から思います。こんな素晴らしい作品に、劇中歌作曲でほんのちょっとでも関われたということが死ぬほど光栄です。わたしの作った曲を役者さんたちが歌ってくれているのを見るのも本当にうれしいし、あ~わたし、お金ないし昨日は経済に悩んでいたけど、そんなこと以上に素晴らしい瞬間を知っているから、別に経済なんていいじゃないってちょっと思った。終わって稽古場でみんなで軽く乾杯。差し入れのシャインマスカットがすごいおいしかった。2時間くらい飲んで、久保井さんと荻窪まで歩き、一杯だけ、と鳥もとへ入ってさらに飲んだ。素晴らしいものに携わっているのやと思うと、お金なんてなくてもいいやって思うね。終電で帰宅。

 

9.27木

9時からいつもの虎の門の方の病院へ。予約していても2時間待ちコース。もういつものことやけど、大阪人でいらちのわたしは待つのが本当に嫌いで苛々ストレスマックスに。12時頃にやっと終わって、処方箋もらって薬局で薬を購入、今月も医療費がえぐい。終わって、虎ノ門の喫茶フーガによっておランチ。前代未聞の具沢山ナポリタンを食べる。

f:id:warabisco:20190927163209j:plain

前にはマスターらしきおじさんがいたのだけど、常連さんとの会話を聞いているに、マスターは体調崩して休んでおられるらしく、よってママさんとパートのおばさんしかいないので、あらゆるところに「お水、コーヒーはセルフサービスでお願いします」と書いてあった。入り口にも「すべてセルフサービスです、それでもよければどうぞ」と書いてある。なかなか斬新なシステム。コーヒーも自分でサーバーからよそうシステム。ちなみにフーガはホットコーヒーはおかわり自由。すばらしい。看板もあえて出してなくて、入口の薄暗く、あれっ今日やってるのかな?て感じなのに、ランチタイムは大繁盛で途中から相席になった。すごいな~。でもこの前代未聞の具沢山ナポリタン、おいしいもんね。店内、何故かアップライトピアノがおいてあり、しかし現状は新聞・週刊誌置き場になっていた。昔はピアノの演奏とかあったのかな? 名前もフーガやし。ご飯食べてコーヒー飲んで、せっかく霞が関まで来たから東京地裁へ裁判傍聴にでも行こうかと思ったけど、なんとなくそんな気にはなれなくて帰宅。そういえば裁判傍聴、2カ月くらい来ていない。飽きたのか? いやそういうわけじゃないのやけど、ミュージカルやったり、劇に携わったりすると心の余裕が全然なくなってしまうので、なんとなく裁判所へ足が向かない。でもまたそろそろ行きたいな~。

 

9.28金

6時起きで支度して、朝イチから千住保健センターというところで足立区の健康診断。これは早い者勝ちで申し込んだら無料で受けられる足立区がやってるやつで、わたしの事務所レトルは各々自分で健康診断を受けてその結果を提出しなければいけなくて、病院とかに行ったらお金かかるから、足立区のやつに申し込んだのである。去年は行程がたくさんあって、胸とか歯とかピロリ菌とかの検査まであった気がしたけど、なんか今年はめっちゃ簡易になってて、身長体重体脂肪、腹囲、血圧、血液検査、尿検査、聴診器トントン、だけになっていた。こんなんじゃあんまり病気の早期発見とかは無理なんじゃ? まあわたしは形だけ、健康診断行ったぜって証があればいいだけなので別にいいけど。それに健康でないことはとっくに知ってるし。30分くらいで全行程が終わり、結果は二か月後。終わってまだ9時半、せっかく北千住まで来たので、そこから日比谷線で上野へ出て、喫茶店トロール、ひさしぶりに上野の純喫茶丘でモーニングした。

f:id:warabisco:20190927164610j:plain

丘は外装からイケてて、看板の特殊レタリングの丘ってフォントから可愛くて、内装もステンドグラスやシャンデリア、革張りソファーに仄暗い店内、総じてムーディで素晴らしい。上野なだけあって昼間はいつも大賑わいなのやけど、朝は誰もいなくて貸し切りだった。1時間くらい読書して、帰宅。いったん家で色々やることやって、夕方から再び電車で下北沢。ラカーニャという先日ペーソスさんのイベントで出演さしてもらったライブハウスで、綾田俊樹さんという映画でご一緒した俳優さんが一人芝居をやるというので見に行った。綾田さんは確かもう70歳くらいなんだけど、休憩挟んで2時間以上ひとりでしゃべりっぱなし! すごいパワーである! ストーリーは、昔あったらしい文化シネマという映画館とその側にあった田吾作という居酒屋に集う映画好きの人たちのお話で、中でも仲良くなって家まで行き来するようになった秀ちゃんという女性についてのエピソード。映画の引用がふんだんで、当時見た映画を綾田さんがひとりで再現するんだけど、それが物まねや比喩含めてすごくおもしろくって、どれも古いアメリカ映画で見たことなかったからすごく見たくなった。「何がジェーンに起こったか」見よう。とはいえ、こういうは好きな人がやる語る感想や再現を見るのがいちばん面白くて、いざ本編みたらあんまり、ってなったりもするよね。音楽がロケットマツさんの生演奏でこれがまたすごくよかった。パスカルズが「凪のお暇」で大評判のロケットマツさん、劇伴音楽としてすごく勉強になるな~と思いながら聞いていた。終わって後ろを見ると、なんと映画『閉鎖病棟』の平山秀幸監督もいらしててご挨拶。昨日の完成披露試写会の様子が今朝ニュースになってて、スーツでびっちり決めた監督を見たばっかりだったのでお会いできてうれしかった。綾田さんともちょっとおしゃべりして帰路。下北は1時間越えで遠いけど、小田急~千代田線乗り入れに乗れれば一本なので楽ちん。

 

9.28土

起きたら石丸元章さんからメールが来ていて、今日の拘置所矯正展、諸事情で行けませんとのこと。残念。実は元章さんが発起人で、みんなで一緒に行こうぜ計画が盛り上がっていたのだけど、元章さんがこれないとなると、どうなるのかな? 不安になりつつも、元章さんがお声がけくださって今日くるライターのニポポさんと俳優飯島洋一さんと連絡を取り合いつつ、11時に拘置所のメインステージに集合。いや~しかし天気がいい、天気がよすぎる! 太陽ピーカンで暑い。メインステージ横の日陰で休んでたら、ニポポさんと飯島さん登場。幹事はいませんが、まあたのしみましょう、としばしぐるっと歩く。早速、プリズンカレーがすごい行列だったため、売り切れる前に並びましょうと仲良く並ぶ。プリズンカレー、去年は350円くらいやった気がするけど、400円になっていた。増税の影響ですかね。無事カレーをゲットし、テントはどこもいっぱいで座れないので、芝生にじか座りして食べることに。このプリズンカレー、毎年食べてるけど結構おいしくて、正直ココイチなんかよりおいしいかもしれない。野菜もちゃんとゴロゴロ入っているし。去年はずっと入院してましたが、病院のカレーはほんとにまずかったので(健康に気を使ってかカレー粉が少なくて味がうすいの)病院食<拘置所飯ということになりますね。もぐもぐ食べて、腹ごなしに入口の建物の方へ歩く。毎年、なぜこんなとこに?と思うけど、車の青空即売会みたいなのをやってて、こんなところで車買う人なんているんですかね。なぞ。入口の建物の中は、受刑者さんのお習字や生け花なんかが展示してあって、奥では少年鑑別所の精神鑑定が受けられるのです。マークシートで60問の問題に答え、機械で読み込んでもらって結果を待ちます。と、わたしは繊細さと意志の弱さが降り切れて赤色になってて、逆に朗らかさが全然足りない結果になりました。まあ、当たってるようなないような。ちなみにニポポさんはわたしとは真逆で朗らかさが満点でした。確かにニポポさん、ライターさんとしては危ないところにたくさん取材に行っておられるお兄さんですが、今日初対面なのに、ずっと笑顔でにこにこしてて接しやすくてたのしい、朗らかさって大事やなあと思った。結果をもらってまた場内をぷらぷら。函館刑務所のブースがすごく混んでて、そう、みなさん、獄のマークの鞄やスマホケースを見たことがないでしょうか。あれ、函館刑務所がオフィシャルで出している人気商品なのです。ニポポさんはスマホケースを買っておられた。わたしもブックカバー迷ったけど、ブックカバーって結局使わへんよなと思って買うのはやめた。そのブースの後ろに、教誨師のグループのブースがあって、メモ帳を配っていたのでもらった。一枚ずつ「教誨」と書いてあって、なかなかいいデザイン。一通りお店もみたので、最後に体育館のちびっこ柔道大会を見に行った。この体育館も、普段は受刑者のみなさんが使っているのかと思うと感慨深い。あのわたしの大好きな坂口弘さまもこの地を踏んでいるのですね、と思うとミーハー心くすぐられた。体育館、上の方にでっかい謎の神棚みたいなのがあった。不思議。ちびっこ柔道大会はみんな可愛くて見ていてほっこり、するも、ふと応援席のお父さんお母さんをみると、Tシャツからモンモンがのぞいていて、おおっ、となった。いや~2時間半くらいだったけど、今年も楽しかった。これ、カレー代以外1円もかからない無料で遊べるレジャーやと思うと結構いいんじゃないでしょうか。来年もこよ、来年は元章さんや飯田さんやみんなと来たいな。帰りは小菅駅にニポポさんをお送りした、ら、小菅駅、なんと駅前にタピオカ屋さんが出来ていた! うそだろ! 小菅にタピオカって! 誰が買うねん! 拘置所差し入れにタピオカってか! 帰ってまだ昼だったけど、炎天下歩いて疲れたのか昼寝してしまった。夕方から一件、レコーディングに行くはずだったけど明日に延期になったのでまあいいか。そういう日もあるね。

 

9.29日

4時起きで朝から普通に労働。例の新人のくせにわたしより時給が高いK原さんが無断欠勤。連絡もつかず。こら飛んだな。わたしより時給高いくせに飛ぶなんてな、結構な身分だこと。そんなことより無断欠勤はまじで勘弁! しかも糞忙しい日曜日に! おかげで誰も休憩行けなくて、わたし7時間休憩なしの飲まず食わずでずっと走り回っていた。でもわたしはまだ7時間だったからましで、10時間の子もいた。ちょっとうちの職場やばくないですか? 残業してほしそうなみんなの視線を軽やかに交わし、仕事上がりに国立へ。中央線を舐めていた。中央線、国立までとなると結構な距離&乗車時間やのに、ずーと満員なんですね! 7時間たちっぱで休憩なしで働いたあとの満員電車はこたえるぜ。しかし三鷹より先ってわたし生まれて初めて降り立ったかもしれない。国立、降りてみると自然が多くてちょっと郊外感あってなかなかいい塩梅。大通り沿い、緑がいっぱい&いたるところにベンチがあって、散歩コースにしたい感じ。そういえば我らが足立区にはベンチがほぼない。なぜだろう。答えは簡単。ベンチなんか置いたら酔っ払いが寝よるからや。あと住み込んでしまう人もおるからや。その点、ここ国立は全くそんな心配なさそうで治安がよさそう。なぜ国立に来たかというと、今日はヒゲの未亡人の新作のレコーディングなのである。といってもわたしは歌ってるわけではないんだけど、どんな形で登場しているかは買った人のおたのしみ。大好きなヒゲミボに参加出来るのはうれしい限り。レコーディングは一瞬で終了。たのしかった。ゲイリーさんに新作のジャケットなんかを見せてもらったりして、しばしおしゃべり。ゲイリーさんはたくさん映画やドラマの劇伴音楽などを手掛けておられて、映画『愛がなんだ』もゲイリーさんだった、その感想、言おうと思ってたのに伝えるの忘れた。終わってまた中央線で帰路。この時間の上りはさすがに空いてるやろ~と油断してたら全然混んでいて座れなった! ぎゃふん。中央線は混むのう。なんやかんやで足立区に帰るまで1時間半かかった。長い一日だった。帰ってテレビつけたら時効警察がやってて、ぼんやり見てたら映画『閉鎖病棟』でご一緒した森下能幸さんが出てきた。閉鎖病棟でご一緒した役者さんはこんな感じでテレビで見かけまくる。改めてすごいみなさんとご一緒させていただいてたのやなあと思った。