8.6〜12日記

8.6月
朝から普通に労働。夕方、偶然Sさんがいらっしゃり、仕事終わりに合流してそのまま職場でしばしお茶をする。今や超売れっ子でご多忙のSさん、こうやってゆっくりおしゃべりするのはひさしぶり。近況報告やたわいもないお話をして和む。先週からどん底状態だったので救われた。そのまま一緒に渋谷に出て、神座でラーメンを食べる。神座食べるの5年ぶり?いやもっとかな? おいしくて満腹。その後ベローチェでお茶をし、夜のアップリンク上映まで時間を潰す。そう、今日はアップリンク、W白石まつりで、白石晃士監督と白石和彌監督の短編が同時上映&最後にトークもあるという熱い日なのであーる。8時半頃にアップリンクへ行き、チケットを引き換えて、そのままアップリンクのカフェでW白石さんとご対面、和彌監督とは初対面で、わたし何気に和彌監督の作品も殆ど見てるファンなのでキンチョー。9時から上映。まずは晃士監督の『超エドガーケイシー』『恋のクレイジーロード』それから『恋クレメイキング』。エドガーケイシーはフェイクドキュメンタリーの短い作品だったのだけど、わかりやすく潔く狂ってておもしろかった。フェイクドキュメンタリーということを思うと、白石映画の常連俳優さんたちってほんとにお芝居うまいなあと思う。自然だけど過剰で。久保山さんも金子さんも。その後『恋クレ』。こちらも白石節が炸裂でたいへんおもしろかった。殆どがバスの中で撮影されているんだけど、アクションが全部かっこよくてキレッキレですごいな〜と思っていたら、メイキングみたらアクション監督がついていて、動きの指導とか撮り方とかも見れて、なるほどーああいう風に撮られてるんか〜と裏側を見れるのもたのしかった。晃士監督の作品は、内容とは裏腹に絵がいつも綺麗でかっこよく、それでいて通底しているのは狂気なのでたまらない。宇野祥平さんは女装意外といける美人になるお顔なんやと確認。ラストは和彌監督の『マンドリンの女』。全編モノクロで、少年の行き場のない殺伐とした日常のおはなしで、結構涙腺うるうる来る映画だった。最後のトークで監督がおっしゃっていたけど、これは監督の小さい頃の実話だそうで、だから泣けたんか〜となった。アル中のおかあさんのおもらしのシーンが忘れられない。最後のトークには名古屋のシネマスコーレの坪井副支配人も合流し(新幹線が豪雨で2時間遅れたそう)たいへん愉快な30分だった。客席でM崎T夢さんとばったりお会いする。T夢さんからおもしろいチラシをもらう。なんとT夢さん、ダイエット本を出されるそうで、その出版記念ライブを東京キネマ倶楽部でやるんだって。確かにT夢さん、痩せた! 10キロ痩せたそうです。先週から塞いでいたけど、おでかけするとたのしいこともあるものやな〜。人に救われた一日。

8.7火
朝、ベッドの上で考え事しながら腐っていて、ふと鼻歌が出来たのでそのままピアノに向かって作曲。一気に一曲ぶん歌詞と曲が出来た。今日のライブでやろう。出来たばっかりの曲を練習練習練習。夕方家を出て、本日のライブ会場入谷なってるハウスへ。なんと我が家から20分ちょっとで着いた、たぶん家からいちばん近いライブ会場に決定。到着してK林さんとしばし歓談。K林さんがピアノをいい音に調整してくださっていたので、リハもたいへん気持ちよく出来た。なってるハウス、グランドピアノもあるし、音がたいへん良い。リハ終わり、コーヒーを淹れてくれた。おいしい。ツーマンお相手の島崎智子さんがいらっしゃる。島崎さんとは8年くらい前に一度対バンしたことがあって、そのときドキモを抜かれ、すごく尊敬している歌い手さんだので、今回ご一緒できて光栄。島崎さん、リハからもうすばらしく、危うく落涙しそうになる。なってるハウスは、いわゆる照明がぶいぶいになるライブハウスではないんだけど、K林さんがある環境ですごくいちばんいい状態を作ってくれて、暗さ加減も、音の加減も最高だったので、ライブ本番もとてもきもちよく歌えた。わたしが先攻で、後攻が島崎さん。島崎さんのライブは本当に圧巻で、ずっと手をぎゅうっと握りしめながら聴く。しょっぱなから泣いてしまった。わたし如きが恐れ多いけれど、ああ、この景色わたしも知ってる、その気持ちわたしも知ってる、と、なんかめちゃくちゃ自分に重ねて聴いてしまって、島崎さん、ついて行きます! という気持ちになった。つらいことばっかりやけど、歌うしかないねんで、と教えられたような心地。このタイミングでご一緒出来て本当によかった。呼んでくださったK林さん、ありがとうございました。

8.8水
台風がくるかくるか、意外とこない、けど雨。朝から千住保健センターという場所に健康診断を受けに行く。まあ健康でないことは既にわかってるのだけど、健康診断結果を某所に提出しないといけなくなったので。まずは血圧を測って、それから身長、体重、血液検査、尿検査、胃のピロリ菌検査、歯の検査、味覚の検査、内科検査など。病院の先生ぽいのは内科の先生と血液検査の看護婦さんくらいで、あとは区の職員さんなのか、ボランティアのおばちゃんなのか? 素人感満載のおばちゃんだらけやった。全体的にどの部署のおばちゃんも、基本みんな赤ちゃんに話しかけるみたいに話してくるのでイラっとする。おばちゃんは善意で丁寧にやさしく話しかけてくれてるうやろうけど、なんでこんなイラっとするんやろ? 赤ちゃんに話しかけるような姿勢=舐められてるって思うからかな。あ、わたし身長151.5センチもありました! 150あるってゆってもあんまり信じてもらえないわたしですが、これで堂々と151です! といえるぜ。四捨五入して152ってゆってもいいかもしれない! エッヘン。2時間ほどで健康診断が終わったので、そのまま霞ヶ関に出て東京地裁。またしても裁判傍聴へ行ってしまった。わたし、完全に裁判傍聴にはまっている。入口のカウンターでメニューを見ていると、今日は死体遺棄という珍しい案件を発見。混むことを見越して、一個前の裁判から前ノリで法廷に行く。一個前の裁判は痴漢の29歳の青年であった。彼は既に前科2犯、痴漢常習犯で、今回は目黒駅の電車内で16歳の女子高生のスカートの中を盗撮。そのやり方なんかも検察官が詳しく説明してくれていて、なんか笑えた。しかし痴漢というのも病気みたいなもんで、彼は既に性犯罪者更生プログラムを受けているとのこと。岡山からお父さんが証人として来ていた。痴漢裁判の途中から、ふと前の席に阿曽山大噴火さんがいらっしゃる。うお〜ほんまにおるやん! でもやっぱ、死体遺棄は気になるっすよね! 傍聴席満席ではじまった死体遺棄裁判。被告は50代の小柄なおばさん。しょっぱなから死体遺棄をしたという自覚はありません。ただ死体を置いておいただけです」と言いだし、そう、この事件なかなか切ない事件で、今年の6月、北区赤羽のコインパーキング内に、車内に虫が飛んでいる不審車両が発見されて通報され、開けてみると男性の腐った遺体が出てきて事件が発覚したというもので、亡くなった男性はこのおばちゃんの内縁の夫で、この夫婦はふたりで3年間、ずっと車中生活をしており、去年12月、男性は体調を崩し、市販の薬を飲ませても容態がよくならず、ある日おばちゃんは仕事から車に帰宅すると、男性が亡くなっていて、それから半年間、おばちゃんは遺体と暮らしていたのである。どこにも相談出来ず、どうしようもなかった、夫の死を受け入れられなかった、今思えば、早い段階でちゃんと病院に連れて行ってあげていればよかった、などと涙ながらに語っていた。おばちゃんのすごいところは、遺体と暮らしながらも毎日ちゃんとパート(梱包作業員)には休まず出ていたところ。そして働かない夫に代わって3年間ずっと働いていて、昼休みには車内に戻って夫と過ごしていた、夫婦は「ともに無縁墓地に入ろうね」などと言い合っていた、など、知れば知るほど切ない話。求刑は懲役1年と言われていたけど、判決が出るのはまだ先だけど、どうなるのやろう。死体遺棄っていうけど、おばちゃんは夫の遺体と暮らしていただけで、遺棄はしてないといえばしてないな〜。しかしこの事件、結構ショッキングな事件なのにわたしの知る限り普通に報道はされていなくって(阿曽山大噴火さんが翌日ラジオでしゃべっておられたぐらい)、こういう表に出てこない事件も毎日色んなところで起きてるのやなあと思うとなんとも胸が詰まる。今日もすごいものを見てしまった……と東京地裁を後にしました。しかしすっかり裁判傍聴にはまってしまった。来週も行くつもりだけど、お盆にも裁判ってやってるのかな?

8.9木
朝から普通に労働。仕事中、「北村さんですか?」とお客さんに声かけられ、なんと越後妻有でサンプルのお芝居に出たときのスタッフの青年M鍋くんであった! 越後妻有のときはまだスタッフ仕事デビューしたてって感じでうら若き寡黙な青年だった印象だけど、すっかり仕事ばりばり出来そうなハキハキした青年に成長しておられて、なんか勝手に感慨深くなった。そうか、ちょうど3年前、もう3年が経つのか〜。早い。仕事終わって、帰って明日配る新聞の原稿を書いていると、ゆうパックが届く。和歌山のるみたんから、可愛い桃ジュースが大量に届いた! 

8.10金
ああ、この夏は本当にきつい! 悪い知らせばかりで落ち込みまくりでもうこれ以上底ある? まだ底ある? って感じの、底辺を更新しまくっている日々。気分は最低だけど今日は円盤ワンマン。家で練習しながら、曲順を考える。新聞をコピーしにコンビニへ行く。今日はあつい。夕方ちょっと早めに出て、有楽町、パスポートセンターへ受け取りに行く。日比谷駅から有楽町へ行く地下道が一部ホームレスおっさん街になっていて、裸のおっさんが何人も地べたに寝ていてちょっと和む。パスポートセンターすごい人だったけど受け取りカウンターはそんなに混んでいなく、わりとするっとパスポートをゲット。わあい! 産まれてはじめてのパスポートや! 赤くて菊の門が入ってて可愛い手帳やね! JRで高円寺。時間つぶしに駅前の上島珈琲にいたら、Aさんとばったり会う。Aさんと会うのも5年ぶり? いや7年ぶりとか? もっとかも? お元気そうでよかった。円盤に入って軽くリハ。今日は店主T口さんは出張でご不在。8時から本番。今月もなんとか無事にこの月例ワンマンが出来てよかった。ふと、この月例ワンマンはわたしの生存確認ライブって感じだなと思った。わたしも自分で自分の生存を確認している感じ。1時間歌って、おしゃべりコーナーでは裁判傍聴の報告会。みなさん感心あるかわかりませんが、わたし自身はしゃべっててたのしかったので、来月もやろうと思います。

8.11土
朝起きて、ああ、また一日をはじめなければいけない、って毎日思う今日この頃。何もやる気がしないので、映画でも見に行こうと奮起し、話題の『カメラを止めるな!』をTOHOシネマズ上野へ見に行く。すごい、300人以上入るシアターが満席。特に有名人が出てるわけでもない、enbuゼミのワークショップからはじまった低予算映画なのに、そんな事情なんてなにもしらない人々にこんなに広がっていてこの盛り上がり。この現象はなかなか感動的だなあと思う。肝心の映画は、正直わたしの好みではなかったけど、確かにおもしろかったです。わたしはゾンビに萌えないし、みんなで頑張る系の青春には共感出来ない腐った人間なので、そこまで乗れなかったけど、でも映画の楽しさが詰まったハッピーな良い映画やな〜とは思いました。ひとり、役者さんが雨宮まみさんに似ていて、まみさんを思い出したりした。帰ってまみさんの本を読もう。映画館を出たら夕立に降られてめっちゃ濡れた。そしてサンダルが壊れた。色々ついてない。今年のわたしどこまであかんのやろう。和歌山のるみたんとメールしていたら急に会いたくなって泣きたくなってきた。わたしは弱い。

8.12日
朝から普通に労働。お盆休みらしいいそがしさ。帰り道、ぼんやりツイッターを見ていたら、ああやっぱり大阪行けばよかったな〜と後悔。今年の夏は本当に色々ミスってばっかり。自分で自分がいやになる。去年から人間関係色々しくじっていて、気づけば周りに誰もいなくなっていた。これはわたしの人格に問題があるとしか思えない。それは知ってた。今までみんな、こんな問題ある人間を色々目をつぶってやさしく受け止めてくれてただけなのやろう。だけど深く関われば嫌気がさしてくるものなのやろう。みんなごめん、生きててごめん。