7.30〜8.5日記

7.30月
朝からナックルズの原稿を仕上げて編集H川さんに送信。それから洗濯祭り。シーツも洗って干す。このところ暑いのでシーツはものの3時間ほどで乾いた。昼からI田さんと駅で待ち合わせ、一緒に渋谷へ。ロフト9に寄り、売り場の撤収。そう、ロフト9にはわたしとI田さんの棚があったのだけど、売れない&棚入れ替えのため7月中に撤収してください連絡が先日きたのである。1年半前に設置にきたとき以来、見てなかったのだけど、見てみると商品全般的に経年劣化が進んでおり、埃もかぶっているし、これは売れなくても仕方がないと納得。本気で売る気ならもっと売り場を定期的にそうじにくるなどするべきだったと反省。鞄に商品を詰めて撤収完了し、しばしベローチェでお茶をする。渋谷のベローチェはまだ喫煙席がちゃんと残っていてやさしい。夜はアップリンクで神蔵美子映画祭、『美子の部屋vol.2』。わたしも出演&音楽している神蔵さん処女作の劇映画『雪子の部屋』の上映と、神蔵さんのある意味ホラーなオルグ映画『ガールズトーク』、それから新作で原一男監督と末井昭さんが女装して熟女を演じる『続たまゆら』の3本立て。大きなスクリーンで自分の顔を見るというのはやっぱり慣れない、恥ずかしい、けど『雪子の部屋』は映画としてとても好きだなあと思う。ちょっとヘンテコで、笑えて、でもちゃんとカタルシスもある。ラストの美しさったらない。『ガールズトーク』は見るの二回目だったけど、更にテロップなどが凝っていて笑えた。正直、このガールにはわたし全く共感出来ないんだけど(なんというか種類が違う生き物って感じ)、神蔵さんの導き方がおもしろいから楽しめる、ホラー映画として。神蔵イズムオルグ映画。ラストは新作の『続たまゆら』こちらはわたし劇伴音楽を担当してるので、既に何度も拝見していたのだけど、ひとりで見ていたときは静かに見ていたのだけど、会場では爆笑につぐ爆笑って感じで、すごいみんな声だして笑っていて、みんなの反応がおもしろかった。でもスクリーンでみると、原監督と末井さんが女装してグラビア撮ったりしてるんやもん、そら笑うよね。原監督の女装っぷりはなかなかで、確かにああいうおばちゃん、いるよね! と思った。やっぱり映画監督なだけあって原監督はお芝居もお上手。あと神蔵さんの映画は絵が本当にどこを切っても綺麗。色彩も綺麗。さすが写真家だな〜と思う。思っていたのだけど、最後の原監督と神蔵さんのトークで、原さんがカメラワークを鋭く指摘しておられて、そうなんか! とはっとした。そして指摘された神蔵さんの反応もまたさすがアーティストって感じで負けておらず、ちょっとどきっとした瞬間やったけどいいものを見た感じ。終わってアップリンクのレストランで立食パーティ。なんかすごく豪華な面々が集っていたけれどわたしはああいう場での社交が全くできない質なので、隅っこでO野くんとひそひそ喋っていた。雪子の部屋でご一緒した女優小林麻子さんともひさしぶりに再会してお話。おなじく雪子の部屋でご一緒した俳優金子清文さんは会費集めに奔走しておられてその働きぷりが金子さんらしくておもしろかった。11時すぎにお開き。まっすぐ帰路。

7.31火
朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。仕事終わってメールを見たら、血の気が引くメールが届いていた。ずどーんと落ち込む。生きていく気力が失せた。これから何を希望に生きて行ったらいいのやろう。何もない。でも悪いのはわたし。ああ。ああ。ああ。

8.1水
朝から普通に労働。普通に振舞っているけど、メンタルは最底辺。今年の夏は低空飛行気味やったけど、完全に底まで落ちた。この1年、2年、3年ほどの色々を思い出して反省する。まあ、わたしが悪いなあと思う。恋愛ではないけど、恋愛のようなものやったのかもしれない。恋に破れたときのような淋しさと悲しさと恥ずかしさ。つらいけどひとりで生きていくしかない。もともとひとり、わたしはずーとひとりやったやないかって思い出す。相方が出来たからってそこに甘えてしまっていたわたしが悪い。やっぱり人に甘えるのは危ない。みんな、世間一般大人はどうやって生きてるのって疑問に思い出す。みんな誰かに上手に甘えてバランス取って生きてるのやろうけれど、わたしはそのバランス取りが本当に下手クソや。なんの希望もない。

8.2木
朝から北千住へマイナンバーカードを受け取りに行く。電車降りて、マルイの10階まで登って会場に行くも、書類を一個忘れたことが発覚し、とりに帰ることに。ガッデム。書類を揃えて再び会場。説明を受け、署名をし、顔認証の機械(!)で顔を認証されたりして無事受け取り完了。写真付き身分証が出来た。マイナンバーについて、色々賛否あるけど、みんななにをそんなに怒ってるのやろうって、わたしはアホやのでその理由もよくわからない。ナンバリングされてるってことに刑務所みたいって怒ってるの? まあええや。マイナンバーカードを持って、今度ははるばる有楽町、パスポートセンターというところに初めて行った。そう、パスポートを作るのであーる。わたしは生まれてこの方33年間一度も外国へ行ったことがなく、よってパスポートも所有してなかったのだけど、この度パスポートが必要になったので(注:外国に行く予定はありません)えいやっとパスポートセンターに来たんである。用紙に記入し、整理券をもらって待つ。パスポートセンターは混む混むと聞いていたのだけど、1時間半くらいの待ちで済んだ。待つのは病院で慣れてるので、1時間半くらいなら余裕余裕。順番が来て、書類を渡し、それでは一週間後に取りに来てください、お金はそのときに支払ってくださいといわれて終了。意外とあっけなく終わった。12時頃に終わり、有楽町だし、はまの屋パーラーへ。ここはフルーツサンドが有名な可愛い喫茶店。初めてきたけど広さも、店内の感じも程よくて気に入る。フルーツ野菜サンドとコーヒーを頼む。テーブルに星占いのオモチャが置いてあった。10分くらいでコーヒーとサンドイッチ到着。フルーツサンド、可愛い。今までわたしフルーツサンドをおいしいと思ったことなかったのだけど、りんごがしゃりっとしておいしかった。ここ数日メンタル最底辺で食欲もなかったけど、可愛いものなら食べられる。そして食べたら元気が出た。単純な人間である。ごちそうさまして、元気が出たので、よし、裁判の傍聴に行ってみよう! と決心。炎天下、てくてく歩いて、日比谷公園を抜けて、霞ヶ関の東京地方裁判所へ行く。入口、わたしみたいな完全なる部外が入って怒られないかびびりつつ入る、ゲートで荷物点検を受ける。あっさり入れてしまった。どきどきしながら、エントランスのタッチパネルボードで本日の裁判のメニューを見る、時間と、場所と、罪状が書いてある。刑事事件の新件のものを探して、時間割を立てる。結果、3本の裁判を見たのだけど、すごかった。つまんない映画見るよりよっぽどドラマチックで感動した。ちょっとここには書ききれないから、なんか別の形で書きます。ちょっとだけ書くと、期待してなかった「常習累犯窃盗」という罪状の、賽銭泥棒のおじいさんの裁判があほらしすぎて笑えた。おじいさんは証言台でずっと「蛇の命令でお金を取れといわれたから盗った。蛇の命令には逆らえない」ってゆってるの。検察官も弁護士も裁判官も呆れてるん。あとベタな「覚醒剤取締法違反」で、49歳の前科5犯のおっさんの裁判で、証人として中学時代の担任の先生が出てきて「いじめられっこを助けるなどして正義感が強くまっすぐな子なんです」とか証言しだしたのはなかなか泣けた。せやけどこのおっさん、前科5犯で、それもシンナーとか恐喝とかで過去に何度も捕まってる。他人の裁判みて感情移入するなんてことないやろうと思ってたけど、わたし気づいたらこのおっさんに結構感情移入してて、おっさんはもう生きるのがしんどくて自殺ばかり考えてしまって、そんなときにシャブに出会って、そしたらすごく前向きになれて、それからやめられなくなっちゃったってさ、うわ〜このおっさんの気持ちはわかる気がするなって思ってなんかしんみりしてしまった。裁判って、その被告人の生い立ちから全部説明してくれるんよね、だからどんどん引き込まれて、気づいたら感情移入して聞いちゃってる自分がいる。わたしがもしも何かやらかしてしまって、法廷のあちら側へ行ってしまったとして、そしたら誰か証人になってくれる人なんているんやろうか?とか考えてしまった。そういえば、わたしは満席で入れなかった法廷に、傍聴芸人として有名なかの阿曽山大噴火さんが普通にいらっしゃった。ほんまにいるやん! てなった。簡単なあらましはそんな感じ。すごく色々興味深かったので詳しくは別の形でリポートを書こうと思います。とりあえず円盤ワンマンで毎月配ってる新聞で書こうかな。

8.3金
朝、出勤前に家の中でゴキブリを発見。不覚にも殺し逃す。ついに我が家にもゴキブリが出てしまってショック。たぶん窓あけっぱなしで(網戸は穴あいている)寝てるから入ってきたのでしょう。それから普通に労働。朝イチからお客さん2組に立て続けて顔バレ。未だにアウトデラックスのこと覚えてくれてはる人おるんやな〜。テレビのちからってすごい。労働後、最寄りのメガネ屋さんに寄ってわたしの視力の度数を調べてもらう。メガネ買わなかったのに親切にしてくれた。ホウ酸団子を買って帰宅し、即設置。夜は考え事。考え事をしていても今のわたしはどんどん悲観的になっていきあかん。はあ。夜、非通知から着信で不審に思いながら出たらおばあちゃんだった。おばあちゃん、なんと入院しているとのことで、病院の公衆電話からの電話であった。心配ないからというけど心配。でもあの家にいるよりは病院にいる方がある意味安心なんかもしれない。

8.4土
夜中に睡眠薬を追加で飲んだので身体がだるくて眠気がぬけず一日中ぼーっと過ごしてしまった。出来るなら一日眠って過ごしたい。松本創『軌道』を読む。

福知山線脱線事故のルポ。被害者家族の戦いの日々の記録。事件の内容もかなり緻密に取材して分析されていて、わたしのオツムではついてきけない部分もあったけど、被害者家族に寄り添った文章は結構ぐっとくる。この事件、思ってた以上に闇が深い。夕方、ピアノの練習をしようとピアノ椅子に座ろうとしたら見事に椅子から転げ落ち、お尻と腰と肘を強打。どんくさい。色々とやる気をなくしてふて寝。

8.5日
朝、通勤中の電車で、髪の毛を綺麗なお団子に結ったバレリーナ少女ふたりを見かける。大きな袋を抱えて乗ってきており、あの袋の中にはきっと衣装が入っているのでしょう。そして彼女たちは今日、どこかでバレエの発表会がるのでしょう。夏休み、お盆前といえばバレエの発表会シーズン。なんだか面映ゆい気持ちになる。毎年この時期になると、無性にバレエの発表会を見に行きたくなる。でも昨今の発表会って、意外と部外者は入場できなかったりするのでかなわない。職場の更衣室で鏡を見ると、己の髪の毛のすさまじい白髪にびびる。今週一気に増えた気がする、いや確実に増えた。わたしの身体ってわかりやすい。そろそろ本気で白髪染めをどうにかせねばならない。あー。