4.2〜8日記

4.2月
こたつ及び石油ストーブなどを仕舞い、コートやセーターも仕舞う。もう桜もだいぶ散ったしね。北村直販をはじめることにしたので、朝告知をツイッターに流す。そしたらありがたいことに早速ぱらぱらと注文が入り、内職内職内職。内職はいいのだけど、北村直販は超原始的なシステムなので、お客様に口座に振り込んでいただいて、それを確認しに銀行へ通帳記入しにいって、確認出来次第発送しに郵便局に行く、という流れなので、日に何度も通帳記入しに銀行いかねばならない。まあ、銀行まで徒歩3分くらいなんですが、それでも結構面倒くさい。ネットで確認したりも出来るのか? あと郵便局が平日9〜17時までしかやってないというのも困りもの。とはいえ、極貧の北村なので少しでもこうやって買っていただけるというのは本当にありがたい、ありがたさしかない。ということで、北村早樹子ビニ本写真集『ひとりで脱げるもん』絶賛発売中です! 北村直販ご希望の方はkitamurasakiko.info@gmail.comまでメールください☆

4.3火
朝から普通に労働。後、夜は渋谷のロフト9へ末井昭さん神蔵美子さんのトークイベントを見に行った。末井さんの著作や神蔵さんの著作を読んでいるだけでも十分わかることなんだけど、改めて素晴らしいご夫婦だなあって羨ましくなる。後半は神蔵さんの新作短編映画『ガールズトーク』の上映。テロップ芸がたいへん愉快でたのしい映画。途中から突如始まる、神蔵さんの、姿は映らない音声だけでのオルグがおもしろかった。そう、オルグ! 神蔵さんはおはなししていてもいつも思うんだけど、オルグ力がすごい。ものすごいパワーがある。のだけど、神蔵さんの写真集『たまもの』『たまきはる』を見て読んでいたら、こちらの中での神蔵さんはとても迷っていて、悩んでいて、湿っていて、オルグしておられる神蔵さんとは別人のよう。人は迷うということを、突き詰めた先に、あの圧倒的パワーのオルグがあるから怖いんだと思う。会場、知ってる人がたくさんいたのでみんなとおしゃべりも出来て楽しかった。帰り道、神蔵さんの映画『雪子の部屋』でご一緒した女優のK林A子さんと一緒に帰り、某話題でたいへん盛り上がり、駅の改札前で立ち話。勇気をもらった。A子さん大好きやー。

4.4水
北村直販業務に勤しむ。サインして袋につめて、一筆書いて、封筒住所書いて、という作業はやりだすとハマっちゃう。そう、わたしは単純作業が好き。今までやった中でいちばん向いてるなと思ったバイトはシール貼り。南砂町へ通った日々を懐かしく思う。銀行で記帳していると、10万ちかく引き落とされていて、なんで!? と焦って調べたところ、なんのことはない、印刷屋さんから写真集の印刷代が引き落とされていただけやった。もう払ったつもりになってたのに盲点やった! 今月の財政が一気に切迫。泣。夜は読書。花房観音さんの新刊『恋塚』読了。最後の短編「懸想文」というのがめちゃめちゃ切なくて泣いてしまった。花房さんはセックスを描いたら日本一な作家さんなのは周知の事実なんやけど、この短編はセックスが出来なかった男女の話。
―――セックスしてしまうと、何かがはじまりますが、はじまるということは、終わりが見えてくるということでもあります。あなたは私にとって、とても大切でかけがえのない人だから、私は何よりもそれが怖かった。セックスで得られる快楽以上にです。

恋塚 (講談社文庫)

恋塚 (講談社文庫)

4.5木
午前中から区役所。保険証が変わるので諸々手続き。新年度はじめだからか、窓口色んな人が犇めいていて、待ちながら会話を聞いてたらなかなかおもしろい。というか、区役所の窓口のお仕事ってたいへんやなあと思う。耳の遠いおじいちゃんおばあちゃんや、外人さんなどが多く、窓口のおばさんは殆ど看護婦さんかヘルパーさんみたいな口調になっている。なかなか待ったけど、無事保険証をゲッツ出来て一安心。夕方から両国へ。I田さんに北斎美術館のチケットをもらったので見に行った。平日なのに大繁盛していた。わたしは絵心も皆無なんだけど、絵を鑑賞する能力も殆ど持ち合わせていない人間なので、正直美術館とかで絵を見るのってどうやって見たらいいかわからない。とはいえ、面白いなあと思う絵もいくつかあった。北斎美人画ということになっているけど、正直、今の時代にあの美人画の女の人おったら、絶対ドブスの烙印を押されることでしょう。全員しゃくれだし、目めっちゃちっこいし。あと北斎の描く子どもの絵がどれもおっさんにしか見えないのもおもしろかった。海岸で潮干狩りをしている絵で、子どもたち半裸で尻剥きだしで潮干狩りしてるんだけど、お尻の肉付きや足の肉付きがまじでおっさんで、そして顔面も完全におっさん。あれ、わざとかな〜。夜は仕事終わりのI田さんと両国でのーみー&大阪ワンマンの打ち合わせ。二軒目に行った、カフェテリアニューストンとってお店がすごい絶妙な可愛さで最高やった。お客、わたしらしかいなかった&店主と思しきおじさん、奥のテーブルで寝てたけど。帰り道雨が降っていて、洗濯干してきたのに台無し、チーン。

4.6金
朝から労働。勤務中、知り合いのライターさんがふたりコンビで来て、有名漫画家さんまできた! 漫画の会議はこのように行われるのか〜と知った。上がってマッハで帰路。そして夜は足立区でI島Y一さん、I丸G章さん、I田さん、わたしでもつ焼き屋で飲んだ。前前からI島さんとI丸さんがお互い会いたがっていて、足立区へも来たがってくれていたのが、この度実現。おふたりともお肉がお似合いなのでもつ焼きの足立の名店を予約。わたしまるで幹事みたいじゃね? みんなでもつ焼きをたらふく食べた。色々実現したらいいな〜ていうおもしろい計画が持ち上がった。ま、酒の席でのそういう計画って信じない方がいいのか? わたしは素面なのでそういう場のノリ的なのがあんまりわからない。もつ焼き屋のあと、I島さんがカラオケに行きたいというので近くのカラオケへ。カラオケは得意じゃないのでだまっていようと思っていたら、I田さんが華原朋ちゃんのI'm proudを入れてくれちゃって歌う。なんか、いつの間にかこの歌わたしの十八番になってるんじゃんね。I丸さんとI田さんがスナックソングをデュエットしていた。こうゆうとき、歌たくさん知ってたらデュエットしたり楽しめるのになあと思う。わたしはスナックソングはおろか、一般常識的な歌さえほとんど知らない……。カラオケを出て駅でおふたりを見送り帰宅。楽しい春の夜だった。

4.7土
ホルモンを食べた翌日はなんかお肌がしっとりしている。普段は全身かっさかさなので。さて今日は大岡山でライブの日。足立区から大岡山、なかなか遠い。そして町並みが全然違う。走ってる車も全然違う。住宅街の駐車場、大岡山はお洒落な形の外車、足立区はHINO。4時入りでほかの皆さんと顔合わせ。わたしは人見知りモード全開。はしっこで小さくなって本を読んで出番を待つ。リハ終わり、居たたまれなくなって会場を出て、駅前のマクドに入って100円のコーヒーで温まる。この町は適当な安いコーヒー屋もなさげ。本番はわたしは一発目。モニタースピーカーからずっとガリガリというでかめのノイズが鳴っていて気が散って歌いづらかった。わたしの次の出番の方は、ライブ中にそれをPAさんに伝えていた。そうか、ああいうときはライブ中断してPAさんにいえばいいのか。しかしわたしはライブ中最後までMCもしない歌をばしばし畳みかけるスタイルなので、そういうPA注文とかはライブ中にしたくないタイプ。今回のイベント、わたしだけ部外者感満載だったけど、わたし以外はみんな仲良し和気藹々な感じで、親子ユニットさんもいたりして、ほっこりアットホームイベントだった。そういうところに行くと全部ぶっ壊したくなる。しかしみなさんええ人だったので喧嘩を売るつもりはない。誰も悪くないのになんともいえない灰色な気持ちが充満してもやもやしながら帰宅。

4.8日
昼から下北のスズナリで、糸あやつり人形劇『高丘親王航海記』を見に行く。演劇用の劇場で、人形劇って?と思っていたのだけど、これが色々すごかった! あやつり人形でこんなことが出来るのか! という技術的な意味合いだけでも十分見せられてしまったし、澁澤龍彦原作の『高丘親王航海記』で、澁澤オマージュがちゃんと端々にあって、ベルメール球体関節人形的な見せ場もあったり、あと結構笑かしてもくれて、人形劇でこんなことが出来るのか! となかなか見ごたえのある作品だった。てゆっても人形やん、て気もするけど、すべて人力で人間が動かしている、というところがなかなかエモく感じるポイントで、ここまで人形に心を吹き込めるってまじですごいって思った。たまの知久さんがナレーションをしてらして、知久さんと澁澤龍彦の関係なんかを勝手に考えたら更にぐっときて、たいへん好みのいいお芝居だった。夕方から高円寺へ移動してとある飲み会。きよ香といういい雰囲気の沖縄料理屋さん。ひさしぶりにM下Kさんに会えてうれしかった。しかし今日は寒かった。桜も散ったし春になったのかと思ったらまだまだ寒いやないけ。