11.6〜12日記

11.6月
辛酸なめ子さんとSUGERさんがホストをつとめられているネット番組『あまから秘宝館』の収録のため、六本木のミッドタウンにある某社内にあるスタジオへ。ミッドタウン。広い。迷う。そもそもミッドタウンに足を踏み入れたのははじめてなのだけど、お買い物の建物と、オフィスが入ってるタワーが別棟って感じで、とにかく23階にいかないといけないらしいのやが、そんな高いところへいけるエレベータがない。結局インホメーションのおねえさんに聞く。せきゅりてーがかなりしっかりしていて、あらかじめスタッフさんから暗証番号を教えられていて、それを機械に打ち込んだら切符みたいなバーコードのついた札が出てきて、ほんとに駅みたいな改札口があってそこでバーコードをかざしてオフィス棟へ侵入。エレベータは高速で21階までいくノンストップのがあって、一瞬で21階についたけど耳がちゅんちゅんして三半規管がしばらくおかしくなった。なんとか23階のオフィスへ到着。スタッフさんを発見し、テーブルへ案内してもらい、辛酸なめ子さんともご挨拶。SUGERさんもちょっと遅れて到着。丸テーブルでみんなで今日の進行などの打ちあわせをし、スタジオの方へ。囲いの中にセットが組まれていて、本当に番組感がしっかりある。テレビみたい! 前半と後半20分ずつくらいと聞いていたのに、ついつい盛り上がって長く話過ぎてしまったかもしれない。それくらい楽しくもりあがった。後半はSUGERさんがわたしのパーソナルをホロスコープでみて分析していくのだけど、わたしは基本、占いやスピリチュアル信じてませーんて人間なのだけど、分析されてみると、なんか結構言い当てられていて、ほほうとなった。わたしはなんか、小児病棟にずっといて道化に扮して傷ついた子どもたちをあやしている、みたいなことを言われてしまった。なんか、ちょっと当たってるやん。そして占星術的にみるとわたしはスターになるかサイコパスになるかどっちかや、みたいなことをいわれ、これまた、ほほーという感じ。そして極め付けが、わたしは嘘を許さない閻魔様だといわれ、そう! 当たってるー! と思った。大人になると、嘘をついてうまいこと処世をしていかねばならんことが多々あるのだけど、わたしはそれがどうにも出来ず、たとえそのことによって輪を乱したり関係が悪くなるんやとしても、どうしても真実をつきつけたくなるという病気で、この病気によって、人間関係で多々失敗しておる。が、それが悪いとも思っていないところがある。そうか、わたしは閻魔様やったのか! すごく納得してしまった。収録終わりに、お上品なお弁当を出していただき、みんなで丸テーブルを囲んで談笑しながら食べた。2本撮りのわたしは1本目で、2本目のゲストさんもいらしてて、その方は発明家さんらしく、見た目は目力の強い尖がった男前のお兄さんだったけど、投げキッスを確実に相手に届けるために投げキッスを数式化したりしているという、すごいへんてこな活動(褒めている)をしてらしゃる方やった。その投げキッスの数式が書いてあるポストカードを帰りがけにくれた。ものっそい難しそうな数式で見たこともない記号がたくさん載っていた。お弁当を食べ終えて、ありがとうございましたってことで、わたしの任務は終了。またミッドタウンの下界に降りて行くとそこは、ギロッポンの夜。都営地下鉄で浅草に出て、夜は若林美保さんのお芝居を見に行った。若林美保さんは、ライブハウスでのパホーマンス、本物のストリップ、そして今回劇場でのお芝居と、3つの若林美保さんを見たけれど、どこで何をしていても間違いなく若林美保さんで、とにかく肉体から漲る魅力、身体の美しさ、所作の美しさ、踊りの美しさが他と比べるものがないレベルで素敵で終始それに釘付けだった。11月末に川崎ロック座でまたストリップがあるからぜひ見に行こうと思った。

11.7火
病院デー。先月も書いた気がするけど、ガガさまのおかげですごく病院が繁盛するようになってしまい、めっちゃ待った。でも先月発見したクランケ同士のカップルが今日もいたので、その会話を盗み聞きして楽しんだ。女性の方が重度で杖で歩いておられてお辛そうなのだけど、女性は、たぶんわたしとおなじ年くらいかな、アラサーで結構美人さん。そしてお洒落さん。今日もショッキングピンクのロングスカートを着こなしておられた。男性の方がまだ病気は軽度ぽく、年齢はおなじくらいかもうちょっと上かな、だけど激しくマザコン臭と童貞臭がする人で、おかあさんが車でつれてきてくれているらしく、お会計の時も「ちょっと車にいる母親からお金をもらってきます」とか言ってて、あらら〜という感じ、だけどそれぞれ家庭は色々あるしね。女性の方は杖で歩かなきゃいけないくらいお辛い感じだのに、横浜から電車で通ってるらしく、男性はなんとか母親の車に女性を乗せて連れて帰りたいモードでアピールしているのだけど、女性は結構しっかりしていて、丁重にお断りしておられ、そういうぎこちないやりとりをみていると待ち時間が長い苛々もちょっとは減った。結局処方箋もらっておくすりもらい終わったらもう18時前で、病院は虎ノ門にあるので、17時18時くらいは提示で帰られるお勤め人の帰宅ラッシュなので嫌なのだけど、仕方なく巻き込まれて帰宅。夜は飯田さんがうちへきて、IKAZUGOKEの練習をした。セリフあわせから、通し練習まで一通り2時間くらい集中してやった。今日から毎日練習なので、21時前くらいにぱきっと終了して、飯田さんは帰って行かれた。とにかくわたしはセリフがまだ入ってないから、明日までに覚えねばといつも引っかかる一部分をボイスメモに録音してループして念仏の様に聞きながら寝た。

11.8水
朝から労働デー。8時間立ち仕事の労働がどんどん身体的にきつくなってきている。後半は膝痛がぎんぎんで、屈伸運動をしてごまかしながら労働。労働終わり、足立区に帰ってきて、今日も飯田さんとIKAZUGKE特訓!セリフはそこそこ入ってきたので動きながら通して、マイクの使い方とかを考えながらやった。あと喧嘩の所作の練習をまじめに考えながらやったりした。よくよく考えるとかなりばかばかしいことをしかしすごくまじめにやっているのでござる。今日も2時間ぐらいつめて練習して、健全に解散。やっぱり毎日練習するって大事やなあと実感。

11.9木
昼に飯田さんが我が家に来て、まずは100均へ買い出し。小道具をつくるのである。丁度いいものが見つかったので買って、我が家に戻り、飯田画伯が菊の門などを描いてくれて立派なヤンキーグッズが出来上がった! それからひなぎくになるようの被り物も段ボールで作ってきてくれて、早速被る。そうそう! これこれ、こういうのがしたかってん! と気に入る。我ながら似合う。たぶんわたし、かぶりもの似合う。にわとりとかひなぎくとか。今日は特殊段ボール装置も組み立てて、練習。夕方までみっちり練習して、解散。しっかり練習して飲みには流れず健全に解散。珍しくお互いストイックになっている(気持ちがね)夜、先日収録したネット番組の放送があったのでひとりで家で見た。自分の白髪の多さにショックを受けた。既に完全なるごま塩ではないか。でも番組内容は面白いと思うので、たぶんアーカイブでここから見れるはず→https://uranaitv.jp/

11.10金
昼に飯田さんが我が家にきて、最終練習。かなり固まった! やぱり毎日コツコツが大事である。しかし飯田さんが発明したこの超特殊段ボール紙芝居セットはかなり組み立て&梱包がむずかしくて大変。ガラガラに括りつけていてもだいぶ移動がたいへん。わたしもわたしで今日はCDとTシャツや物販をトランクにぎゅう詰めにしてるのでかなり重い。大荷物のへんな二人組、すっぴんで渋谷へ出てサラヴァ東京へ。セッティングをPAさんに説明してリハをやりかけていたら本日のゲスト宮崎吐夢さんと河井克夫さんもいらしゃる。きっかけリハとピアノと歌のリハなどをやって、克夫さん吐夢さんと交代。克夫さん吐夢さんはオリジナル下ネタ琉球民謡芸を披露してくださった。歌詞のあまりのひどさに爆笑。やっぱりゲストをこのおふたりにお願いしてよかった。わたしが物販や予約リストなどを準備したりしている間に、飯田さんは例の超特殊紙芝居セットを組み立てていた。途中でナックルズクルーの方がいらっしゃり、カメラのことなど相談。憧れのナックルズが取材で入ってくださるんである! いつもライブの時はそうだけど、そわそわしてるのもあるけど準備にドタバタしてるうちに本番になってしまう。今日もそうであった。あっというまに開場でーすとなり、楽屋でお化粧などしていたら、上原善広さんが差し入れもってきてくださった。ライブに来てくださるだけでうれしいのに、差し入れまで! 感激。そうこうしてたら本番。楽屋で克夫さん吐夢さんの下ネタ琉球音頭を聴き爆笑しつつ、スタンバイ。本番は、ちょっとした事件もあったけど、なんとか出来た。練習のときには出てこないようなアドリブセリフなんかも、わたしお客さんがいると出てきちゃうみたいで、ということは伸び伸び出来ている証拠なわけやけど、IKAZUGOKEは本当にやりたいことを伸び伸び出来ているので、やってて楽しい。悪ノリしすぎかものぎりぎりアウトラインを探ってるようなタブーなネタ満載だけど、お客さんとても温かくって、いっぱい笑ってくれてうれしかった。今日は客席がとても豪華で、コメントを寄せてくださった方々がだいたい来てくださってて、石丸元章さんも、鈴木智彦さんも、末井さんも神蔵さんも、あと点線面の方にコメントくださってた参助さん羽生生さん柳家小春さんなどなどなど、お世話になった方が一同に会していて、最後ちゃんとひとりずつとしゃべれなくて残念だったけど、本当にありがとうございました、というかお客様全員に、本当にありがとうございましたの気持ちが大きい。お客さん、くるかなあ、30人、いや、50人は来てもらわないと赤字だよ、とかって心配していたのだけど、結果ぎゅうぎゅうなくらいたくさん入ってくださって、物販もたくさん買ってくださり、本当にいいレコ発ギグになった気持ちです。これはお客さん、克夫さん吐夢さん、スタッフさん、そして相方飯田さん、みなさまのおかげ様様です。生きててよかったて思うことなんて殆どないけど、生きててよかったって、セリフでもあったけど本当に生きててよかった。関わってくださったみなみなさま本当にありがとうございました。終わったあと、ちょっとした事件があったのだけど、そんなことより、いいイベントになったからとにかくよかった。わけあって、飯田さんとは別々に帰ったのだけど、1時半くらいに足立区でまた集合して、魚民で打ち上げ。気づいたらかなりおなかがすいていたのでモリモリ食べた。4時頃まで喋って解散。ああ、生きててよかったと改めて噛みしめつつ、眠り薬をばきばきにキメて寝た。だけど6時には目が覚めてしまった。

11.11土
昼はだらだらと、ナックルズを読んだり、わたしたちが大特集してくれている雑誌『点線面』を読んだり、あとはノートに手書きのわらびすこ舎経理ノートをつけて、あと何枚売れば制作費が回収できるのかを考えたりした。まだ遠い道のりだけど、でも先が見えてきた。昨日物販でお求めくださったみなさまのおかげです。夕方から憧れのヤクザライターS木T彦さんと北千住でごはんを食べた。まだ17時なのに大繁盛の「千住の永見」という大衆酒場で飲んで、その後喫茶マイウェイでお茶して、最終的にはデニーズであんみつを食べた。ここには書けないけど色んなお話をした。いちばん喧嘩のときに効き目がある秘策を教えてもらった。それは頭突き! 頭突きって、不眠のときにもよく効くとN釜さんに教えてもらったし、ほんとに万能なんですね。不眠の話と小人現象の話でも盛り上がった。やはし、こういったお仕事されていると不眠症はつきものなのか、S木さんも眠剤ユーザーであった。しかも正気を失いたいときはそれをお酒であおるとおっしゃってて、あーわかるーて感じやった。しかしS木さんの小人現象は可愛くて、奥様へのお弁当を作ったつもりやのに、弁当箱にかぼすをぼんぼんとまんま入れてそれだけで包んで、奥様は会社で弁当広げたらかぼすが二個はいててドン引きした、というほっこりするお話を聞いたりした。それからS木さんがツイッターで時々やらはる尻時計についても、とてもグっとくるイイ裏話をお聞きした。こうやって著作を持っている好きな作家さんが、自分の音楽に関心を持ってくれて、一緒にごはんまで食べておしゃべりしてくださるって、本当に幸せなことやなあと思う。生きててよかったなあと思う。早い時間からお会いしたので、22時前には健全にさようならした。とてもたのしく幸せな時間やった。

11.12日
ひさしぶりに何もない日。いや、細々と家でやることはあるし、本当には合唱の日だったのだけど、朝から恵比寿までいく気力がなく、そして合唱についても思うところがあったのでH代さんにメールしてお休みした。レコ発レコ発と結構色んな意味でプレッシャー的なやつを、これでも感じていたから、やっとちょっと気が抜けたけど、だけどすぐに来週は円盤の月例ソロワンマンあるし、19日はバブーシュカで金田アツ子さんの個展に寄せたワンマンがあるから、気を抜いている場合でもない。ところで都営住宅の冊子を先日貰いに行って来て、ぼんやり物件を見てたけど、根本的にわたしには申し込める資格がないことが発覚。単身者は60歳以上でないと入れないのやと! こんな低所得者でよくわからん難病人でも、障碍者手帳があるわけじゃないから何の効力もなくって、配偶者もしくは配偶者になる見込みのある人とふたりでとかなら申し込み資格が突然浮上するのやけど、単身だとダメなのやって。がーん。結局国も誰も助けてはくれないZE☆ 自力でなんとか稼いで生きていくしかないZE☆ なのでここを読んでる、なんかしらの媒体の方、当方執筆仕事を心の底から求めております。締め切りは絶対守るし、正直原稿書くの、はやいです! 公式サイトによりぬきエッセイがあるので、それを読んでもらえたら、だいたいどんな文を書く人間かわかっていただけるとおもいます。http://kitamurasakiko.net/ お仕事ください!(切実)