10.31〜11.6日記

10.31月
早朝から何度も小説を読み返してはちょこちょこ手直しして印刷。ついに小説が書きあがる! めでたい! なんやかんやゆうて計画的に余裕持って書いてたつもりがぎりぎり滑り込みセーフになってしまった。今日は締め切り日なので、高円寺のT口さんのもとへ持っていく。I田さんとも合流し、三者で装丁の打ち合わせ。この本はもう形状から見たことがないすごい形やし(T口さんが長年あっためてきた渾身の企画らしい)、中身もI田さんとわたしでなかなか結構おもしろいものが書けた気がしています。はやく出来上がったものを手に取ってページめくって読みたい。T口さんとの打ち合わせを終えて、I田さんとふたり、高円寺で小説書けました打ち上げ。足立区帰ってもいいけどたまにはこっちでって感じになって、高架下のねじり鉢巻きの可愛いおじいさんがやっている大衆酒場へ。いや〜あのシーン最高やったね、いやいやそっちのあの描写もすばらしかった、みたいにお互い褒めっこしながら飲む。I田さんが電子タバコというやつを持っていて、今までI田さんはわかばを愛煙してたのに、そんなオモチャみたいなんで満足できるん? てゆってたら案の定わかばが吸いたくなったらしく途中で買いに行っていた。I田さん、電子タバコの煙をわざわざ片っぽの鼻からビューンと出すのが癖になってるみたいでおもしろかった。3時間ぐらい楽しく飲んでいたのやけど、そんへんから隣の席の一人で飲んでたよっぱらいおっさんに絡まれる。呂律まわってないから何ゆってるかわからんし、でもどうやら「女がタバコはよくない」的な説教と、「君たち、アパレル系?」みたいなことをゆってきてたのは確認。アパレル系て! そんなんはじめてゆわれたし、だいたい我らのような恰好をしてる女がアパレル系なわけないではないか! よっぱらいおじさん、帰らないし、だんだんめんどくさくなってきたので我らが先に立って帰路。 足立区でもう一軒ぐらい行きたい気もしたけど、わたしも明日朝から労働なので今日はちょいはやいけどこのへんでって感じでわかれた。ま、でも明後日も会うからね☆

11.1火
早朝から普通に労働。昨日で小説が書きあがってその達成感と開放感ですがすがしい気持ち。いや、でも書いてる間もすごくずっと楽しくて何のストレスもなかったけれど。でも締め切りにおったてられてる感じはやっぱりそわそわして落ち着かない。から本もあんまり読めなかったけど、もう今日からはだらだら本読んでオッケーやしうきうきの気持ち。帰りに紀伊國屋によると、ロマン優光さんの新刊が出ていてパラ読みしたらおもしろそうやったので購入。早速読み始める。ロマンさんはものすごくクレバーなお方なんやと実感。自虐もふくめつつ、めちゃくちゃ実名でディスったりもするけどそれもちゃんと論理立てて実証していくのですごい説得力ある、尚且つ誰にでも読みよい文体で書かれている! そうそう、わかる〜って部分いっぱいあったけど、こじらせ女子について書いてる章が特にすごくよかった。サブカル広しといえど、ある層の方々をわたしは脊椎反射的に苦手で受け付けなくて、その理由もこれ読んだら一瞬でわかった! いい本でした。

11.2水
お昼からI田さんが我が家へきて、今週は4日にIKAZUGOKEライブ、6日に母親教室と2回もご一緒するライブがあるのでその打ち合わせ&ちょっと練習。それから小説のタイトル会議。I田さんが「○○の季節」って言いだして、わたしが何故か「裸の季節」と言ってしまい、そこからヘアヌード写真集のタイトルみたいなのばっかり出てきてふたりで爆笑。「裸の季節」→「裸のランチ」って読んだことある?(バロウズのやつ。ふたりとも未読やった)→「秘密の花園」(唐十郎パクりすぎる却下)→「秘密の裸」笑→「裸の秘密」笑→で、結局何になったのかはまだ秘密ですが、いいタイトルになった! ところで怖い夢みてさーとI田さんが話だし、I田さんは今朝がた、完全に自分の家の中で鍵もも閉めてるのに知らない人がどんどん部屋に入ってきちゃうという怖い夢を見たらしく、実はわたしも今朝がた金縛りにあった話をする。わたし、超絶不眠症なので一回1時間しか持続睡眠できひんから、夢もほぼ見ないし金縛りとかもほぼ遭ったことないのやけど、今朝は思いっきり、布団の上に人間の女の人に乗ってこられて、手で押さえつけられてる生々しい感触がいまだに蘇る気持ち悪さやって、ちょっと同じタイミングでこのいや〜な現象。もしかしてわたしたち、小説でやばいことを書いてしまったからやろうか。何か触れてはいけない禁忌に触れてしまったのかもしれない。こわい。まじでこわい。銀座へ出勤のI田さんを送り出し、わたしはだらだら夜を過ごして寝た。

11.3木
普通に労働。電車の時間が変やなあとおもたら今日は祝日。労働先についたら、わたしが入った頃に支配人的なポジションやって当時結構お世話になったおじいさんが新聞読んでて、ひさしぶりに会ってちょっとおしゃべり。病気の話から、何故か都営住宅の話になり、戸山ハイツの入居をすすめられる。なんかコネクション的なのがあるらしく紹介できるよ的なことを言われる。戸山ハイツ、2DKぐらいあって家賃2万台らしい。すごい。でも赤旗新聞をとらなあかんらしい。ん? 戸山ハイツてなんか聞いたことある名前やな〜とおもてググったら、その筋では結構有名な心霊スポットやないか! すぐ側の戸山公園が731部隊事件の現場やとかもあって結構怖い場所。しかも赤旗新聞とらなあかんとかそれ、ガチ共産党やん! しかしなんでそんなとこにコネがあるのやろうか? 労働先は祝日らしく激混みで疲労困憊、夕方までひいこら働いて帰りに、明後日バンドのアー写の撮影を急遽やることこなったのでそれのロケハン。一個目の候補やった公園は立地的にも絵的にも微妙やったのでやめて、たまたま通りかかった小さい児童遊園に決める。ここはライオンの乗り物があったので運命感じてここに決定。暗いけど一応アイホンで写真とって、当日カメラマンしてくれるI川R夫さんにメール。しかし仕事中から関節が痛くてだんだん右耳の奥の頭が痛くなり始めてて、関節は持病でもとから痛いけどいつも以上に痛くて、ちょっと体調の雲行きがあやしい。明日から3連ちゃんライブやのに。

11.4金
昨日から耳と頭と関節痛くて、喉まで痛くなってきたので、なんでもすぐ病院行くわたしは朝から近所の病院へ。ここは汚い雑居ビルで壁1枚隔てた隣は雀荘、待合室内いたるところに「禁煙!」と書かれていて、しかし壁は明らかにヤニで黄ばんでるし貼ってるポスター類もヤニで黄ばんでる。さすが足立区。前に来たときはお医者さんはおじいさんやったけど、2代目に変わったのか若い人やった。でもシステムは旧式のままでまだパソコンが導入されてないぽくて、人力手書きのカルテを書いてはった。そして薬も処方箋持って薬局方式じゃなく、その場で引き出しから出してくる旧式スタイル。でも診察とお薬あわせても1020円やった。これなら市販の風邪薬買うより安いよね。お薬飲んで準備して、ザギンに出発。今日はIKAZUGOKEライブ。銀座のソニービルという駅の真ん前にある立派なビルの1フロアが本屋さんになってて、そこにイベントスペースがあり、色んな雑誌の編集長とかが仕切ってイベントを企画してて、我らはちょっと前に取材してもらったヴィレッジヴァンガードマガジンの副編集長高橋さんの企画で呼んでもらった。この本屋自体、下北のB&Bの姉妹店なので、他の日のイベントは基本、どこぞの編集長とか編集者とか作家さんとかがトークする感じで、ライブものは今日ぐらいらしい。なので機材的に結構無茶をやる感じ。リハでマイク使ってみたら、デスボイスにしかならない。ラップのカラオケを流したらノイズミュージックにしかならない。色々試してみてがんばったけど、スピーカー的にもうそうなってしまうらしい。I田さんと悩みに悩んで、よしゃ今日はもうナマ声で行くか! となり、そんなこんなでラップも、あのようにアカペラで人力でリズムをとるアフリカンスタイルになりました。色々お聴きずらいところが多々あるライブになってしまいましたが、まあそういう日もあるね。実験的なことをやるとこういう目に遭いがちです。でもシステム問題で動揺して、他の部分がよぼよぼになってしまったのでその辺は反省。対バンやった瀧川鯉八さんの落語もおもしろかった。人間は褒めるところがないときに声を褒める説、わたしも時々言われるので、あ〜あるあるって思った。落語家さんって、きっとお客さんにちゃんと伝わるように話すから、ものすごく口調がスローで、間もしっかりとるし、そういうところも勉強になった。しかしわたしは完全に風邪でお喉がやばくなってきたのに明日も明後日もライブなので、打ち上がらずまっすく帰った。

11.5土
昼イチに赤坂の一ツ木児童遊園に集合。今日は大バンドのアー写を撮影するんである。カメラマンは市川力夫さん。滑り台を使ったりライオンの乗り物乗ったり、全員グラサンかけたりして色々たのしく撮影。30分くらいで終わったので、みんなで中華屋さんにごはん食べに行った。満腹でライブハウスに入って、15時からリハ。全曲通しでリハをやったら結構喉を使ってしまって冷や冷や。ちゃんと本番に温存しておかないといけません。対バンのミラーボールズさんとも6月ぶりの再会。今日はミラーボールズのレコード発売記念ってことで、そのレコードが件のH澤氏のレーベルからリリースなわけやから、ちゃんとレーベル主として来るのが当たり前やろって感じやのに、本番はじまってもまだ来ていない。きっとわたしに会うと気まずいから逃げているのでしょう。むかっ。でもわたしのライブ中にそろそろって入ってきているんが歌いながらみえた。まあ、来たのでよしとしよう。我らのライブは、喉の調子を気にしながらではあったけど、まあでも楽しく1時間歌えた。続いてミラーボールズさんのライブも楽しく拝聴。「偶然パンツが脱げ〜た〜」って曲がとても印象的で頭から離れない。終わって、H澤氏が壁の端っこの方に逃げて逃げて隠れようとしてるので、わたしの方から「おひさしぶりですね〜!」と話しかける。す、すごく逃げられている。わたしがいない間に売れた物販の売り上げを渡されて会話終了。帰りも、ライブ終わったらそそくさと消えて行った。大バンドのメンバーは挨拶すらしてもらえんかったと言っており、もう、そういうところがわたしの怒りを増幅させるんでありますよ、H澤氏! まあ、もう今更いいけどさ! むしゃくしゃ。わたしも風邪どっぷり最中なので怒る元気もなし。見に来てくれた、役者のK子さんとデザイナーO野くんとしばしおしゃべり。テーマは高樹沙耶。たのしかった。見に来てくれたみなさん、ありがとうございました。次回、大バンドでのライブは1月9日に東高円寺UFOCLUBの21周年企画で、たまの知久寿焼さんとツーマンです。これはたのしみ! 今から予定あけておいてね☆

11.6日
飯田さんから昨晩送られてきたコントの台本を読む読む。今回は結構長尺のコント、というか寸劇。夕方から阿佐ヶ谷、よるのひるねへ。今日は飯田さんとの定期企画『母親教室』の日。ゲストのは歌人枡野浩一さん。軽くコントの読み合わせをして、枡野さんは天使の役なので飯田さんが段ボールの羽根(わたしがニワトリさんにやってたときの羽根と一緒)を持って来てて、枡野さんにつけたら、あら可愛い♡ 今日は日曜なのでいつもよりはやく18時半スタート。まずは飯田さんがよるひる映研で作った映画「家族」。これは5年前に撮られたやつらしく、枡野さん主役なのやけど、今の枡野さんと比べても全然年取ってなくっておかわりない。そのあと飯田さんの紙芝居をみて、3人でコント。枡野さんがハーモニカを吹きながら天使をやってくれて、とてもたのしかった。その後、枡野さんのひとりコント。これは枡野さんが職質を受けたときの警官とのやりとりが元ネタらしい。すごく笑った。でもこの、職質に遭った時の枡野さんの対応、なんか身に覚えがあるなあと思ったら、わたしが痴漢に遭ったときの応対とかなり似ていた! その後のトークでも色々と枡野さんとわたしは似ていることが多々あり、例えばプライベートのことを原稿に(あるいは歌に)書きすぎて、相手に嫌がられたり、家族と雲行きあやしくなったりするってこともおんなじやし、嘘がつけないところも似ている。わたしは、たとえそれが倫理的に間違っていたり不道徳なことであったとしても、本当のことをちゃんと暴きたい欲望が強くて、なんとない嘘でお茶を濁す的なことがいちばん嫌いで、それは枡野さんのご本を読んでいても、あ〜わかるわかるそれ〜! ってなる連続やったけど、実際トークしてみてもすごくしみじみ感じた。でも、家族というものをうまくやっていくには上手に嘘とお付き合いしていかないとあかんわけで、それが出来ない我らのような正直者は童貞臭いんや! という結論になった気がする。コントの中のセリフで「わたしは人生の童貞なのかもしれないわ」てところがあって、これまさに〜て感じやった。枡野さんは、トークを上手に引っ張って盛り上げて、ちゃんと伏線を回収してまとめるってところまでやってくださって、すごく頼れるお兄さんやった。我らに対する的確なアドバイスまでしてくださって、ほんまに色んな意味で超勉強になった。人生の先輩という感じ。個人的に、これまでの「母親教室」の中でいちばんたのしかった。