1.30 〜2.5日記

1.30月
なんかすごく良い天気であたたかい。昼から自転車ころがしてI田さんちへ行く。まずはふたりでひいこら内職。我らのコントDVDですが、あれ手作りなのでブックレット(とは名ばかりの文章が載った紙切れ)を折り込んで入れ込んで、盤面にマッキーでタイトルを書いて、というのを自分たちでやっていて、今日は200枚分ほど作った。で、そのあと母親教室でお披露目する新コントを相談しながら作る。I田さんがすごいおもしろい設定を発案してくれて、純喫茶SMショウをやることになった。普段はわたしはなんとなくいつもM役側になりがちですが、今回はわたしがS役! ふたりで身近にいるモヤモヤ苛々する対象をノートに書きだしていって、それらのワードを使ってこてんぱんに言葉責めします。結構おもしろいコントになったのではないかな! それから新曲ラップの練習。今回の曲は振付がしっかりあるので、ふたりともひいひい息切らしながら踊って歌った。いい運動になった。運動したあとはお勉強の時間。お勉強? というか今週の母親教室では今までのようにだらだら雑談ではなく、しっかり日本史と照らし合わせながら、なぜ我らがこのような出来栄えに育ったかということを検証しいくはじめての試み。ところでI田さんは打ち合わせしながらのメモがすごい上手! 手際よく高速でメモっていくI田さんを見てすげーと漏らしたら、これは塾教育の賜物ですね〜とのことでした。わたしは塾に行かなかったたちなのですがあのスキルは身につけたかった。途中から家飲みしながら、夜までずっとしっかり打ち合わせして帰宅。
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1.31火
朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。

2.1水
飯田さんと共著の小説『裸の村』の文字校正ゲラをねっとり読みまくって赤ペン入れ。我ながら、なかなかおもしろい小説に仕上がったぜって気がしている。別件で某誌の連載のゲラ戻しの件で、ちょっとひと悶着。わたしはたとえ相手が友人知人であれど、仕事のやりとりの場合はわざと仕事っぽくやりとりするようにしてて、何故ならこれまでにも友人知人の延長で遊びののりでやりとりしていたら全部がなし崩し的になあなあになっていき、仕事をしてくれなくなっていったしょっぱい記憶があるからで、今回の悶着もだんだんそんな予感だったのでこれはいかん流れやど! とちょっといじわるかもしれんけど釘を刺そうと試みた、糠に釘になってなければいいのやけど。夜はコントのセリフ覚えに精を出す。

2.2木
朝から病院デー。いつものように血を注射器4本分抜かれ、おなかに高級お注射を打ってもらったりしていたのやけど、わたしのお気に入りの看護婦さん、今日ひさしぶりに見たら、名札の苗字が変わってて、白髪がものすごく増えていた! どうしたんやろ急に! 離婚して気苦労が?! もしくは結婚して気苦労が?! どっちかわからへんけどこんな短期間にあんな髪真っ白なるのはなかなかや。と勝手に余計な心配をする。診察終わって会計待ってたら、「受付終了5分前なのに、もう終了の札をだしてるけど、どういうことだ!」と言っておっさんが殴り込みに来た! えええー! 見たところ太り気味のサラリーマン風情のスーツのおっさんやねんけど、すごい剣幕でずっとダダ捏ねていて、おかげで受付&会計業務が全ストップして、みなさんで謝罪劇をはじめたので、結果的にものすごーく待たされた。無駄に待たされた。病院終わって大量のお薬も受け取った、今日は夕方から銀座でちょっと某オーディションにお声かけてもらって伺うので、いったん足立区帰るのもめんどいから、この近辺の喫茶店でも行って時間つぶそ、とまずは病院近くの喫茶ヘッケルン。ここはキュートなおじいちゃんマスターとおばちゃんがやってる小さい喫茶店で、手作りプリンが有名。コーヒーとプリンのセット注文。手作りプリン、ほんとに素朴な、茶わん蒸しぽい卵感のプリンでおいしかった。コーヒーもおじいちゃんが一杯ずつサイフォンで入れてくれてとってもおいしい。カウンターでプリン食べてコーヒー飲んで、読書でもしよと思ってたけど、結構繁盛してて混んできたのであんまり長居せずに早めに出た。そうそう、このお店、壁に「寝ないでください」とマジックで書いた黄ばんだ画用紙が貼ってあって、トイレにも「きれいにね✿」ってマジックで可愛く書いてあった、こういう感じ好きやわ〜っと和んだ。虎ノ門から新橋の方へ歩き、新橋駅前ビルの地下にあるパーラーキムラヤという喫茶店へ。ここはわたしが東京でいちばん好きかもしれない喫茶店。椅子も赤くてかわいいし、メニューも豊富でデザートも大きさもお値段も手ごろでね、いいお店。昔Rちゃんが汐留に住んでたときによくここで待ち合わせてだらだら長時間居座ってお茶していた思い出の喫茶店。Rちゃんは結婚して西へ嫁いでしまったのでしばらく会っていません。元気かな。さっきプリン食べちゃったから今日はアイスコーヒーだけ頼んで、夕方までコントのセリフ覚えたり、オーディションのセリフ覚えたりした。夕方から銀座の某所へ、ちょっと厳重な守秘義務があるので詳細は全く書けないのやけど、某企画のオーディション。去年末もオーディション的なやつ伺ったけどそのときは他の人と出くわさなかったのであんまりオーディション感なかったけど、今回は大部屋に何人もかわいこちゃんたちが待機してて、順番に呼ばれて隣室でカメラと監督さんの前でオーディション、て感じで、なんかこういう環境にくるのはじめてなのでどきどき。というか、わたし以外、こう、なんというかいかにもタレントさんや女優さんやモデルさんちっくな、小顔で華奢な美人さんばっかりで、わたしひとりちんちくりん不細工が紛れ込んでてちょっとウワーンて感じの気持ちになった。オーディション自体はわりと楽しく終了。終わって夜は駒場東大前、アゴラ劇場へ、K井さんに連れてっていただいて庭劇団ペニノの『ダークマスター』を見た!いや〜ヘンテコなお芝居やった。開場して客席、すでにもう匂いがすごい、劇場ではなくって、ごはん屋さんの匂い、たぶん油の匂いがぷんぷんしている。ステージには台所のセットがあって、お芝居が始まるとそこでまじで役者さんが料理をしまくるんである! 火を使って鍋を振って、時にはフランベまでして、オムライス、ナポリタン、ヒレステーキ、コロッケ定食、肉野菜炒め定食、なんかが本当に作られて、役者さんがまじで食べる。それから客席、一人片耳ずつみんなイヤホンが配られており、それを装着して観劇すると、耳からダークマスターの指令が聞こえてくるシステム。なんか所謂普通の演劇の概念はぶっつぶされているような状態で、なんともヘンテコな体験やった。終わって、打ち上げにお邪魔させていただいて、初演時のお話きいてたら、K井さんはこの『ダークマスター』の初演時ダークマスターに任命されてマスターをやる役をしてらしたのやけど、初演時はもっとすごくて14品目も料理しないとあかんくて、おかげでフライパンを両手で振るというテクが身についたらしい。ほんで演劇といえどほんまにそんだけ料理するので、仕込みがまじで本物の洋食屋ばりで、開場の4時間前に入って、自らキャベツ切ったり仕込んでらしたそう。すごい! マスターは耳からのダークマスターの指令を聞き、カメラで動きもずっと監視されている設定なのやけど、これ、実はわたし自分の労働時の体制と一緒やんってあとあと気が付いた。労働中はインカムを耳につけてて、下の階の店長や社員からの指令が聞こえてくるし(マイクもついてるから逆にこちらから指令も送れるのやけど)、防犯カメラでわたしの動きはどこかで監視されているシステムやし、結構一緒やん! とか思った。おはなし伺ってたら、ペニノ主催タニノクロウさんは脚本ていうのをちゃんと書くようになったのは最近らしく、初演時は料理の順番とかの段取りがズラーと書かれた紙だけ渡されて稽古はじまって、セリフなどは口頭で伝えらえて決まっていくという作り方をされるらしく、そそそそんな演劇があるのか! と色々目から鱗な感じやった。32歳にして、また新たなおもしろいものを知りました。ペニノ、これからも見たい。

2.3金
朝から普通に労働。わたしはたいへん影響されやすい人間なので、インカムをつけると早速ダークマスターごっこがやりたくて仕方がなくなり、しかしそんなんが通じる相手なんて労働先にいるわけがないので歯がゆい思い。厨房内で働いてるときなんかは、勝手にマスターになった気になって妄想に浸ったりしてニヤニヤしながら働いた(注:周囲に怪しまれない範囲です)。労働も、ちょっと観点を変えると途端に愉快になるものです。労働終わって帰宅し、夜は明日の母親教室のコントの練習をひとりで家でやった。

2.4土
昼に飯田さんが我が家にやってきて、新作コント「純喫茶SMショウ」の練習。何故かいじめられたり何かとM役になることが多いわたしですが、今回はS役で、飯田さんを縛ってコテンパンに言葉責めしまくるのやけど、やってみると楽しくて、新たな快感が芽生えかける。しかしわたしが大阪弁でサディスティックに言葉責めしまくると、女王様というよりミナミの帝王な響きになってしまって、これはどうなのやろう? というか大阪弁ていうものがたぶん、女王様には向いてないと思う。大阪弁コッテコテで言葉責めするとどうしても柄悪いアウトローみたいに聞こえるのです。大阪には難波秘密クラブという有名なSMクラブがあるのやけど、あそこの女王様は果たして大阪弁コテコテでやってはるのやろうか? とか気になりだした。コントと新作ラップの練習もして、トークも打ち合わせもして電車に揺られてよるのひるね入り。到着すると店主かどちゃんがドヤ顔で座っておられ、そう、お気づきの方がいらしたかどうかわかりませんが、よるのひるね、ちょっと綺麗になったのです。かどちゃんは掃除婦をやとって時々掃除してるみたいで、それから異臭問題も改善するべくハッカを振ったりしてるそう。確かにちょっと綺麗になったかもね☆ 今回はお客様少な目やったので、客席もぎゅう詰めでしんどい感じじゃなくわりとゆったり見ていただけたのではないかな。もう8回目になるこの母親教室、今回は飯田さんとわたしたちの祖母の代からのエピソードと時代時代の事件などを照らし合わせた年表を飯田さんが作ってくれて、母親→子への脈々と継がれる何かしらを検証したり実験的なスタイルでお届けしました。終わってふたりで足立区に帰り、打ち上げと称して白木屋で反省会。そう、真面目な我らは結構いつも、今日はどうやったのやろうか……と反省会をしている。2時半くらいまでおしゃべりして、明日もライブなので早めに帰宅。

2.5日
昼に飯田さんが来訪。本日のライブのコント部分を通し稽古的なのをする。ラップもギンギンでやる。今日は楽しいライブになりそうである。雨が心配ddやったけどぎりぎり持ちこたえてくれて、ふたりで神保町。コントの立ち位置などを決めてリハ。ラップはぶいぶいでやりたいので音なども入念気味にリハ。対バンのひさつねあゆみさんがいらして、ひさつねさんはテレビモニターやらファミコン? みたいなレトロなゲーム機器とかをいっぱい持ってきてらして、何をやりはるんやろ! リハ終わり、近所にある我らがベローチェでお茶しながらセリフ合わせ。そろそろ開演って時間に試聴室戻ると、すごいお客さんぎゅうぎゅうにおる!しかも酔っ払いの感じのお客さんが多い模様。ひさつねさんもライブ中にがんがんお客さんに突っ込まれてて大変そうやったけど、切り返しも上手やった。しかしパフォーマンスはアバンギャルドすぎてわたしはちょっと???て感じやった。のやけどでもなんか、色々考えた。我らIKAZUGOKEまずは飯田さんの紙芝居、「虹川虻子」や「ポケモンGOに捧ぐ」それから「富士山」。飯田さんがはじめて作った紙芝居らしいけで、もう何度目か拝見してるけど、観客黙らせて引き込むパワーがすごくて、さっきまで突っ込みいれてきてたチャチャ入れてくる酔っ払いたちも次第に黙ってゆき、その光景がかっこよくて感動した。その後わたしのソロをちょっと歌って、ふたりでコント。広い場所でコントやるのはやっぱり楽しいし、ラップもがんがんに踊れてゴキゲンだった。物販もまあまあ売れた! ありがたい! 向かいの中華屋さんで、本日カメラマンしてくださったS井さんと、見に来てくれたU崎さんと4人で軽く打ち上げ。そして足立区に帰ってまたまた昨日とおなじ白木屋で4時過ぎまで飲んだ。