2.8〜2.14日記

2.8月
某雑誌のインタビューで、わたしの家に取材に来たいとおっしゃってくれたので朝からちょちょっと部屋を掃除。準備満タンでライターさんとカメラマンさんを待つ。おひるすぎに駅におふたりを迎えに行く。凄まじく長い髪の毛&髭の、ものすごい強烈ないでたちの方がおるなあとおもっていたら、その方が今日のカメラマンのO原R太郎さんやった。ライターさんのO田部Jさんも到着し、いったん家に荷物を置いてから近所で撮影。拘置所の方へ行く。カメラマンR太郎さんが拘置所の景色を見て感動してくれていて、なんか勝手に誇らしいような気持ちになった。どや!かっこいいやろ! って、拘置所はけしてわたしの所有物でもなんでもないのやけど、なんやろねこの気持ち。お外での撮影を終え、今度は家の中でもちょっと撮影して、そのあとインタビュー。我が家のこたつで、ライターさんとふたりで結構長い時間色々話した。どんな風な記事になるのかたのしみ。しかし話してて衝撃を受けたのが、ライターさんもカメラマンさんもわたしより断然年下の20代やったということ! ひえ〜! 若い男をふたりも連れ込んでわたし何してるねんって構図やった。夕方に帰って行かれ、わたしも夜は都会へ出て、メルマガ編集してくださっているM井さんと、某雑誌編集者のK島さんと、小料理屋のようなところで会食。焼き鳥とかが、一本ずつ焼いて順番にコース料理みたいに出て来る高級なお店で緊張した。しかしおはなしはゲスの極みで、政界や出版界の超大物たちの香ばしい話を聞いたりなんかして興奮した。おいしいごはんと危険な話をたらふくごちそうになった。

2.9火
普通に労働。後、12日のインストアライブ用のリハをするべく、夜はリハーサルスタジオへ。バンドマンたちが犇めく、所謂リハーサルスタジオなる場所に行くのは東京来てからはじめてかも? て感じで、ロビーですでにちょっとぐったりする。バンドに、音楽に、巨大な夢を映して信じている若者たちのパワーが吹き溜まっていて、申し訳ないけどオエーーーッて感じがしてしまった(失礼)キーボードのE本さんが来て、バイオリンのO田さんも来て、時間になって部屋へ。はじめてのバンド練習って感じで非常に緊張。統率する人がおらず、というかわたしが統率せねばならないので、しどろもどろながらもがんばって進行。みんなはじめましての音出しなのでさぐりさぐりやけど、2時間終わる頃にはなんとなく良い感じの絵が見えてきたかな。しかし2時間歌いっぱなしというのは結構過酷なミッションで喉も、あと腹筋背筋も疲れてるっていうのが自分でわかっちゃう感じ(そもそもの腹筋背筋がわたしほぼ皆無のノー筋肉人間なので……)バンド練習というのは部活の(しかも運動部)ようなものかもしれない。あのスタジオ全体に充満する青春感とかも、すごい青臭く汗臭くてそれでいてかっこつけちゃってる自意識の集合体、あー部活感っとか思いながらスタジオを出て帰路。しかし8時間労働後にこの部活というのは結構きつい。病の方が。膝がもう曲がらないのでびっこ状態で帰宅。あー一日がんばった。

2.10水
体調が悪い。もうここ数週間そうやけど、痛い痛い病がかなりきつくて頼みの綱のお薬があんまり効いていない気がする。そして身体が超疲れている。大学病院の日。いきしな電車で爆睡してしまい大幅に寝過し、大学病院特有の、予約時間の15分前には自動受付を通らないとあかんという掟をやぶってしまったのやけど予約時間には間に合ったから別に誰にもなにもいわれず、あれーこんなもんなんかと拍子抜けする。診察終わって、お会計200人待ちといういつもの儀式をなんとか乗り越え帰路。そして今日は夕方から、はるばる足立区にO田さんとYさんが飲みに来るということで飯田さんに誘ってもらって、いつもの我ら行きつけの飲み屋へ。もう入口からO田さんもYさんもその飲み屋の最高の佇まいに感動してくれていてうれしい。Yさんとはちゃんとおはなしするのはじめてなのでわたしやや人見知りモードのまま終わった感やった。なんか、ある程度打ち解けて安心して話せる間柄でないと、飲みの場でなにを話したらいいかって悩んでしまって難しいなーと改めて思った。そうか、わたしはこの1年で、心許せるたのしくておもしろい酔っ払いという人に2人ほどやけど奇跡的に巡り合ったおかげで、飲みの場というのが嫌いではなくなったつもりになっていたけど、それはその2人が特別やっただけで、やっぱり基本的には飲み会って気を遣ってしまってむずかしい。というのはわたしが一滴も飲めない下戸でひとり全くのシラフなせいやろうな。

2.11木
労働。祝日やので過酷、おまけに体調もすこぶる悪くて身体だけじゃなく頭痛もがんがんで参った。お熱あるんかな〜と思って帰ってお熱はかったけど安定の35度台やった。もう持病だけでじゅうぶん、風邪までは絶対ひきたくない!

2.12金
タワレコインストアの日。朝からせっせと小道具の仕込み。ライブの演奏以外でこういうことをやりたくなっちゃうのはお芝居の影響なんかな。しかし仕込みながらも何度か気絶していた。そう、またここにきて気絶癖も復活している。突然視界がブラックアウトして顔面から机に倒れるあれ。いややー。小道具やなんやを持って夕方、まずはリハーサルスタジオへ、E本さんO田さんと最終練習。本番までに体力を温存するためにちょっとはやめに切り上げて、みんなでタワレコへ向かう。7階のイベントスペース、ブリッジのI木さんがいて、まだ前の時間帯にインストアしていた謎の男性アイドルたちがサイン会してて控室もまだ入れないということで廊下で待つ。H澤氏も到着して、そこで信じられない事実が発覚。なんとPAはいませんといわれる。しかも、「当然いません、用意してませんけどなにか?」的な顔をされ、「いやいや弾き語りならまだしも、メンバーもいるこの編成で初ライブなんやで無理でしょ!」と猛抗議すると「僕がやります」といわれる。あかんあかん、申し訳ないけど誰よりも信用できひんわ、どうするねんってなってたら、N村Pが見に来るとのことで、N村Pに助けてもらうことに。なんとか助かった。しかし相変わらずの段取りの悪さというかテキトーさでまたわたしは苛苛苛。ステージで音のチェックなどしてリハ。なんともいつもと違う不思議な緊張感。一旦控室にもどって準備するおすぐ時間になって呼ばれる。バンドっぽく、手を合わせてエイエイオーをしてからいざ出陣。最初にちょっとひとりで小芝居をして、それから小バンドで4曲演奏した。わたしひとりのときは怖くてお客さんの顔みられへんのやけど、なんかなんでか今日はお客さんの顔をガン見していた。ガン見出来ていた。のはあれかな、インストアって照明ないから客席まる見えやから、いやでも見えちゃうからかな。歌いながら通りがかりの外人と目が合ったら、指でグーってポーズされた、ことまでしっかり見えちゃっていた。おかげさまでたくさんの方が来てくださって、サイン会も並んでくださって、本当にありがとうございました。

2.13土
昨日の疲れなのか寝転がったポーズから立ち上がれない。薬も切れて身体も痛いから起き上がってお薬飲みに行きたいのに、完全にフリーズしてしまってあかん。寝転がってツイッター見ていたら、そうや岸野さんの『正しい数の数え方』観に行けるとしたら今日ぐらいやんっと気づいてがばっと起き上がって準備。外に出たら家の中と違って外はぽかぽかでピクニックでもしたいような気候、乃木坂でおりて国立新美術館、はじめていったのやけど、めっちゃ賑わってて外人がいっぱいおって狼狽える。アートな祭典なのは認識してたけど、なんか、こんなでっかい規模のやつとは思ってなかった。14時から整理券配布とのことで、ちょうどくらいに行ったけど中で迷子になってしまい、3分くらい過ぎて到着したらもう立ち見券しかないとのこと。それでもいいやと思って整理券もらって、ふらふらしてたら岸野さんお見かけしたので少しおはなしさせてもらって感激。一時間あるから散歩しようと外に出る。も、外はただの港区の景色で、こじゃれたごはんやさんばっかりでコンビニや自販機すら近くには見当たらず、うわ〜てなって戻ってきて、結局美術館の中のベンチで、台本ひらいてセリフ覚えをやった。時間になって劇場の方へ戻る。すごい大盛況な感じ。子どもから外人まで、敷地の外にもずらーっと立ち見の列が出来ている。おっぺけぺーとはじまった『正しい数の数え方』映像や人形劇やミュージカルや、色んな要素が絶妙なセンスでまざってて、そういう技術面でもすごいんやろうけど、わたしは単純に1時間完全にあっち側に連れてってくれる、しっかり夢中にさせてくれる劇ってことで立ち見のしんどさ身体の痛さも忘れて超楽しんでいた。岸野さんは1時間ずっと歌って踊ってほぼひとり芝居、本当にお元気やな〜と思った。しかもこれ毎日2週間以上ずっとやってはるんやで。すさまじいパワー。元気をもらって帰宅。しかしまた部屋に帰ってベッドに倒れるとそこからフリーズして動けなくなってしまった。色々今後のバンドのことでも考えないかんことや連絡しなあかんことありまくりやのに、セリフ覚えやってしなあかんのに、なんでこんなに元気がでないのか。ちーん。

2.14日
朝からずっと台本とにらめっこ。全然覚えられない。焦る焦る焦る。夕方からいつもの下北の稽古場。入ると全然知らない若い少年がいて、部屋間違ったかな?とびびるも、なんとC子せんせいの演出助手の少年やとのことやった。いつの間にそんな少年が! 21歳とのことやった、若い。今日は最初にC子せんせいとの不思議な運動をやった。運動? 踊り? コンタクトインプロヴィゼーションというやつらしく、手をかざしあって、互いのパワーを感じ合って即興で動いていくのやけど、わたしの苦手領域なやつでむずかしくてちょっと困ってしまった。でもそれをやったことによって、後半、お芝居の動きが格段にやりやすく、動きやすくなったというか、舞台上での動きの原理がちょっとわかった感じ。2章のところまではなんとか覚えれてきたけど(それでもプロンプ頼りやけど)まだまだ先は長いなあて感じ。がんばらねばあかん。