8.17〜23日記

8.17月
新宿の某所で労働。昼過ぎにTの編集長K山さんが現れて、あれっもう復帰したの?てゆわれて、そうなんすーとちょっと喋った。その他は特におもしろ事件はなし。労働終わって夕方、自転車をとりに四ツ木という駅まで行く。そう、ぱくられたとおもっていた自転車はただの撤去でお知らせハガキが来たのである。ファック!だってわたしなくなった当日に、自転車集積所調べて電話したのやど!そしたら向こうのおっさん、今日はその辺で撤去作業やってないからここにあるはずない、て言いよったんやど!嘘こけ!やっぱりあったんやないか!て怒っててもしゃあないので、乗り換え乗り換えで京成四ツ木駅。足立区と葛飾区の境目ほんの数メートルの違いで葛飾区域で撤去されてしもたがためにまたどえらい辺鄙な遠いとこまで取りに行く羽目に。降り立ったらここもまた結構治安わるそうで干からびたどんよりタウン。川沿いを歩いて集積所。シルバー人材センター系じじいにハガキ渡して罰金3000円と引き換えにチャリを取り戻す。でもこのチャリは思い出の大事なチャリやったので帰ってきてうれしい。結構家まで遠くて40分くらいかかったけど雨上がりの道を久しぶりの自転車にまたがって走るのはきもちよかった。

8.18火
労働。本日も特におもしろ事件はなし。終わって渋谷のユーロスペースへ、『野火』を観に行く。出演者みんな顔黒塗り状態やので、しばらくだれがだれか全然わからない。中村達也は最後のエンドロールまでわからんかった。死体とか肉片とかの生々しさもなかなかやったけど、あの干からびたウンコにしか見えない芋をごちそうと捉えてる感じが、すごいリアリティやな〜て思った。あと画的にはずっと暗くて気色が悪い映像が続く映画なのやけどどんな壮絶なシーンでも音、音楽やなくて森の中の自然音だけはずっと美しくて、虫の声鳥の声がすごい印象的で、わたしは勝手に妻有の竜ヶ窪の森にみんなで入ったときのこと思い出してて、景色は全然違うけど生き物が発している音そのものは変わらないのやな〜て思ったりした。あと12年前当時大学の同じ学科の同級生やった青木くんて人を思い出して、青木くんは社会人を経てやっぱり文学を学びたいと思って会社を辞めて大学に入り直した人で、だから確か年齢も10個くらい上やったのやけど、授業への意気込みがすごく、どの授業も毎回最前列センターの席をキープしててめっちゃ勉強家で、わたし学科に友達全然いなかったのやけどこの青木くんだけは何故か時々喋ってて、二回ぐらい飲みに行ったような記憶で、彼はアツい文学論や小説家になりたい旨や、果敢にも飛田新地に人生学びに何度か足を踏み入れてる話なんかをしてくれて、当時の学科の同級には貴重な話せる人やって、そうそうライブにも見に来てくれたこともあって、でも卒業後全く会うことも連絡とることもなく思い出すこともなかったのやけど、確か彼はこの原作大岡昇平『野火』についてもアツく語っていたなあって思い出した。そんなこんなで上映中ずっと余計なこと思い出して物思いに耽ってたのであんまり映画自体に入り込めていなかったということでしょう。しかしユーロスペース寒すぎた。毛布借りてぐるぐる巻きになってみてたけどそれでも寒かった。でもまわり見たら寒そうな人なんか全然いなくて、あれ、わたしの身体の問題なんかな?

8.19水
家で宿題の文章を書いて一個提出。あとは妹と1時間半ぐらい電話した。姉は心配している。昨日思い出した、学生時代の同級生青木くん、今何してんやろな〜て久しぶりにネットストーキングしてみたらフェイスブックを発見、あんなにアツい文学青年やったのに今は大阪のイタリアンレストランで働きながら良いパパやって幸せな家庭築いてるリア充になっていた。子供の写真ばっかりアップしてて、なんかすごく残念な気持ちになった。もう小説書いてないんかな。夜、飯田華子ちゃんから明後日の母親教室でやるコントの台本が送られてきて、がんばって覚える覚える覚える。設定が卑屈な太鼓持ちの主婦で、セリフが江戸っ子口調なので慣れず結構苦戦するも、これは相当おもしろいコントになる予感なのでがんばりたい。

8.20木
労働後、今月でやめる子の送別会に参加。なんか如何にも女子会とかするんやろな〜的な個室居酒屋で15人ぐらい集結して結構みんなきゃっきゃと騒いでて、しかしわたしはどうにもこうにもノリが掴めず、しかも店内がとにかく極寒で全身死体のように冷え切ってしまい、生きた心地がしなかった。文化圏が違いすぎる人とは下ネタぐらいしか出来へんやんか、他に共通の話題もないし、でもそれも出来へん空気やともうお手上げです。みんな何のはなししてたんやろ。楽しげなでかい声が聞こえてたのは確かなのやけど全然覚えてないたぶん脳みそまで入ってきてなかったんやろう。

8.21金
朝からコントのセリフ覚え&ラップ覚えなどしつつ、昼から飯田華子ちゃんが我が家に来訪。一緒にコントの練習。隣も上も住人出払ってるので、ヤリマンとかおさせです〜とか腹上死とかセックスしようとかおまんことか、タブーワード満載のセリフを白昼堂々ふたりで叫ぶ。阿佐ヶ谷までの1時間ほどの電車乗車時間もずっと小声でセリフの掛け合いの練習。到着してリハなどしつつ、本番。客席、本気のお芝居畑の方が数名来てくださってたのでいつもの5割増しで緊張したけどぶじコントもラップもシャンソンも出来て、課題図書太宰の斜陽を踏まえての母親についての考察をトーク。終盤、お客さんから出た話で、戦後すぐの家庭内に影響を及ぼしていた天皇信仰の絶大さに仰天した。終わって、見に来てくださっていたK組のK井さんと劇団SのM井さんと、C絵ちゃんと、K井さん行き着けの飲み屋に連れてってもらう。妻有から帰って三週間ぶりに、K井さんM井さんと会えてうれしかった&ほんとにお芝居終わったあともこうやって見に来て下さるって感激やった。わたしは本当に人を信用していない人間なので、見に行くよっていってくれても、口だけなんちゃうかなって心のどこかで思ってて、それはまあ実際口だけの人と結構な頻度で出会ってきたからなんやけど、このおふたりは信用できる方やなあってしみじみ思った、てゆうかなんてあたたかい人なのやろうか!わたしの好きなお菓子までさしいれてくれるし!K組の壮絶な話などを聞いたり妻有の思い出話などしたりして、1時すぎに店を出てふたりとお別れして、もう終電はないのでC絵ちゃんに連れられて飯田さんと3人で南阿佐ヶ谷の方のバーへ行き、朝まで所謂女子っぽい話、というか母親教室の延長な感じの話をしまくった。C絵ちゃんとすんごくひさしぶりに喋ったけど、改めてその女っぷりというのか、女としてエンジョイしまくりの私生活を聞いて、自分との違いに驚いた。母親教室でも話したけど、わたしと飯田さんはわりと全男性さまに等しく分け隔てなく、わたし如きに勃起してくださってありがとうございます、て思ってしまうタイプで、でも、わたしなんかの何十倍も女としてエンジョイしてらしゃるご様子のC絵ちゃんは、嫌だわ勃起なんかされちゃった男は狼ね怖いって思うらしく、なんやろこの違いって思った。C絵ちゃんのドリーミーな結婚願望を聞いたりしてたら朝。3人で地下鉄で朝帰り。しかし自分と真逆な感覚の人の話はおもしろい。

8.22土
朝帰りで家ついたら7時前で、さすがに疲れてるから寝れるやろうとおもったけど全然眠気が訪れない、お薬飲んでも1時間で目覚めてでも身体はしんどいし脳みそも動かないので家でひっくり返っていた。しかししつこく繰り返すようやけど今年の夏は全然暑くない。家で全然クーラーいらない。台所の床がきもちよくって最近もっぱら家でのデフォルトスタイルは台所の床にゴロン。そういえばちっちゃい頃、夏休みおばあちゃんの家に泊まりに行ってたとき、おばあちゃんちの台所の床がお気に入りでよく転がってた。おばあちゃんはハイパー綺麗好きでいつも隅々まで掃除が行き届いた家やったのやけど、台所の床にごろんしたら目線がちょうど冷蔵庫の下の隙間に行って、黒い粒が落ちててなんやろっと思って手つっこんでつまんだら虫!? てなってでもよくみたらスイカの種やった、ていうどうでもいいことを思い出した。夕方からやっと脳みそ動き出して、宿題に取り組む。夜、仕上げて先方に送り、来週からのレコーディングの方のこと考えてて、ちょっと嫌な予感がしてて連絡が滞ったまま進行してない案件があり、再度連絡するも音沙汰がない。まじで困ったことになった。

8.23日
困ったことになった、予感的中で某H氏が行方不明! これでは来週からのレコーディング出来ないし、相当な人々を巻き込んで迷惑かけることになってしまう。朝から共通の知人に連絡しまくって聞き込み調査、目撃情報を募る。ここにきて探偵団早樹子を稼働させることになるとわ。しかも今回はごっこじゃないし、ひとりぼっちやから全然たのしくない、ていうかたのしんでる場合じゃなくまじで洒落にならない事態。これやから人は信用したらあかん。一昨日、あたたかい人に触れて人間信用してみる気になりかけてたのに、別件やけどこうやって瞬速で裏切られるから結局人間不信が治らないのやわたしは! 結局夜H氏の生存は確認できたのやけど、今度はぶじ生存確認できました連絡をほうぼうにしまくるアフターケアもしなあかんくなって結局わたしの日曜日はH氏捜索作業だけで終わった。こんなことしてる場合じゃなくやらなあかんこと山盛りやったはずやのに。ていうかこのストレスをどう回収してくれるねんボケ! 東京帰ってきてから苛々して怒ってばっかりなんですわたしどうかしてるんですって一昨日K井さんM井さんに嘆いていたのやけど怒ってる対象はほぼH氏であり、わたしのストレスの元凶はH氏に他ならない。ちょっとまじで今後を考えさせてもらう。とか思ってたら今回既に巻き込んで迷惑かけまくってしまっているプロデューサーN村さんからお電話。結構がっつり話し合ったら、色々H氏があることないこと嘘つきまくっていて全然事情が違ってることが発覚。そもそもの根本的なところから話がおかしいことも発覚して、ちょっとレコーディングとか無理じゃない? もう一回ちゃんと話し合った方がよくない? てことになり、来週の歌録り一旦保留になりにけり。その後H氏からも電話あって話し合うと、ここにきてもまだ嘘を弁解したり人のせいにしたりしまくっておられてもうまじでなんなんこの人! て切れてもしゃあないので、冷静におかしいところを詰めてとりあえず人として最低限の仕事はしてくださいとお願いして、詳しくは明後日N村さんと3人で話し合いましょうと電話切った。あー電話切っても相変わらずハラワタは煮えていつも以上に寝付けない。こんな余計なストレス被りまくるならもう、密やかささやかな制作でいいからわらびすこ舎にもどりたい。