興奮録


毎月ブブカは購読していますけど、わたしはAKBそのものにそんなに興味がなく、特に誰のことも好きじゃないし歌も好きじゃないし、って感じで至って冷めた姿勢やったのやけど、ちょっと前のあのくだんの総選挙の番組をちら見して、女の子たちが演技でなく本気で泣き崩れまくってる姿を目の当たりにしてから、ちょっと無視出来ない気持ちになってしまい、気づいたら蔦屋さんでこれを借りていて、こっそり見てしまいました。そしてええ、あんまし大きな声ではいえませんけど、ちょっと久しぶりに映画みてボロ泣き!完全に釘付けで揺すぶられてしまいましたが、これは感動とはまたちゃう、なんやろね、こんなに残酷で被虐的で最低なエンターテイメント、むちゃくちゃすぎるわと腹立たしくもあるんやけども、こんなにおもろいもんはないともおもってしまう心理。あかん、こうやって気づかんうちに秋元康の手中に取り込まれてゆくのやな!こわいこわい!そしていまはベタに指原ちゃんの精神が心配です。わたしはずたずたに傷つきまくっている女の子は問答無用にほっとけなくて愛おしい。ってこれこの心理がもうAKB戦略に飲み込まれてる証拠か!?うんこ!




若松孝二もすきやし三島もすきやし井浦新(ARATA)もすきやからこれは絶対おもろいはず!と胸を高鳴らして見に行ったのやけど、ちょっと色々がちょーんと期待はずれでしょんぼりでした。わたしは好きな異性のタイプは三島です!とかほざいてしまっていた大変痛い学生やったのですけど、楯の会血判状かわすシーンも市ヶ谷駐屯地での檄文演説も、最期の割腹自殺も、いざ映像でみたら全部冷めてしまった。三島ってこんなにかっこ悪かったっけ!まあわたしが完全に伝説像としての三島に惚れてしまってたからかなあ。そして一番は、わたしがもう割腹自殺とかをかっこよくおもえない歳頃になってしまったからやろう、自殺なんてダサくね?っておもてしまう、すっかり大人になってしまいました。だけどきっと、三島の魅力はその情けなさやったり無念さやったりもするから、かっこ悪くみえて正解やったんかな。




これ、だいぶ前に試写に行かせてもらって見せてもらってめちゃんこ良かったやつ!が、いま渋谷のユーロスペースでやっててもうすぐ終わるみたいやけど6月30日からまたオーディトリウム渋谷で上映あるらしいよ!と、今日某所で貰った資料の中にチラシが織り込まれてて、ほんだらわたしが恐れ多くも書かせてもらったコメントが普通に高橋ヨシキさんのコメントと並んで載ってて興奮!!そうそう、この試写のあとに超良かった旨を鼻息荒くツイッターで呟いたら、これこのままコメントで使っていいですかとゆわれて、こんなんでいいんですか!てなったわたしのただの恥ずかしい呟きなんですけど、公式サイトでも普通に豊崎社長とか柳下毅一郎さんとか宇多丸さんとかの並びに載っててびっくりしましたが、わたしだけものすごーく無名なので誰やねん感が半端やない。でもでも映画はまじですごいです!なんかね、実際の事件もんやから結構色々問題なってるみたいやけどね。普通に、映画としておもしろくてかっこよかったから、とにかく観た方がいいとおもう!http://sensei-rsk.com/





紙の民

紙の民

最近読んだ中でダントツで最強やった!ちょっと変わった構成で文字組みが人物別に3段4段なってたり、墨塗りとか爆弾的な丸い黒玉で文字消えてたり、斜線とか記号とか絵とかなんか一見、ハイハイまたアート本ですか?て感じやけど、いやいや中身は超切実な戦争の話で、それも小説家自身と、小説の登場人物たちとの戦い、書く者と書かれる者との戦いの記録。戦いのはずやのに、どいつもこいつも情けなくって、しょっぱなから主人公フェデリコ・デ・ラ・フェはオネショ癖のせいで妻に離婚されてしまうし、すべてを見下ろしてる土星こと作者自身は、自分の包茎話を何回もひつこく繰り返すし、他の登場人物たちも基本的に性癖いかれてて、女子がミツバチ自慰プレイ(なんじゃそら!)とかするし、全体的に無意味に痛々しくて笑える。メキシコの作家やのになんでか佐山サトルめっちゃ出てくるし、でもリング入場時には動物クッキーを撒くとか、ロメインレタスカーネーションを撒くとか、ちょっとなんか乙女やん!あと女の子同士が初潮をむかえるシーンで、お互いがワンピースをめくって「ね、わたしも同じでしょ」ってゆうとかさ!やっぱし乙女やん!でもたぶん作者、サルバドールて名前やから男子やんな。メキシコの太宰治的な人?て想像するんは安易やろけど、とにかくおもしろかった!久しぶりに読み終わるのが淋しくなる本でした。