1.14〜20日記

1.14月
昨夜は久しぶりに遅くまで飲んだので、ゆっくり9時ごろまでベッドでうだうだする。今日は撮休日。11時頃にホテルを出て、昨日行った飲み屋の並びにあった、珈琲木の実とゆう喫茶店に行ってみる。窓ガラスに絵が描いてあってこれがなんか絶妙な絵で染みる。カランコロンと扉をあけると、カウンターに常連ぽいおっさんがひとり、ママさんと楽しげに喋っていた。ひとりだけどカウンターに座ると常連おっさんの近づきすぎて変な感じなのでテーブル席に座る。ママさんに珈琲でいいですか?と聞かれ、お願いしますという。しばらくしたら珈琲と、常連おっさんがどっかに行ってきたらしいおみやげの凍り豆腐のお菓子を持ってきてくれた。シュガーポットが木彫りの赤い鳥さんの形をしていてきゅん。珈琲飲んで40分ほど読書するも、ママさんとおっさんのおしゃべりが気になってあんまり読書進まず。木の実を出て、向かいにあった福昇亭とゆう餡かけ焼きそば屋さんにひとりで入る。餡かけ焼きそばはこの辺の名物らしく、ホテルの人にもおススメされた。食べてみると、カタ焼きそばがちょっとしなっとしてるやつって感じだった。食べて腹ごなしに上田の町を散歩することに。徒歩20分くらいのとこにイオンがあるので行ってみる。長野は寒いけど、天気がいいと昼間はきもちいい。イオンにはビレッジバンガードがあったけどなんとなく入る気にならず、未来屋書店ってほんやでぶらぶらするもなんも買わず。広場になんか芸人さんが来ていてイベントをやっていた。そうだ、映画見に行こう!と思い立ち、今度は駅の反対側のアリオさんへ。アリオさんにはtohoシネマズが入っているのである。噂の『ボヘミアンラプソディー』をまだ見てなかったので見てみることに。すごい、祝日やからか、ボヘミアンラプソディー、ほぼ満席であった!すごー。映画は、期待しすぎていたのもあるけど、正直そこまでじゃなかった。泣く準備までしてたのに、特に泣き所はなかった。でも、クイーンの音楽はすばらしかった。あと今映画を撮っているというのもあってか、こんなシーンどうやって撮影するんやろ〜?とか終始そんなことばっか考えてしまった。ライブエイドのシーンとか、壮大すぎてカメラどうなってるんやろ?映画のエンディング、エンドロールが全部終わるまで立ち上がる人がひとりもいなかったことにびっくり。これは長野の県民性なんかな?東京はせかせか生きてる人ばっかりやから、みんなすぐ立つよね。映画終わって、アリオをぷらぷらひとまわり。特になんも買わずにホテルへ帰る。ホテルの前でMさんにばったり会い、急に抱きつかれてびっくり、べろべろに酔っておられた。みなさん撮休日を満喫しておられるようで。夜はコンビニで済ませて、明日で一旦ホテルチェックアウトなので荷物の整理をして寝た。

1.15火
6時に起きてお風呂。今日でチェックアウトなので荷物を全部トランクに詰める。8時半にチェックアウトをしてロビーに集合し、ロケバスで現場へ。支度部屋に入って順番に着替えてお化粧してもらう。支度部屋でTさんとご一緒になり、たのしくおしゃべり。出番で呼ばれて現場へ。ワンシーンを撮ったらおひる休憩。お弁当をみんなで食べて、しばらく待機。1時間ほど待って次のシーンでまた出番。今日はセリフないシーンばかりだったけど楽しかった。終わって、着替えてメイクを落として、またTさんとしばし楽しくおしゃべりさせていただき、差し入れのお菓子を食べたりなんかして、大会議室へ戻ってしばらく待機。今日で一旦東京へ帰る組が17人もいるので、全員終わるまで待つことに。18時ごろに全員揃って、お弁当をいただいてバスに乗り込む。全員乗れるんか?と思ったけど、乗れた。20時半ごろに新宿郵便局前に到着。一旦みんなとお別れ。久しぶりの東京、うれしい気持ちとなんか淋しい気持ちがあいまっている。山手線、千代田線、東京の電車はぎゅうぎゅうでしんどーってなった。21時半ごろに帰宅。久しぶりの我が家。荷物の整理は明日にしてこたつに埋まりテレビで阪神大震災のドラマを見て寝た。

1.16水
久しぶりに自宅で目覚める朝。部屋が寒すぎて布団からなかなか出られず。まあ今日は出なくていいし。11時ごろになんとか起きて、長野でたまった洗濯を回して干す。風が強いので飛びそうだから洗濯バサミでがちがちに止めた。トランクの荷物を片付けて、部屋の片付けもしたいんだけど部屋寒すぎてやる気が起きず。おなか減ったので餅を焼いて食べる。全然おいしくない。自分で作るものはなんでこうもまずいのか。自分で淹れるコーヒーも漏れなくまずい。滞っていたメールの返信業務を一個一個返したくらいで特に何もせず。こたつで寝たり起きたりしてうだうだと無意味な1日を過ごしてしまった。

1.17木
朝からお風呂に入って準備して、午前中いつもの虎ノ門の病院へ通院。12月は入院中で飛ばしてしまったので久しぶりの病院。病院は色んな菌がうようよいるので苦手なマスクに埋まって息を止める。待って採血して尿検査して待って診察して待ってお会計して薬局行って処方箋出して待ってお薬もらう。終わったのが13時頃やったので、それから近くの東京地裁へ。新年初の裁判傍聴!12月は入院してて全く行けなかったから超久しぶりの裁判傍聴、わくわく。覚せい剤、暴行・傷害、強制性交未遂の3本立てでみた。あんまり胸アツのものはなくてハズレの日だったけど、強制性交未遂の裁判は被告人、入ってくるなり号泣していて、傍聴人の方に向いて「反省しています、ごめんなさい」って何度も謝っておられて複雑な気持ちに。電車で隣に座った女の子が酔っ払って寝てて肩もたれてきて、そのまま膝枕の体勢になったからこれは行けると思ったらしく、そこから女の子が降りるときについていき、多機能トイレで無理やり押し倒したらしー。これ、女も悪いよな〜と思ってしまった。夕方、東京地裁を出て、丸ノ内線赤坂見附。今日は夜は劇をみるのであーる。まだ時間あったので喫茶でも、と思ったけど赤坂は高級な店しかないので近くのモリバコーヒーに入って時間を潰す。モリバコーヒーはベローチェドトールの間って感じで、手軽で飾らなくてわりと好き。時間になって赤坂レッドシアターへ。月船さららさん主催metroの『陰獣』をみた。江戸川乱歩の陰獣なんだけど、狙いなのかアングラ臭が全然なく、たいへん品が良くてお行儀のいいお芝居だった。客演の唐組久保井さんは、紅テントとは全然違う切り口の芝居をしてらしてびっくり、色んなテイストの演技ができる、プロやわ〜。全体的に言葉が硬いのでなかなか入り込めずだったのやけど、ラストの展開はすごくかっこよかった。ご挨拶だけして帰ろうかと思ったのだけど人並みに流れて外に出てしまったのでそのまま帰った。久しぶりに一日中外出した日。ユニクロの超極暖を着ていたら暑かった。超極暖は東京では暑すぎる。

1.18金
ゆっくり起きて、自転車をパンク修理に出すべく、ひいこら押して自転車屋さんへ。退院してきたら自転車がペシャンコになってたから空気入れたんやけど、またペシャンコになったのである。自転車屋さんに持っていくと、「あーこれはタイヤ自体に穴あいてるからタイヤ交換しなきゃだね」といわれる。えーまじで。たぶん誰かにいたずらで穴あけられたぽい。最悪や。でもここは治安の悪い足立区、そうゆうことも起きて当然。5000円かかるらしい。泣く。一旦家に帰って出来上がりを待つ。家が寒くて何のやる気も起きない。自転車を引き取りに行き帰宅。お風呂に入って夕方家を出て神保町へ。前から気になっていた神田白十字とゆう喫茶店へ行く。3階建て?の広々した店内は今は半地下のワンフロアしかやってない模様。先客はおさぼり中と思しきお一人様なサラリーマンが2人と、カップルが1組。席に座る。メニューも年季が入っていてよい。テーブルに白い十字架が書いてある。店員さんは猫背のおっさんがひとりでさばいている模様。おなかがすいてたので、ホットサンドとコーヒーを頼む。15分ほどで到着。ホットサンドアツアツでおいしかった。コーヒーも豆を挽く音がしていたので挽きたてかもしれない。店内、程よくムードがあって程よく明るく気軽で居心地がよい。わたしはやりすぎの純喫茶はあんまり好みじゃないのでちょうどよい。コーヒー飲みながら読書。ああ幸せ。こうゆうことがしたかったんや!入院中の念願が叶って幸せを噛みしめる。わたしにとってのいちばんの娯楽は、好きな本持って好きな喫茶店行くこと。2時間ほどくつろいで、神保町試聴室へ。夜は豊田道倫さんのレコ発ライブを観に行った。店主Nさんや見に来ていたKちゃんや何人かに、あれっもう大丈夫なの?といわれる。晴れて退院しました旨を伝える。豊田さんのライブ、一部は松村正人さんとのトーク、二部はライブ。このところ豊田さんのライブはバンド編成で見ることが多かったから、久しぶりにアコギ一本でじっくり歌を聴けてよかった。さりげなく、ユーミン大森靖子ちゃんのカバーなんかをやっていて、でもどの曲も間合いやタメが独特の豊田節なのでオリジナルのように聞こえた。「飛田の朝ごはん」は改めて名曲。ニューアルバム「サイケデリック・ラブリー・ラストナイト」購入。終わって豊田さんとちょっとおしゃべりして、打ち上げお誘いいただいたけどなんとなくひとりで帰りたくなったのでとぼとぼ帰宅した。

1.19土
午前中、本棚の整理をはじめる。本棚のいちばん上の天井部分に並べたら一部本棚があいたので、入院中に増えた本たちを並べた。なんとか収まってホッ。午後から原稿の直しを一個やって編集さんに戻し、明日の新幹線のチケットを時間指定券に引き換えるべく、北千住まで出る。券売機でぶじ引き換え、せっかく北千住まで出たのでふらっとルミネへ。今のメガネがズレにズレるのでそろそろニューメガネが欲しかったのでメガネ屋に寄る。今のメガネは鼻たてが一体型なのでわたしみたいに鼻低い人間には合っていない、ということに最近気づいた。鼻たてが独立型のメガネを購入。うん、これならズレない。出来上がりまで30分かかるそうなので上の階のブックファーストへ。チョ・ナムジュ『1982年生まれ、キム・ジヨン』が出ていたので購入。メガネを引き取って、ドトールに寄ろうと思ったら満席だったので諦めて帰路。最寄り駅についてベローチェに入り、しばし読書。わたしは喫茶店好きだけど、ベローチェとかドトールも嫌いじゃない。でもスタバは好きじゃない。ベローチェ、隣の席のクロスワードパズルやってるじじいが堂々と持参のおかきを広げて食べていた。自由やね。帰って明日の長野行きの準備して寝た。

1.20日
6時に起きてお風呂入って準備。8時半ごろに家を出る。上野まで出て、上野から新幹線。日曜だけどすいていた。おなじ車両にちょっと見たことがある男性が乗っていて、わたしが音楽やらせていただいた映画に出演されていた俳優さんや!と気づいたのだけど、声かけるのもきもいかな〜と思ってやめた。佐久平駅までほんの1時間半でついた。新幹線はやい。駅にスタッフさんが迎えに来てくださり、車で現場へ。4日ぶりだけどなんやか懐かしい気持ちに。支度部屋で着替えてメイク。していたらHさん、Bくん、Tさん、Kさんがきて、みんなの顔をみたらホッとした。おひるどきになって、大会議室でお弁当タイム。おかずだけ食べて、ごはんをまるごと残していたらTさんにばれて「全然食べてないじゃん!」といわれて白状する。午後から撮影。わたしは台本ではセリフはないシーンやったんやけど、廊下を歩いていると監督が向かってきて、「このシーン、◯◯ちゃん(役名)だったらどんな言葉かける?」と言われて、答えたら、「よし、じゃそれで行こう!」と言われ、セリフができた!うれしい。監督は大御所でらっしゃるのにすごく寛大で柔軟で、ああ本当にすごい方はこうなんやろうな〜って思った。このワンシーンで今日は終了。撮影のあと宣伝部のインタビュー撮りをやった。何を喋ったらいいかわからず、つまんないことしか喋れなくってちょっとショック。終わって支度部屋に戻るとTさんがいて、「◯◯(←役名)CD持ってきたか?」といわれる。持ってきました〜とお渡し。ついでに写真集もお渡し。するとわたしが着替えている間にわたしのかばんに封筒に入れた1万円冊を忍ばせてくださっていた!なんてお方なのでしょう!泣 封筒にも名前が入っていて、これだけでも思い出になる。Tさんには本当によくしていただいて、おかげでとっても楽しかった現場なんやけど、Tさんとは今日でお別れ。もう会えないのかと思うと心底淋しい。着替えてロケバスに乗り込みホテルへ。一緒だったHさんと、今日でアップのBくんとご飯行こうとなり、しかしまだ4時すぎだったので、とりあえず近くのカフェでお茶することに。そこでBくんからちょっとびっくりな裏話を聞いた!嘘でしょ?!わたしが東京戻っていた4日間にそんな出来事があったとわ。まあ、これだけたくさんの人が関わってると色々あるなあ。6時で店が閉店しちゃったので店を出て、それからどこか飲みに行こうとなったのだけどどこも日曜で休みやったり、すでに満席だったりでしばし上田の街を彷徨う。今日はおやすみだったOくんに電話してOくんとも合流。駅前の普通の飲み屋に入って、2時間半ほどたのしく飲んだ。ああ、本当に共演者さんに恵まれているなあとしみじみ思う今回の現場。途中でBくんは新幹線で東京へ帰っていかれた。9時すぎに店を出ると、外はなんと雪が!フードを被って早歩きでホテルへ帰った。11時過ぎごろ、ぼんやりテレビをみていたら、なんとTさんから電話が!おつかれさまの電話だった。なんと丁寧なお方なんでしょう。お忙しい方なのに。感動しながら眠りについた。

1.7〜13日記

1.7月
電気毛布を入れたらあったかくて朝までよく寝た。ゆっくり起きてお風呂を沸かす。ひさしぶりの家風呂。普段はシャワーしか入らないのだけど、病院でもずっとシャワーしか入れなかったし、とにかく家が極寒だったので温もらないと! という気になってお風呂。上がって髪を乾かしたりしつつ、トランクを開けて準備。今日から映画の撮影で長野へ2週間泊りがけなのである。だいたいは入院してたときのままで行けるんだけど、どれくらい寒いのかわからず荷造り難航。まあホテルはコインランドリーあるから途中で洗えばいいし、そもそもパンツもヒートテックもたくさんないからあるだけ詰めればいいか。ユニクロで買った真っ赤なダウンと、お客様にいただいたビスコトートバックをおろす。新年やしね。お昼過ぎに家を出て、電車で新宿。新宿郵便局前で待ち合わせで、ロケバスに乗り込む。ひさしぶりにシャバに出てきたからか、ああ新宿、ああロケバス、ああ首都高、といちいち感動&興奮。興奮してたので全然眠くならず、2時間半ずっと外の景色を見ていた。18時半頃に長野県上田市の宿泊するホテルにみんなで到着。ホテルの部屋の鍵を渡されて今日は解散。晩ごはんはバレ飯というやつで、それぞれ個人で食べてきて、領収書かレシートを持ってきたら精算してくれるシステムなんだけど、800円までのレシートじゃないとだめで、1円でも超えたら精算してくれないらしい、きびしー。とりあえず荷物を置いて、まだ誰とも仲良くなってないのでひとりで外へ探検に出る。長野、どれくらい寒いんやろ〜とびびっていたのだが、そんなには寒くない。東京の2割増しくらいかな? 土地勘がないのでとりあえず上田駅まで歩いて、お店屋さんあるかな〜と見てみたけれど、ひとりお蕎麦屋さん入る勇気もないし、800円だからあんまり高い店はいけないし。結局うろうろした挙句、コンビニ飯でいいかってなって、サラダ巻きと野沢菜漬けとルイボスティ―を買ってホテルへ帰る。ひとりでテレビを見ながら野沢菜かじる。うまい。しょっぱいけど半分ぐらい一気食いしてしまった。ああこんなコンビニ飯ですら、病院飯と比べたら夢のようにうまい。しかし、部屋が寒い。暖房がなかなか効かないので29度に設定する。と、乾燥で喉とお肌が危ない。しかし寒さには勝てず、一晩中暖房つけっぱなしで寝た。そしたら喉がかぴかぴで夜中何度も目が覚めてルイボスティ―がぶ飲みしてしまった。

1.8火
5時に起きて、お風呂にお湯を貯めて、入浴剤も入れて優雅にバスタイム。上がって髪乾かして仕度して、ロビーにある無料のコーヒーをもらいにいったら朝ごはんのおにぎり弁当をスタッフさんがどうぞっていってくれたので貰って部屋で食べる。8時過ぎにロビーに集合。H岩さんとM木さんと3人でロケバスで撮影場所の病院へ。M木さんは、わたしが好きなあの映画のダークヒロインを演じておられた方で、わたしこんな怖い女おるんか! とトラウマになったほど怖かった方なのだけど、普段はとってもやさしい綺麗なおねえさんだった。女優さんってすごいんやな〜と噛みしめる。40分ほどして病院に到着。なんとここは標高1000mならしい。寒いけど天気がよかったので気持ちよかった。支度部屋へ入って衣装に着替え、メイクさんにメイクしてもらう。今回わたし、顔はほぼすっぴんなのだけど、とある場所に特殊メイクを施してもらわないといけないのでちょっとたいへん。しかしメイクさんってすごい、なかなかのぎょっとする仕上がりに。準備が出来たら撮影場所へ。案内してもらったそこが! もーめちゃくちゃかわいくて大興奮! 今回、なんというか、わたしの部屋的な場所があるんだけど、そこが夢のような古臭い子ども部屋って感じで、そこにはわたしが求めていたそれが! ここに住みたい〜とはしゃぐ。しかし美術さんがすごく頑張って作ってくれたこんなに可愛い部屋も、映るのはたったワンシーン。贅沢やな〜。映画ってすごいな〜。わたし、こんなに大きな規模の映画に参加させていただくのは産まれてはじめてなのだけど、映画ってスタッフさんの働きがものすごーく重要で、スタッフさんのてきぱきとしたなめらかなチームプレイで成り立っている。役者はそこにいればいいだけだけど、スタッフさんは常に動き回っておられて、見ていてははーっとなる感じ。そして、映画って同じシーンを本当に何度も何度も何度もやるんですね! 噂には聞いてたけど、本当に何回もやった。リハも本番も色んな方向から何回も撮る。大会議室に移動して、お昼ごはんタイム。お弁当は鶏肉の焼いたやつ、ポテトサラダ、いんげん、五目切干大根に五穀米いんげんはガーリックが効いてて、ポテトサラダもおしゃれなハーブな味がした。あとお味噌汁もあった。わたしは特殊メイクがあるのでみんなより20分早く支度部屋にいかなきゃだったので急いで食べていたのだけど、スタッフさんたちのごはんのスピードは速かった。みんなそれぞれ持ち場の仕事があるからか、あとこういう現場に慣れてらっちゃるからか、ほんの5分ほどでお弁当ぺろっと食べて現場に戻っていかれた。す、すごい。食べて支度部屋でまた特殊メイク。仕上げて現場へ。今度はとあるわたし的に山場なシーン。リハから本気でやっていたら結構身体的ダメージが。しかしぶじオッケーが出たのでホッ。もうワンシーン撮ったら本日は終了。支度部屋で着替えて、ロケバスでみんなでホテルへ帰る。今日はキャスト陣みんなやっと打ち解けたので、みんなでごはんに行こうというおはなしに。ホテルの人に近くのおいしい場所を教えてもらい、この辺ではいちばんおいしいという蕎麦屋の刀屋さんへ。みんなでお蕎麦を食べた。とろろそばの小盛を頼んだのだけど、小盛なのに結構な量で満腹に。お店の人がとてもよくしてくださり、おまけに色々出してくださった。そば茶の寒天がおいしかった。食べ終わった頃に店員さんが徐に色紙を持ってらして、みんなでサインした。なんかわたしまでゲーノー人になった気分だった。お店を出てもまだ18時。みんなでコンビニに寄って帰った。明日は6時入りなので早めに寝ようと思ったけどそんな早く眠れるわけはなく、テレビをだらだらみて過ごした。

1.9水
4時起きでお風呂に入って準備して、6時にホテルから徒歩3分くらいのところにあるマンションの一室の支度部屋へ。なんと雪が待っていて地面うっすら積もっていた。支度部屋で衣装に着替えてメイクさんにメイクをしてもらい、待機室で朝ごはん。今日はサンドイッチだった。食べてたら主演のひとりのAさんがいらっしゃりご挨拶。背が高くて映像でみるよりかっこよかった。キンチョー。みんなでロケバスに乗って現場へ。現場は超山の上で、道中の景色が完全雪国。現場について、待機場所で待つ。なんとこの早朝、吹雪の中、野外シーンの撮影なんであーる。信じたくない。調べたらマイナス8度ならしい。待機場所でうなだれていたら、Aさんがなんと、充電型の手元ポカポカ湯たんぽをプレゼントしてくださった!嘘でしょ!だって、あの俳優Aだぜ!わたしごときにまで、そんなプレゼントしてくださるの!しかもいちばん欲しいやつ!嬉しすぎて感動。していたのもつかの間、午前中いっぱいかけて超過酷な撮影が待っていた。とある野外の中庭シーン、吹雪いている上に風も強く、超極暖を着ていてカイロを貼りまくっていても泣きそうに寒い。昨日も書いたけど、映画って何回もリハをするし、色んな角度から撮るので、短いシーンでも時間がかかる。身体の芯から冷えるってこうゆうことや、と骨身に沁みて実感。しかし、Aさんはすごかった。全然さぶそうにしないのである!待機時間もベンチコートを着ずに毅然と立っている。プロや〜。人生でいちばん寒かったけど、みんなでさびーっとかいいながらわいわい撮影するのはなかなか楽しい体験だった。苦楽を共にすると一気に打ち解けられるもんやね。おひる休憩で室内に入ると、暖房がついてて天国みたいにあったかかった。室内って、暖房ってありがたいっと幸せを噛みしめる。おひるはお弁当に豚汁までついていた。カツと魚とひじき。ボリューミー。食べたあとの次のシーンはお休みなので待機室でだらだら。3時間ほど待っていたら、スタッフさんが呼びにきて、出番かと思ったら日が暮れてしまったので次のシーンは延期になりましたのでバラしで!といわれる。ガーン。着替えてロケバスでホテルに帰還。夜はバレ飯だったのだけど、食べに出る元気はなく、コンビニでおでんを買ってホテルで食べた。夜、テレビでヒッチコックの鳥がやっていて、何気に見たことなかったので見てみた。鳥好きにはアツい映画だった。

1.10木
6時に起きて、身体に違和感が。なんでか全身が筋肉痛である。別に激しい運動はしていない。なんでやろ?たぶん昨日極寒の野外で撮影中、ずっと身体に力入っていたからであろう。寒いと筋肉痛になるなんて。おそろしや。とりあえずお湯溜めてお風呂。このところ毎日お湯を溜めて浸かっているのだけど、お風呂っていいもんですね。8:45にロビーに集合して、ロケバスで現場へ。今日も寒そう。今日も野外シーンがあるので心配。支度部屋に入って、着替えてメイクして現場へ。まずは室内のシーン。食べるシーンだったのだけど、ちょびちょびしか食べてないのにテストやリハのたびに食べてたら結構食べてしまった。食べるシーン終わりで、おひるやすみ。なんか食べてばっかりだけど、お弁当は鶏肉と大根の煮物、ミートボール。今日もスタッフさんたちは食べるのが早かった。おひるからは野外のシーンの撮影。超極暖にカイロ貼り貼りで挑む。昨日よりはマシだったとはいえ寒かった。長時間屋外にいるのは自殺行為である。しかしわたしたち役者はカメラや機材セット中は室内で待機できるけど、スタッフさんたちはずっと外。本当に大変なお仕事だなあと思う。あと、今回で知ったんだけど、雲行きを見る専門のスタッフさんがいて、ずっと空を見ていて、「あと2分で雲が切れます」とか「しばらく揺れます」とか言ってて、光の加減で見えかたが全然変わるから、これも大切なお仕事。いやー映画ってすごい。野外シーンも無事撮り終わり、わたしは今日はこれで終わり。着替えてロケバスでホテルに帰る。共演者HさんとKさんは2日空くので一旦東京に帰るらしい。ちょっと淋しい。ホテルに帰ってもまだ15時半とかで暇なので上田の街を散策に。目をつけていた喫茶故郷とゆう店に行ってみた。カランコロンと入り口をあけると、小さい可愛いおばあさんがいらっしゃいませーと迎えてくれ、ほの暗い店内はうすーくクラシックが流れていていい感じ。メニューもなく、ぼんやりしていると、頼んでもないのにコーヒーが。しかも、卵焼き、ゆで卵、こんぶ茶が付いてきた!卵に卵!新しいネ!そして一杯飲みおえた頃に勝手に2杯目が出てきた!なんとすばらしいサービス!コーヒーは酸味が全然なくって、こんがりした味がする好みのタイプだった。そうゆえば、新年初喫茶店、退院後初喫茶店。あ〜またこうやって喫茶店にこれるようになって本当によかった。2時間くらいぼんやり過ごしお会計はなんと300円だった。コーヒー2杯に卵焼き、ゆで卵(←残してしまった)、こんぶ茶で300円。信じられない安さ。お店を出てまたぷらっと散歩。ベーグル屋さんがあったので晩ごはんに買った。夜はホテルのそばにある上田映劇とゆうふるーい映画館で豊田利晃監督『泣き虫しょったんの奇跡』を見た。さっきまで一緒に撮影していた役者さんが二人も出ていたのでなんか不思議な感覚だった。二階席まであるひろい映画館で、お客さんはわたしと、あとおばさんがひとりだけ。このおばさんが、いちいち映画にツッコミ入れたり爆笑したりしながら見るタイプの方で、ふたりっきりなのに賑やかだった。見終わってとぼとぼ部屋に帰り、ベーグルを食べて寝た。

1.11金
今日はわたしは出番がなくて空き日。とりあえず朝コインランドリーで洗濯をして、フロントで近くに温泉ありますか?と聞く。徒歩圏内にはないらしく、電車で30分かかるらしいんだけど、暇なのでいってみることに。駅前のATMで、12月に入院してキャンセルになってしまったライブのキャンセル料を振り込んで(涙)、上田駅上田電鉄別所線とゆうのに乗って終点まで。この電車、ワンマンカーで雪国らしくドアは手動。しかもすごく空いていて別所温泉駅まで30分、たいへん快適だった。東京に住んでいると、電車=混んでいる、窮屈、地獄、みたいなイメージだから、こうも違うのか!って感じ。駅について、徒歩3分くらいのところにあいそめの湯って日帰り温泉があり、そこへ。露天風呂もあって500円なのはお得、東京だと銭湯でも460円するし。朝10時なのに、女湯は結構混んでいた。地元のばあさまたちの社交場になっている模様。内風呂と露天風呂と壺風呂があって、壺は取り合いだったけどなんとか入れた。露天、外が雪山なので見晴らしが良くて気持ちがよかった。お風呂の良さがわかるようになったのってわたしほんと最近。大人な気分。あがってロビーで水を飲みながらぼんやり。電車は1時間に一本とかなので、時間までおみやげをみたりして待つ。上田駅に帰ってきて、みんながおいしいとゆっていた中村屋とゆううどん屋さんへひとりで行く。と、共演者のMさんが偶然いらっしゃったので一緒にうどんをすすった。ここは馬肉うどんが売りの店。馬肉が甘辛く煮てあっておつゆも甘めでおいしかった。Mさんとお店の前でバイバイして、わたしは暇なので駅の反対側のアリオさんへ行ってみることに。東京のアリオさんよりは店数少ないけど、暇つぶしにはなった。1時間にくらいぶらぶらして特に何も買わずホテルに帰還。夜まで部屋でだらだらして、再びお外へ。たまたま歩いた通りで良さげな古本屋さんをみつけた。しかも1冊50円とやすい。しかしトランクぱんぱんで荷物増やしたくないので買うのは我慢。ふらふら散歩してコンビニでまたおでんを買い、ホテルでテレビ見ながら食べて寝た。

1.12土
8時頃まで寝て、起きてもしばらく布団で読書。そしてゆっくりお風呂に入って準備。12時にホテル出発してロケバスで現場へ。ついてお弁当を食べていたら、なんと、原作者のH先生が現場見学にいらっしゃった!わたしはH先生の小説何個か読んでてファンだったので胸アツだった。食べて支度部屋へ。行くと今回主演のTさんとKさんがいらっしゃり、みんなでおしゃべり。していたらTさんがわたしを根掘り葉掘りインタビューしてくださり、ホームページまで検索してくださって、「ひとりで脱げるもんってなんやねん!」と爆笑してくださった。うれしい。Tさんはテレビでみるまんまの愉快で朗らかなおじさまだった。Kさんともバツイチ仲間と発覚して手を握り合った。なんか本当に、わたしごときにまで話してくださって、みんなお優しくって涙涙。着替えてメイクして、現場へ。今日はわたしはワンシーンだけだったのだけど、セリフはなくアドリブで動くだけのシーンだったのだけど、Tさんが「◯◯◯(役名)はAさんの真似して声出してついて行ってみたらええ。やりすぎたら監督ゆうてくれるから」とアドバイスくださり、そのとおりに動いたら抜いて貰えることになり、Tさま〜(泣)ってきもちになった。そしてこのシーンのAさんの芝居がとても熱が入っていて、見ていてゾクゾクだった。改めて、すごいみなさんに混ぜていただいている喜びに打ち震える。今日はわたしはワンシーンでおしまい。着替えてバスを待ち、ホテルへ。帰りのバスが一緒になった、Kさん、Oさん、Bさんと4人で近くのやきとん屋さんへ飲みに行くことに。ここがすごくいい塩梅の飲み屋で、カウンターの中に木の短冊のメニューが貼ってあり、小上がりの座敷席もあって、安くてうまくて雰囲気も最高だった。KさんOさんBさん、みんなすごく映画好きで色々みてらっしゃるので、勉強になる話ばかりだった。ずっと映画とお芝居の話をしていても話がつきない。ああ、こうゆう感じ、いいなあ。21時半頃まで呑んで、明日も早いのでホテルへ。Kさんだけ締めにラーメンを食べに行かれた。

1.13日
6時に起きてお風呂入って準備し、8時半にホテル出発で現場入り。今日は大きなワンシーンを一日かけて撮る日。衣装がいつもと違っておめかし編なのでちょっと恥ずかしい。普段なら絶対着ない服。だったのだけどみんなに似合ってると言っていただき複雑な心境。メイクもいつもより濃いめにしてもらって待機場所で待機。今日はキャスト陣がほぼ全員参加なのでにぎやか。わいわいと撮影場所に入る。わたしはセリフはないのだけど、映りこむのでちょっとした小芝居を何回も何回も繰り返す。これが意外とたいへんで、たいした動きはしてないのに地味に疲れた。同じ部屋で同じ環境でずっと止まっているというのも意外とたいへん。お昼休み、お弁当を食べたあと、またしてもTさんに呼んでもらい、おしゃべりしていたらふとTさんが「傷つけたらごめんやで、自分な、俺の若い頃にそっくりやねん。俺が女装した顔にそっくり」といわれる。たしかに! 昔の写真を拝見するとまさにわたし! そしてTさんのおねえさまにも似ているらしい。うれしくてふたりで写真を撮ってもらっているといつの間にかまわりのみなさんもパシャパシャやりだしていた。目は違うんだけど、目口鼻それぞれ配置と、あと口元と歯が似ているらしい。これまで有名人の誰に似ている? 話をするとわたしは漫画のキャラばっかりで人間に例えられなかったけど、これからはTさんと言おう! ご本人からお墨付きいただいたし! なんか隣に並んでおはなししていると、実父よりも肉親に近い気がしてきて、おもわずお父さんと呼んでしまいそう。不思議。たのしい昼休みはすぐ終わり、午後からもどっぷり撮影。外の光がずっと明るかったのでわたしはてっきりまだおひさまが出ている時間なのかと思っていたらとっくに夜で、窓の外から照明部さんがつくった装置から照らされて明るくなっていただけであった。このシーンは大きく言うとSさんとTさんのバトルなのだけど、おふたりともすごくエモーショナルで、見ていて聞いていて感極まってしまった。何がすごいって、テスト、リハ、本番とものすごい何回も繰り返しても、全部の回ちゃんと同じ温度で感情が入っていること。テンションも維持しないといけないし、喉の疲れとか体力とか、全部コントロールしてなきゃいけないのに、本当にすごいな〜プロだな〜と感動。全部が終わったのは8時前。みなさん本当におつかれさまでした。順番に着替えて、ロケバスでホテルへ。そこから、俳優部7人で飲みに行くことに。だって、明日は撮休だしね! ホテルの人に教えてもらった居酒屋へ。ここもなかなかいい按配の飲み屋だった。上田の町はほんとに飲み屋が多い。7人でしっぽり0時すぎまで飲んだ。昨日はひたすら映画論、芝居論だったけど、今日はわりと踏み込んだプライベーツの話題で盛り上がった。Hさんから、とてもいい恋愛アドバイスをいただいた。シンプルなことだけど目から鱗だった。実行しよう。お店を出てホテルへ帰る道中は極寒。そらそうか、普通に氷点下やしな。こうやって知らない町で、テレビや映画で見ていた人たちとご一緒出来ているなんて、なんか全部嘘みたい、嘘かもしれへんな、とか思いながら部屋に帰った。

12.31〜1.6日記

12.31月
6時起床、点滴。朝食は白身魚、青菜お浸し、麩のみそ汁。感想はなし。病院はすっかりおやすみモードだから、先生もいないし看護婦さんも少ない。昼ごはんはカレー。前もそうだったけど、病院のカレーはカレー粉が少ないからまずい。まずいカレーは本当に食えたもんじゃない。ベッドで読書。ジョーン・リンジー『ピクニック・アット・ハンギングロック

寄宿学校の生徒たちがピクニックに行って遭難するはなし。途中で飽きて、デイルームでテレビをみる。デイルームではテレビを見るわけでもなくずっとスマホで動画を見ながらひとりで笑ってる車椅子のおじさんがいつもいて、今日もいた。特に話すわけではないけど毎日見てて顔見知りにはなってて、なんか変な感じ。もっとわたしが社交的なら、病院の豚ババアたちとも親交を深めたりなんか、出来るのかもだけど、豚ババアたちと仲良くなりたいとは微塵も思わないから挨拶もしない。夜ごはんは赤魚、大根の煮物、めちゃくちゃしょぼい一口サイズの年越しそば。常温やし、汁なし味なし。こんなそばでは年を越せん!ファック。5分で食べ終わらり、夜はテレビ。ガキ使の笑ってはいけないトレジャーハンターをほぼフルで見た。友近とゆりあんのスナックの絡みがおもしろすぎてひとり病室で声を殺して笑う。10時からは点滴をしながら、途中テレ東の孤独のグルメと変えながら見た。病院はごはんが超しょぼいので、五郎さんの食べるものがいつも10倍マシにおいしそうに見えた。最後の鰻屋さんの部分は生放送だったらしいのだけど、動きとアテレコとぴったり合っていてどうゆうこと?すげーなーテレ東!病院では誰もカウントダウンをするわけでもなく、気づいたら年を越していた。そして適当に寝た。

1.1火
病室、初日の出が見えるらしいんだけど、わたしは窓際じゃないしおまけに点滴タイムだったので動けず初日の出は見れず。となりのババアはカーテンあけていたから見ていたのであろう。となりのババアは先生からはいつ退院してもオッケーといわれてるのに、家族が引き取れないからといって入院長引かされているらしい。ちょっとかわいそうだけど、いびきと読経が毎日鬱陶しいのであんまり哀れとは思わない。朝食はおせちもどき。かまぼこ、伊達巻、黒豆、八頭。お雑煮は餅なしのお吸い物だった。チーン。なんか食べられないとなるとお餅って食べたくなる。かまぼこと伊達巻だけ食べてあとは残し、コーヒーいれていただきもののアルフォートをかじる。元旦、テレビもつまんないし、やることが本当にない。お昼ごはんは赤飯、ぶり照り焼き、栗きんとん、紅白柿なます。甘いものがごはんに出ると急激に食欲なくす。わたしはお菓子好きだけどジャンクな味が好きなだけで決して甘いのが好きってわけじゃないなあと思う。栗きんとんとか一口も食べられない。なますになんで柿なんかいれんねん!ってむかつくし。そして赤飯はすごいべちゃっとしていて、もー給食のおばさん料理下手やろ!昼の点滴をキメながら、こまどりで借りた道尾秀介の『向日葵の咲かない夏』を読了。

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

暇つぶしに惰性で読んでいたのやが、思いのほかおもしろく、伏線のはりめぐらされ方、その回収の仕方がたいへん鮮やかで、うまいな〜って唸ってしまった。主人公がミチオくんなんだけど、これは作者自分を投影しての名前なのかな?夜ごはんは変なカツ、たけのこの煮物、青菜のお浸し、りんご。病院の揚げ物は全部まずい。夜はテレビで、家、ついて行ってイイですか?のスペシャルをみていたけど消灯で途中までしか見れず。病院の夜はやることがない。昼もやることないか。

1.2水
6時起床、朝食はシャケ、キャベツの胡麻酢和え、みそ汁。もう正月モードはゼロな模様。ああお餅が食べたいな〜。となりのベッドのばあさんが退院していった。やっと息子さんがお迎えにきたらしい。よかったね。午前中、シャワー。向かいのベッドの声可愛いけど口悪いババアの旦那さん、腸閉塞で下の階に入院してたけど年末に29日頃に退院していってたのだけど、なんと、元旦の夜中に再び救急車で運び込まれ、また入院したらしい。点滴ガラガラを引きながらババアに会いに来ていた。看護婦さんたちに、また戻ってきちゃったの?と言われていた。夫婦揃って入院、仲睦まじいようで。昼ごはんは、炊き込みごはん、卵焼き、さつまいもりんご和え。さつまいもとりんごを和えますか?甘いものをおかずにごはん食べるのが理解出来ない。昼の点滴後、立岩真也杉田俊介著『相模原障害者殺傷事件』をパラ読み。

脳性まひの女の子が、年頃になり、毎月の生理の処理が自分で出来ないため、そして将来子どもを作れる見込みもないため、子宮を摘出手術するというのを読んで衝撃を受けた。奇形児の我が子の将来を憂い、殺害してしまったお母さんの話など、なかなかずしんとくる話がてんこ盛りだった。杉田俊介さんの文章はただ生きてるだけの悲しみ苦しみやり場のなさをそっと受け止めて救ってくれる。
 役に立つか立たないか、という物差しをもしも使うならば、誰の役にも立っていない人生はある。他人に迷惑をかけ続けて終わっていく人生もある。それはある。そう言わざるをえない。
 けれども、役に立たなくても、別に構わない。あるいは、その必要がない。社会や国や他人のために役に立たなくても、あるいは誰かに負担や迷惑をかけていても、生きていることはいいことである。なぜなら、生きることは、比較や線引きの対象ではなく、そのままでよいことだから。
―――――――『相模原障害者殺傷事件』より引用
晩ごはんはまたもやぱっさぱさの焼き豚。4日前とおなじ献立でげんなり。正月やからって手抜くなよ!ファック。夜はデイルームでだらだらテレビを見たけど正月番組ばっかりでこれといっておもしろいのはなかった。

1.3木
6時起床、点滴。朝食は小さい魚、白菜のおひたし、みそ汁。午前中、よるのひるね店主のK田さんと、編集者S川さんがお見舞いに来てくださる。K田さんからブルータスの危険な読書特集号、それからS川さんからはお年玉をいただいてしまった!恐縮だけどありがたい。3人でたわいもない話をして和む。入院してると本当に誰とも血の通った会話をしないので、おしゃべりに飢えている。お昼ご飯になっておふたりが帰っていった。お昼ごはんはクリームシチュー、サラダ、白米。シチューに白米はきつい。とゆうか毎週木曜のランチはパンに決まってたはずなのに、しれっとごはんが来て萎える。もともと白米嫌いやったけど、この入院で更に白米嫌いに拍車がかかった。午後の点滴をキメていたら、今度はN釜さんとR子さんがお見舞いにきてくれた!N釜さんからは犯罪ものの本と、やっべえ煎餅屋、播磨屋のおせんべを、R子さんからはお年玉をいただいてしまった!入院してると本当にみんなのやさしさに涙ちょちょぎれる。N釜さんとR子さんと3人で、2時間半ほどおしゃべり。ブラックな話やゴシップ話なんかをしてたいへん元気が出た。やっぱり悪い話をしていると元気が出るものやね。おふたりが帰って行き、N釜さんが持ってきてくれた『その時殺しの手が動くー引き寄せた災・必然の9事件』を読む。

その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件 (新潮文庫)

その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件 (新潮文庫)

そうそう、こうゆう本に飢えていた!わたしはなんでこう、事件に惹かれてしまうのやろね。晩ごはんは、さわらの西京焼き、筑前煮、茶碗蒸し。コメントはなし。夜も引き続き『その時殺し…』の続きを読んだ。しかしこの夜は寝言ババアがやばかった。消灯のあともずっとうわごとを言ってて、屁もこきまくりで、それに対して声可愛いけど口悪いババアが「うるせーんだよババア静かにしろ!全く汚ねえな〜」と小声でぼやいてて、それに寝言ババアちょいちょい反応して、「うるさい?うるさいの?」とかってコミュニケーションしだして、もうまさにババア地獄絵図。挙句は夜中に寝言ババアおもらししちゃってひと騒動あって、今日も今日とて豚小屋感がすごかった。

1.4金
6時起床、点滴&採血。またしても前回とおなじ採血下手くそ看護婦がやってきて、ぶすぶすやった挙句に失敗。結局違う看護婦さんと交代してやる羽目に。もう無理なんやったら最初からうまい人よこしてよ!無駄に針穴作らんといてほしいんだけど!痛いし!と怒りたい気持ち。朝食は、温泉卵とみそ汁。しょぼー。何度も書きますが、これで一食450円。ぼりすぎにも程がある!朝から主治医の回診で、退院が明日に決まった!!やったー!うれし〜!やっとこの豚小屋から出ていける!午前中、感染症科の先生がきたり、薬剤師さんが退院処方の相談にきたり。お昼ごはんはシャケのムニエル、オニオンスープ、サラダ。このまずいごはんともあと二回でグッバイ出来る。もーこの白米地獄からも抜け出せる。退院したら好きなものだけ食べるもんね。ごはんのあと、シャワー。病院で最後のシャワーや〜といちいちありがたみを噛みしめる。シャワー後も読書。『その時殺し…』読了。子どもの虐待死、日頃のいびられていた姑の嫁殺し、電ノコで姉をバラバラにした妹、などなど。知らなかった事件がたくさんあった。日本中のどこかで今日も密やかに事件は起きている。夜ごはんはぱっさぱっさの豚肉、しいたけ、酢の物。最後の晩餐だったのだか最後の最後までしょぼかった。ところで寝言を夜通ししゃべりたくる斜向かいのババアは信じられないぐらい屁をこく。咳をしながら同時に屁がぶーすかぶーすか出ていたり、もう毎日毎日人間てそんなに屁でますか?ってくらいこきまくるんだけど、それに声可愛い口悪いババアが反応して「ぷっぷぷっぷ屁ばっかしやがって汚ねえなあ」「咳したり屁したり忙しいババアだなあ」などと小声で戦っていて、この豚小屋劇場、なかなかこれ面白いんじゃね?ひとりで声殺して爆笑した。夜はテレビカード余っていたので、風の谷のナウシカを生まれて初めて見た。が、全然乗れなくて、結局西成のシャブ密売人追跡の番組を見てしまった。わたしジブリはトトロしか好きじゃない。

1.5土
6時起床、朝食はさつま揚げ、青菜のお浸し、みそ汁。ラスト病院めしを食べて残して歯磨きして、退院の準備。トランク+トートバッグ+紙袋ふたつ、というなかなかの荷物量。9時すぎに看護婦さんがきて大量の退院処方のお薬を持ってくる。抗生剤の量が半端やない。点滴の代わりだから仕方ない。お薬受け取ったら今度はクラークさんがきて、支払いの明細が渡される。想定内ではあったが、2ヶ月にまたがってたので限度額適用認定証があんまり効力を持たず、結局9万ほど、1階の窓口にならんでお支払い。みなさまからカンパやお見舞いのおかげでなんとか支払えました。ほんとにありがとうございました。病室にもどると母親が。そう、なんか、今回、母親がわざわざ上京してきたのである。母親とは込み入った攻防関係があるので、ちょっとなんとも複雑な気持ち。だがまあ、ありがたい。荷物多いし。ベッドに戻って看護婦さんを呼び、忘れ物チェックをしていざ、退院!ああうれしい!荷物多いのでタクシーで帰宅する。久しぶりの我が家、とりあえず大量の荷物を置くだけ置いて、今度は電車。隣町のアリオさんに行くことに。とゆうのも明後日からの映画の撮影が長野ロケなため、長野極寒だろうけれどわたしそんなあったかいコート持ってないので、ダウンを買いたかったのである!アリオさんに着いて、お店をうろうろする。ああ、シャバはなんて楽しいんだ!しかし母親を連れそってショッピングなんて、20年ぶりとかじゃね?と不思議な感じだった。結局ダウンはユニクロさんで買いました。真っ赤なやつ。レストラン街で担々麺を食べて、上島珈琲でお茶をし、相変わらずやばい北村家の近況をきいたりして、15時頃には帰路。母親は渋谷に遊びに行きたいとゆうので(完全お上りさんだけどミーハーな母親は東京が大好き)さすがにそこまで付き合う元気はないので乗り換えだけ教えて最寄り駅でばいばい。帰って荷物の整理もそこそこに、夜はI田さんと待ち合わせて足立区飲み。もつ焼き屋と居酒屋をはしご。久しぶりのシャバ飲み、最高に楽しかった。お新香とぬか漬けを両方頼んでぼりぼり食べた。ああしょっぱくて夢のようにおいしい。シャバは最高。I田さんと積もる話をしまくれて、ずっとずっと楽しかった。やっぱりI田さんと飲むのは最強楽しい、ああシャバに戻ってこれて本当によかった。6時間くらい飲み続け(といってもわたしはずっと烏龍茶やけど)1時ごろにお開き。寒い部屋に帰宅して寝た。

1.6日
ひさしぶりの我が家のマイベッドでの就寝。ぐっすり眠れた。病院ではあんなに毎日眠れなかったのが嘘みたい。9時に起きて、薬を飲んで、入院中のパジャマやらの洗濯をどばっとやった。洗濯を干していた扉がどんどんと鳴り、無視しようか迷ったけど出てみたら、大家のおじいさんであった。我が家のピンポンはもうずっと前から壊れていて、宅急便屋さんたちに知らせるように「ピンポン壊れています、ノックしてください」って張り紙をしていたのだけど、それも見て大家が直しに来てくれたらしい。年末から何回も来てたんだけどずっと留守だったから、といわれ、昨日まで入院してたんです、と伝える。ピンポンはなんのことはない、ただの電池切れで、電池変えたらすぐ直った。大家が帰っていき、自転車の空気が全部抜けていたので、自転車屋さんまで持って行って空気を入れる。それから図書館に予約してた本を取りに行き、スーパーでおもちを買って帰宅。レンジでチンして、しょうゆと韓国海苔で食べた。あんなに食べたかったおもちなのに、食べてみたら全然おいしくなかった。まあそんなもんだよね。家は極寒なのでこたつに肩まで埋まってテレビをぼーと見る。ほんとは部屋の片づけをしたいのに、寒くて動けない。月の砂漠が聞こえてきたので、急いで外に出たら、一瞬の差で灯油屋さんは通りすぎていってしまい、灯油買いたかったのに買えず。がーん。石油ストーブ出したのに、去年残りの灯油があとちょっとしかない。どうしよう、この冬越冬できるかな。部屋は散らかり放題。とりあえず大量に増えた本を仕舞いたいのだけど、もう本棚はとっくにぱんぱんだから仕舞う場所がもうない。明日から長野に泊まり込みで映画のロケなので、準備をしようにも、何を持っていったらいいか悩む悩む悩む。まず長野ってどれくらい寒いの? あと着替えはどれくらいいるの? トランクあけたまま呆けていたら陽が暮れた。

12.24〜30日記

12.24月
6時起床で点滴。朝ごはんはシャケ、キャベツのおかか和え、みそ汁。シャケがあったので今日はあたり。午前中、大好きな金田アツ子さんがお見舞いにきてくれた!コーヒーとパンの差し入れ。うれしい。アツ子さん、大阪のM田さんへのオーダーメイド絵を持ってきてくれてご対面。もう何度も描いてもらってるけど、アツ子さんに描いてもらった絵を見るといつも背筋が伸びる。絵の中のわたしはとても厳かで凛としているから。今回の絵の中のわたしは、少女からちょっと大人になったような気がした。絵の後ろに題字を書かせていただく。これでこの絵はM田さんのもとへお嫁にいく。不思議な感覚。オーダーしてくださったM田さん、描いてくださったアツ子さん、本当にありがとうございます。アツ子さんと小一時間おしゃべりして元気が出た。お昼ごはんはチンジャオロースもどきと春雨サラダ。コメントはなし。そうこうしてたら宅急便が。大阪のM田さんから本やふりかけが届く。ありがたい。アツ子さんに引き続き、クリスマスプレゼントが届いた気持ち。うれしい。入院中だけどサンタがきた。内田春菊『ダンシング・マザー』読了。

ダンシング・マザー

ダンシング・マザー

内容はおもしろいんだけどなんか絶妙に読みにくい文章だった。中身も、帯が煽りすぎていて、読んでみるとそこまで刺激的じゃなくってちょっと残念。まあ、そうゆう本もある。M田さんが送ってくれた梯久美子『狂うひとー「死の棘」の妻・島尾ミホ』を読み始める。なかなかハードで分厚くて読みがいがある。夕方、シャワーの予約をとっていたのでシャワーに入る。病院にいるとシャワー3日に1回ペースだけど、別に不快感もないし、普段毎日入ってるのってもしかしてシャワー入りすぎなのかな?と、こうやってどんどんズボラになっていき小汚いババアに成り下がっていくので、やっぱりほんとは毎日入るべき。晩ごはんは、五目ずし、煮物、すまし汁。見事にクリスマス感のない献立。五目ずし、酢飯の味がうっすいうっすいだったのてふりかけをかけたら謎の味になった。食べたらもうやることがなくなって、まただらだら本読んだりして時間を潰す。あー毎日暇で滅入る。はやくシャバに戻りたい。隣のベッドのばあさまが小声でお経を唱え出してびびる。クリスマスだから?

12.25火
6時起床で点滴。今日は朝食はボイコットして、コーヒーいれて昨日アツ子さんがもってきてくれたパンを食べた。朝から隣のベッドのばあさまは今日もお経を唱えている。信心深いお方だこと。おひるの点滴を終えると、準備してシャバへ。今日は映画の本読み&リハがあるのであーる。田端駅まで歩いて山手線、池袋から西武線に乗り換えて大泉学園で下車。ちょっと早くについたので駅前の喫茶アンとゆうところでひとりごはん。ナポリタンとコーヒー。うまい。ずっと病院で喫茶店に飢えていたのでたいへん満たされた。やっぱ自分でいれるコーヒーはおいしくなくて、たとえどんなコーヒーでも喫茶店で飲むのがいちばんおいしいね。2時間くらい読書しながら喫茶店を満喫した。それから15分くらい歩いて、某TE撮影所へ。大泉学園の駅からすでに映画の人物オブジェとかいっぱい並んでいたし、この街全体がもう映画タウンって感じ。近くのショッピングモールのドトールでマネージャーMッキーと待ち合わせして、いざ撮影所。衣装室に入るところにすごく綺麗なテレビで見たことある女優さんがいて興奮した。衣装室で着替えて、スタジオの方へ移動。監督も役者さんもみんな早々といらしておられたのだけど、某先生がこれまた大遅刻で40分くらい待った。前回は1時間以上待ったからそれよりましだけど、偉い人とゆうのはいつ何時でも罪悪感なく優雅に遅刻されるものなのだなあ〜。全員揃ってリハがスタート。わたし以外、映画やテレビでよく拝見しているプロなお方だから、リハから迫力がすごかった。出だしからH岩さんの話し方が凄まじく、本物や〜って感じで慄く。M澤さんと合間に喋っていて、もうはじめてだらけで緊張っすーと弱音を吐いていたら、役者は居るだけで大丈夫だから、と言っていただき救われた。そんなM澤さんは普段めちゃくちゃ腰低くて頼りない感じなんだけど、芝居に入ると人格が変わり、これまた本物感に震える。緊張だったけど、衣装をきて小道具などを使いながら動くと結構たのしかった。わたしは演劇経験も少ないし、映画なんてほぼはじめてだけど、みんなでシーンを盛り上げたり盛り下げたり、そうやって空気を共有して作っていくのって、とってもたのしい。これは病みつきになるわ〜って感じ。2時間半くらいやって終了。終わったあと、クリスマスとゆうことでなんとケーキやパンやお寿司が!お菓子は好きだけど意外と甘党じゃないわたしは実はそんなに生クリーム系ケーキが得意じゃないので、しょっぱいパンを食べた。衣装室でH岩さんと一緒になって、池袋まで一緒に帰った。お芝居では怖いけど普段はとってもやさしくて可愛いおねえさんで、なんと地元がお互い大阪の北摂地区と発覚し、ローカルトークが弾んだりして楽しかった。病院の門限には間に合わないので今日も自宅へ帰宅。部屋が汚くてこんな状態で年越すとか嫌すぎる。けど、どうしようもない。冷蔵庫の掃除だけして、流しのカビ取りだけしてゴミをまとめて寝た。久しぶりの我が家、病院じゃ全然眠れないけど、自宅のマイ布団だとすーっと寝れた。

12.26水
4時起き。部屋が寒すぎて泣く。病院はあったかいとゆう意味では過ごしやすいなあと思う。着替えてゴミを出して始発で病院へ。千駄木駅から歩いていたら寒すぎて鼻水が垂れまくって涙も出てきて顔ぐちゃぐちゃになった。気温2度。そらさぶいわ。病院の裏口から朝帰り。なんかへんな気持ち。暗いベッドに帰ってパジャマに着替えて点滴。眠いから寝ようと思ったら向かいのベッドのおばあさんに、旦那さんが遊びに来ていてしかも大声でちょっと喧嘩してて、早朝6時からにぎやかすぎて寝れない。おばあさん声可愛いから最初好印象やったのやが、最近独り言怖いし、旦那さんうるさいし、若干鬱陶しいのが正直なところ。結局眠れないまま一日をすごすことに。朝食は、卵とじ、キャベツのおかか和え、みそ汁。コメントなし。午前中、パソコン開いて某書評のお仕事の原稿を書く。なんとかひと段落したので編集さんに送った。が、返事がくるまでこわい。昼食はからあげだった!が、世の中にこんなしょぼいからあげってあるの?ってくらいしょぼくて泣けた。昼の点滴のあとはこまどりに本を返しに行ってまた借りた。今日は文京区図書館からの出張本棚があったので、ついている。といってもそんなにいいセレクションではなかったが、沼田真佑『影裏』多和田葉子『雪の練習生』を借りた。午後からコーヒー飲みながら読書。してるのだが、なんか病院きてこのかた、何故だか読書に集中出来ず、目がつるつるすべって内容に入り込めない病になってしまっている。文字は追ってるのな追ってるだけな感じ。困った。今まで読書ってどうやってたんだっけ。晩ごはんはおでんだったけどこれまた味が激薄で、からし全然好きじゃないのにからしでもつけないと食べられへん気がしたのでからしつけるもよけいまずくなって泣いた。途中でやめてじゃがりこを食べた。夜、運動不足を危惧して、階段で9階から売店ある3階まで降りて、また3階から病室の9階まであがるとゆう謎の運動をした。意外と登れるもんだね。こうベッドに軟禁生活していると、時々走り回りたい衝動に駆られる。久しぶりにテレビをつけ、「家、ついて行ってイイですか?スペシャル」をみながら寝落ち。目覚めたらテレビカードの度数が3になっていてガーン。

12.27木
6時起きで点滴&血液検査。今日も足から採血したのだけど、看護婦さん超うまくて全然痛くなかった。やる人によってこんなに違うもの?朝食はウインナー、野菜のソテー、みそ汁。9時から先生の回診。検査結果も良好とのこと。ホッ。午前中、僕のマリさんがお見舞いにきてくれた。お花を持って!うれしい。可愛いチューリップ。ベッドの上、視界の中に花があると気分があがる。マリさんと小一時間おしゃべり。みんな忙しい師走に、こうやってわたしごときに時間割いて会いに来てくださる方がいるって、幸せなことだなあとしみじみ思う。そうこうしてたら京都の花房観音さんから小包が届く。ご本とお菓子。うれしい。病室にこんなに宅急便くるの、わたしぐらいちゃうかな?みなさんの愛に生かされている。お昼ごはんはビーフシチュー、ビネガーサラダ、パン。木曜のおひるだけパンが出るので楽しみ。食べていたらナックルズH川さんから電話。ゲラが届いて送り返す。ネット環境の脆弱な病室でなんとか一仕事できてひと安心。末井昭さん神蔵美子さん夫妻から、末井さんのご著書『自殺会議』が届いて早速読む。

自殺会議

自殺会議

坂口恭平さんの見方が変わった。日本一自殺の多い村、少ない村のリポートが興味深かった。今度の映画をやる上で節々勉強になるなあと思いながら読了。夜、書評仕事の編集さんからお返事がきたのでちょっと直して返信。よかった、全部やり直しかもとびびっていたけど、概ねそのままで通った模様。ホッ。これで年内に絶対やるべき仕事は一応終了。仕事納めってほど働いてないけれど、病床で一応仕事納め。晩ごはんはおろしハンバーグ、かぼちゃ、菜っ葉のお浸し、きのこ汁。まあまあ頑張ってる方かな。食べたあと、また3階の売店まで階段で降りて登った。いい運動。夜、斜向かいのババアが夜通し独り言をずっと結構なボリュームでぼやき続けていて、うるさくて眠れず。看護婦さん曰く、眠剤の副作用で仕方ないらしい。寝言だから本人は寝てるからどうしようもないんだって。ああきつい。静かな我が家に帰りたい。

12.28金
6時起床、点滴。朝食はボイコットしてコーヒーをいれ、榎本さんにもらったクリスマスツリーのチョコをかじる。チョコってコーヒーが進んであっとゆう間に飲み干してしまい、2杯目をいれた。午前中暇なのでまた階段で3階〜9階を往復。あほみたい、わたし、なにやってるんやろ〜。昼食は炊き込みご飯、吉野煮、酢の物。珍しく色ごはんが出たのでもりもり食べた。午後の点滴後、シャワー。後、暇なのでこまどりに行ったり、デイルームでテレビみたりうろちょろする。NHK発達障害の番組をやっていて、なんかわたしADHDに当てはまり過ぎていて怖くなった。精神疾患って、どう診断するんやろう。映画に備えてちょっと勉強したのだけど、わたし色んな疾患に当てはまりまくり。まあ正常と異常の境界線ってほんまに紙一重やしなあ。うーむ。夜ごはんはしょぼいカツとサラダと菜っ葉のからしあえ。コメントはなし。ごはんのあと、こまどりで借りた沼田真佑『影裏』をさらっと読了。

影裏 第157回芥川賞受賞

影裏 第157回芥川賞受賞

えっこれが芥川賞?とちょっと思ってしまう、静かで淡白な小説だった。わたしの好みじゃなかっただけで、静かな中にも描写の丁寧さとか色々いいところあるんだろうけど、そしてこれぞ純文学ってことなんやろうけど、わたしにはちょっと地味すぎた。(えらそうにすみません)

12.29土
6時起床で点滴。朝食は今日もボイコットして、コーヒーいれてアツ子さんにもらった食べっ子どうぶつを食べる。土曜だけど午前中に先生の回診。たぶん今日が最後の回診で明日からは4日まで先生もおやすみ。花房観音さんが送ってくれた『紫の女』を読む。

紫の女 (実業之日本社文庫)

紫の女 (実業之日本社文庫)

このところ読書不感症気味だったのだけど、花房さんのを読んでいたらするする入ってきて不感症が解けた。読みやすい文体と関西弁のおかげかな。花房さんの小説を読んでいると、世の中年男女はみんな浮気してるもんなんやなあ、そして、その浮気はだいたいばれている。花房さんの官能小説は、局部の表現が蝶や小菊などに例えられていて美しい。昼ごはんは焼き魚、きんぴらごぼう。しょぼい。おひる、飯田さんと編集者Hさんがきてくれて、デイルームでおしゃべり。飯田さんから、こないだのIKAZUGOKEワンマンの投げ銭とみなさんからのお見舞いの数々を受け取った。みなさん、本当にありがとうございます。これで入院費が払えそうです。飯田さんとHさんに、病室話を色々きいてもらう。いやまじで我が病室カオスで、斜向かいのベッドのババアは夜中の独り言がやばくて、寝言を朝までずっとかなりの音量でしゃべり続けているんである。で、その寝言がうるさいから、向かいのベッドの声可愛いけど口悪いババアが「うるせえんだよババア」と小声で罵り続けている。そしてそんなうるさいのにとなりのババアは爆睡してイビキガースカガースカかいててこれまたうるさく、もう毎晩夜がくるのが恐怖。入院してるのにわたし寝不足ってどうゆうこと?はやくこのババアの豚小屋脱出したい。飯田さんとHさんが帰って行き、再び豚小屋で暇を持て余す。夜ごはんは、焼き豚(ぱっさぱさで味なし)、サラダ、すまし汁、りんご。豚小屋の餌にしては頑張ってるけど(共喰いだけど)、人間の餌にしてはお粗末すぎる。夜はデイルームでテレビを見てだらだら。久々にご長寿早押しクイズを見てひとりで笑い転げ、9時からは南海放送杉作J太郎さんのラジオを聴く。先週に、引き続き、今週もわたしへの励ましメッセージを話してくれて感激。杉作さんも20歳頃に年末年始を病床で過ごしたことがあるらしい。「おめでとうございます」ってことばが辛かったって気持ちすごくわかる。こちとら病床で何もめでたくない!ああ、お正月が憂鬱。

12.30日
6時起床で点滴。朝ごはんは、パン、ウインナーと野菜トマト煮、コンソメスープ。あたりの日。しかし病院はすっかり年末年始シフトに入っていて、先生はこないし明らかに看護婦さんが足りていない模様。時間通りにお薬や点滴がこない。ごはんの配膳も遅い。先が思いやられる。午前中、予約をとってシャワーに入る。今日は午後荷物の一陣を持って一時帰宅するためその準備。ありがたいことにみなさんが色々差し入れてくれたり送ってくださった本、食料があふれていて退院一日では持って帰れない量になっているため。ほんの一部なのにトランクぱんぱん。お昼ごはんは、かに玉、煮物、すまし汁。しょぼい。そうそう、昨日飯田さんが言ってたんだけど、もし、「ごはんおかわり!」とかゆったら、おかわりしてくれるんであろうか?まあわたしはごはん嫌いだからおかわりどころか毎回残してるけど、でもねえ、食べる人は食べるやろうし。しかし病院のおかずは全部味薄くてとてもじゃないけどごはん進む感じちゃうよね。午後の点滴後、着替えてシャバへ。寒いけどシャバの空気はおいしい。重い荷物を引きずって、帰宅。こんだけ重いの持って帰ってもまだ半分以上余裕で残っている。自宅に帰って荷物の整理をし、ちょっとだらだらして門限があるので病院へ帰る。帰り道、またしても日高屋さんへ寄って、野菜たっぷりタンメン少なめを食べた。やっぱり化学調味料はうまい。食べながらふと、なんで病院帰らなあかんのやろ?このまま脱走できるんちゃうん?と悪魔の囁きが脳内で響いたけど、なんとか悪魔を殺して病院とゆう名の豚小屋へ帰った。

12.17〜23日記

12.17月
6時起床で点滴&血液検査。朝食は高野豆腐とお浸し、味噌汁。そういえば朝から和食を食べる生活なんて生まれてこのかたしたことがなかったなあとふと思う。ちいさい頃から、実家での朝食はもっぱらスナックパン(ヤマザキの細長いやつ)だったし、一人暮らしになってからはもっぱらお菓子とコーヒー。今回の入院でわたし急に健康体になるかもしれない。午前中、こまどりとゆう病院の中のちいさな図書室に行ってみた。パソコンが4台くらいあって、本が並んでるんだけどだいたい医療系病系のと、文芸本は申し訳程度に、近年の芥川賞作品と村上春樹東野圭吾があるくらいで、だいたいもう読んでるか興味ないかのどっちかって感じ。一応桐野夏生の『柔らかな頬』上下を借りた。

柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)

柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)

柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)

柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)

こまどりにはいつも患者サロンでパソコン開いてる赤チョッキのじじいと、売店や廊下でよく見かけるショッキングピンクのパジャマのお姉さんがいた。喋ったことないし今後も多分喋ることもないけど、毎日見かけているとなんか親近感が湧くものやなあ。お昼ごはんは、鳥と野菜の変な炒めものと、春雨サラダ、梅干し。全部微妙な味だった。午後から感染症科の先生が回診にきておしゃべり。なんとこの先生、鈴木智彦さんの読者だと発覚!すご〜お医者さんもヤクザの本読むんですね!ちょうどナックルズの鈴木さんとの対談をまとめていたのでその話をすると、先生興奮していらした。病院でまさかサカナとヤクザの話が出来ると思わず、束の間楽しかった。そろそろ洗濯物がたまってきたのでコインランドリーにいくも、混み合っていたので断念。夜19時までしか使えないのが地味に困る。晩ごはんはタラの甘酢あんかけ、ぜんまいナムル、かきたま汁。全部微妙。今日はごはんはハズレの日。病院は晩ごはん6時と早いし、食べたらもうやることがなくなってしまい本当に退屈。だらだら桐野夏生を読んだり、ラジコで伊集院光のJUNK、南キャン山ちゃんのJUNK、岡村隆史のANNなどを聞き漁って過ごしている。

12.18火
6時起床で点滴。朝食は炒り豆腐、お浸し、みそ汁。主治医の回診で、傷口だいぶ塞がってるから抜糸しましょうとなり、抜糸ってちゃんと診察室とかでやるのかと思うとまさかのベッドの上でそのままチョキチョキとやりだしてびっくり。特に痛くもなくあっさり終わった。午前中、S井さんから小包が。フランスのおみやげでリスさんのポシェット!かわいい!気に入ったので早速つけて一日中過ごす。他にも色々お菓子や読み物など。ありがたい。お昼ごはんは、なんとうどんが出た!やったー!白米やと残してしまうけどうどんは全部完食。午後の点滴をキメて、今日はシャワーの日。点滴をまたサランラップでぐるぐるにしたけど、結局水入っちゃってびしょびしょに。お風呂から出たら、またしても小包が。大阪のK子さんからパジャマが届いた!ありがたい!わたしパジャマってゆうのを持ってないので、適当なTシャツとジャージズボンですごしていたので、これでパジャマでやっと病人らしくなった!そうこうしてたら、円盤店主T口さんとM村さんがお見舞いにきてくれた。先日の北村早樹子ビデオコンサートの売り上げを持って。ありがたい。ライブができなくってもこうやって売り上げに変えて持ってきてくださるなんて。涙涙。ついでに差し入れ読み物に実話時代エンケンの本と日本ロック史、あとI上さん伝いに僕のマリさんの『いかれた慕情』が!うれし〜!ずっと読みたかったやつ。I上さんありがとうございます。小一時間くらいおしゃべりしてバイバイ。そうそう、向かいのベッドのおばあさんに事件が。おばあさんの旦那さん、しばらく面会に来ないなあと思っていたら、なんと!腸閉塞で入院したそうな!しかも同じ病院の5階に!夫婦揃って別件で入院!そんなことあるんやね〜。夜ごはんは、豚肉の変な炒めものと、レンコンのきんぴら、りんご。全部微妙〜。ごはんのあとベッドでだらだらしていたら、「伊藤さん、伊藤さん、いるんでしょう?起きてる?」と大声で叫ぶおばあさんが部屋に入ってきちゃってびびる。ちなみに、我が病室に伊藤さんって人は存在しない。この伊藤さん探しのおばあさんは昼間にも来ており、たぶん、なんか、そうゆう病気。病院には色んな人がいるものですね。

12.19水
6時に起きて点滴。朝ごはんはボイコットして、珈琲をいれ、昨日S井さんからの贈り物小包に入ってたケーキを食べる。美味。好きなもの食べると朝から元気が出る。コインランドリーが開く9時ぴったりに行き、入院後初の洗濯。干す場所がないので乾燥機も使ってほかほか。ベッドでだらだらしていたら、郵便物が届く。来年の映画の台本が!消印は金曜なのに手元にくるまで5日間もかかった!それも看護婦さんにしつこいくらいゆって探してもらってやっと届いた感じ。こうゆう病院のシステムのゆるさ、いらいらする。台本が届いたのでほくほくした気持ちでページをめくる。こういう映画の台本いただくのがはじめてなので全部新鮮でうれしい。お昼ごはんは、白身魚のムニエル、大根サラダ。しょぼい。午後の点滴をしていたら、特選小説の編集のO高さんがお見舞いにきてくださった。リクエストのドリップコーヒーをたくさん。うれしい。O高さんは前回の入院のときもいの一番にお見舞いきてくださり、そして今回も来てくださった。本当にありがたい。みなさんお忙しい年の瀬、時間作って会いに来てくださる方は本当にかけがえないと思う。1時間ほどおしゃべり。入院していると一日中ほぼ声を出さないので人との会話に飢えている。喋れるって、喋ってくれる相手がいるってありがたい。O高さんが帰って行き、土曜日の映画の衣装合わせの外出の件でちょっと揉める。病院のルール的に夜遅くに帰ってくるのはだめらしく、外泊にして早朝始発で帰ってくることになった。夜ごはんは鶏のゆずみそかけ、ブロッコリーのあんかけ、きゅうりの酢の物。絶妙にしょぼくてげんなり。適当に残して、ビスコを食べた。桐野夏生の「柔らかな頬」上下読了。それから夜ベッドで僕のマリさんの『いかれた慕情』を読んだ。文章の種類でいうと、エッセイ?というカテゴリに入るのかな?と思うんだけど、マリさんはわたしが今いちばん好きなエッセイストだ。わたしが出来なかった甘くて酸っぱくて瑞々しい宝物のような恋を、マリさんの文章を通して追体験しているような感じ。読んでて胸がじんじんする。あとがきの「わたしは一生、恥をかき続ける」とゆう一文がすごく響いた。

12.20木
6時起床、点滴と採血。看護婦さんの中でいちばん頼りない若そうな人が来てしまい、案の定、採血下手すぎて泣いた。足から採血するので腕の10倍痛いんだけど、刺せども刺せども外しまくりで血が取れず、3穴も開けた上に、1時間後量が足りなかったからとまた刺しに来た!さすがに下手すぎてもう無理!となり、痛いんですけど!と言うと平謝りするんはええけど結局この人じゃ無理でベテランさんが代わりにやってくる羽目に。ベテランさんの採血は全然痛くなかった!こんなに違うものか!最初からベテランさんをよこしてくれ!と心底思った。朝食は、大根の煮物、キャベツの変な和え物、みそ汁。わたしは納豆禁なのでなかったけどみんなは納豆食べてたので部屋中がくせえ。どうやら木曜は納豆の日らしい。午前中、向かいの可愛い声のおばあさんに、腸閉塞で下の階に入院した旦那のおじいさんがやってきていた。おじいさんの病室はみんな腸が悪いから人工肛門の人も何人もいて部屋が臭いんだそう。そしておじいさんは腸閉塞だからずーっとごはんが食べられないらしい。おじいさんがいる時間にお昼ごはんになり、昼食が運ばれてくる。「食べさしてやるよ」「いいよー自分で食べれます」「いいから、あーんしろよ」「やだ、いれすぎ」とゆうなんとも仲睦まじい会話が聞こえてきていて和んだ。最近独り言で悪態をついてるおばあさんだけど、おじいさんの前では終始ご機嫌な様子。ああ、夫婦っていいなあってちょっと思ってしまった。昼食は、鮭のキノコあんかけ、ポテトサラダ、パン。どうやら木曜の昼だけパンが出るらしい。わたしはごはんはどう頑張っても半分しか食べられないけど、パンならぺろっと食べられる。毎食パンにしてほしい感じ。午後の点滴、後、15時から院内の美容室に白髪染めをしにいった。ついに!白髪染めデビューである!(ブローネでやったことあるけど大失敗しそれから全く染めずだった)院内の美容室はお客さんは入院患者ばっかりで、美容師さんは技術職って感じでちょうどいい堅苦しさだから居心地がよかった。馴れ馴れしく話しかけられることなく2時間半かけてみっちり染めてもらった。すごい真っ黒になったぜ!なんでまた染めようかと思ったかというと、年明けの映画の撮影で白髪まみれだとさすがにまずいじゃなかろうかと思い、染めたんである。黒髪でるんるん病室に戻り、晩ごはんはハンバーグ、きゅうりのごま酢和え、なめこ汁。ハンバーグが泣くほどしょぼいカチカチでペラペラのチルドのやつだった。夜はパソコンを広げ、ちょっとだいじな書評お仕事の宿題を本腰入れて書く書く書く。概ね書けたけどラストが浮かばず。うーんむずい。書評ってむずいですね。久しぶりにちょっと生産的なことをしたので心が満たされた。心が?どこがだろう?わからんけど、体のどこかにこうゆうことでしか満たされない部位が確実にある。

12.21金
6時起床、点滴。朝ごはんはちいさい金目鯛、ちんげん菜おひたし、みそ汁。午前中、こまどりに本を返しに行き、また借りてきた。こまどりは特に読みたい本が殆どないので、惰性で道尾秀介カラスの親指』を借りた。働きもせずに日がな一日だらだら読みたくもない本を読んでいると、わたしったら贅沢な身分だな〜って気持ちになる。昼ごはんは、豚と野菜の炒め物、かぼちゃの煮付、酢の物。入院してわたし酢の物って好きなんやと気づいた。すべてが薄味の病院食ですが、酢の物だけはちゃんと酸っぱいので食べやすい。午後の点滴を終え、シャワーの予約をしてたのでシャワーにいく。ちょうどおなじ時間に向かいのベッドの寝たきりのおばあさんが介助シャワー室でシャワーしてて、寝たきりだから看護婦さんすごい何人も出動しててたいへんそうだった。シャワーのあと、飯田さんから明日のIKAZUGOKEワンマンの台本が届いたので、声の録音をしに病院内をさまよう。ベッドの上ではちょっと録音できない内容なのだけど、デイルームも患者サロンも人がいてなかなか無人の場所がなく悩み、結局電話ボックスに籠城して録音することに成功した。ホッ。すぐさまメールで飯田さんに送信。晩ごはんはなんと、早くもクリスマスメニューが出た!ローストチキンにサラダにスープにちいさいケーキ。ちょっとテンションあがるもローストチキンなんの味もしなくて萎える。せめて塩コショウしてよ〜。食べてたら榎本さんがお見舞いにきてくれた。手編みの靴下にお菓子をたっぷり詰めて持ってきてくれた。榎本さんは編み物名人なんだけど、この靴下が超かわいくて刺繍のツリーに小鳥がとまってて胸キュン。お菓子もいっぱいありがたい。榎本さんに、日本で一番うまいサックスプレイヤー津上研太さんが、わたしの「からすの蒲団」とゆう曲をライブでカバーしてくれた映像を見せていただく。これがハイパーかっこよくて、ジャズバンドがアレンジしてくださるとこんなになるんや!て目から鱗な仕上がりでうっとり。津上さんめちゃくちゃかっこよくてたまらん。惚れた。榎本さんと2時間ほどおしゃべりし、お見送りしてベッドに帰り、夜は三四郎のANNを聞いて寝た。

12.22土
6時起床で点滴。朝食は厚揚げ煮、青菜お浸し、みそ汁。変わりばえしない献立。コーヒーいれて昨日榎本さんがくれたチョコを食べた。今日は久しぶりに外出なので、2週間ぶりにブラジャーをし、化粧もする。ブラジャー久しぶりにしたら苦しい。太ったんかな。11時半から前倒しで午後の点滴をし、午後からシャバへ。今日は映画の衣装あわせと動き方指導があるんである。外に出たら雨がぱらついてたので、コンビニで傘を買う。田端駅まで歩き、新宿、京王線に乗り換えて調布。マネージャーMッキーと落ち合ってさらにそこからバス。なかなかの遠出である。由緒正しい撮影所なる場所に普段足を踏み入れることもないので、いちいちテンションがあがる。衣装室なる場所へ入ると、監督はじめスタッフさんが20人くらいいて、衣装さんが用意してくれた何パターンかの服を着てみんなに見てもらう。衣装あわせってこんなんなのか〜。不思議な感じ。無事衣装が決まり、空き時間、食堂でマネージャーMッキーとおしゃべりしてたらじわじわとキャスト陣が集まってきて、会場へ。映画やドラマでみたことある俳優さんばかりで、挨拶していいものかどうなのかわからずオドオドしてしまう。守秘義務があるので誰とは言えませんが、この映画、なかなか豪華な実力派俳優さんが集結していて、わたしごときがこんなところに混ぜていただいていいんだろうかと恐れ多すぎてびびる。映画の内容がいえないので詳細は書けないのだが、某分野の先生がいらっしゃり、みんなで説明を聞いた。へえーすごーてなる情報だらけだったのだけど、何一つここには書けません、がたいへん勉強になりました。なんやかやで終わったら21時回っていて、病院の門限20時を大幅に破ってしまうため、今日は自宅に帰り、明日始発で病院に帰ることに。久しぶりにシャバで過ごす一夜。帰ったらポストがパンクしていて、請求書類だけ取り出す。この、一か月ほぼ留守にしてるから家賃も空家賃だし、光熱費も基本料金が勿体ない感じ。パソコンを広げ、ナックルズの原稿を送って、映画の参考資料DVDを見て寝た。

12.23日
4時起きで荷物の準備をして、始発に乗って病院にもどる。まだバスはうごいてないので千駄木から徒歩。早朝は寒いしこの辺誰も歩いてない。病院の裏口から入って病棟へ帰還し、ナースセンターに外泊用紙をもっていく。部屋に戻って荷物の整理、してたら6時から点滴。眠いのでうつらうつらする。7時半から朝食。日曜だから今日はパンだった。パンとコンソメスープとウインナーと野菜のケチャップ煮。まあまああたりだった。薬飲んで歯磨きして、一旦寝よう。と思っても意外と寝付けず。布団でだらだらする。お昼ごはんはカレイのきのこあんかけ、里芋の煮物。微妙。午後からはちゃんと起きようと思ったけど身体がだるくて結局だらだら。内田春菊の『ダンシング・マザー』を読み始める。

ダンシング・マザー

ダンシング・マザー

長崎弁?が馴染みなさすぎてなかなか入っていけず。夕方から向かいのベッドのおばあさんに、例の腸閉塞で下の階に入院してるおじいさんが遊びに来ていて会話がかわいくてなごむ。「こんなに長く泊まってさ、俺たち新婚旅行みたいだね」「なにいってるのよ、こんな新婚旅行ったらないわよ」「じゃ修学旅行みたいなもんか」「ばかいわないでよ、わたしたち何歳よ」ほっこり。夜ごはんは、鳥の水だき風、と書かれていたのだが、ただの味無しのゆで野菜とゆで鷄だった。冷めてるし味ないし、全く食が進まない。夜はこの長い日記を書いて寝た。

12.10〜16日記

12.10月
病院で目覚める朝。朝食は、ハムとしめじとほうれん草ソテー、白菜の煮物、みそ汁。謎のソテーは意外とうまかった。白米以外はちゃんと完食。朝から採血(また足からとった)、点滴をし、先生が回診にくる。今回のわたしの主治医は女性なんだけど、男前とゆうか女前とゆうか、ショートカットでさばさばした30代くらいのねえさん。怖いわけじゃないんだけど、なんか威圧感あってとっつきにくく喋りにくい。主治医の回診で、手術痕のガーゼの取り替え。ドレーンとゆう膿を吸い出す管はまだ入ったまま。昼前に、今度は感染症科の先生が回診にやってくる。今回のわたしの症状は、外科の領域だけど感染症でもあるので感染症専門の先生もついている。病状を説明されるもあまりわからず。昼食は、麻婆豆腐とお浸し。やっと味のあるご飯が出て歓喜。昼過ぎに、近所に住むH田くんが、みかんとイチゴを持ってお見舞いに来てくれた。しかも赤ちゃんを連れて!まだ生後4ヶ月ほどの赤ちゃんは、お肌つるつるすべすべで、お目目キラキラのくりくりで、たいへん可愛くて癒された。H田くんがお父さんしている光景もなんかぐっときた。1時間くらいおしゃべりして帰って行き、午後の点滴。を終えて、わたしは再び外出許可をもらって一旦家に荷物を取りに帰る。とアパートの部屋の前にゴミ袋がおいてあり、「燃えるゴミは今日じゃありません!」とゆう怒りのメッセージがかかれた紙が貼り付けられていた。がーん。そう、土曜日に荷物とりにきた際に、わたしはゴミの日じゃないのわかっていながらゴミを出したのである。だって入院しちゃうからどうしようもないやん?どうしたらええの?そや!と思い立ち、上の階に住む子連れの主婦のおねえさん宅にピンポンを押し、事情を説明してゴミの日までゴミを預かってくださいとゆう妙なお願いをした。快く引き受けてくれてホッ。部屋で追加の荷物をトートバッグに詰めていき、滞在時間20分ほどで家を出て病院に戻る。千駄木駅から病院まで徒歩15分。団子坂が急だけど、普段閉鎖的な病院に軟禁されてるので冬の冷たい空気を吸いながら歩くのきもちよかった。病室にもどると、またしてもお見舞いが!なんと元チューバディスク(わたしの1stアルバム2ndアルバムをリリースしてくれたレーベル)の美人敏腕スタッフK澄さんが来てくれた!実は会うのも8年ぶり?とかで超ひさしぶり。近況報告などつもる話を1時間ほどした。K澄さん、可愛い和菓子とドリップコーヒーと本(カレンラッセル「レモン畑の吸血鬼」)を持ってきてくれて歓喜

レモン畑の吸血鬼

レモン畑の吸血鬼

K澄さんには10年前くらい公私ともにとてもお世話になっていて、わたしが新米主婦だった時代、ご近所さんでよくごはんを食べさせてもらっていた。(K澄さんは料理が上手)その後、わたしは離婚して上京し、チューバディスクも業務終了し、みんなバラバラになっちゃったけど、こうしてまた会えるのはうれしいな〜としみじみ思った。K澄さんが帰って晩ごはん。鳥の照り焼き、ひじき、すまし汁。絶妙に食が進まないがもったいないのでおかずだけ食べた。今日は色んな人に会えて充実したきもちで寝た。

12.11火
6時起床で点滴。朝食はボイコットして、昨日H田くんがくれたイチゴとK澄さんがくれた和菓子をたべた。朝はコーヒーが飲みたいけどコップもお湯もないから飲めず。向いのベッドの恐竜いびきババアは別の病室へ引っ越していきホッ。そして代わりに首の骨を折ったおばあさんが入ってきた。先生や付き添いな旦那さんの話を盗み聞きするに、朝そうじのバイトへ行く途中に自転車で転倒して首が折れちゃったらしい。ひい!このおばあさん、寝たきりだから顔は見てないんだけど、声がとても可愛く魅力的で、なんてゆうのか、天然でアンビエントなエフェクトかかっててしかもロリータボイスなんである。フレンチポップとか歌わせたい感じ。癒される。が、寝たきりだからご飯食べるのもひと苦労だしトイレもいけないからオムツでうんちしたりたいへんそう。そして看護婦さんもたいへんそう。昼ごはんはやきそばとサラダ。やきそば、ほぼ具なしであった。そう、やきそばを食べていてふと、母方の祖母の実家の焼きそばを思い出した。母方の祖母の実家は食習慣がいろいろ変わっていて(やべーすきやきエピソードが過去の日記にあります)焼きそばは味なしなんである。そばと、キャベツとお肉をただ焼いただけのものがどーんと出てきて、あとは味付けはご自分でどうぞ法式なんである。みんな各々お皿にソースをかけたりしょう油をかけたりしていて、わたしはしょう油味が好きだった。でもソースにしてもしょうゆにしても、絶対一緒に焼いた方がおいしいよね?あの食べ方は地域性なのか、それともつくる祖母が変わっていたからか。謎。やきそばを食べたらもうやることがなくなった。ああ、入院生活は本当に孤独で暇。来年のだいじな仕事の件でマネージャーM氏に連絡。色々どたばたで、もしかしたらその仕事自体ダメになるかもで泣きたい気持ち。なんでわたしの人生ってこうなんやろ、よっぽど日頃の行いが悪いんであろうか。それとも厄年だからか?あーおちこむ。夜ごはんはシャケ、青菜のピーナツ和え、茶碗蒸し。茶碗蒸し好きやけど普段食べないから久しぶりに食べた。おいしくて満足。あー食べてぐうたらしてるだけ、一日100歩も歩かない豚のような暮らし。動いてないから当然眠れない。

12.12水
6時起床で点滴。そろそろお気に入りの看護婦さんが出来てきた。まあみんなやさしくてよく働くいいひとなんだけど、この人なんか好きやな〜って人とか、なんか苦手やな〜って人、出てくるよね。朝ごはんは白菜の煮物、温泉卵、味噌汁。これで一食450円はどう考えても高いよね。主治医の回診があり、あとは暇。入院生活は孤独と暇との戦いや。昼ごはんはエビフライが出てがびーん。エビフライ残してたら、看護婦さんに「アレルギー?」と聞かれ、ただただ嫌いな旨を伝える。午後は点滴のあと3階の患者サロンとゆうとこに行ってみた。病院内この空間だけwifiが飛んでるのである!が、平日10〜17時しか使えない上に、使ってみると電波クソ弱い。まあ、やむなし。病院やしね。暇なので狭いコンビニを無駄にうろちょろしたりして時間を潰す。夕方、マネージャーM氏がやってくる。この度の顛末を説明して謝罪。1時間ほどM氏と与太話で盛り上がる。M氏は毎度毎度おもしろエピソードをぶっこんでくれるんだけど、今日のエピソードもこれまたやばかった!けどプライバシーの問題があるのでこんなとこには書けません。晩ごはんは肉豆腐と煮物とすまし汁。すまし汁にお麩が浮いていてうれしかった。味噌汁の具でいちばん好きな具は麩かもしれない。19時半頃、年明けから出演する映画のプロデューサーさんがいらっしゃる。わたしの容態を知り、本当に治りそうかどうか判断するのに、わざわざご足労くださったのである!もしかしたらアウトかもって不安でいっぱいやったのだけど、おはなしし、なんとか首にならず出られることになった!よかった!本当によかった!この映画は詳細は守秘義務があるので言えませんが、まじで本物のちゃんとした映画なのです。ライブも全部キャンセルになってしまった今のわたしの唯一の楽しみなことが年明けの映画!あ〜たのしみ!そのためには何がなんでも年明けに退院するぜ!

12.13木
6時起床で点滴と血液検査。朝ごはんはなんと納豆!ガーン!まあ偏食なわたしが悪いんだけど、朝から嫌いなもの出るとテンション下がるわあ〜。午前中、IKAZUGOKE相方飯田さんがお見舞いに来てくれて、22日のIKAZUGOKEワンマンの相談をする。結果この日はわたしは現場には行けませんが、声だけで出演することになりました。そして飯田さんのご好意で投げ銭一部をわたしの入院費用に当ててくれるとのこと。うるうる、ありがたい。お昼ごはんは、グラタン、パン、サラダ。わあーいグラタン!冷めてたけどうれし〜!しかもパン!何日ぶりのパン?ただのロールパンさえおいしく感じた。あ〜ぶどうパンが食べたいなあ。午後は患者サロンへパソコン持って行き、うっすいwifi電波からなんとかナックルズ連載のテープ起こし原稿をパソコンに落とす。患者サロンにいたら、「手作りカード講座を受講しませんか?かわいいシールやスタンプもたくさん用意してます♡」と謎の勧誘をされ、怖くなって病室に戻った。手作りカード講座て何?しかも勧誘してきたおばちゃんがなんかすごい信仰宗教っぽい変な物腰&笑顔であやしくて怖かった。暇なので院内をうろうろしていて、デイルームの大部屋に入ったら、なんと!お湯があった!よし、明日外出して家からコップ持ってきてコーヒー入れて飲も!こうゆうちょっとしたことに喜びを感じていないと退屈な入院生活は乗り切れない。晩ごはん。昼間のグラタンに浮かれていたら一転、夜はメインディッシュが卵焼きとゆう貧相すぎる献立で泣いた。大根おろしついてたけど、卵焼きて!朝ごはんじゃあるまいし!プン!夜は黄昏流星群の最終回をみて寝た。

12.14金
6時に点滴、8時に朝食。白身魚と、野菜のおかか和え、麩のすまし汁。午前は先生の回診があって、手術痕の傷口の消毒。黒い糸で二十針くらい縫っているのでなかなかグロい。昨日の血液検査の結果は良好だったぽくってホッ。なにがなんでも年明けには退院しないといけないのです!昼ごはんは鶏のトマト煮とインゲンの胡麻和え。感想は特になし。食べてしばしナックルズの原稿とにらめっこ。なかなか字数が減らず悩む。午後の点滴を終えて、15時から外出許可をもらって一時帰宅。外に出ると風が冷たくて極寒だったけどぬくぬくした病室より断然きもちよく、千駄木駅まで15分歩いて電車で帰路。北千住で途中下車して、ちょっと買い物。ユニクロで超極暖を買い、ブックファーストで読み物を探す。ちょっと高いので手が出せなかった、リン・ディン『アメリカ死にかけ物語』と、小野一光『人殺しの論理』を購入。帰宅して、ちょっと押入れをひっくり返して探し物。無事見つかってよかった。北村直販の発送を一件。入院着のズボンのホックが取れたので繕って、トートバックに持っていくものを詰める。くっきーマグカップも入れた。これで病室でコーヒーが飲める。荷物をまとめて家を出て、今日は夕飯をボイコットしたので好きなものを食べれるんだけど、何しようか悩んだ結果、病院食では絶対食べられないものを食べたくて駅前の日高屋でひとりで野菜たっぷりタンメン麺少なめを食べた。ケミカル調味料が身体に沁みた。おいしかった。病院食は絶対化学調味料とか使ってくれないから、体がケミカルを欲していた。店を出て再び病院へ戻る。病院暮らしは一日100歩も歩かないので確実に運動不足なので、急な団子坂登るのもなんか楽しかった。普段は歩くのも坂登るのも嫌いなのに。精神安定のためにも適度な運動は必要だ!部屋に戻ると、向かいのベッドのかわいい声の寝たきりのおばあさんに面会で旦那さんがきていて、そのやりとりがこれまたかわいくて和む。「さみしかった?」「さみしくないわよ。お父さんこそひとりで大丈夫?」「あーおしっこしてえな」「尿瓶かしましょうか?」「こんなのちんちん入らねえよ」「見え張っちゃって!十分入るでしょ」なんて言い合ってて、すごくきゅんとした。こうゆうおじいさんおばあさん、憧れるなあ。今夜は高円寺円盤で北村早樹子ビデオコンサートが行われている。月例ワンマンの日だけど入院してていけない旨を伝えたら、店主田口さんが過去のわたしの映像を掘り返してくれて急遽催してくれた。20歳の円盤初登場時のライブなんかが出てきたそう。恥ずかしいけど、わたしも見たかったなあ〜。

12.15土
6時起床で点滴。朝食はがんもの煮付、変な味のにんじんともやし、味噌汁。相変わらず食欲が出ない。が!今日からはコーヒーが飲めるのである!デイルームのポットでドリップして病室で飲む。久しぶりのコーヒー、うまい。午前中、感染症科の先生が来る。この先生、何故かわたしが西成好きなこと知ってて、「身体のためには行かない方がいいですよ、西成の結核率は他の地域の何十倍も高いといわれてて、北村さん持病で免疫抑える薬飲んでるから感染しやすいから危険です」と言われた。がーん。そろそろドヤが恋しくなっていたのに。しばらくおあずけか、とゆうかもしかしたら一生おあずけなのか?いやーっ!まあそんなことゆわれてもこれからも行くでしょう。お昼ごはんはブリの照り焼き、なすの煮物、しめじと青菜なわさび和え。わさび和えが思いのほかおいしかった。午後の点滴を終え、3時からシャワーの予約をしていたので、入院後初のシャワー。10日ぶりのシャワー。点滴の針は抜けないからぐるぐる巻きにしてサランラップ巻いてテープで止めて入ったのだけど、案の定水入ってきてびしょびしょにしてしまった。夜ごはんはチャーハンだったのでわーいと小躍りするも一口口に入れて唖然…一切の味がしないんである。病院食は全体的に味がうすいけど、そんなどころじゃない。大袈裟じゃなくほんとに味がない!なんとかスープで流し込んだ。夜はテレビで久しぶりにイッポングランプリを見た。くっきーの背中にコブできるの三段落ちで爆笑。しかし病室なので声を殺して笑った。10時に消灯で部屋の電気消されるんだけど、テレビも10時以降禁止なのか?イヤホンだから音は出ないけど、画面光ってるのばればれだから叱られるかも?いつもこわごわ見ている。

12.16日
6時起床で点滴。8時から朝食、今日はパンが出た!パンとコーンスープ!普通の味無しロールパンだけど久しぶりのパンなので沁みた。午前の点滴終えて、唯一wifiが入る3階の患者サロンにいき、ユーチューブを見てだらだら。この患者サロン。パソコン開いてる赤いチョッキのじいさんと、スマホゲームしてる妊婦ぽいおねえさんがいつもいる。今日もいた。お昼ごはんは、カレー!しかしこれが調理実習で失敗したような味のカレーで、要するにカレー粉が少なくてあんまりカレーの味がしないんである!がーん。昨日のチャーハンといい、今日のカレーといい、もしかして給食のおばちゃん、料理下手なんか?という疑いが。この給食、ただやったらこんな文句はいいませんが、実費で一食あたり450円も払っているんである!三食で一日あたりなんと1350円!なのでこんなに文句タラタラなんである!だってわたし、普段の一日の食費、500円とかそんなもんよ?それを、強制的に1350円も払ってこの始末かーい!とゆう怒りがふつふつ湧いてくる。食べ物の恨みはなんたらかんたらてゆいますしな。ごはんのあとは点滴しながらベッドで読書。『人殺しの論理』と『アメリカ死にかけ物語』を交互に読む。

アメリカ死にかけ物語

アメリカ死にかけ物語

『人殺しの論理』は全員死刑の北村孝紘、北九州監禁連続殺人の松永太、尼崎の角田美代子となかなかアツいラインナップで燃えた。点滴のあと、久しぶりにパソコンを開き、しばらく休んでいた小説執筆の続き。あんまり筆は進まなかったけど、久しぶりにちょっと生産的なことをしたので気持ちが満たされた。思えば入院して以来、生産的なことを全く出来ておらず、ただ暇をつぶすためだけに本を読みちらしていただけなので、読書もあまり身になっていなく、本当に、寝て起きて点滴して飯食って屁こいてるだけの、本当に生ける屍のような怠惰っぷりで、時間だけは無限にあるのに何故かひとつも生産的なことに食指が向かなくてこのままどうするの?って感じ。病院って、すべてのやる気を萎えさせる変な魔法でもかかってるのか?とか思ってしまう。まあ、全部気の持ちようで言い訳にすぎないのは自覚しております。夜ごはんは生姜焼き、きんぴら、すまし汁。昼のカレーに比べたら味があったのでおいしかった。向かいの寝たきりのおばあさん、今日が66歳のお誕生日だったらしく、夕飯がお誕生日膳だったらしい。病室で誕生日か〜淋しいもんだけどわたしも明日は我が身なので人ごとじゃないね。この声が可愛い寝たきりのおばあさん、最近ストレスからか独り言でぶつぶつ悪態をついていてちょっと怖い。ナースコールしてもなかなか看護婦が来ないと「なにしてんだよ、だらしね〜なあ〜」とか薬持ってくるといって忘れられてたときは「なんだよ頭悪すぎるだろ!」とかぶつぶつ言ってて、まあみんな入院ライフ辛いからストレスも溜まってるし、こうやってどんどん化けの皮が剥がれていくんだろうなあと思うと、笑えない。わたしもいつか独り言言い出すのかもしれない。

12.3〜9日記

12.3月
朝から普通に労働。おひるすぎ、あくせく働いていたらお世話になっている漫画家Mさんと作曲家M藤S児さんがいらっしゃる。本当は喫煙フロアにいたのに、わたしの顔見に禁煙フロアにあがってきてくれたそうな。うれしい。この仕事はこうやって会いたい人に唐突に会えたりするからやめられない。そのほかは特筆すべきことはなし。帰って、今週のIKAZUGOKEライブの台本をひっぱりだして復習して寝た。

12.4火
朝から普通に労働。しかし今日は突然あったかい、とゆうか暑いくらいの変な気候。そんなのに我が職場、現在従業員の7割ほどがおなじ風邪を引いており、みんなゲホゲホくしゅんくしゅんしていて、飲食店にあるまじきことなんだけど風邪ウィルスの溜まり場って感じで息吸うのも怖い。仕事中はマスクも出来ないから開き直って気合いで仕事するしかない。どうかうつりませんように。今週はライブ2本あるから絶対うつりたくない!しかしみんな風邪ひいても意地でも病院いかないの、あれなんでなんかね?風邪薬も、効くかわからん市販のやつが職場の薬箱に入ってて、それを飲んで凌いではるんやが、そんなんやから長引いてずっと咳してウィルス撒き散らしてて、まじでテロリストやとしか思えない。お願いだから風邪菌まかないでいただきたい。しかし風邪ひいてる人にそんなこといえず、隠れてうがいをしまくるくらいしか予防の術がない。アーメン。ああ風邪うってませんように。

12.5水
今日も今日とてあったかい。昼から飯田さんが我が家にやってきて、明日のIKAZUGOKEライブの練習。ネタの順番を決め、整理して、練習して、通し稽古もした。途中わたしのキーボードのアダプタが見つからず、電池を買いにいったのやが、その数分後に見つかるという情けない事態に。まあ、そんな日もある。練習は無事終わり、ちょっとおしゃべりして夜飯田さんが帰っていく。この辺からわたしの左腕に異変が。骨折の左腕はもうだいぶよくなってそんなに痛むこともなかったんだけど、急に手術痕がずきずきしだしてびびる。なんだろうこれ。怖い。とりあえず湿布をして寝る。

12.6木
寝起きから左腕激痛で、いつのまにかすごく腫れている。怖くなったので病院へ。1時間前から並んだのに、しかも雨なのにすでに行列。大人しく傘さして濡れそぼりながら並ぶ。結局診察の順番が来たのは10時半。先生に患部をみせると、これは手術痕からばい菌が入ったのでしょう、といわれる。ばい菌が金属の奥にまでまわっていると、また手術して金属ぬかないといけないといわれびびる。レントゲンと血液検査して、抗生剤を処方された。明日になっても痛かったらまた来てくれといわれる。困った、やっかいなことになってしまった。今日明日とわたしは連続でライブなのであーる。しかも今日は激重のキーボード、明日はトイピアノを背負っていかねばならず、しかし左腕は力入れると激痛。演奏もぎりぎりって感じでピーンチ。抗生剤効いてくれーっと祈りながら帰って、ライブの準備。なんとかキーボードを背負って、夕方駅で相方飯田さんと待ち合わせ。しかし今日は寒い。湿布してるから余計に寒い。駅で飯田さんと落ち合い、いざ浅草へ。はじめてつくばエクスプレスを使ったら浅草まで20分くらいで着いた。近い。会場銀幕ロックへ。はじめて伺ったのだけど、椅子が全部可愛くて、小さいステージもあってムーディな会場。キーボードを繋いだり、セットを組み立てたり準備してリハをしていたら、リリミホさんが到着。おふたりとも可愛くてかっこよくて早速惚れる。諸々確認が終わって、飯田さんはお化粧をしにドンキへ。この日飯田さんは化粧ポーチを忘れたのでドンキの試供品でばっちりメイクをして帰ってきた。すごい、試供品でこんな綺麗になるんや!バタバタと開場して開演。まずはリリミホさんのライブ。トークが多めで合間に歌って感じだったのだけど、おふたりは各々にしっかり筋が通った活動をしてらっしゃる上で、ふたりになるとトークはいい意味で力がぬけていてたのしい。いくらでもきいていられる。歌になると、せまいステージで小さく手足や上体を動かしておられ、その所作立ち振る舞いがさすが踊り子さんって感じでたいへん美しかった。リリミホさんたちのあと、後攻我らIKAZUGOKEのライブ。サザエさんコントからお互いのソロをやり、物販コント、ラップ、トーク、後家殺しと盛りだくさんでたのしく出来た。飯田さんのソロの新ネタ、ちんこまんこファイトがすさまじくて爆笑。あたたかいお客さんに見守られたのしくライブできました。物販も買っていただいた方ありがとうございました!この辺からわたし、腕が激痛になってきており焦る。バタバタと片付け清算をし、リリミホさんとお別れして帰路。足立区に帰還して、いつもの居酒屋で飯田さんと小さく打ち上がった。久しぶりに飯田さんと飲めて楽しかった。1時に閉店で追い出され、外に出て、ふたりでちょっとバカな告知動画を撮影。完全にただの足立区のバカふたり組って感じで、ひどい内容だけどたのしかった。キーボードを引きずって帰宅。

12.7金
左腕が痛くて眠れない。夜中アイスノンを出して布団にいれて冷やすもあまり意味なし。朝になって今日も病院へ並ぶ。30分くらいで呼ばれ、患部を見せると、これは大病院で見てもらわなきゃだといわれ、早速手続き。紹介状をもって都立駒込病院へ。すぐさま診察に通され、これはいますぐ緊急手術ですといわれる。がーん。入院グッズなにもないし。とゆうか今日はライブだし!急いで方々へ連絡しまくって謝りまくる。会場レテさんに連絡すると、こんなときになんてますがキャンセル料が発生しますのでと言われる。まあ、これが現実や。仕方がない。落ち込みながら検査を周り、入院手続きをして病棟へ。何も持ってないのでとりあえずローソンでスマホの充電器を購入。2600円の出費。痛い。他にも歯磨きや日常用品を買って手術を待つ。14時から点滴がはじまり15:45に看護婦さんに呼ばれ、ベッドに乗って手術室に運ばれる。手術室ですっぽんぽんになると、昨日のIKAZUGOKE コントで左腕にマジックで書いたフォーリンエンジェルのタトゥーが丸出しになり、しばし手術室で爆笑をかっさらう。そうこうしてるうちに麻酔がはじまり、じきに意識が飛んで、気づいたら19時。喉の激痛と腕の激痛(とはいえ前回の手術後よりは痛くない)に襲われる。左腕に変な血の管、右には点滴、胸は線がつながってて、尿道にはカテーテルが。全身管だらけで身動き取れず。この日はごはんはなし、水も飲んじゃダメで、もう寝るしかない。のだが、なんと今回の病室、向かいのベッドにすさまじい大音量でのいびきをかくババアがおり、この晩わたしは一睡も出来なかった。ほんとに女性でこんないびきでかい人おるの?まじで恐竜の雄叫びのようないびき。もうちょっとでわたし発狂して「ガースカガースカ寝腐りやがってこのクソババア!」と吠えるところだった。こういった病室トラブルってないんだろうか。

12.8土
ババアに殺意を覚えながら朝。6時に血圧&体温をはかり採血もし(なんと足首から採血とゆう初体験をした)、やっと水飲んで良しといわれ、ぐびぐびお茶を飲む。7時頃に朝食がくる。白米、青菜のおひたし、味噌汁、変ながんもの煮物。全く食欲の出ない献立やが、昨日丸一日何も食べてなかったのでさすがに空腹でおかずだけ食べた。ごはんのあと、尿道カテーテルを引っこ抜く儀式。前回もやったから慣れっこだけど、改めて変な儀式やな〜と実感する。カテーテル抜いたあとトイレにいくとパンツに血がついてたので、あな生理か?と焦り、看護婦さんに申し出るとオムツをつけさせられる羽目に。オムツして流しで汚したパンツを洗うのはなかなか精神的にきつかった。しかし血が出たのは1回だけでその後血は出なかったから生理ではなかった模様。尿道から血が出てたのかな?それはそれで怖い。冷蔵庫が全然冷えないので看護婦さんにきくと、テレビカードをいれないと電源入らないとのことで、仕方なくテレビカードを買う。1000円で23時間しか冷蔵庫は稼働しない。た、高い。しかし病室エアコン効きすぎで激アツなので冷たいものが飲みたい。そうこうしてるうちに昼ご飯。シャケのバター焼き、ブロッコリー、いも、スパゲティサラダ、見栄えはいいけど味がない。ごはんのあとまた点滴一本キメて、昼3時から外出届けを出して一旦荷物を取りに帰る。昨日緊急入院したので荷物が何もなかったのであーる。傷口からチューブを垂らしたままなのでちょっと怖い外出。とはいえ、閉塞的な病室にいると外の空気が気持ちよくありがたい。タクシーで帰ろうかと思ったけどお金がないので電車で帰る。帰ってトランクを開け、荷物をほりこんでいく。何日の入院になるか全く未知なので、とりあえずありったけのパンツを持っていく。パソコンや暇つぶし本などを詰めていたらあっとゆうまにトランクぱんぱんに。トランクをひきづって再び駅。駅前のパン屋でパンを買う。ごはんがまずいときようの食料。タクシー乗ろうか迷ったけど、元気はあったので電車とバス。病室に帰って荷物の整理をしていたらもう夕食が運ばれてくる。すき焼き、長芋の煮付け、酢の物、バナナ。すき焼きとは名ばかりのうす味の荷物であった。食べて荷物を片付けていたら、相方飯田さんがお見舞いにきてくれた。お願いしていた耳栓をもって。(いびきババアの対策用)あと暇つぶし読書用の本や漫画も。ありがたい。1時間ほど喋ってバイバイ。夜は耳栓をして早い目に寝た。

12.9日
6時に起こされ、血圧、体温、採血。朝食は拒否して、昨日買ったパンを食べる。病院食よりよっぽどうまい。しばらくして午前の点滴。をしながら、飯田さんが昨日もってきてくれた闇金うしじま君を読む。映画は飛行機の中の無料のやつでみたけど、何気に漫画で読むのははじめて。うしじま君を読み終わったらもう昼ご飯。なんか入院生活ってご飯食べて寝腐ってるだけやなーと思う。これは太る。メニューはチキンピラフとごぼうサラダ。チキンピラフってケチャップ味の赤いやつを連想するのに、出てきたのは白くて味が激うすでため息。まあ白米よりはまっし。ごはんのあとまた点滴をキメて、午後から看護婦さんに助けてもらってシャンプー。3日ぶりなので気持ちよかったけど、アイロンがないので髪の毛が盛大に膨らんでチン毛のようになってしまって泣ける。まあ病人だしやむなし。コントのセリフ覚えをやろうと奮起するも、ベッドの上でぼそぼそ声出すと、となりのベッドの独り言ババアと一緒になるので、デイルームに籠城する。ここ、人がいないときは穴場やな。しかし入院暮らしは暇。しかもいつ退院できるって目処がつかめないので、際限ない暇が押し寄せる、これは結構な恐怖である。円盤田口さんに、緊急入院した旨を連絡し、来週の月例ワンマン無理かもと伝えると、あなた病人の才能ありすぎ!と一蹴され爆笑。決してひ弱っ子自慢をするつもりはないし、そうゆうキャラ付は寧ろ嫌いなんだけど、ここまでくるともうわたしって病の天才かもしれない。なんの才能もないけど、病の才能だけは普通の健康な方よりは飛び抜けて秀でているであろう。てなんの自慢にもならんわ!夜ごはんは、海鮮チリソース。わたしはエビイカがだめなので一口も食べられず、飯田さんが昨日くれたチーズおかきを食べた。夜、どうにも寝付けず、手足がムズムズして深夜病棟を点滴がらがらしながら徘徊。誰にも会わなかったけど、もし他の患者さんに見られたら、妖怪を見たと思われたかも。窓から見た夜景が綺麗だった。