10.8〜14日記

10.8月
午前中、I田さんと駅で待ち合わせしてふたりではるばる川崎へ。大好きな若林美保さんと倖田李梨さんが川崎ロック座に出られるということで、しかもチームショーをやられるということで、これは行かねばなるまいよ! ということでわくわくしながら川崎入り。一回目はチームショーではなくソロだった、けどこのソロがまたふたりとも素晴らしかった。倖田李梨さんは、いつも元気いっぱいに全力で踊りまくるパフォーマンスなんだけど、この一回目はいつもと違って抒情的というか、切ない演目だった。観る側の気分にもよるのかもしれないけど、なんか悲恋のような印象の演目できゅんとなった。そして改めて身体の美しさに惚れ惚れする。李梨さんの腰の括れと二の腕は絶品だな〜と思った。そして若林美保さんの一回目。幕から登場した瞬間から、あっと息を飲む美しさ!(同席していたI田さんは本当に声を出して「あっ!」と言っていた)衣装も振付も演出も素晴らしい。エアリアルシルクで舞われるわかみほさんはほんとにこの世のものとは思えない神々しさ。空中で大開脚するポーズがあるんだけど、いつ見ても胸がいっぱいになる。ああ、ソロも見れてよかったね〜と、休憩中ロビーでI田さんと座っていたら、知っているお客さんに会って、わたしがコーヒー飲みたがっていたら、劇場の200円もする高級缶コーヒーを奢ってくださった。ありがたし。二回目は待ちに待ったチームショー。最初はアイドルさながらおふたりでおうたをうたいながら登場し、そこから踊りで絡みつつ、お互いのソロコーナーもあって、最後またふたりで絡みながら踊るという、なんとも贅沢な20分だった。わかみほさんのソロコーナーの音楽が、イエモン〜黒色すみれちゃんで、わかみほさんの手にかかるとこんなふうになるのか〜と衝撃を受けた。おふたりの絡みもたいへんにすばらしく、リリミホってほんとにいいバランスのコンビだな〜と思った。おふたりとも各々が違うベクトルで魅力的で、背丈や身体の線も、踊り方も、それぞれ違うんだけどどっちも素敵で、ふたりで踊られても両方に目を奪われる感じ。あ〜憧れのコンビだな〜としみじみ思った。チームショーのあとI田さんとポラに並んで一緒に並んでポラを撮ってもらった。わかみほさんが後ろから腕回してぎゅってしてくれて、その腕がとても温かく、なんか泣きそうになった。こんな素敵なおふたりと、12/6はIKAZUGOKEでツーマンさしてもらいます! これは必見です! みなさま今から予定あけておいてね☆ いや〜楽しかったし元気もらったね〜といいながら、I田さんと川崎の路地裏のいい按配の焼き鳥屋で飲んだ。いぶりがっこがおいしかった。京浜東北線に揺られてのんびり帰路。いい一日だった。

10.9火
朝から霞ヶ関東京地裁。なんか家にいても病むので、お金のかからないレジャー=裁判傍聴ってことで来てしまった。とはいえ、骨折してからしばらく来てなかったので2週間ぶり?とかでひさしぶり。罪名「人質による強要行為等の処罰に関する法律違反、殺人未遂」という珍しいやつがあったのでその法廷へ。この事件、わたしは知らなかったんだけど、去年、浅草マンション立てこもり事件っていうのがあって、元交際相手に復縁を迫り、断られたことを恨んだ被告が彼女の実家に立てこもり、実家のお母さんを人質に取って包丁で刺し大怪我させたという事件の裁判。被告人は二十代で色白の男前。普通に健全そうに見えるんだけど、精神鑑定でパーソナリティ―障害って診断を受けているらしく、鹿児島の実家からお母さんが証言台に上がっていたのだけど、人とコミュニケーションをとるのが下手で仕事も続かず無職で、とのことだった。裁判中、彼女とのLINEのやりとりがモニターに映し出されてて、そのLINEがまた、ちゅっちゅくちゅ〜な感じの痛いやりとりで、へー裁判でこんな風に全部さらされるのか、はずかし〜と思った。不思議なんだけど、このお母さん、被害者側の彼女とも直接連絡をとっていて、事件の前日も電話していて、なんか過保護過ぎたが故にこんな風になったんじゃないかな〜とか勝手に推測。関係ないけど、このお母さん如何にも薄幸そうなはんなりとした美人でちょっとよかった。二件目、70代のじいさんストーカー。じいさんは池袋の風俗店で出会った59歳の女性につきまとい、家の前の公園で夜通し待ち伏せするなどして逮捕されたとのこと。70代やのに、情熱的なじいさんだこと。じいさんはたぶん変な事を迫ったからか、風俗店も出禁になり、女性に会えないので淋しくて家まで行ってしまったと言っていた。「遠くから見ていると、なつかしい気持ちになり、元気でいるんだな〜と思ってホッする」らしい。あ〜なんか、黄昏流星群みたいなエピソードやん、とか思ってしまったわたしは、ちょっと黄昏流星群の読みすぎですね。午前中で法廷を出て、午後から病院。なんと、今日は4時間半待ちだった! 途中外出券をもらって2時間外出したにもかかわらずそこからさらに2時間半待つという始末! なんやのこの病院! もうこんな待つなら病院変えたいんですけど! ファック。病院の固い椅子に座り過ぎて最近おしりがずっと痛くて困っている。診察終えて、帰って、なんと料理をしないわたしが! ひさしぶりに料理をした! 料理といっても野菜を切っただけだけど。そう、ピクルスを仕込んだ! 大根とにんじんときゅうりを切って瓶に詰めてかんたん酢を入れただけだけど、わ〜わたし、料理した〜感がすごい。おいしくなるかな? そうそう、帰りに家に入るときに、上階の住人を鉢合わせ、なんと上階のおっさん、松葉づえをついていた! そういえばちょっと前から、階段を昇り降りする音が不穏やったんだけど、骨折してたのか〜! ということは、今わたしのアパート2/4が骨折してる計算になります。なんじゃこれ、『怪奇!呪いの骨折アパート』みたいな話ですか? こえ〜っとひとりで震えた。

10.10水
朝から今日は駒込病院。レントゲン撮って診察室に入ると、あれ? 先生がいつもと違う知らないお兄さんに変わっている! 手術してくれた先生は10月から転勤になったそうな。え〜そんなことってあるのか!? ちょっとショックだけど、まあ仕方ない。今度の先生も丁寧でやさしいお兄さんだった。先生に、いつから仕事復帰できるのか聞いてみると、自分で出来そうだと思うならちょっとずつ復帰してもいいですよ、と言われる。まじか! もういいのか!? 経過とか初見だからあんまりわかってらっしゃらない心配もあるけれど、今、復帰していいっていいましたよね? ってことで、すっかりその気になり、職場の店長に来週から復帰できそうです連絡をする。わーい、わたし、もう働けるって! 小躍りしながら駅の階段を下りていたら、後ろから肩を叩かれ、カメラマンのH田くんにばったり会った。H田くんに、赤ちゃんおめでとうを伝え、赤ちゃんの写真を見せてもらった。奥さんも美人でH田くんも男前なので、すごい綺麗なお顔の赤ちゃんだった。H田くんはこれから撮影で横浜まで行くとのこと。わたしは四谷で降りて丸ノ内線に乗り換え、新宿へ。職場に顔を出し、来週からよろしくお願いしますとご挨拶に伺ったら、朝ごはんを食べさせてくれた。午後からシネマート新宿で映画『1987、ある闘いの真実』という韓国映画を一人で見た。登場人物が多すぎるのと、歴史的背景がわからないと複雑すぎてチンプンカンプンなのもあって(まあ、単にわたしがアホなだけかも)期待していたほど乗れなかったけど、韓国版の『実録連合赤軍あさま山荘への道程』的なやつやったのかな? エンディングの曲がよかった。おなじ列に座ったおばちゃん3人組が、中華弁当的なんを広げて食べていて臭かった。他にも色々見たい映画あるけれど、一日に何本も見れるほどお金がないのでとぼとぼと帰宅。

10.11木
今日も朝から東京地裁へ。強盗致傷という地味な罪名だけど、まあ〜これ見てみるか〜と法廷へ。大塚の路上にて、二人組の男が20代の女性を押し倒し、金品1万8000円とハンドバックを奪って逃走したところ片方の男が現行犯逮捕されたという事件だったのだけど、事件背景を聴いているとなかなかドラマチックだった。被告人AとBは元々長崎刑務所で共に服役していた仲だったのが、今年3月に偶然ばったり池袋の道端で再会。連絡先を交換したところ、数日後に若い方の男Bから電話で「タタキの仕事しないか?」と誘う。タタキっていうのは強盗の隠語らしい、はじめて知った。それで4月1日の夜6時、ふたりは池袋で待ち合わせ、ターゲットを探す。4時間ほど歩き回り、22時にやっと実行。一部始終が近所のマンションの防犯カメラに写っていて、その模様がモニターに映し出されてたんだけど、ふたりとも強盗なのになんにも変装してないし、なんか逃げ方ものっそりしてて全然強盗らしくない。A曰く「自分は朝からお酒を飲んでおり、4時間歩かされて疲れていたのではやく済ませたかった」とのこと。被害者の女性が証言台にあがり、事件当時のことを色々話して、その後、被告人尋問で被告人が証言台に上がった際に、裁判官が気を利かしてかあ「ちょっと被害者の方と同じ椅子に座らせるのもなんですから、椅子を取り替えてください」と謎の発言をし、椅子が取り替えられた。わたしも、ちょっと?と思ったけど、これに、Aの弁護人が切れた! このAの弁護人はちょっと変わった人で、最初の弁護人による説明のときにも、何故か身振り手振りが無駄に多く、法廷内をひとりでまるで演劇かのように動き回り感情をこめて喋っていて、変な人だな〜と思ってたんだけど、被告人Aを弁護するんだという使命感からか、「裁判官、今の発言はおかしくないですか? どうして椅子を取り替える必要があるんですか? いくらなんでもAさんに対して失礼だと思います。今行われたこと、すべて一字一句逃さずに調書に記入し、それを踏まえて裁判を続けてください!」と言いだした。なんか、こういう展開、傍聴人としては燃えるわ〜。しかし弁護士って変わった人多いね。ちなみにこの裁判、傍聴席にはお馴染み阿曽山大噴火さんがいてらして、そっこーこの日の夕方のラジオでこのあらましを話してらっしゃった。今目撃したことがすぐさまラジオから流れてくると、なんかうれしくなっちゃうね。この裁判は夕方まで続く予定だったのだけど、私は夕方から今日も病院に行かねばならんので途中で出た。今日は病院はリハビリだけだったのでそんなに待たずに済んだ。けどおしりの痛さは変わらず。夜、テレビでドラマ版黄昏流星群を見た。やっぱり綺麗な俳優さんたちが演じると、漫画のあの生々しい男女がなしくずしていて肉体関係になっていく醍醐味が感じられず、というか肉体関係にはならずで、なんかな〜と思ってしまった。が、来週も見ることでしょう。

10.12金
微妙なお天気だけど洗濯。それから家で某所へのエッセイ原稿を書く書く書く。書き終えてしばし読書をし、夜は渋谷へ。ネストで豊田道倫さんのパラダイスガラージのレコ発ライブを見に行くのです。ちょっと早く着いたのでフレッシュネスでコーヒー飲んで読書してたらゲストの柴田聡子ちゃんにばったり会う。8時頃に会場へ。HYPER GALというドラムとボーカルの二人組の若いギャルちゃんが演奏してたんだけど、ドラムがすげーかっこよかって惚れた。まだ23歳らしい。すごい。そして待ちに待ったパラガ。しょっぱなからインストの始まり方がめっちゃかっこよくて興奮。気づいたら腕折れてるの忘れて踊っていた。ゴキゲンなライブだった。新アルバムの曲は実験的なインスト曲もあれば、歌詞とメロディがすばらしー歌ものもあって、居酒屋たよこという曲が、黄昏流星群の世界観でたいへん痺れる。途中からコーラスで柴田聡子ちゃんが参加。なんと終盤、聡子ちゃんが客席にダイブしてきた! さすが聡子、やるな〜と思った。アンコールで、豊田さんが弾き語りで大森靖子ちゃんの「パーティドレス」と柴田聡子ちゃんの「後悔」をカバーしていて、こういうカバーがしれっとできるのがMT。後悔の後半、歌詞で「勃起」って二回聞こえて、空耳だったのかな? 終わった後豊田さんに確認したら、そんなんゆってへん、とのことでした。豊田さんがMCで、「息子の教えてるのはふたつだけ、一個は人前で腕組みするな、もう一個は、スーパーやコンビニのレジ打ちの人の手はしっかり見ろ」だそうで、豊田さんの人間性が染みてて、いいお父さんやなあと思った。良いライブをみて、終わったあと色んな人にあったのでしばしおしゃべり。みんなに骨折を心配していただき申し訳ない限り。Kジョーさんとストリップの話ができて楽しかった。11時過ぎにMさんとMモトさんと一緒に帰路。おふたりは飲みに行かれるそうだったけど、わたしは電車の時間もあるしお金もないのでまっすぐ帰宅。帰りの電車内、アナウンスで「現在、3両目に汚物がございます」と流れてきて、そんなんアナウンスするんや〜とちょっと笑った。

10.13土
さーむーいー! 寒すぎて目が覚めた。既に毛布で寝てるのですが、毛布一枚じゃもう寒い! まだ10月は入ったばっかりやのに、どういうことやねん! 部屋では毛糸の服を二枚来て、ふわふわのズボンもはいてるのにそれでも寒い。本気でこたつ出そうか迷ったけど、ぎり耐えた。昼から今日もリハビリ。なんと、わたし担当の理学療法士さん、わたしのことYouTubeで検索して聞いてくれたらしい。いや、あんまり素性明かすのはどうかと思ったのだけど、リハビリ的に、ピアノを弾けるようになりたいって伝えてて、というところから雑談が膨らんで、いや〜ピアノ弾いて歌う活動してまして〜と漏らしたのだよね、そしたら検索しはったとのこと! 恥ずかしい。照れる。リハビリ的には今のところ順調な感じらしいのだけど、それでもまだピアノ弾こうとしても角度的に左手がいうこときかなくて全然なのだよね。まあ、骨折してまだ一か月やから、そんなものなのかな。帰って、昨日書いていた原稿の続き。パソコンで原稿打つ時も、左手の下にクッション当てとかないと痛いので、これがまた変な絶妙のポジションじゃないとキーボード打ちづらくて難義(この糞長い日記も、いつもに増して書くのに時間がかかっている)。一応原稿用紙10枚分くらいのエッセイ書き終えて先方に送信。夜は読書。赤松利市著『鯖』読了。

鯖 (文芸書)

鯖 (文芸書)

豊田さんに勧められて読んだのだけど、すごかった! 磯臭くて汗臭い、海辺で働く男たちの、うたかたの夢とそれが弾けたあとの無惨な殺戮合戦に釘づけて、ぐいぐい一気読みした。この作家さん、62歳で住所不定無職ならしいんだけど、ちょっと他では読んだことないタイプの文章なんだけど勢いあってすごい熱量で、こんな新人作家でてくるんやな〜。おススメです!

10.14日
実は今日から密やかに職場に現場復帰。働けるかわからんけど、やってみないとわからんしって感じで、こわごわ復帰したわけなんだけど、家でじっとしてたら出来ない動きも、仕事だと思うとちょっと無茶をしても動くものやと実感。とはいえ、まだ重い物持てないし、あんまり力入らんし、患部おもくそガバっと縫い目が這っていてきもい。いつもは8時間勤務だけど今日はしばらく様子見で6時間勤務。6時間だけどなかなか疲労困憊。体力も落ちていると実感。仕事終わって、疲れてはいたけど、テアトル新宿白石和彌監督『止められるか、俺たちを』を見に行く。在りし日の若松孝二率いる若松プロの青春を描いた作品で、井浦新若松孝二役なんだけど、わたしは動く若松孝二知らないけど、こういう人やったんやろうな〜とすごくうなずけたし、足立正生役、秋山道男役、みんなよかった。門脇麦ちゃんがすばらしかったのは言うまでもない!