8.27〜9.2日記

8.27月
朝、出勤すると、同僚じいじに事務所に呼ばれ、このわたしが休みだった三日間の間にあった事件を聞かされる。詳細は書けないのだけど、結構重大事件で、その結果ひとり古株のおねえさんがいなくなってしまった。この人手不足の状態でひとり消えるのはたいへんピンチ。ということで、多店舗からヘルプで社員のおじさんが登場。おじさんはもともとうちの店にいたので仕事は一通りできるので助かる。&、このおじさんは自ら禿げキャラ&変態キャラを愉快に演じておられるたのしいおじさんなので、暇があればちょけたりなんかして遊びながら働きたいところだけど、そんな暇は1秒もなかった。あくせく働いて帰路、I田さんから熱いメールをもらう。それを踏まえて、K井さんに折り入ってご相談のメールをする。どきどきしながら送信。

8.28火
最近、労働しかない日は22時に布団に入って、5時に起きる生活。早寝早起きで健康的やろ。起きるとK井さんからメールが届いていた。ご快諾いただけて天にも昇る気持ち。早速I田さんにその旨を送信。それから出勤前に特選小説の原稿の最後の見直しをして編集O高さんに送信。それから労働へ。今日もどったばた。変態おじさんとちょける暇はなし。帰ってポストをあけると、健康診断の結果が送られてきていた。悲惨な結果を予想していたのだけど、わたし、持病以外はパーフェクト級に健康的だということが発覚。体内年齢なんと19歳! まさかのティーンエンジャー! ちょっとわたし、すごくないですか? 薬漬けお菓漬けの睡眠障害人間なのに、内臓の数値どれもパーフェクト。コメント欄にも「素晴らしい結果です」と書いてあった。ちょっと自信が出た。まだ生きれる。

8.29水
朝、通勤中の駅のホームで毎日見るおっさんで、電車を待ってる間ずっとゴルフの素振りをしているおっさんがいる。正直邪魔&危ない。というのも通勤ラッシュの我が最寄り駅はすさまじい人口密度でホームに人が溢れている。そんな中で素振りって! ぶつかるから! と思うんだけど、本人は全く気にせず素振りに没頭。しかし思うんだけど、何故ゴルフ愛好家の人はどこでも素振りをはじめるんやろうね? ちょっとした信号待ちの間とか、突然素振りはじめよる。他のスポーツでいうと、エアードリブルとか、エアーレシーブとかでしょ、そんなんしてる人おらんやん! ゴルフだけやん! 恥ずかしいと思わないのかね? ひさしぶりの三連勤。さすがに三連勤目になると、やる気が失せるわたしはだめ人間。週5、週6で働いてる人って本当に偉いと思う。

8.30木
今日も朝から東京地裁。今日はどんな裁判があるかな〜とタッチパネルを触っていると、10時から早速「嘱託殺人」という珍しい罪名の裁判を発見。早速その法廷へ。まだ開廷まで20分以上あるのに、長蛇の列だった。傍聴人を整理する専門のおばさんがいたり、職員さんが出たり入ったりものものしい。10時ぴったりに法廷へ入場。もちろん満員。そして、入ってびっくり、証言台も、検察官席も、弁護人席も、全部が衝立で囲われていて全部隠されているのであーる。こんな裁判はじめて。衝立の隙間からちらっとだけ見えたんだけど、普段裁判官はだいたいひとりなのやけど、この裁判、見える限り5人は裁判官がいた。検察官も弁護人も何人もいる気配。すごい、大事感に胸が高鳴る。この事件、聞いているとかなりややこしく、そして切ない事件で、当時17歳だった女の子が火事で亡くなり、最初は放火の疑いだった。しかし後々、この女の子の交際相手だった19歳の少年が「彼女は妊娠しており、それを親に打ち明けられず悩んでいて、殺して欲しいと強くせがまれ、断り切れず彼女の頸を絞めて殺した。そして火をつけて自分も死のうと思ったが、苦しくて逃げ出してしまった。結果、彼女だけが死んでしまった」と証言しだし、事件が発覚したというもの。なんで衝立で全員隠されているのかというと、恐らく被告人が未成年だから? かと思われる。この日は証言台に、被害者の女の子の母親が立っていた。高校三年生、正義感が強く、剣道2段の腕前、よく笑う子どもが好きなやさしい子だった。被告人を連れてよく家にきており、被告人のお誕生日会を、近所の祖母の家で開くなど交流があった。まじめそうでいい子だと思っていた。事件の日、弟の部活の試合を見に行くため母は泊りがけで外出していた。外出先で母はご近所さんから「お宅が火事よ」という連絡を受ける。心配になり近所に住む祖父母に見に行ってもらい、「娘が亡くなった」と知らせれる。母帰宅。遺体と対面しようとするも、病院でみんなに「識別不可能なぐらい損壊しているので見ない方がいい。綺麗な娘さんのままの記憶でお別れした方がいい」と止められ、遺体は見られなかった。最初は火事として処理されていたが、半年後急に嘱託殺人だったとして事件が浮上。現在に至る。なんとつらい事件なんやろう。被告人の男の子は地獄だろうなあと思う。まだ19歳なのに、愛する人を殺めてしまい、その罪を背負いながら一生生きて行かないといけないなんて。亡くなった女の子も、殺して欲しいと依頼するほど妊娠に気を病んでいたなんて。本当に苦しかったんやろうなあと思う。殺人は罪だけど、なんか一概に被告人を責められない気がしてしまう。証言台で被害者の母は「未成年だからといって刑を軽くすることなく、大人と同じ刑罰をお願いします」と涙ながらに訴えていたけど、なんかつらいわ〜と思った。一旦昼休みで休廷になり、午後からもこの裁判の続きがあったのだけど、午後の部開廷30分前くらいに並びに行ったけど既にもう満員で入れず、続きは見送れなかった。無念。仕方ないので、犯人隠避という罪名の裁判を見に行くも、これは覚醒剤で警察から追われている犯人に逃走資金1万円を渡し(少な!)逃走経路などを教えて逃がした罪で男女2人が裁かれている、アホみたいな裁判やった。傍聴席、被告人たちの友人がたくさん駆けつけていて、しかも全員ちんぴら風情の中年ヤンキー。被告人も入場して客席の友達の顔を見てヤッホーみたいな顔つきでたいへんふざけている。裁判を聞いていると、この被告人自身も二人とも過去に覚醒剤で何度も捕まっており、(男は前科8犯で現在も東拘に拘留中、女も前科5犯)、全員シャブ常習犯。しょうもない事件だった。午後からはめぼしい裁判が殆どやっておらず、早めに切り上げて帰った。

8.31金
朝から普通に労働。出勤すると、またしても冷蔵庫にOさんから梨のプレゼントが。大きくて立派なやつ。うれしい。あくせく働くも、朝からずっと頭痛がひどく、薬箱からバファリンを拝借して飲む。しかしあまり効かず。労働終わり、紀伊國屋に寄って上原善広さんの新刊『辺境の路地へ』を購入。帰り道に読み始める。上原さんの文章はメランコリックで染みる。ひとり旅に出たくなる。

辺境の路地へ

辺境の路地へ

 帰って、明日のIKAZUGOKEライブの練習をひとりでやる。ひさしぶりなのでラップを思い出すため、久しぶりにアルバムを何度かリピートで聞いたけど、一曲ずつ小話が入るアルバムって聞きづらいといえば聞きづらく(今更!)、BGMとして流して聞けないから音楽アルバムって感じではないねこれ(だから今更!)。ネタの方の台本もひっぱりだしてきて、ひとりで復習して練習した。

9.1土
飯田さんが練習で我が家にくるので、朝から部屋の片づけ。昼から飯田さんが来訪。近況などおしゃべりしつつ、練習。ひさしぶりだのでいけるかな〜とちょっと不安だったけど、やってみるとグルーブ感も思い出せて大丈夫そうでよかった。練習していたら突然大雨が降りだしてびびる。2回ほど通し練習をして、出陣。本日の会場は代々木バーバラ。代々木上原まで地下鉄で行って、引き返して小田急で南新宿。飯田さんとおしゃべりするのひさしぶりすぎて楽しくて道中もずっと喋っていた。到着してみなさんにご挨拶などしてリハ。本日のPAは太陽肛門スパパーンメンバーでもある内田典文さん。そう、わたしのいちばん好きな敏腕PAさん。バーバラはグランドピアノもあって、内田さんがPAなのでほんとに安心安定の音の良さでうれしい。リハを終えて物販準備をして、一旦近所のドトールにどろん。ここは代々木、予備校生の町だからか、ドトールは窓に「店内での勉強はお断りします」というシールがべたべたと貼ってあって、なるほどな、と思う。我らが足立区なんかでは、そんなカフェで勉強する人なんておらんことであろう。ドトールでコーヒー啜りながら飯田さんとおしゃべりしていたらまたしても外大雨でびびる。しかし会場戻るときには奇跡的に止んでいた。19時スタートで我らは一発目。あたたかいお客さんに支えられ、ぶいぶいにかませた(気がする)。ラップも歌紙芝居もたのしかった。やっぱりIKAZUGOKEたのしいな〜と思う。今回主催の倖田李梨さんのバンド、LiLee+phallusさんのライブではサイリウム棒が全員に4本ずつ配られて、振りながら鑑賞。わたしサイリウム振ったことなかったのだけど、あれ結構いい運動になりますな。4本も持つとそこそこの重量があり、30分とか40分とか振り続けるとそこそこ筋トレになるんじゃね?とか思った。倖田李梨さんは踊り子さんとしてとっても素敵でファンなのだけど、歌もとてもお上手だった。そんな倖田さんは昨日まで大阪のストリップ劇場に出ていて、今日帰ってきたばっかりで、今日はバンドのライブにも拘らず途中抜けて武道館にキックザカンクルーのライブを見に行っていたそうな! 元気〜。MCも愉快でたのしいライブだった。終わって、物販もたくさん買っていただけてうれしかった。本当にみなさまありがとうございました。足立区に帰って、飯田さんと居酒屋で細々と打ち上げ。ひさしぶりに飯田さんと一日過ごし、たいへんたのしく幸せだった。

9.2日
4時頃に寝たのに、8時には目が覚めてしまった。最近、10時間とか寝れてたのに、なんでやろ。雨が降っていて窓をあけるとたいへん涼しい。もう夏も終わったのであろうか。昼から榎本さんがやってきて、レテワンマンの練習。新曲をやったり通したりして練習。それから今日は榎本さんが1年がかりで作った曲を聴かせてもらった。これがすばらしいクオリティで驚愕。緻密に作りこまれた可愛らしくきらきらしたおしゃれな曲。すごい、こんな曲わたしは絶対作れない。尊敬。練習のあとは、梨やお菓子をたべつつお茶を飲んで、かわいい動物の動画をみたりしてきゃっきゃとおしゃべりした。9月7日は下北沢レテにて、榎本美月ちゃんとのデュオでワンマン。みんな来るように!