9.18〜24日記

9.18月
朝から恵比寿でばあさまと合唱のお稽古。今日はソプラノパートの隊長おばちゃんがいらっしゃったので、心強し! 合唱のあとはアゴラ劇場で飴屋法水さん×山下澄人さんのお芝居「を待ちながら」を観劇。渋谷の駅構内にあるステラおばさんでくるみちゃんにおやつの差し入れを買って、駒場東大前。アゴラまでの道中のケーキ屋さんでC子せんせいと待ち合わせして、ケーキをたべてコーヒーを飲んだ。このお店は飲み物はセルフサービスでコーヒーも自分で入れるんだけど、その代わり安くてなんか変わっている。50円増しでコーヒー飲み放題にも出来るらしい。C子せんせいが来て、開場時間になって、ふたりでアゴラへ。客席への入場から変わっていてこれも演出の一部?なのかな、いつもの階段で劇場に入るんではなくて、何故か楽屋を通って裏階段を上がって奈落を通って入場する不思議な体験。飴屋さんの存在はずっとすごいお方だと多方面から伝説的にきいていたけれど、ほんとうに存在感、佇まい、ちょっとした所作も、声の出し方も、ちょっと今まで見たことがない強烈な魅力と色気のあるお方やった! このお芝居は小説家の山下澄人さんが脚本で出演もしておられ、飴屋さんが演出&出演もしておられ、娘さんのくるみちゃんは10歳にしておはなしを引っ張っていく役をやっていて、あと一輪車が超うまい小学生にしか見えない佐久間麻由さんとゆう女優さん(お話したら32歳とのことで同い年だってびっくりした!)と、左半身が不自由な役の荻田忠利さんて男優さんが出ていて、音楽がわたしもいつもなにかと録音やマスタリングでお世話になっている宇波拓さんが音楽ってゆうだけじゃなく殆ど役者として出ておられて、全員ナマ身の人間としてのパワーがメラメラ湧き出ている感じがして、そのパワーがぶつかり合ったり絡まりあったりして、それを最前列の超近い距離で拝見した。山下澄人さんがものっそい大阪のあんちゃんで予想外でびっくりした。先日横浜の野外劇でみた壮大な仕掛けや美術はない、最低限の道具と、あとはチョークで床に描いただけの簡素な舞台美術だったけど、役者さんのパワーがあればこれくらいで全然いいんやと思った。だけどこういうのは全員が経験値も豊富で芝居もうまくないと成立しないやつだ。中でも飴屋さんがときどきやる、突然一点に集中して声と言葉のエネルギーを突っ込んでいく瞬間がすごくて鳥肌ものやった。そしてくるみちゃんが、出演陣の中で断トツ子どもなのに、すごく冷静にとつとつと現実的なセリフを言うのとかめっちゃかっこよかった。終わって、C子せんせいと飴屋さんにご挨拶さしてもらって、あとはくるみちゃんにおやつを渡し、ふたりでしばしきゃっきゃと喋った。くるみちゃんと会うのはまだ二回目だけど、一回目の時点で、子どもと猫には嫌われがちなわたしのことをくるみちゃんは単刀直入に「わたし、あなたのこと声がやさしいから好きよ」と言ってくれて、その日も一緒に屋根に登って遊んだりしたのだけど、くるみちゃんは小さい頃からずっと大人に囲まれて、お父さんの飴屋さんにもたぶん子どもとしてじゃなく常に一人前の大人として育てられていて、だからすごく発言も大人で「くるみちゃんすんごくかっこよかったよ!」ってゆっても「今日もダメだしされたばっかりだったんだよ〜」というから「そうなの!?」とびっくりしてたら「でもダメ出しされないと良くならないじゃん」と言ってて、この子はもう全部わかってる! と畏怖のようなものを感じる瞬間があった。でも、姿形はまだ幼い10歳のかわいい女の子。お土産のクッキーをその場で開けて頬張っててすごくかわいい。先週は劇をみて、怒りながら帰ったけど、今日はすごく清々しい気持ちで帰れた。

9.19火
朝から普通に労働。の前に偶然I島さんにお会いして、仕事前に一緒にコーヒー飲んだ。I島さんはモーニングを頼んでいたのやけど、サラダをまるごと残してて、「生野菜は昆虫の食べ物で人間の食べるものじゃないからね!」と言ってて面白かった。その後、労働は忙しく、平日なのに終わったらよぼよぼだった。帰って、明日の円盤ワンマンでやろうと思ってる新曲の練習に励み、毎回このワンマンに来てくれたお客さんにだけ配る用の新聞を書いたりした。ちなみ近頃は帰宅=ひとり酒、という習慣がついてしまってて、梅酒を飲みながらピアノ弾いてるし、新聞の文章も書いている、飲みながら。でも別にわたしは酔っ払うほどは飲んでないし(梅酒を炭酸でうすめてるし)意識は正常です。

9.20水
円盤ワンマンの日。の前に、色々わらびすこ舎業務を細々とやったり、明日のIKAZUGOKEのPV撮影で使うラジカセを段ボールで工作して作ってたらなんやかんや時間がすぎていき、今日のやる曲プランを考えて、円盤へ出発。の前に銀行へ寄って、IKAZUGOKEアルバムのプレス代うん十万円を振り込んだ! 一気に残高が減ったけど、絶対売れて帰ってくるお金だと念じて銀行を出ました。円盤、今日は店主T口さんは出張中で黄倉未来くんが当番の日やった。顔見知りではあったけど、ちゃんと喋るのははじめて、でも年も1個上2個上くらいで喋りやすい若人やった。T口さんがあらかじめ、照明はこんくらいで、とかを未来くんに伝授してくれていたらしく、ありがたかった。リハおわり、わたしはうっかり商品のどんぶり鉢と四角いお皿に鞄をぶつけて割ってしまい、速攻T口さんにメールで謝ったら「全然大丈夫、気にしないで〜」とやさしい返信がすぐに来て、おお、なんと懐の深い方なのやろうって思た。ライブはいつもの円盤ワンマン通り、小一時間いっさい拍手もMCもなく歌い、最後に新曲「サンキュー☆レディー・ガガ」を歌った。その後のトークもこの1か月は色々あったので報告がついつい長くなってしまい、たくさん喋った。お客さん先月より少な目だったけど、楽しかった。終わったあと、見に来てくれたI島さんと馬力で乾杯。先月もだったけど、だいたい円盤のあとは誰かしらと馬力で飲んでいる。程よい大衆酒場で好き。もつ煮がおいしい。だけど今日はわたしのお気に入りのねじり鉢巻きおじいちゃんが休みでいなかって残念。11時すぎに店を出て健全に帰路。まだ原宿まわりでも電車がある時間帯だったので楽ちんに帰れた。

9.21木
IKAZUGOKEのPV撮影日。朝からお乳に絆創膏を貼って、偽物の手作りサラシを巻き、恥ずかしいので一応上にスカジャンを羽織って、しかし既に段ボールラジカセを担いでるだけで十分不審者だけど、気にせず歩いて小菅駅。荒川の土手に色々仕込んで、とある踊りの練習をちょっとふたりで合わせて、撮影をお願いしたI川R夫さんを迎えに再び駅へ。荒川の土手の高架下、予想外に風が強くて直当たりするので仕込んだものが何度も飛んでいって焦ったけれどなんとか撮影できた。監督は今回相方でもある飯田さんなのだけど、飯田さんはオッケーが潔くて早いのでさくさく撮影ができ、途中拘置所前で撮ってたら守衛さんに怒られたりして(わたしたちは土手に佇んでキメていただけで、怒られたのはR夫さん、ごめんなさい)それでも粘ってもらい、いい絵が撮れた。拘置所前とはいえ、荒川土手は意外と安全で、わたしたちもサラシで鉄パイプ振り回して変な踊り踊ってて、しかもサラシも偽物だから踊ってたらどんどんずれてきて、飯田さんはブラが、わたしは絆創膏のお乳がぽろりどころか完全に出てきたりして、でも周囲には上半身裸で寝ているおっさんとか、自転車で荒川土手を走っていくおっさん何故かみんな上半身裸で、ここはそうゆうもんなのかって思うとだんだん恥ずかしくなくなってきた。小菅パートが順調すぎるくらいはやく撮れて、小菅〜綾瀬間だけを走っている地域乗り合いバスという乗り物に初めて乗って、3人で綾瀬に移動。日が暮れるまでごはんがてらガストに入っておしゃべりして、夜は再び綾瀬の飲み屋街に繰り出して撮影。思っていたより人通りが多く、しかも一応みんなちゃんと服は着てるので、そんな場所でサラシに鉄パイプ持って段ボールラジカセ担いで歌って踊る、というのはなかなか恥ずかしいもので、道行く人々に笑われながらも撮影した。途中、結構わたしと飯田さんが頻繁に行く韓国料理屋さんの店主に見つかって、すごい興味津々な感じで見られてて恥ずかしかった。もうあの店行けないかも。おいしいんだけど。監督のオッケーが気持ちよいくらい早いので思っていたより早くに撮り終えて、とはいえ一日外で動いていたら結構疲れたので、乾杯もせずに帰路。でもなかなか見たことがないおもしろいPVになる予感! これから飯田さんが編集したりなんやりしてくれるので、公開は10月入ってからになると思いますが、楽しみ。9月30日のB&Bでのイベントで粗編をお見せ出来るかもしれません。ので9月30日の夜はみなさまぜひ下北沢B&Bにいらしてください。

9.22金
昨日に引き続き今日も午前中から飯田さんと待ち合わせ。しかし駅ですんでのところですれ違って会えず、電車のドアが目の前で締まって、飯田さんばいばーいになってしまった。でも北千住で途中下車して待ってくれていて無事合流。渋谷に出て、今日は某社に伺い、IKAZUGOKEとしては初の取材をしていただいた。へっぴり腰のわたしのプロモーション力及ばず、いまのところ取材のお返事くださったのはこの媒体さんとあと先週いっぱい撮影してくれた雑誌「点線面」さんだけ。これではいかん。がんばらないとあきません。しかししっかりロングインタビューしてくださって、ありがとうございますって感じだった。この媒体の編集長さんは女性で、お歳をきくと2つしか変わらず、見た目もかわいらしいお方だけど、お子さんもいるとかでびっくり。2時間くらいインタビューしてもらって終わって、おなか減ったので幸楽苑で飯田さんと安ラーメンをすすり(飯田さんはおビールも)その後サンマルクで一服して、夜は飯田さんとは別行動で、わたしは新大久保、N釜さんとその食友達Yククさんて方とご一緒に、食の大冒険をした。いや、大冒険気分だったのはわたしだけで、N釜さんとYククさんはいつもの感じでごはん食べてるって感じだったけど、わたしからしたら、ほんとに人生で初めて食べるものだらけで、名前も忘れちゃったけど、なんか、色々ちょびちょび食べた。タイ・ベトナム・ネパール系のものばかり。しかしタイ・ベトナム・ネパール系のごはんにはだいたいパクチーさんが入ってて、わたしはパクチーさんは天敵なのでよけてもらって食べた。N釜さんもYククさんもおしゃべりがとってもおもしろく、N釜さんに不眠症の必殺克服方法を教えてもらったのだけど、なんとそれは頭突き。助走をつけて勢いよく壁に頭をぶつけると眠れるんだって。血が出るのは最初の方だけなんだって。ひえ〜! それ眠ってるってゆうか脳しんとう起こして倒れてるだけやん! 絶対脳によくないですよ、とか言いつつ、でも結局ケミカルとアルコールで眠っても不自然に眠ってるだけやから、どっちもどっちか。それはそうと、実はわたし、この日朝のお薬(ステロイド含む痛み止めやらを全部で9錠)飲むのをすっかり忘れて出てきてしまってたので、いつ痛い痛い病が出てくるかすごくびびっていて、でもこれも自分の身体の本来の状態を知るいいきっかけかもしれないから、と思ってそのまま飲まずに過ごしたのだけど、実はラーメンすすってるあたりから手が怪しくなってて、新大久保についたあたりには足がだいぶ痛くなってて、帰りの電車は結構命からがら帰ってきた感じやった。やっぱり薬なしでは生きられない立派なヤク中や。

9.23土
珍しく土曜に労働。しかも土日は忙しいからいつもより1時間労働時間が長いシフトで、昨日の夜の状態ではとてもじゃないけど働けないからどうしようって思ってたけど、朝飲み忘れた分を昨夜帰って速攻飲んで、よるの薬も合わして飲んで、起きたらなんとか動けそうな状態にはなっていたのでホッ。やはりお薬の効用はすごいもんである! お薬様様である! しかし土曜日なだけじゃなく今日は祝日でもあったからか、店はたいへん混んで息つく暇もなし状態で疲れた。労働後、渡したいものがあるとのことで、I島さんと落ち合って、石の家でごはんをごちそうになる。ここで茹でピーナツってゆう食べ物を知って、今日も茹でピーナツばっかり齧ってしまった。でもI島さんに絶対おいしいから一口だけでも食べてってオススメいただき、太タンメンというのをちょっと食べたけど、確かに食べたことがないうどんのようでうどんでもない不思議な黄ばんだ太麺で、でも味はタンメンで野菜がたくさん乗っかってて、おいしかった。その後ゴールデン街の82歳の素敵なママさんがいるこどじというお店にも連れてってもらった。ゴールデン街って決して安くはないし、そもそも下戸のわたしみたいなのは足を踏み入れてはいけない気がしてて、連れて行ってもらう機会にしか行かないけれど、こどじのママさんは物腰柔らかで不思議な包容力のある素敵な上品なおばあさまで、これはみんな癒されにくるのがよくわかる気がした。I島さんは何故か今週3回もお会いしたけれど、何者かまだ把握できない! 某出版社の会長さんで、色んな映画にも出ておられる役者さんだというのはわかったけど、ふだん喋っておられる内容が、嘘か真か全くわからない! ふざけてるだけなのかまじなのか全然わからない! とにかく物知りで特に人の生年月日や出身地に以上に詳しい、というのはわかった。謎のおじさん。それも込みで愉快なおじさんやけど、本当に掴めない。今日も掴めないままで、夜は別の愛人さんの待ってる飲み屋に行くんだとかで、ゴールデン街の夜の街へ消えていかれ、わたしはひとりで健全な時間帯に帰りました。

9.24日
先週の撮影後もずっとお借りしたままだったたくさんの足立区本をお返しするために昼に駅で編集のT花さんと落ち合って資料をお返しし、それから急遽お茶しましょうと誘っていただいてひさしぶりにMTとふたりでお茶をした。御徒町にいい喫茶店があるんだってことで駅で待ち合わせて、行ってみたらそこは喫茶丘だった! わたしも好きな喫茶店だのでうれしかった。ひさしぶりにMTとこってり3時間くらいおしゃべりしたけれど、とてもこんなところに書けるような内容ではありませんので割愛します。MTは尊敬している先輩ミュージシャンなのだけど、いつも歯に衣着せぬ物言いでわりとはっきり悪口雑言を言い合える、貴重なお方。今日も危険なゴシップから真面目な話まで、色々話してとてもたのしかった。アメ横という場所にもはじめて連れていかれた。食品街とばかり思い込んでたけど、どっちかというとスポーツ用品店やバッタもん屋が多い感じで、道行く人も外人が多くて、ほほう、て感じやった。MTに何故かカラフルなスニーカーを買うことを強く勧められる。でも靴に8000円もとてもやないけど使えませんわ〜と見るだけで終わった。鮮魚屋さんみたいなとこにも連れていかれたけど、もはや安いのか高いのかもわからない。何故なら鮮魚の値段の相場が全然わからないから! ということで何も買わずに帰宅。夜中、案の定眠れなくて、今日MTがゆってた映画「どついたるねん」(注:バンドの方じゃなく、赤井英和の映画の方です!)を見始めたらおもしろくて最後まで見ちゃった。昔学生時代にも見たはずやけど、こんなんやったっけ?て忘れてることが多く、まだ若かりし麿赤児さんがコミカルな役柄で出ておられてびっくりした。なんだかんだで毎日人に会っておしゃべりした一週間。