9.25〜10.1日記

9.25月
朝から普通に労働。飯田さんから、チラシが届いたよっと連絡を受けて、ついでに来月の大阪ライブのぷらっとこだまのチケットを取りに行くことに。ヨーカドーさんの中に入ってるJTB窓口でぶじチケットを取って、そのままヨーカドーさんの椅子に座ってしばらく喋る。ちょっとお茶でもしばきましょってなって、我ら愛しのベローチェへ。ここのベローチェはまあ足立区の民度がよくわかる感じの客層で、明らかにおうちがない系のじいさまが枕的なものを持って席を移動していたり、その後その嫁か? て感じのばあさまもやってきて、ふたりは隣同士に座ってて可愛かった。スメルはそこまでしなかったからなのかもしれんけど、この系列のおうちない系の人をちゃんと入れてあげる店、なんかいいなとおもった。わたしの労働先ではこの系の人々は最近はいれちゃいけなくなってて、まあそれが飲食店の当たり前なのもわかるけど、おうちがない人だって屋根のあるところでコーヒー飲みたいし飲む権利はあるでしょ! お金を払えばね! 飯田さんとは週3くらいの頻度で会ってるけど、それでもお喋りが尽きない感じで、でも明日もお互い労働だしって感じで今日は飲み屋へは流れず健全に、飯田さんはガラガラでチラシを持ってきてくれてたので、一緒に家まで配達してもらう。1800枚のチラシはなんて重いこと。帰って、チラシを一枚ずつ数えながら、各各送り先別に分けて、急ぎの箇所の分は夜にさっそく宅急便しにいった。

9.26火
今日も朝から労働。帰りに紀伊國屋石原慎太郎なんかの本を買ってしまう。というのも、石原慎太郎が、池田小連続殺人事件の宅間守について書いてて、わたしはこの当時、近所に住んでいたので、結構びびったし、学校いくのも怖かった気がする。しかし慎太郎がなんでまた今になって宅間守を…という気持ちもないではないけど、すぐ読めそうな軽快な文章なので、なんか慎太郎のイメージも変わった。おちんちんで障子を突き破る青春小説以来、慎太郎を手に取ったは高校生ぶりとか。

凶獣

凶獣

9.27水
朝からおうちで地味に、サンプルCDを焼いたり、プロモーション用の資料を増刷したり、チラシを数えて送り先別にレターパックに入れたり、わらびすこ舎仕事に励む。昼から杉並の方へ、某日本でいちばんかっこいい劇団K組のアジトへ。秋公演の通し稽古をするから見においでっと演出K井さんからメールもらったので、はりきって綾瀬のパンを持って出かける。この稽古場は春公演のときもお邪魔したんだけど、シャッター倉庫のような中に、舞台美術がそのまま建てられていて、ひと足踏み入れただけで、うわ〜(目が♡)てなる、そう、セットからなにから、わたしがいちばん好きな世界が詰まってるのです。ネタバレになってしまうから細かくはかけませんが、すんごくおもしろかった。この劇団K組のお芝居はセリフのテンポも速いし情報量がすごいので、一回目見ただけじゃわからないことが多いのだけど、今回は比較的わかりやすいように思ったのはK井さんの丁寧な演出のおかげやろう。登場人物も多いのやけど、我が我が精神の人がいなくてちゃんとみんなでワッショーイと盛り上げている感じがいいなあと思った。団結ってやっぱりすごい。これは確実にひとりでは太刀打ちできひん凄み。感銘&刺激をうけてそのまま夜はK井さんとひさしぶりに飲んだ。お芝居のおはなしから、皿洗い時のスポンジについてまで。この方はやっぱりおもしろい。つくるものも、人間も。たのしい時間はあっとゆう間にすぎて帰路、雨が降ってきてて、ぽつぽつじゃなくどっしゃぶりで、わたしは朝洗濯物をほして、おまけに座布団まで天日干ししてきてて、その座布団がぐっしょり雨を全部吸収してくれてたので服は殆ど無事でしたが、座布団が絞っても絞っても水出る感じで全く乾く気がしない。どうやったら乾くのか? 乾燥機とかそういうハイカラな家電はありません。

9.28木
午前中から家を出て、荻窪。前から行ってみたかった喫茶ミニヨンで、某文芸誌B界の編集者さんと会う。こないだ「タチアオイ畑でつかまえて」を載せてくださったB界様の編集者さんにまだどこにも出してない、前に書いた長めの小説を読んでいただいてて、その感想を直接会っておはなししたいとおっしゃってくださって、緊張の介。さすが大手出版社の文芸誌担当の編集者さんだけあって、ものすごく的確に、だめなところもいいところもおっしゃってくださって、なるほどーと思うことだらけやった。2時間くらいおはなしして、お店を出ると雨がぱらついてて、今日は徒歩20分はやだなあとおもってバスに乗って、ぼう劇団K組さんのアジトへ、またまた通し稽古を見させていただく。2回目、ということもあってか、今日はとにかく泣けた。これ、めちゃくちゃ切ないおはなしやんか! これはKさんの戯曲の中でもウルトラセンチメンタルストーリーと呼ばれているくらい切ない部類のおはなしらしく、これ、紅テントの中で見たら本当に号泣しちゃうよ!って思った。そして今日は見学席のお隣にK組看板俳優で今はお休み中のIさんがおられたので、なんだかそっちもわたし的には緊張してしまた! 終わって、今日は稽古場で机を出して、通し稽古お疲れ様乾杯があって、それにも残らしてもらって、みなさんとおはなしさせてもらった。けどわたしだけ明らかによそもんで、なんだかすみませんって感じで、みなさんは本当に1か月毎日ここで長時間すごして稽古して舞台をつくって衣装をつくってすごしてこられたわけやから、もうなんか家族のような団結感があって、わたしはこれまでにいくつか客演で演劇の現場にいかせてもらったことがあるけど、確実にどこよりも家族感が強いなあとおもう。うらやましいような、でもわたしは絶対そこには交れない悲しみみたいなものが湧いていた。1時間くらい飲んで、みんなまだ作業が残ってらっしゃる方もいるので撤収。わたしはK井さんとまた昨日と同じ荻窪の地下にあるホルモン屋さんで飲んでいて、途中からIさんもいらっしゃって、なんかわたしはこんなによそもんなのに、このスーパー大家族の2トップを前にしていて、ひ〜って感じで、でもIさんもとてもきさくなお兄さんやった。Iさんと話してるときにK井さんがすごい楽しそうで、あーいいなあ、こう、男同士が何十年もともに歩んできて、18歳まで実の家族と過ごしていたとしたら、このお二人はそれ以上の時間をともに歩んでこられたわけやから、その結びつきもすごく強固であるのは間違いなくって、ふたりのドラマを勝手に想像していい絵やなあ〜と思ってにやにやしてしまった。楽しく飲んで、まだ丸ノ内線周りで帰れる健全な時間帯で帰宅。

9.29金
今日は末井さん神蔵さんの神保町のトークイベントも行きたいし、食の冒険N釜会のお誘いもあったのやけど、明日のイベントの仕込みをしないとっと思って、どれも泣く泣く諦めて、ひとりパソコンにかじりついて台本を書いていた。トークイベントといって、今回B&Bさんにお声かけてもらって、ちょうど9月30日は拘置所開放デーということもあるので、石丸元章さんをお呼びして拘置所話をしたいとゆう、完全にわたしの個人的趣味全開のイベントなので、わたしが一応進行役をつとめられるように、石丸さんの「スピード」と「アフター・スピード」を読み返して、構成を考えたりして、一日じゅう台本めいたものをこしらえていた。途中昼すぎに飯田さんがやってきて、「背中にマジックで大きく短歌を書いて欲しい」というこんなお願い飯田さん以外からは絶対されないであろうことをお願いされ、爆笑しながら書いた。飯田さんは今日は新木場でキャットファイトの幕間で紙芝居をするらしく、リングの上で360度みえるように紙芝居をやるために色々身体に仕込んでいて、それが全部おもしろくて爆笑。こんなの考えつくの飯田さんくらいでしょう。間違いありません!ライブがんばってきてーと飯田さんを送りだし、再びパソコンにかじりつき、しこしこ書いては一日が終わった。

9.30土
さて、今日は待ちに待った東京拘置所開放デーでございます! 張り切って朝11時から乗り込む!予定やったのやけど、パソコンが充電できてなくって、今日わたしは拘置所開放デーを満喫したあと、下北B&B石丸元章さんと飯田さんと3人でトークイベントをやるわけで、それにはパソコンで今日撮った写真を写してみてもらったり、最後にはIKAZUGOKEのPVを流すのでパソコンが必要で、ノートパソコンなんやけど、わたしのパソコン、ASUSのやっすいやつやし何年も使ってるから、バッテリーがすぐ切れる。けど一応マックスまで充電した状態で持っていったら、イベント中はもつかな〜と思ってたのに、朝、あれっ充電できてないやんってなって、飯田さんに電話して、急遽、ひとあし先に拘置所向かってもらい、とりあえずプリズン弁当を買ってもらうようにお願いする。準備にもたついたけど、30分くらい遅れでわたしも拘置所に到着。毎年この日だけは空も真っ青に晴れ渡って暑いくらい。飯田さんはちょうどカレーのところで並んでたので、合流。無事プリズン弁当二種&プリズンカレーをゲッツして、メインステージの方へ。今日に限ってまだ暑くて、頭がぼーっとしてくる。IKAZUGOKE、日光にはひ弱なコケ女なので、日陰のテントに座ってしばしうなだれていたら、石丸さんからついたよって連絡がきたので、行ってみると、俳優K子さん夫妻もご一緒でわいわい元気を取り戻す。しかし石丸さんに会って3秒で「北村さん、身体がカスカスすぎて日光に透けてますよ」と言われ、一瞬で骨粗鬆症を見抜かれてしまった! でも実際骨密度70代宣告を医者にされてる身なので透けてるのもあり得る。実は石丸さんとちゃんと話すんははじめてだったのやけど、珍しく一瞬で打ち解けるという相性の良さ(?)で、早速拘置所の外には出せないようなアンタッチャブルなおはなしが飛び出まくって笑い転げる。この日の出来事は後日、別媒体で書く予定なので、この日記でははしょります。とにかく石丸元章さんと丸一日ご一緒し、移動も含め、拘置所、綾瀬の飲み屋、B&B、打ち上げの熊八まで、全部すみずみまで楽しい一日だった。台本なんか書いていったけど、石丸さんはおひとりで喋ってらしても十分おもしろいし博識でらっしゃるから、もう石丸さんのこの大きな胸と広い懐を借りてこちらも自由にしゃべらせていただけて、これがおしゃべりのプロの方や! と思った。今日は終日色々名言飛び出しまくりの元章さんでしたが、なんか最後の打ち上げ会場で、飯田さんとわたしは、エロスとタナトスの名コンビですよ! といわれ、えっ確実にわたしがタナトス担当ですよね? わたしもう死ぬん? とかゆって笑いまくった。それから人間は、露出狂と覗き魔のどちらかにわけられる、といわれ、瞬時に「はーいわたし露出狂!(身体を晒すんではなく、こう、いわないでよいことまで書いたり作品に出したりしちゃうって意味)」って、元章さん、わたし、金子さんは手をあげ、飯田さんは「わたしは完全に覗き魔の方」ってゆってて、すごい何かを大きな象徴した瞬間だった。しかしなぜ露出「狂」で、覗き「魔」なのか、と考えるよね、とか結構真面目に話したりもした。一日中はしゃぎっぱなしやったから身体は弱り切ったけど、精神は健康そのものです。人生、生きてたらたのしいこともある。

10.1日
先月からお薬を減らしたからか、起きてもあんまり身体の軋みや痛みが回復していないことが増えた。やっぱりわたしはお薬ばきばきじゃないと健康なふりして生きれない人間なのか〜と思ってちょっと落ち込む。昨夜はあんなに楽しかったのに。だけど今日も夕方からおでかけ。渋谷のロフト9のブックフェスへ。まずは鈴木智彦さんと山田参助さんのヤクザと男色トークを堪能。本物の破門状や絶縁状などをはじめて見た! 意外とポップでファンシーなやつもあって笑った。鈴木智彦さんには、今回IKAZUGOKEのコメントをいただいてお世話になったのでご挨拶したくて、本を買って飯田さんとサイン列に並ぶ。鈴木さん、めちゃんこええ人やった。昨日の石丸元章さんもそうやったけど、筆で身を立ててる本物の人って、ジャンルが硬派であればあるほどええ人かもしれん。でも偽物もいるから一概にはいえまへん。その次のトークのために早めにいらしてたサムソン高橋さんと能町みね子さんに挟んでもらってお写真も撮っていただいた。お二方ともたいへんラブリーなお方だった。ブックフェスで古本屋さんもたくさん集まってて、転換の時に古本も買った。夜はサムソン高橋さんと能町みね子さんと石丸元章さんの3者によるトークをたんまり楽しみました。石丸さんは色んな引き出しがあって、昨日の今日でも新たに面白かった。夕方の二部とはがらっと客層が違って、サムソン高橋さんファンであろうお方たちに囲まれてちょっとびびる。サムソンさんは終始キュートな仕草&発言で、わたしまでちょっとときめいた。能町さんはとっても美しかった。元章さんも、ハードでバッドなおはなしをしてるのに、話し方がすごく上品だから怖くない。そして全員おはなしがお上手だから、とりとめのない話をしていても十分おもしろい。なんか、トークショウというものの色んな形をみて勉強にもなった。しかしロフト9、エアコン効きまくり極寒やって、尿意がすごかった。昨日の石丸さんの尿話を思い出した。

鈴木智彦の「激ヤバ地帯」潜入記!

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