9.4〜10日記

9.4月
朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。帰って、飯田さんと待ち合わせ、IKAZUGOKEのプロモーションビデオのロケハンをする。ちょっと険しい草っぱらの斜面を登ったりしたので、つっかけなんかで出てきたしまったことを後悔。でもなかなかいいロケ候補地が見つかった。ところで飯田さんは草むらに咲いてるお花の名前や草の名前をだいたい全部知っている! すごい! そういうところ尊敬する。無事ロケハンを終え、ベローチェでミーチングをして解散。

9.5火
今日はIKAZUGOKE第二弾の情報解禁日なので、色々朝から準備。流通会社の人とも連絡しあって、正午、どーんと情報解禁! 第二弾の目玉はなんといってもコメントなのだけど、自慢ですが、素晴らしい人選ではありませんか?! 末井昭さん、石丸元章さん、鈴木智彦さん、上原善広さん、海猫沢めろんさん、鮫肌文殊さん。ほんと、わたしの趣味というか、ほんとに素直に、わたしの好きな方々で、今回のアルバムを面白がってくださりそうなお方にお願いしたという感じなのだけれど、こんな素晴らしい方々がわたしらのような下々の者に言葉を寄せてくださるなんて、なんて幸せなことなんだろうか!! みなさん、それぞれ締め切りを多々抱えてらっしゃるお忙しい方なのに。好意だけでコメントを寄せてくださるなんて、こんな幸せなことないですよ! という気持ちで情報解禁。それぞれツイッターで拡散などしてくださった方、ありがとうございました。公式サイトも出来ました!!飯田さんが作ってくれました! わたしはこのコメントを舐めるように眺めて幸せに浸っております。http://ikazugoke.jimdo.com アマゾンなどでも既に予約?できるようになってるみたいです→https://www.amazon.co.jp/IKAZUGOKE/dp/B074J2GT48/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1504931113&sr=1-1&keywords=IKAZUGOKE
ということで、IKAZUGOKEファーストアルバム、11月1日に出るので、どうか乞うご期待です。あと、ここを読んでくださってる、なにかしらのメディア関係の方「取材してやってもいいぜ」みたいな方いらしたら、warabisco15@yahoo.co.jp までご連絡ください。わらびすこ舎という、わたしが自分のアルバムを出すためだけに動かしている完全自主制作自主レーベルからの全国リリースなので、なんのツテもコネもお金もない状態なのですが、なんかおもろそうやんけ、と思ってくださる関係者さんいらしたら、ぜひご連絡ください。資料などお送りいたします。

9.6水
朝から普通に労働。労働後、紀伊國屋飴屋法水さんの新刊『彼の娘』を購入。ちょっと読み始めたばっかりだけれど、珍獣の本とはまた180度切り口が違っておもしろい。ついこないだ確かめろんさんが「子どもが出来たと聞きつけると編集者は子育てエッセイを書け書けと迫ってくる」って言ってたけど、たぶんそんなんで飴屋さんもそういうオファーに応えた形なんやろうかなあ。みなさんそれぞれの切り口で描いておられておもしろいけど女性の場合はわりと定型がある気がしてて、それは妊娠期間だいたい十月十日おなかの中でみっちり一緒にいるわけだから、母である実感もずーっとじんわりあるし、とかそうゆうのもあるのであろう(わたしは妊娠経験がないから憶測でしかないですけど)でも男子の場合は、中出しをしたという事実くらいしか、自分の子であるという実感はないのだと思われる。もしかしたら妻は違う男性と・・・みたいなことも、ないわけではないのでしょうし。人を信用してない人間だからわたしがそう思っちゃうだけかもしれないけれど。そういう部分を、この飴屋さんの本は男性の目線で冷静に綴ってらっしゃるし、すべてが客観の目で書かれていてるのでとても新鮮で、そしてちょっと怖い。

彼の娘

彼の娘

夜、帰宅して、ひとり晩酌、というのを覚えてしまった。この1、2週間、プライベーツがどん底で、やけっぱちになってドクターストップもかかっている飲めないお酒を飲んでは具合が悪くなって部屋で倒れているというおバカなことを繰り返しておりましたが、人間ちょっとは勉強するもので、飲み物を変えたらいけるようになった! いけているのかどうかはわからんし、たぶん健康状態的にはお薬飲んでる限りほんとは飲酒はぶっぶーなのやが。そう、これまでは氷結とかベタな缶チューハイを買って飲んでいたのだけれど、それはやめて、梅酒のボトルを買って、それをソーダで薄めて、すっごく薄い梅酒のソーダ割というのかな? それを飲んでいる。味もおいしいし、アルコール度数もうすまってるので、缶チューハイみたいにへんてこな酔い方はしない。これはいけるぞーと思い、最近は帰るやいなや、それを飲んで、ここだけのはなし結局眠り薬もちゃんぽんになるわけですが、それによって、眠気がくるまで、ちびちびずーと飲んでいる。そうでもしないとこの時間がつらくてひとりですごせない。時間が解決してくれる日がくるのであろうかなあ。

9.7木
午前中にアマゾンさんから内職のためのOPP袋が届くはずだのに、届かない! アマゾンはだいたい黒猫さんか郵便屋さんがもってくると思ってたのに、なんか桃太郎が持ってきた、しかも桃太郎さん女の人やった。そりゃ遅れてもしゃあないか、女の桃太郎だもんね。結局1時過ぎに届き、そこからマッハで今日いりそうな、いくつかだけの内職品を作ってちょっと遅刻して待ち合わせの駅へ。そこから雨の中、長靴でがしがし歩いて今日はプロモーションビデオのロケハン第二弾。すごく良い場所が見つかった! これは絶対おもしろいPVになるでしょう! しかし雨の中野外を歩き回ると髪の毛がものすごくチン毛のように縮れて恥ずかしい。行きしなに目をつけていた喫茶マイウェイというところに入って、飯田さんとみっちりミーチング。今日はかなり色々なことを話し合った、疲れるぐらい脳みそも使って話し合ったぜ! ミーチングって喫茶店でコーヒー飲んで雑談してるだけのようにみえるけど(実際そういう時間もあるにはある)本気でやると結構疲れるものである! というのももう発表されたけど急遽なのだけど、下北沢B&Bで、9月30日に石丸元章さんとトークイベントさせていただくことになり、その内容をどうしようか相談。わたしたちはフリートークとなると気を遣いあってしまってあまり盛り上がらず反省で胸を痛めながら帰宅する、ということが2年にわたってやってきた母親教室というイベントでしっかりわかったので、その反省を生かし、どういう形がいちばんおもしろくなるのか悩む。とはいえ、今回は石丸元章さんがいるし、テーマもしっかり決まっている! そう、わたしの愛する東京拘置所について、なので、しかもこの日は拘置所開放デーという東拘の年一のお祭りの日で、その帰りなので、きっと興奮状態で結構しゃべれるんではないかと思っています。プリズン弁当を3人でつつきながら、きっと楽しい拘置所話に花が咲くのではないでしょうか。飯田さんは夜は銀座のお仕事があって、わたしは渋谷に豊田道倫さんのライブを見に行く予定があったので、途中で電車お別れ。渋谷の夜はなんかお祭りで平日なのに人多くてうんこだった。でも豊田さんのmtvバンドのライブは最高だった! わたしはそもそもあんまりライブハウスが得意じゃないし、バンドもののライブは特に行かない、それこそ豊田さんくらいしか行かない。そして豊田さんは私の中でやっぱり歌の人だから、歌に集中して聴いちゃいがちで、でも何故か今日はバンド全体の音が気持ちよく入ってきた。そしたら、mtvバンドのときの豊田さんは実はめっちゃかっこいいギターソロを弾いてらっしゃるんやと発覚! わたし、所謂ギターリストが自己陶酔に浸って弾いてるギターソロって脊椎反射的に苦手なんだけど、豊田さんのは絶妙にかっこよくってシビレタぜ! 「そこに座ろうか」のソロで、うわっかっこい!て思って、その後聴いてたら、ギターソロ全体かっこよかった。たぶん自己陶酔型ではないからでしょう。というかこのバンドは自己陶酔型の人が誰もいないからいいなあ。初めて聴いた「君はアクセル、僕はブレーキ」ってはじまる歌がとてもよかった。あとアンコールでぼそぼそと歌った新曲がたぶん韓国語で、それもよかった。ライブはとてもよかったし、ライブ後も6階のところでPバインI村さんとTさんと喋ってたり豊田さんとしゃべったり楽しかったんだけど、6階のドリンクカウンターのねえちゃんがめっちゃ怖くて、わたしはドリンク券でジンジャエールを引き換えただけやのに、すごい機嫌悪くて不愛想で「まじうぜーんだけど、死ねよこの女」みたいなあちらの心の声が聞こえてきて、やっぱりライブハウスは怖いところやと思った。同様してか、帰り道半蔵門線を反対向きに乗ってしまい、池尻大橋で急いで降りて引き返すという間抜けなこともしてしまった。終電には間に合ったからよかったけれど。でも帰ってもなんかあのねえちゃんの感触が引っかかって(だってわたし別に変なことしてないはず)眠れないのが余計に眠れなくってモヤモヤして、でもいいライブを見て刺激を受けたついでにひさしぶりにベッドで歌詞を書いたりして夜を過ごした。

9.8金
朝から渋谷区最古のばあさま合唱団の稽古に向かうべく、1時間かけて恵比寿へ。ソプラノは3人しかいなくて、そのうちでいちばんうまくて声量もある、わたしが頼りにしているW辺さんがお休みで、最年長のおばあさまと入りたてでペーペーのわたしの二人だけといことで、すごく不安なソプラノになってしまい、改めて合唱ってむずかしいー、普段は自分で作った自分の歌いよい音域の歌を歌ってるので、こうやって課題曲を歌うのはむつかしい。でも曲がおもしろいし、何よりばあさまたちが本当にパワフルなので元気をもらう。平均年齢何歳かわからんけど、わたし確実に最年少で、メイン層は60代〜80代なのだけど、ほんとにみなさん、声量もすごいし足腰もしっかりしてて、背筋もピンピンしてて元気! 稽古が終わったらわたしはもう酸欠で結構よぼよぼなのだけど、みんなにこやかでふらふらの人なんかいなくて、施設を出る時、ばあさまが誰も躓かなかった段差でおもっきしひっくり返って転び、右膝を負傷。流血。それはまあいいとして、ショックだったのはアイホンの画面が割れたこと! これはまじで落ち込む! わたし、前回の6年ほど使ったアイホン4は6年も使ったのに一度も画面割れなかったんです! それが、まだ3か月くらいしか経ってないアイホン7ちゃんが早くもひび割れてしまった。かなしすぎる。。。でも一応使えるのは使えるからいいか。。。帰りはハチ公バスで渋谷にでて、そのバスの中で、ちょうど鞄に入ってた、サラシを巻くときようの乳首隠し絆創膏があったのでお手当はした。けどすぐ血がにじんで気持ち悪い感じに。渋谷について、夕方まで時間があるので、今日はパソコンを持ってきてたので、人間関係に行って、パソコン広げて特選小説の次号の原稿を書いた。ちょうど書き終わったらいい時間になってたので、渋谷を出て新宿へ。飯田さんと落ち合って、タワレコ新宿店の恩人バイヤーI田さんの元へご挨拶に行く。小説『裸の村』も仕入れてくださってて、そもそも遡ると2006年にわたしが1stを出したときに、new ageコーナーという特殊なジャンルのバイヤーさんにもかかわらずI田さんが殆ど博打のような勢いで、何故かわたしをもうプッシュして大々的に展開してくださり、わたしの流通してるCDの8割9割は、たぶんタワレコ新宿店さまだけで売れている気がする。そんな恩人I田さんに飯田さんを紹介したかったのと、次のIKAZUGOKEをよろしくお願いしにご挨拶に伺った。お話してたら、飯田さんとI田さんが、初期の浜崎あゆみの歌の魅力について盛り上がってて、わたしはちゃんと浜崎あゆみを通ってないので(世代ではあるけど)あんまりわからなかったけど、I田さんの守備範囲の広さに改めて目から鱗気分やった。そんなこんなでご挨拶を終え、そこから御苑の方へ歩き、今日は夜は『実話ナックルズナイト』というイベントを見に行く日! わたしはもともとナックルズファンで、というのも学生時代コンビニでバイトしていて、バックルームでいつもナックルズを舐めるように読んではこっそり涎を垂らしていた、世の中にはこんなときめく世界があるんだ!と、もう10年以上前だけど、大阪の田舎のセブンイレブンで読んでいて、今は代変わりされているけれど、わたしの中では神レベルの憧れの、久田編集長も登壇されるし(わたしが上原善広さんの連載で日本の路地についてすごく興味を持ったのも久田編集長時代にのナックルズだった)、わたしの好きな映画「孤高の遠吠」の小林勇貴監督も登壇されるし、これは行くっきゃないよねって飯田さんを巻き込み(とはいえこのイベントを仕切ってる主催者のトーゴ―さんという方は飯田さんは別件でお仕事してたりもする)見に行った。ネット上には書けないような話ばかりやけど、最高に楽しく、ゲスで不謹慎な話で笑いまくってとても楽しかった! 小林勇貴監督はまだお若いけれど、ものすごくかしこくて肝が据わってるキレ者なのが短い時間やったけどすごくわかった! 商業デビュー作になる11月公開の『全員死刑』楽しみでなりません。厚かましく、「ナックルズの編集の方ですか?わたし、これこれこうゆう活動をしてまして、、、」と勇気を振り絞ってIKAZUGOKE資料とサンプル盤を押し付けるというミッションもなんとか遂行できた。しかし、憧れの久田編集長には近寄れませんでした。こうゆうときにズバズバいけないと、ほんとはダメなんだよね。自主レーベルの舎長としてはね! でもそんなことより本当にイベントがおもしろすぎたので、大満足で帰路。足立区へ帰って飯田さんと日高屋で軽く乾杯して帰った。

9.9土
なんだかんだで三日連続で飯田さんと会っているけれど、今日も打ち合わせでおひるから近所の喫茶蘭蝶で、雑誌「点線面」の方と打ち合わせ。「点線面」は素晴らしいセンスの雑誌で、前号は杉作J太郎さん大大大特集で、その前は尾崎翠特集という、この振れ幅、しかしこのどっちも特集するセンス、最高ですやんって思っていて、今回サンプル資料をお送りしたら、すごい楽しい企画を出してきてくださった! まだ全貌は内緒ですが、これはすごく面白い、そしてわたしたちにとって一生の記念になるような号になりそうな予感です。編集のT花さんはわざわざ打ち合わせのために足立区まで出向いてくださって、色んな資料を持ってきてくださり、しばしミーチング。こんなに親身に我らを取り上げてくださるなんて、本当にありがたい。感激しながら打ち合わせを終え、この企画の件も更に飯田さんとふたりで相談したかったので、我が家に帰って更にミーチング。帰りがけに1本50円の焼鳥とか、お酒とか買って帰って、あと近所の老舗っぽいお肉屋さんで焼き立ての餃子が売ってたのでそれも購入。可愛いおばあちゃんが手作り餃子を店頭で焼いて売ってて、このお肉屋さんわたしの家から超近いのもあって、毎日駅へ行くときは必然的にこのお肉屋さんの前を通ってたのやけど、それもおばあちゃんはずっと見ていたらしく、「上野さんでしょう、あなた、学生さんなの? お仕事してらっしゃるの?」と唐突に聞かれ、「わたし散歩もしてるからあなたの家の前もよく通ってるから知ってるのよ、その自転車も知ってるしね」とか言いだして、ちょっと怖くなる。いや、おばあちゃまは全く悪意はなく、善意で、「なにかあったら助けてあげるから安心してね」くらいのニュアンスなんだけど、家までばれてるんかと思うとまじで怖くなっちゃった! そして、わたしは何故かおばあちゃんの頭の中では「上野さん」という名前になっており、わたしは上野さんではないんだけど、わたしのアパートには確かに上野さんという名前の人が住んでいて、ポストの配置的に、わたしの部屋が上野さんに見えるようになってるのは確か。なので、確実に家はバレしてるんである! 部屋までばれているんである! だからといって別に変なこともしてこないとは思うけれど、わたしは地域コミュニティに参加するのが苦手なタイプなので、特に東京はそうゆうのが大阪や地方よりないものと思っていたから結構びびった。でも東京といえどここは下町やから、そうゆう付き合いも必要なのかもだ。あ、餃子はおいしかったです。飯田さんとうちで飲みながら、ミーチングの続きをして、なんやかんやでいい時間になり飯田さんはおかえりに。なんか、なんやかんやでわたし、結構いま忙しいかもしれない。でもやることがあるのはいいことや。やることもなくひとりで家でいると、打ちひしがれてどん底に沈むから、ね。

9.10日
朝から内職をして、昨日のT花さんが更に資料などをメールで送ってくださったのでそれを読んだり昨日の打ち合わせのまとめをメールしたりして、昼から渋谷の某所。来年のお芝居の稽古。今日もすごくたくさんエチュードをやった。エチュードは苦手なんやけど、だんだん慣れてきたとうか、やりやすくはなってきた。それがいいことかどうかはわからないけど。今回、概ね言葉を封じられたエチュードなので、基本身体表現になるわけなんだけど、わたしは一歩間違えたらコントみたいな動きをしてしまうのでそれも封じないといけないし、だからといって自己陶酔型の身体表現になってしまっていたらいちばん最悪なので、その辺がむずい。という旨を帰り道にC子せんせいに話した。俯瞰でみて「あら〜なんか寒い感じになってるんちゃう?」て心配になるんですっていうと、C子せんせいも、俯瞰で見てしまいがちならしく、そしてかのファスビンダー先生もそうだったのらしい。でも、こうゆう人間はその俯瞰の自分と生身の自分との闘いで、その都度俯瞰くんをやっつけていかねばならないらしい! そうか! そう思うと、なるほどと思う。その闘いに負けてるから、自信がないのやな。エチュードばかりをここ何回もずっとやっていて、こんなんで演劇って出来上がるんやろうかと不安で一杯だったのが、今日はプランが立ってて、ストーリーがちょっと出てきたのでやりやすかった。あ〜ひさしぶりに身体を動かした。