9.21〜27日記

9.21月
この世間のシルバーウイークと呼ばれる五連休は、五連続瞳ちゃんお稽古なので、今日も元気に東十条。いつもとは違う駅に近い方のはじめての稽古場。屋上庭園とやらがあって休憩のとき出てみたら円形の花壇があってなかなかナイスな空間で気持ちよかった。けど謎のお風呂場のシャワーみたいのが、なんの囲いもなく設置されてて、まあ4階やからまわりから見えへんとはいえ、どういう変態がどういうプレイする用なんやろうね? という話を千絵ちゃんとした。概ねたのしいお稽古ではあるのやけど、お芝居づくりって難しいなあと思ってしまう瞬間が何度かあった。帰って、昨日の座談会のテープ起こしと格闘。人生ではじめてのテープ起こしなるミッション。予想以上に過酷で7時間ぐらいやって30分しか進まなかった。初テープ起こしでいきなり6人が自由にしゃべりたくる座談会はハードルが高すぎた。泣!

9.22火
今日も今日とて瞳ちゃんお稽古。昨日と同じ稽古場。飯田さんが謎のすごい手作り背景画装置を作って持ってきてたまげる! さすが飯田さん! もうこれだけでおもろい! 飯田さんは作演出に加え出演もしていてさらには美術も作っている、衣装も半分ぐらいはやっている、もっといえば制作さん的なことも、ヘンゼルとグレーテルのときにはまこりんがやっていたような演出助手がやる小道具まわりの準備もぜーんぶやっている! 本当に頭が上がらない! 背景画装置を立てて、動かしながら場面場面のお稽古をして、通しもやった。一番セリフが入っているのは飯田さんで、これまたすごい。今回飯田さんはわたし瞳ちゃんの相手役なわけですが、その演技もまじで惚れ惚れするかっこよさで、わたしがいちいち飯田さんを褒めちぎってしまうのはたぶんお芝居の中の気持ちと一緒くたになってるんやろね。単純ネ☆ お稽古後、はっとり家にて折込んでもらうチラシを送る用に数えたりまとめる業務をちょっとしてみんなはその場で一杯やりはじめていたけどわたしは鬼のテープ起こし業務があるのでお先にお暇。テープ起こしは相変わらず時間ばかりかかってちょっとしか進まない。しかし、トークの内容がすごくおもしろいので噴き出しながらやっている。

9.23水
五連日瞳ちゃん稽古最終日。衣装や小道具もあるやつは全部つけて通しをやった。ちょんの間シーンでドルさんの私物の超ステキな衣装(というか下着?)をお借りすることに。なかなか相当イヤンな恰好である! 普段はわたし、露出度高い服はほぼ着ない恥ずかしがり屋さんやけど、なんかお芝居の中で衣装っていうていでなら、なんでも来い! ってなって、楽しく脱げるもんやなあと発覚。小道具でたくさんの下着を使うのやけど、ドルさんと千絵ちゃんがたくさん私物を持ち寄ってくれて、みんななんでこんな下着を持ってるの!? これ、着るの!? 着てるの!? いや、そもそもが面積ちっちゃすぎて、つけてる意味ないでしょ! みんなさすがやなあと思う。ドルさんと千絵ちゃんはよく下着やコスチュームの話で盛り上がっていらっしゃる。というかこの瞳ちゃんメンバーは、あけっぴろげにお下品なトークを自らはじめる愉快な人が多く、休憩時間には、いや〜昨日セックスしてさ〜みたいな話が普通に飛び交っていてわたしでもちょっとびびる。わたしもお下品な話は好物ですが、そこまで生々しいピンポイント自分な下ネタは話せない! すごい人たちや。お芝居の中でもセリフとしてタブーな言葉を連発してるけど、日常生活も変わらない。帰り道では、陰毛の脱毛について盛り上がってらっしゃった。あーほんまにこの人たちなんなんやろ!

9.24木
雨。ひさしぶりに5日ぶりに労働。労働先に行くと、同僚たちがあまりにお上品なので昨日までとの温度差にちょっと狼狽える。あーでもまあ、普通はこんなもんよなあ、とわりと無になって働いていたら、自らを変態と名乗っている某同僚(40代男)がいきなしちょっとすごい身の上話をはじめて、なんかもうどいつもこいつもどうかしてるわ! てなった。その某同僚は、前の職場(居酒屋)にいた15個ぐらい歳下の女の子に総額160万ぐらい貢いだらしい。その内訳が狂ってて、その子がホストに狂いだし風俗をはじめ援助交際まではじめたから、そんな危険なことするんなら僕がお金渡すから僕とセックスしよう! て名乗り出たらしい。ちょっとすごくないですか? あーでもそれって正義なんかな? 間違ってはないのか? 両者の欲望がかみ合ってるなら問題はないのかなあ。うーんわからん。まあどうでもいいけども。しかしなんでかわたしは、セックス報告をよくされる。これは昨日今日にはじまったことではなく、彼氏彼女とこんなセックスしてさ〜みたいな報告を、なぜか昔からよく受ける。別にこっち側から自らのセックスを報告したことはないのに。フシギ! 

9.25金
わたしは平素から不眠症で無駄に長時間起きているとはいえ、起きてる時間が長い=たくさん活動出来るのかというと、決してそういうわけではない! っと実感しているここ数日。起きていても脳みそが働かなければ意味はない。月末までにやるべきことがぱんぱんな毎日なので、夜は1時間寝て起きてWord画面とにらめっこして宿題、ていうのを3回ぐらいやったらもう朝。労働。労働先にもパソコン持参で行って、昼休みも宿題をやっている、わたし、偉すぎちゃう? と思う反面、なんでこんなことやってるんやろって気持ちがときたまぽっこり浮かんでくる。いや、我に返ったら終わり、我に返ったら負けやで。しかしわたしの活動全域、というか人生全体がもう、我に返ったら終わりな気がしてくる。我ってなに? 

9.26土
ひさしぶりになんにもない日、いやほんまは瞳ちゃんの音楽班との歌の稽古があったやけど、おやすみさせてもらって、家で猛烈に宿題をやる。座談会も参加メンバーに確認してもらったら結構怒涛の修正の嵐でこちらおがんばりつつ、不幸がいやかよマガジンのコラムや連載小説を白目剥きながら書く。ここまで月末までため込んだわたしが悪いのやけど、でも月はじめから計画的にちょびちょびって出来へんよね。この5日間Word画面とにらめっこしすぎてまじで視力が更に下がった予感。そんなことをやりつつ、明日の森下くるみさん早川義夫さんとのトークイベントの仕込みもやる。くるみさんとメールで色々相談してて、お互い好きな本、人生で何度も読み返した本を3冊持っていきましょうってなって、本棚眺めて抜き出してパラ読みしてたら色々思い出してどんどん時間が過ぎる、ピンチ。野溝七生子の『山梔』をひさしぶりに開いたら熱いものを思い出して、ああ、結構これわたしが18歳ぐらいの頃バイブル的に愛でていた本やったなあ。当時阿字子ちゃんに自分を投影して読んでいて、終盤の母親と戦うシーンはひさしぶりに読んでもハッとした。

山梔 (講談社文芸文庫)

山梔 (講談社文芸文庫)

9.27日
朝から宿題をちょっとやって、今日のイベントはスタートが早いので12時すぎに出発。入り前にくるみさんとフレッシュネスで打ち合わせ&お互い近況報告しあう。それからアップリンクへ。今回時間が超タイトな感じで、リハもマイクチェック程度で段取りだけ決めて、そしたらもう開場なので楽屋へ。楽屋の時点でなんか3人の会話が結構すごいことになっていて、これこのまま人前でしゃべって大丈夫なやつ? て心配になったけど、本番、早川さんもくるみさんもNGなく惜しみなくご自分の愛にまつわる踏み込んだおはなしをしてくださって、なかなか貴重な時間になったね! だってなかなか、早川義夫さんほどのお方から、森下くるみさんほどのお方から、直にあんなこと聞けるなんて、ないでしょう! わたしは一応進行役ってことやったのですが緊張してぐずぐずでほんとすみませんでした。ミニライブも、くるみさんとの合作の新曲『みずいろ』を初お披露目できたのやけどこっちも緊張してせっかくの名曲がちょっとトホホな出来栄えで反省。早川さんのライブはすばらしかった! そしてご一緒に「おねえさんの歌」歌えてうれしかった。あっという間の1時間半でした。見に来てくださった方ありがとうございました。終わってくるみさんとくるみさんの編集者の方と、アップリンク裏の飲み屋で3時間ぐらい話し、こちらでもいいお話が聞けた。くるみさんとのイベント、一応シリーズ化の予定で、第二回もやる感じなので、どうぞよろしくお願いします。


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