10.5〜11日記

10.5月
労働終わり、アイホン開くと某所から連絡がきており某企画が決まって、それに付随する連絡を各所に取りまくる。瞬発力大事なミッションなのでちょっとあせあせやったけど、みなさん協力的にささっとお返事くださって助かった。

10.6火
800枚の瞳ちゃんチラシを担いで出勤。労働を1時間はやく上げてもらって、御茶ノ水へ、駅の薬局でリポD2ケースを買って、唐組の紅テントを探す。この辺ほんとにオフィスビル&大学が群生していて、こんなとこにほんまに紅テントあるんやろか〜って思ってちょっと迷子になったけど、そのぶん、遠くに赤いテントが見えたときオオオッてなってうれしかった。どきどきしながらテントの敷地に入ったところで藤井さんにばったりお会いしここでやっててーと楽屋? と思しき隣の小さいテントのチラシ群のところへ促され、そこでひいこらひいこらと800枚チラシ折込んだ。こういう経験はじめてやったのやけど、意外と単純作業好きなのでさくさく1時間半ぐらいで終わった。途中、テントの中の電気をつけに久保井さんがきてくれた。折込んでる間、紅テントの方からはお稽古の声がずっと聞こえてきていて、怒号が飛び交うそのど迫力&緊張感におしっこちびりかけた。これが……唐組か……。でも緊張感ってすごく大切なことやなあと思った。

10.7水
お昼に自転車でぴゅーっと飯田さんちにお邪魔して、ふたりで衣装づくり。レースつけたりボタンつけたりしてて、なんか、あれ、この作業懐かしいわって思い出して、そうや、昔バレエを習っていた頃、こうやって衣装のボタンやトウシューズのリボン縫ったりとかしていた。もう20年前とかの話ですっかりさっぱり踊れない人間ですが、こういう作業は身に染み込んでるというか、なんか郷愁スイッチおされてもうた感じやった。飯田さんとプライベーツの近況報告などしあいながら楽しくお裁縫し、その後は濡れ場シーンのお稽古をする。アイホンで映像を撮って反省したり、超真面目に濡れ場シーンづくりをした。その後、いったん帰宅自転車おいて、わたしは新宿へ。オカダヤでレースの追加を買った後、切通理作さんのニコ生番組にお邪魔した。ミュージカルの宣伝って形で、ドルショック竹下さんにくっついてお邪魔する流れなのやけど、現場についたらまだドルさんも切通さんもいなくて、ニコ生の人がいてて、はじめましてってしたのやけど、わたし結構こう見えて人見知りで、自己紹介もじもじしてたら「あ、ミュージカルの音楽の人ですか〜。え、出演もするんですか? なんか、人前に出る人とは到底思えないですけど。ま、でもコミュニケーション能力ない人の方が、意外と歌えたりするもんですからね」的なことを言われて、何この人、ちょっと失礼! ってまあでも一般的にわたしってそういう第一印象なんやろなあ、と初心に帰った。その後ドルさん、永田王さんが来てしばし歓談し、そしたら切通さんもいらして軽く打ち合わせ。すぐに本番はじまって、基本、ひどくてエロい性に纏わるおもしろエピソードをみなさんがされていて、わたしはその手のトークの引き出しはたいへん貧相なので、永田王さんに貸していただいた笛をあまりにトークがひどいときにぴゅーと鳴らす風紀委員を任されたのやけど、みなさんのおはなしおもしろすぎて止めたくないので殆ど鳴らさず、にやにや聞いてしまっていた。おふたりの、童貞くんをすけこますエピソードが感動的すぎて超美しかった。あと、おふたりともとにかくおち○ち○が好き過ぎてすごかった。わたしはたぶん、おち○ち○そのものにはそれほど興味がなく、その人のパーソナルあってのいち部位としてしか愛でられない。て、でもこれが一般的やよね? なんやかあの空間にいると道徳観がついつい崩壊してしまいますね。

10.8木
朝から衣装づくりの続きをやって、一応でけた! そういえばまだ家、衣替えしていなかったので、押し入れから毛糸の服とか出してきて夏服を仕舞ったりして部屋をちょっと片づけて、昼から御茶ノ水。今日は唐組『鯨リチャード』初日! てことで張り切ってチケット引き替えて整理番号をゲットし、まだ開場まで2時間ほどあったので神保町の古本街へ繰り出す。なんかこのところ気持ち的に全然余裕がなく、本屋もあんまり行けてなかったので、ひさしぶりに古本をたくさん拝めてちょっと心が鎮まった。新刊ではなかなかお目にかかれない唐十郎の本を3冊ほど買った。その後飯田さんと落ち合って、一緒に『鯨リチャード』を拝見。最前列であの透明ビニールのシートをしっかりかぶって観劇(唐組のおしばいは色々飛んでくるので)オープニングでオルゴールが開き、ドレスのお人形がまわってる時点からわたしはもうキュンとしてしまい、この唐組の世界観がすごくドンピシャで好きなんやと改めて思い、しかし恥ずかしながらわたしは30歳のこの年まで唐組を知らずに生きてきてしまって、まだこれで2回目、あ〜人生遡りたいって普段は全然そんなん思わんけどそんなこと思った。何故ならお芝居って映画とは違って、生身でその場で体験する以外に方法がなく、例え映像があったとしてもそれは全然別物で、生で見なければ意味がない。と最前列で、役者さんの唾や汗のシャワーをしっかり浴びながら観劇して思った。今回はメインの役ほぼ若手と呼ばれる方々がやっていらして、主演の田口役の美少年福本さんも、鯨リチャード役の気田さんも、そして薬の売人の女役の土屋さんも、みなさんほんっとすばらしい役者さんでめちゃめちゃかっこよかった。気田さんが「ここには暮らししかありません!」ていうセリフがなんかすごくぐさっときた。特に奇抜な言葉じゃないのになんでやろう、すごい。あと土屋さんが不意打ちでち○こち○こと連呼しだして、顔、声、姿勢、佇まい全部が超良い女なままそんなこと言い出すもんやからどひゃ〜てなった。お馬の演出が衝撃的すぎて爆笑した。素材超段ボールやけど、超馬やった。休憩中、天井とか照明とかを改めて見てて、柱とか全部木の棒やし、黒い緞帳もカーテンレールみたいのにがいっぽん渡してあるところに掛かった黒幕を、人力でしゃ〜っと引っ張ってらして、すごく全部が手作りでそういうとこも感動した。カーテンコールも終わって、最後後ろから唐十郎が久保井さんに手を引かれてステージにあがってらして、わたしはお元気だった頃のお芝居をされている唐さんを存じ上げないのやけど、なんか勝手におふたりの歴史みたいなのがぶわっと浮かんでちょっとうるっとしそうになった。終わってお尻をなでながら飯田さんといや〜すごかったね〜とか言い合っていると、久保井さんが中でちょっと飲んでってとおっしゃってくれて、みなさま終わった後お客さんや関係者さんみんなでテントの中で乾杯しはるのやけど、明らかにわたしら以外お偉方な感じで飯田さんとふたりで縮み上がり、おまけに役者さんらがお酌としてまわってくれるもんやから申し訳なさ過ぎて居たたまれなく、ちょっとだけお邪魔してこそっとお暇した。いやはやすごく刺激をいただいた。我らもミュージカルがんばらなあかんね! と飯田さんと言い合ってふたりで足立区へ帰還。

10.9金
労働。早朝からとある同僚(40代男)に3時間ほどみっちり卑猥なトークを浴びせられる。おち○ち○の大きさについて、女側の意見を求められ、わたしもつい、大きければ悦ぶとおもったら大間違いですっとヒートアップしてしまったけど、しかしなんでわたしはいつもこんな立ち位置になっているのかな。まあ別にいいけど。

10.10土
瞳ちゃんお稽古再開。この3連休は3連稽古、しかし、それで稽古おしまい。間に合うんであろうか。今日からは脱ふれあい館で、赤坂の某ショーパブを稽古場としてお借りすることに。このミュージカルは音楽も生演奏で、ニュートレドという楽団がいるのやけど、まだ全員で集まって練習出来たことがなく、おまけにこの3日間でも集まれるメンバーは限られていて、当日まで全員そろうことはないという衝撃の事実を聞かされる。衣装も全部つけて小道具も全部準備して、通し稽古をしたけれどみんな久しぶり過ぎて忘れすぎててなんかドタバタすぎて芝居どころじゃない感じで本当にピンチ。だけどなんかすごく和気藹々とほのぼのとしていて、みんな大人の余裕なのかな? わたしは全く余裕ないど! 楽団のコントラバスさんの楽器の頭の部分がライオンの彫刻になっててかっちょよかった。

10.11日
今日も瞳ちゃん稽古。みんな焦りがあるのかないのか、あってもそれを表に出さず大人に立ち振る舞ってるだけなのか、わからんけど、楽しい感じの現場。しかしもうお稽古時間少なすぎてカウントダウン入ってるぐらいやのに寝坊で2時間遅刻の方とかもいて、このゆるい感じがわたしはあまり好きではない。今に始まったことではないけれどこのチームは時間にたいへんルーズで、30分遅れぐらいやと遅刻と見做されない、という心の広さがそろそろ仇になってきている気がする。まあこれは性格の問題なんやろう。わたしが心が狭いだけですね。今日は照明さん音響さんもいらしてお稽古。しかるべき箇所でSEを鳴らしてもらえてちょっとテンション上がった。楽団数名と音響さん照明さんご一緒に一回通したけど、せっかくすごくおもしろい脚本で内容なのに、ぐずぐずすぎてこれ本当にピンチやと思うんですけどって耐えられず千絵ちゃん飯田さんに漏らして、芝居班だけのシーン稽古を楽団との歌練習の合間に同時進行でばんばんやることに。お稽古して繰り返せばちゃんといいテンポで乗れて、新たにおもしろい動きとか増えてきて、ラストのカーテンコールの合唱もすごく良い感じ、うん、これは成功すればすごくおもしろい劇になると確信している! だけど、そこまでたどり着けるんやろうか。あー不安しかない。夜までみっちりお稽古して疲れたのもあるけどわたしは今日、なんと薬(病院の)を飲んでくるのを忘れるという結構死活問題な過ちを犯してしまっており、わたしは病気発症して3年ぐらいずっと薬が常にバキバキの状態で生活していたので(でないとまじで寝たきりになるので)、ひさしぶりに薬が抜けてクリーンな身体で過ごす羽目になったのやけど、これが予想以上にきつく、だんだん膝曲がらんようなってきて手もつりだして息もうまく吸えなくなってきて、気のせいかもしれんけど腕や足に斑点まで浮き上がってきて焦った。帰り道は完全にびっこ歩きやった。改めて、自分はごりごりのヤク中(注:合法の)やと自覚した。