8.12~18日記

8.12月

4時起きで朝から普通に労働。3階オープン準備中、誰もいないと思ってひとりでまあまあ大きな声出してセリフを唱えながら、お湯沸かしたりコーヒー出したりアイスティー淹れたり冷やしたりしてたら、いつの間にか3階に同僚が上がってきていて、大きな独り言を全部聞かれていた。しかもあまり親しいわけでもない同僚だったので、「今なんかしゃべってました?」みたいな話にもならず、ひたすら恥ずかしいままその後タッグを組んで働くことに。ああハズイ。この同僚はわたしが劇やってるとか歌ってるとか別になんにもしらないので、本当に単純にでっかい声で独り言ゆうてるヤバイ女やと思われたことでしょう。つらい。夕方仕事上がって、東十条の作業場へ。地下鉄経由で王子神谷駅から歩いたら意外と遠くて失敗した。作業場には飯田さんと千絵さんがすでにいて手作りトートバッグの作業をしていたので、わたしは赤色を塗る係。ミュージカルのオリジナルグッズをシルクスクリーンで刷って作る予定だったのやけど色々あってシルクスクリーンが難しすぎたので50枚全部手書きでいくことになり、飯田さんが絵を描き、わたしと千絵さんで色塗りして完全手作りトートバックを売ることになったのだけど、もう本番までカウントダウンがはじまってるのに、ちまちまと必死のパッチで劇とは直接関係ないお絵かきしてて、わたしらなにやってるのやろうね? て感じだけど、これが結構たのしくて文化祭感あってよかった。21時半くらいまで作業して、今日は終わり。よく働いた。

 

8.13火

ゆっくり起きて、洗濯。雨が降りそうで降らないけど、外に干すのは怖いので部屋干し。家でずっとひとりでセリフ練習をして、夕方から稽古場へ。今日は舞監さんも来て、衣装をつけての全編通し稽古をやった。しょっぱな、ちょっと予期せぬ事態が起こってわたしと飯田さん爆笑してしまって大変だった。本番中あんなことが起きたら本当に最悪。お客さんが笑うのはいいけど、やってる本人がまじ爆笑というのはいただけない。わたしゲラなので本当に気を付けないと。ああしかし、おもろかった。なんとか通し稽古は最後まで通ったけど、まだ舞監さんにプロンプしてもらってるので不安が多い感じ。どきどき。今日から三日間毎日稽古なので、じっくり詰めていきたい。今日は稽古後の飲みはなしでまっすぐ帰った。

 

8.14水

朝、飯田さんから昨日の通し稽古を撮影していた映像が送られてきて、見ながら色々反省。おひるすぎに家を出て北千住へトートバッグに使う特殊ペンを探しに行く。マルイのオカダヤへ行くも、おんなじ種類のペンがなくて、東急ハンズに行ったら同じのがあって無事ゲット。意外と早くに用事が済んで、北千住の喫茶マイウェイでコーヒーでも飲んでいこうかと思ったらお盆で休みだった。無念。なのでまっすぐ東十条の作業場へ。誰もいないかと思ったら家主のHさんがいて、Hさんが漫画を描いていた。その隣でひとりでトートバックの色塗り&アイロンがけを一通りやって、やることなくなったので寝転んでセリフを唱えたりしていたら飯田さんが合流。飯田さんがふと、トキワ荘てこんな感じやったのかな? とか言い出して、確かに画材やらが広がった6畳の和室にみんなが集って、それぞれ漫画を描いたり絵を描いたりしてて、そんな感じかもって思った。夕方ふたりで準備して、稽古場へ。今日は昨日の通しでの気になったところを止めながらじっくり煮詰めていく稽古だった。動きや同線が決まってだいぶやりやすくなった。あとは覚え込んでやりこむのみ。稽古終わって外に出ると大雨。そう、台風が近づいているのであった。どうか本番中は台風さん邪魔しないでね。稽古後、久保井さんと千絵さんと3人で、いつもの安中華屋で飲み。明日は積み込みなどがあって飲めないので、東十条で飲むのは今日が最後。ちょっと一杯のつもりが結局閉店まで。楽しく飲んだら帰りは雨がやんでいた。終電で帰宅。

 

8.15木

10時に家を出て、作業場へ。飯田さんは昨夜の稽古後そのまま作業場に泊まり込んでいて、ついたら朝からもう作業中であった。2階でトートバッグ班の作業開始。途中から千絵さんも合流して、ふたりで畳に寝そべって色塗りしたりアイロンかけたり。14時頃になんとか終了。準備して稽古場へ移動。今日は最後の稽古ということで本番通りの通し稽古を二回やった。一回やると結構体力使いはたし、二回やると結構バテバテに。あかん。こうゆうとき己の体力のなさを呪う。たくさん食べてたくさん寝よう。なるべく。稽古後、最後にみんなで告知動画を撮った。終わって、車に積み込みがある人は作業場へ、わたしは特にないので帰路。いよいよ明日本番か。ほんまにもう本番? とこわくなるけど、もうやるしかない。がんばろう。はやめに睡眠薬飲んで寝た。

 

8.16金

7時に起きて、朝から家で一通りセリフの練習をやり、9時に家を出て六本木の会場へ向かう。10時入りで、みんなで会場の準備。わたしは当日パンフを折り込む係。300枚の紙をひたすら折っていたら手先の水分油分が完全に消えた。会場準備が整い、午後から場当たり稽古。舞台監督さんの指示のもと、照明音響さんときっかけを一個一個確認していく。ちょっと押したけど特に大きな問題はなく、夕方からゲネ。お客さんはいないとはいえ、映像撮影とスチール撮影が入ってたので本番通りの緊張感があった。こちらも大きなトラブルはなく終了。ゲネの途中でお花がふたつ届いた。ひとつはなんと女優の平岩紙さんから! うれしすぎる! こうゆう形で花屋さんからお花が届くという体験ははじめて。うれしいものですね。お花の写真撮ったりしつつ、夜の本番へ備えて諸々準備。開場から開演までの30分は出演者7人、3畳ほどの狭い楽屋に収容されるのだけど、狭いところで着替えたりお化粧したりセリフ合わしたりそわそわしている感じがなんかちょっとたのしくて、みんないる、みんなでやってる感じがしみじみといいなあたのしいなあって感じでにやにや。お客さんはパンパンで立ち見までいる大入り。ありがたい限り。幕が上がると、お客さんのテンションも高くて、しょっぱなから笑い声が随所から聞こえてきて、こちらもテンションが上がる。そうそう、この臨場感がわたしはやっぱりすごく好きだなあ。今回わたしは大きな長ゼリフが3つあるし、歌もあるしでほぼでづっぱりなので全く気が抜けないけど一か所楽屋に引っ込むところがあって、楽屋でステージのみんなの声を聴いている時間がすごい好きで落ち着くなあと思った。ちょっとひやっとしてどきどきな瞬間もあったけど、なんとか本番終了。物販のトートバッグはなんと売れに売れて、初日にして4分の3が売れてしまうという事態に。すごー。みんなに1000円は安すぎるといわれたけど、実は我ら3人、1000円にしたのもだいぶ大きく出た感じで、ほんとは最初800円?700円?とかゆってて、それでも売れ残ったらどうしようって心配してたくらいで、なので初回にこんなに売れちゃうなんてって感じで3人でびっくりしていた。いや~でもうれしい。物販してお客さんとおはなしして、ばたばたと片づけたりしていたらリミットの時間。11時くらいに解散して、みんなはサイゼリアに行くみたいだったけどわたしは疲れていたのでまっすぐ帰った。

 

8.17土

8時に起きて、お風呂入ったり、ひとりでセリフ確認したりしつつ、準備。11時すぎに家を出ていざ六本木の会場へ。乃木坂から10分ちょい歩いて通ってるのだけど、今日は炎天下でうだる暑さで会場つくまでにぐったり。12時半入りで集合して、会場準備やお化粧して支度。まずは昼公演は14時半から。この昼公演が、、、もう超超色んなハプニングがあり、一周回っておもしろすぎた! いや~生の劇って本当になにが起こるかわからない。色々あった上で、極めつけは最後のすごくしんみりと、倒れているおかあさんへ長ゼリフを畳みかけるシーンで、なんと、久保井さんのおかあさんカツラがポロリと落ちて、久保井さんがカツラの下のネットがむき出しで玉ねぎ坊やみたいな頭で倒れていたのである! わたしは爆笑しそうなんをなんとか堪え、一生懸命やり通したのだけど、いやーほんとにきつかった! よく耐えたわ~。そんなハプニングに塗れたたいへんな昼公演だけど、いろんな人が見に来てくれていて、映画『閉鎖病棟』のスタッフさん&監督の奥様まで来てくれていたし、実は大阪から実母と小学校のときのピアノの先生が見に来ていたのであーる。やってる途中は気づかなかったから途中で動揺したりはせんかったけど、いや~びっくりした。見た人にしかわからないと思いますが、今回わたしは完全に家族を売りさばいてしまっているので、しかも特におかあさんにだけは絶対見られたくない、見られたら訴えられてもおかしくないような内容なのだけど、なんと母は終わったあと笑顔であった。しかもちょっと感動してくれっちゃっていた。そんな母を見て、なんかわたしも泣いてしまって、昼公演のあとはちょっと色々たいへんであった。色々思うところはありますが、心のうちははしょります。まあ色々あったけど、そんなゆっくりもしていられず、夜公演。夜公演は、なんか色んな歯車が全部綺麗にかみ合った感じで、やっている最中からすごくいい感触で、たぶんいい公演だったと思います。まあ、なにがいいとか悪いとか、感じ方は人それぞれやからわからんし、わたしは劇を見にいって、ハプニングが起きるのも嫌いじゃないタイプなので、綺麗に滞りなく進む劇が必ずしもいいわけじゃないとも思います。昼公演、夜公演、色々ありすぎて、本当に激動の一日だった。さすがに2ステやると体力からっぽになって疲れたけど、ちゃんと充実感を伴う疲れで気持ちいい。終わって今日はみんな飲みにもいかず、まっすぐ帰路。飯田さんとふたりで足立区へ帰った。

 

8.18日

7時に起きて、お風呂入って家でひとりでセリフのおさらいをして、準備して家を出る。今日は会場に11時半入り。楽屋でお化粧したり髪の毛つくったり、舞台でセリフのおさらいしたりして、あれよあれよで今日は昼公演13時半からだったのであっという間に本番。昼公演はテンションを上げにくいとよくいわれるみたいだけど、わたしはテンション上がりすぎて呂律が回らなくなり、ところどころ噛んでしまった。だけど全体の盛り上がり方や完成度はなかなかいい感じだった昼公演。昨日の昼公演がハプニングだらけで散々だったので、もうちょっとやちょっとでは動じないぞって感じかもしれない。昼も色んな人が来てくれた。普段わたしは本当に誰とも会わずにひっそりと暮らしているので、劇をやると一気に色んな人に会うので浮かれすぎて変になってしまう。今回、三日間の公演やのでまあ、これくらいの浮かれ具合で済んだけど、これが1週間も2週間も続いてしまったらぶち上りすぎてくるってしまうかもしれない。あぶない。昼公演終わって、夜公演までの空き時間、今日もみんなでコンビニへ。体が疲れていて糖分を欲していたので、アイスコーヒーにガムシロップを2つも入れていたら、みんなに引かれた。会場に戻って、みんなで差し入れなどをつまみながらしばしティータイム。久保井さんと西井さんはノンアルコールビールをキメていた。こういう時間も楽しくて、でもこの楽しさも今日で終わると思うとちょっとすでにさみしい。久保井さんがいなくなったと思っていたら、いつの間にか大道具の棺桶の中に入りこんで寝ていた。今日は夜公演も17時半からなのであっという間に本番。千秋楽、最後の公演ということもあり、みんなひと際テンション高かったし、お客さんの熱気もすごかった。この三日間、本当にありがたいことに、全公演が満席で立ち見までいるというありさま。最終公演は特にお客さんパンパンだった。わたしは途中で喉のえへん虫が騒ぎ出して、今にも咳き込みそうになり、後半はえへん虫との闘いであった。いや~つらかった。ああいうとき、役者さんはどうゆう対処をするんであろう。唾でなんとかごまかそうとしても喉はかゆいままで、本当に焦った。でもなんとか鎮静に成功し、最後までやりきれてよかった。最後はわたし、もち曲の『卵のエチュード』を歌うんだけど、自分で書いといてなんですが、結構こみ上げるものがあって歌ってて泣きそうになった。色々あったけど、とりあえず無事に?終演を迎えられてよかった。終わったあと、見に来てくださった作家のH房K音さんが泣いてくださっていて、わたしもうっかりもらい泣きしそうになってしまった。夜公演も本当に色んな人が来てくださっていて、みんなとしゃべりたかったけどなかなかそうもいかず歯がゆい思いだった。そういえば、しゃべれなかったけど、3日間毎日来てくれていたおかっぱの可愛い女の子がいてうれしかった。そう、今回たったの3日間5公演なのに、リピーターさんが結構いて、初日見ておもしろかったから今日も当日券できました、とかゆってくれる人がいて、本当にありがたいなあと思った。物販のあとばたばた片づけて、20時にH部さんが車で来てくれて搬出。精算は飯田さんと千絵さんに任せて、わたしは共演者のみんなを引き連れて打ち上げ会場の中華屋へ。疲れていたのでたくさん食べた。生まれて初めて北京ダックも食べた。獣臭くておいしかった。みんなでこの三日間をふりかえってトーク。いや~本当に色んな事があったけど、なんとか誰もケガせず終われてよかった。11時頃まで飲んで、健全な時間に帰路。本当に濃密な三日間だった。このミュージカルをやっての感想はあえてここには書きません。とりあえず日記では出来事だけを振り返りました。わたしの夏が終わった。

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