6.27〜7.3日記

6.27土
千木良悠子さんこと、大大大好きなC子せんせいが主宰する劇団SWANNYが世田谷パブリックシアターで公演中ではりきって見に行く。会場に入ってびっくり、3階席まであるでっかくて立派な劇場の、舞台の上は、レースのカーテンにビーズのお星さまを散りばめたみたいな、きらきらした女の子の夢の寝室みたいになっていて、開演を待っている間だけで既にもうわたしは感極まってしまって今にもうるうるな気持ち。二本立て公演のいっぽんめ、『ゴミ、都市そして死』。緒川たまきさま演じる売れないたちんぼ娼婦とそのDVダメ彼氏、が後に傾いていくゲイコミュニティと、金持ちユダヤ人、警察組織、ドイツの乱れたアウトローな社会を描いたこのおはなしが、そんな少女の夢の玉手箱みたいなセットの中で繰り広げられていて、ガーリーな文化も好きやけどアウトローへの憧れが止まらないわたしにはどんぴしゃでたまらん世界で、ボディコンが似合いすぎる粒ぞろいの男前なレザーボーイたちによる乱交シーンなんて最高すぎて涎たらたらやった。しかしほんとに、よくこんなに絵になる人々がいるもんだわとおもっちゃう、みんな素敵な面構え&体型揃いで、役者ってこうゆうことなんやなあ。しっかり堪能してすでにいっぽんめでおなかいっぱいで、これ一日で二本みるのは勿体なかったかもとか思いながら、終わってちょっとご挨拶がてら楽屋にお邪魔し、『禿の女歌手』でご一緒さしてもらった麻子さんや金子さんとちょっとおはなしして、立派な楽屋の奥のロビーで既にビール飲んでいた署長さんことキムケンさん(前回禿歌手では消防署長さんやったけど今回は警察署長さんだった!華麗なる転職!)や、河井克夫さんとしばしおしゃべり。音楽の英子おねえさんにも会いにエレベーター乗ったらこの劇場はエレベーターちーんと開いたら舞台直結で、焦る。よくみると「出演注意!」なる張り紙がありました。既に舞台の上は二本目のセットに変わってて、英子ねえさんは二本目のセッティング中で、ちょろっとご挨拶して一旦お外へ。三茶の街をちょっとぷらっとしようかと思ったけど、思ってた以上に都会で人が多くて眩暈がしたので、結局コメダ珈琲にこもって夜まで待機。ヘンゼルとグレーテルの台本読もうとおもて開いても、『ゴミ、都市』の興奮でなかなか頭に入らない。夜、世田パブに戻り、客席につくと偶然にもお隣がI俣さんで、ありゃ先ほどはどうも〜とかいいながらちょっとおしゃべり、演劇界のあれこれを少しご教授いただく。にほんめ『猫の首に血』。これはさっきのゴミ都市とまた全然違う世界で、宇宙から突然降り立った女の子が、警官、教師、肉屋、モデル、主婦など庶民たちの身の上話を聞いてるうちに言葉を学習していって、吸血鬼式に人間の言葉を吸い取り、最終的には立場逆転で人間は言葉を失いスペーシーゾンビと化す、不思議なおはなし。てゆうこれを、すごく変な演出で、役者さん全員、常にキチガイのようで実はちゃんとしたコンテンポラリーダンスを踊りながらセリフを喋りたくるとゆう、体力的にどうかしている動きの連続で、振付とセリフと音と立ち位置と、全部が絶妙なバランスですごく綺麗におさまっていて、こんなん演出する脳みそ、どないなってるんやろってやっぱりC子せんせい天才とおもた。パーの女の子を演じたら右に出るもんいないんじゃない!?てぐらいぴったりやった麻子さんと、バラエティ飛びすぎなセリフ回しがおもしろ過ぎる金子さんのコンビがまた見れてやっぱりこのふたり大好きておもた。終わってロビー乾杯にちょびっとお邪魔して、みんなと少しおしゃべりさしてもらった。こんなに大量の人を束ねてひっぱって、あんなに壮大なお芝居を作っておきながら、「C子せんせいがんばったで〜」て、いつものようににっこり笑っているC子せんせいはあどけないいたいけな少女のようで、いやいやでもこれだけの公演をやってのけるC子せんせい、本当にかっこいい!超超リスペクトやって改めて思いました。興奮さめやらぬまま三茶をあとにし帰宅。

6.28日
昨日の興奮さめやらぬまま、ちょっととある文章をばばばっと書く。うーん、これはどうやろう。もう一個の方もずっと何度も読み返しては消し、読み返しては消し、そんなんしてたら結局陽が暮れて、また暗雲たる気持ちに。は〜。あ〜あかんわたし才能ないわ〜て落ち込みながら、ヘンゼルとグレーテルの台本開くも、どうやったら覚えれるのか、こっちも難難難。

6.29月
労働中、ものっすごい札束を見た。人生であんな分厚いやつナマで見たの確実にはじめて。個室会議室にとんとんってコーヒー運びに入ったら、机の上に、ゆうに20センチはあるんではなかろうかって分厚さの万札の束がつみあがっている。。。うおってリアクション漏れそうになるも耐えて、素知らぬふりを装ったけど、あれ、もしあの場で、「うっひょ〜すっげ〜これまじっすか!?本物っすか!?」とか絡んだら、どうなってたんかな〜相手どう考えてやヤクザやったけど。いや、わたしがイメージするかっこいいヤクザとはまた違う、かっこ悪い方のヤクザ、ヤクザってゆうかチンピラ?まだたぶん30代で、白い上下のスーツにめっちゃながい黄緑のスカーフみたいなんを首からさもお洒落さんかのようにぶら下げてて、ちょっと吉本新喜劇みたいやった。で、その札束はどうやらなんか闇の給料かなんかで、そのあと入れ替わり立ち代わり、明らかに堅気じゃなさげな男どもが出入りしてて、たぶん闇金の受け渡し場所になっていたっぽい。ひえ〜くわばらくわばら。とかいいつつ、そうゆう裏社会のワンシーンを垣間見れて結構興奮&満足した。労働後、伊勢丹の地下に走ってばばばっと明日渡すお菓子を買い、足立区に戻って歯医者。実は一昨日つめてもらった奥歯の一部が飛び出ててずっとほっぺの裏を攻撃しててえぐれてて、痛いんですけどと訴えるとちょこっとけずって会計220円。

6.30火
実は今日で一旦この労働先を退職。まあいつもと変わらずパタパタと働いてたら、某同僚が紙袋いっぱいのビスコをくれて、え〜なんか、ごめん!ちなみに昨日も違う某同僚から送別ビスコもらった。東京来てからずっと働いていたのでなんやかやでまる6年?とか務めた店やったけど、でもまあそこまで感慨もなく、じゃお疲れっス〜てあがって、ビスコを抱えて駒場東大前の稽古場へ。ヘンゼルとグレーテルの最終稿、完全版の脚本をもらって、初見読みあわせ。すごい変なシーンとか発言とかもあるのでわたし、笑いがとまらなくて笑いすぎて涙も出てきて、いかんいかんってハンカチ出して拭いてて、でも途中から、違うわこれ、まじなやつやわ、まじな涙やわって気づいて焦った。わたしのこの10年で歌ってきた歌がふんだんに盛り込まれて書かれてる脚本やので、そらまあ、そうなるのは当然なのかもやけど、すごくわたしの人生と重なりすぎるはなしで、これ、わたしこんなことを芝居といえどもやってしまうと、まじで崩壊してしまうんではないか。。。松井さん、えげつない脚本をお書きになるわね!そして相当などエスでらしゃるわね!終わって、稽古場隣のおばちゃんがひとりでやってるええ按配の飲み屋で乾杯。テレビがついてて、例の久しぶりのセンセーショナルな事件、新幹線焼身自殺のやつやってて、なんかコメンテーター的なポジションに座ってる若い女優が「窓開かなかったんですかね〜」みたいな発言をしてて、それに久保井さんがぱくーんと噛みついてて「当たりめえだろ、常識ねえやつだなあ、ばかか!」と怒っておられ、「ちょっと今あの女の発言なんだってテレビ局電話してやろうかな」とか言い出してヒートアップ。どうやら久保井さんは新幹線大好きらしく、未だに夢の乗り物的な憧れを抱いてるそうで、そんな大好きな新幹線にケチつけるやつは許せん!てゆうたいへん可愛い言い分でした☆

7.1水
晴れて無職になって一日目。雨の中長靴はいて某大学病院。前回でちょっとおもしろポイント貯まりつつあった先生やけど、今日は機嫌悪いのかすごい能面で無口で、なんなん、この人こそ病気とちやうか?!とちょっと不安がよぎる。終わって薬の列に70分並び、ぐったりして帰路。足立区について夕方からI田H子ちゃんに会う。駅前酒場とゆう知る人ぞ知るやばい飲み屋に潜入。入ってびっくり、ビール、チューハイ、ハイボール以外のメニューはない!ウーロン茶、とゆうと、外の自販機で勝手に買ってこいとのこと。ひえ〜失礼しました!半楕円型のカウンターの中にはじじいがふたりいて、手前のじじい(おそらくいちばん偉い)はふんぞり返ってモツ煮の鍋をかき混ぜつつお客としゃべっている。で奥の小柄な腰の曲がったじじい(明らかに手前のじじいに虐げられていて、きっと身分が低い)が一生懸命注文とって、お料理も作ってくれる。こんな汚い飲み屋だけど、お料理は安くておいしい。客層もなかなかで、土方的な仕事帰り的な作業着おっさんとか、近所の酔っ払いクズおっさんたちの巣窟。そんな中明らかに浮いた女子ふたり、I田さんと秋にやるミュージカルの相談とかしてたら、手前のえらそうじじいに、「混んで来たらからそろそろ帰れ」とゆわれる。うそっまだ全然料理もお酒も残ってるんですけどってそんなんは通用しない感じやのでそそくさと出る。ちょっと散歩して二軒目へ。ぱっと見はやや古ぼけた飲み屋て感じの店やったのに注文したらオシャンティな料理ばっかり出てきて、さっきのギャップで狼狽えつつも、ここなら絶対追い出されへんでしょ〜っとI田さんとこっくり話し込む。たぶんこっちの店だけで5時間くらいいた予感。I田さんとおしゃべりしてたらほんとに楽しすぎて時間一気にすぎちゃっていつもなんやかやでかなり長時間一緒にいるけど、それでも全然話したりない!てなる。こんなに話し込める女友達が出来たの、わたしるみたんぶりちゃうのって、ことは12年ぶりちゃうの、ひゃ〜たのしいうれしい。

7.2木
無職二日目。早起きする必要まったくないのに、5時半ぐらいにはもう苛々して蒲団から出てしまう。起きてなんやかやして、コーヒー飲みながらソファーで台本読んでたらまたうとうとしてきてちょっと寝たりして、如何にも無職な暮らし。夕方から駒場の稽古場へ。完成版台本もって動きながら稽古。まだ慣れなさすぎてつかめなさ過ぎててんやわんやて感じやけど、ヘンゼルと海でお砂遊びするシーンがすごいたのしかった。もちろんエアーやから実際はなんにもないんやけど!こうゆうごっこ遊び的なことも演劇のたのしさやな〜。終わって、近くのお上品な小料理屋的なとこで衣装打ち合わせ兼飲み会。演劇の人はほんとに毎回飲んでいるのやなあ。わたしも無職なのでもう朝早起きプレッシャーがないので、ついつい毎回参加している。今日も終電ぎりぎり。

7.3金
無職三日目。無職とはいえど、全然暇じゃない。いや、時間は出来たはずなんやけど、メンタル的に忙しくて脳みそプシューな毎日。台本覚えないと、て思いつつ、某文章を書かないと、とゆう強迫観念に支配されパソコンのワード開きっぱなしでしかし進まず、いや今日はわたしライブやんか、とピアノ弾いて新曲やろうかやるまいか悩んで練習したり、またパソコンの前もどったり、なんか狭い部屋をうろうろしてるだけで時間すぎてもう出発。元ラストワルツ店長マルタさんが大久保にオープンした、ひかりのうまってゆう可愛いお店でライブ。はじめて行ったけど、半分スナックみたいなビロードの四角い可愛いソファー席があって奥のカウンターは学校の教室の椅子が並んでて、ドリンクチケットはおはじき!自分でゆうのもなんやけど、わたしにぴったりなものだらけのお店。雨の中、ヘンゼルと鳥人さんが来てくれて、あと制作チームのひともきてくれて、それから禿歌手でご一緒したわたしの大好きな役者さんK子K文さんがふらっと見に来てくださって感激。演劇の人たちってほんとに横のつながりを大事にしはるとゆうか、あったかい人ばかりやわ〜としみじみ。ツーマンやので小1時間ぐらいいっぱい歌わしてもらった。画家の金田アツ子さんが、展示が終わったからって例のあの絵を持って来てくださり、ついに我が家に!アツ子さんの絵が!うれしい〜。おわってちょっとみんなとおしゃべりして、帰ろかなっておもてたらU波さんかメール。ご近所ならしくちょっと芝居の音楽打ち合わせ兼ねて飲みましょうとなってジョナサンへ。馴染めてきましたか?集団行動、大丈夫?とかって肉親のような目線で心配してくれてて(U波さんは社交性を身に着ける前のわたしを知って下さってるゆえ)無理しない方がいいですよ〜とかやさしいお言葉、じーん。確かに、頑張って喋ろうとしすぎててこれ、いつかガタがくるかもって気づき始めている最近やったので、どきん。日付変わるくらいまで話して、そろそろ終電がってことでお別れ。新大久保の駅上がったらびっくりするぐらい人間があふれてて、そうか今日はフライデーナイトやん、しかも、なんか代々木駅で事故かなんかあってめっちゃ遅れてるらしい。やっと来た電車は既にぱんぱんで入れない、入れないけど入らないと、乗り継ぎの終電に間に合わない。とゆうことで無理矢理乗る!苦しすぎて息止まって血流も止まって、思わずうめき声が漏れてしまった。恥ずかしい。。。確実に人生でいちばんしんどい満員電車体験やった。しかも、満員すぎてなかなかドアが閉まらない=発車しない、てゆう悪循環続き。地下鉄の終電は諦めて、常磐線経由で帰ることにする。するっと帰れたら45分ぐらいの道程が、なんやかんやで2時間ちかくかかってようやく命からがら帰宅。帰路だけですんごく疲れた。密着していたワキガのおねえさんのかほりがまだ鼻腔に残っている深夜二時。アツ子さんの絵を飾って眺めたりして、寝ようにも寝付けず結局朝やんぴよぴよ