わたしの美代子

この夏はまじでしんどいことが多く、お盆のすこし前、諸事情のためしばし実家に帰っていました。家族って、それぞれどこも何かしら問題を抱えていたりするものやろとおもうけど、北村家はちょっとまじでその辺の昼ドラなんかは軽々と蹴散らせるぐらいのレベル。詳しくはもちろんこんなところには書けませんが、家族としてはもう完全に破綻していて崩壊している。諸問題はまあ今にはじまったことではないのやけれど、実家滞在中、がっつり家族会議をした。冷房つけることも許されない熱帯夜、汗洟涙したたる罵りあいは朝までつづき、それはそれは地獄やった。しばらく前にNHKでやっていた、角田美代子事件の家族会議の再現VTRを思い出した。結構近かった。美代子はきっとそんな珍しい存在ではなくって、美代子に成り得る、美代子の種、美代子の卵は世の中にごろごろ転がっていて、ほんのすぐ側にも転がっていて、絶対に許さない、全人生をかけて恨んでやる、とゆう強い思いがあれば簡単に美代子に転じてしまえる。わたしだってたぶん成り得る。いや、わたしは気がちっさすぎるので無理かな。でも、あの本物の美代子自身もきっと、人に言えない絶対に許せない恨み辛みがあって、あんな風な修羅女になってしまったのやろうとおもう。
結局なんも解決せんくて、ただただしんどいだけやったけど、妹や父親と腹を割った話ができてよかった。肝心な母親とは相変わらず、上滑りする会話しかできんかったけど。そして、あの日あの場所で握った手、潤んだ眼、息絶え絶えに交わした言葉は忘れられない。

しんどいしんどい帰省やったけど、途中、溺死ジャーナル三大美女のひとり、薬子さんとデートしたのはたのしい思い出。心斎橋のシャレオツなカフェで、お花とか果物がもりもり乗った夢のようにおいしいかき氷を食べながら、こんなとこには書けるわけがないお互いのあられもない話で盛り上がって、その後難波屋へ行ってMTライブを観賞。一曲目が「家族旅行」で、西成のこの地で聴くこの曲、しかもMT家族の前で歌ってらしゃるこの感じ、ふお〜!と聴いててひとりで盛り上がったのやけど、隣のテーブルをチラ見するとご愛息そーへいくんはPSP的なゲームに夢中なご様子で、あっれれーと拍子ぬけるとともに、なんか微笑ましくもありました。はー家族かー。

それから東京帰る日、新幹線のる寸前に、春までは東京にいてらしてわりとご近所さんでよくお茶をしばいていたお兄ちゃん的な存在のNさんとひさしぶりにお会いして丸福珈琲。この三ヶ月、Nさんは超超激動でまるで春樹の小説の主人公みたいな出来事がおきまくっていて今もその渦中とのことで、話を聞いているとほんまにその通りで、すごいな〜ほんまにそんなことってあるんやな〜の連続やった。Nさんご自身、超大変な感じみたいやけど、でも大変って、大きく変わっている、変わってゆくってことやからそらしんどいよね〜とおっしゃっていて、はっ!そうや!と自分のこのしんどさもちょっと薄らいだ気がしました。Nさんはわたしが高校生の頃からもう12年来ぐらい、公私共にお世話になっていて今はほんまにお兄ちゃん的な存在で、たぶんわたしの、絶対性的な関係にはならない男女関係の典型って感じで、いつもだらっとお茶をしばいて何気なく話ているだけやけど、自然と落ち着く言葉をくれる、かけがえのない不思議な存在やなー。ご近所さんじゃなくなって、頻繁にお茶しばけなくなったのがかなしい。

もやもやぐじゅぐじゅの現在を、大変ってことばでちょっとだけ楽にしてもらって帰京したら、東京も猛暑。アイスばっかり食べている。今年もガリガリくんは全然あたらない。