3.18~24日記

3.18月

ゆっくりめに起きて、洗濯して干して、午前中から渋谷へ。ちょっとはやくついたの人間関係でひとりモーニングしながら読書。となりの席であやしい面接をしていて、リクルートスーツを着た女の子が面接を受けている構図なのだけど、ねずみ講のシステムを説明されているようにしか聞こえない。我が職場でも多いのだけど、渋谷でも多いんやなあ。時間になったので文化村シアターコクーンへ。今日は映画でお世話になった平岩紙さんが出演されている、岩松了作演出『空ばかり見ていた』を観劇するのであーる。コクーン、はじめて入った。すごいでかい。わたしは立ち見席だったので立ち見フロアへ。平日昼間の回だけど、主演が森田剛だというのもあるのかすごい満席。舞台は現代なのだけど日本は戦争をしていて、紙さんのお兄さん(村上淳)が軍のリーダーなのだけど、軍の中では色々あって人が死んだりもして、紙さんは軍の中の森田剛と恋人同士なんだけどそれも色々あって……。森田剛主演だし、他にも芸能人さんがわらわら出演している劇なので、ポップでキャッチ―なやつを想像していたら全然違う、すごく硬派な劇であった。そしてわざとなのだろうけど説明がとても少ないので内容を把握するのも至難の業というか、つかみどころがなさすぎて最後まで入って行けず仕舞いであった。(たぶんわたしのオツムが鈍いせい)森田剛は、テレビで見るような森田剛らしからぬ雰囲気で、しっかり演劇人のような芝居をしてらして感心感心。立ち見で3時間の劇はなかなか見るのも疲れたけど、見ごたえは劇だった。終わって、紙さんから楽屋あそびにきてっておっしゃっていただいていたのだけど、勇気が出なくて断念し、感想をメールして帰路。演劇の楽屋挨拶ってわたし、苦手や~。夕方帰って、アマゾンプライムで今更『この世界の片隅で』を見た。アニメってわたし得意じゃないのだけど(ジブリすら見られない)、これはおもしろく見られた。片腕なくなってからの展開がなかなかおおってなった。結構残酷な話なのに、あれだけ大ヒットするってすごいなあ。

 

3.19火

4時半起きで朝から労働へ。昨日から千代田線のダイヤが変わり、我が最寄り駅が始発駅だったのが、一個向こうの駅が始発駅になってしまったので、もう7時台には確実に座れない。通勤時間1時間かかるので、もう絶対座って寝ていきたいわたしは6時過ぎに家を出る。なんとか座れた。がしかしこれから毎日こうなるのか~と思うと憂鬱。そもそも始発駅でなくなった我が駅、もう価値半減。引っ越し時かな~と本気で考える。労働終わって、夜、帰っていたら編集者O高さんからメールで、突然ですが今日足立区で飲みませんか?というお誘い。ちょうど帰りだったので、行きます~と連絡。O高さんと、O高さんのエロ本時代の友人I籐さんと3人で、大松で飲んだ。I籐さんは現在渋谷にあるアイドル事務所の会社にお勤めの業界人なのに、わたしとおなじ足立区民で、ひとりで週3で大松で飲んでいるんだそう。そんなアイドル事務所の人なんて、どうせ中目黒とかに住むんでしょって気がしてたけど、こっち畑の魅力をわかってくれる人がいるってうれしい限り。O高さんともひさしぶりに飲んで楽しかった。O高さんは入院二回ともお見舞いにきてくださってそれ以来だったので、またこうして飲めるようになってよかったな~。O高さん、一生懸命I籐さんにわたしをプレゼン?してくれていて恐縮。しかし大松はいつも混んでいて大繁盛。わたしはしばらくぶりに来たのに店主?らしきおじいちゃん、わたしのこと覚えてくれていてびっくりした。いい店だ。22時頃まで飲んでO高さんを駅で見送り、解散。たのしい飲みだった。

 

3.20水

昼から新宿、某喫茶店(というか我が職場)にてデザイナーライターI川R夫さんと某打ち合わせ。打ち合わせという名目だったけど、ひさしぶりすぎておしゃべりがたのしくて、4時間くらい? ノンストップで喋りたくってしまった。R夫さんの生い立ち話は何度聞いても興味深い。R夫さんが最近出した『ワイルドチェリーライフ山口明』というご本をいただいてしまった。

ワイルドチェリーライフ 山口明: 童貞力で一億総クリエイター時代を生きる (MOBSPROOF EX)

ワイルドチェリーライフ 山口明: 童貞力で一億総クリエイター時代を生きる (MOBSPROOF EX)

 

この本はカリスマデザイナーでありながら還暦間近で未だに童貞のプロ童貞、極真童貞を自ら名乗る伝説の男山口明さんに、著者の市川力夫さんが50時間に及ぶインタビュー取材を敢行してまとめた伝記のような本なのだけど、読めば読むほどこの山口明さん狂人すぎて爆笑。楳図かずおから弘兼憲史ジョージ秋山なんかの漫画の装丁をデザインしている華麗なる経歴のデザイナーさんなのだけど、58歳筋金入りの童貞で恋愛経験すらなし、しゃべると息をするように下ネタを吐き、ファッションは皮ジャン皮パンに全身クロムハーツ。しかし顔はハンサムそのもので、子どもの頃の写真をみるにジャニーズにでもおりそうなキュートな美男子。こんな男前なのになんで58歳の今の今まで童貞なのか?という謎がこの本に込められてる、爆笑必須の愉快な本であった。

 

3.21木

4時起きで朝から普通に労働。祝日のわりには暇で、とはいえ喫茶店とは思えない繁盛ぶりなのはいつも通り。今週からなんと我が店、カフェインレスのコーヒーというのを搭載。しかし喫茶店に入ってわざわざカフェインレス飲む人なんてほぼおらず、1日に一杯出るかどうかくらいの感じ。そらそうやでな~コーヒーはカフェインがおいしいのに。わたしはお酒も煙草もやらないから、アルコールもニコチンも摂取しない暮らしだけど、唯一カフェインだけはやめられない。カフェイン入ってへん飲み物は飲みたくないくらい。デカフェって何?って感じ。コーヒー紅茶を愛していて、麦茶は嫌いでウーロン茶が好き。仕事終わって帰ってテレビをだら見していたら、イチローばっかりやっていて、イチローの髪の毛が、超短髪なのに見事なロマンスグレーで、まだ45歳なのにおじいさんのようでちょっとグッときた。わたし野球とか一切興味ないのやけど、一気に株があがった。男性のロマンスグレーはたまりません。

 

3.22金

4時半起きで朝から労働。新人さんにオープン仕事を教えるというミッションがあり、難航。ひとに仕事を教えるのはむずかしいと毎回思う。何回やっても慣れない。教えるより教わる方がはるかに楽だし、先輩より後輩の方がはるかに楽だし、身分は低い方が絶対楽。だけど中年になってきたのでそうもゆうてられへんことが多い。先輩ズラを頑張ったからか疲れてしまい、帰って特になにもする気が起きずにだらだらして寝た。

 

3.23土

ゆっくり起きて、天気悪いけど洗濯。雨が降りそうで降らない方にかけて外に干したけど霧雨くらいのがずっとぽつぽつ降っていて全然乾かず。昼から飯田さんがうちにやってきて、来週のライブ女の星座の打ち合わせ&セリフの読み合わせ。1年かけて飯田さんが作ってきた大作『女の星座』がついに完結するわけなのだけど、台本をいただいて、とある箇所について一緒にシンキングした。が、話は脱線し、概ねはわたしが今はまっているツチヤチカらさんという人の金玉シリーズのラップをふたりで爆笑しながら聞いていた。「金玉交換」「金玉人形」「人喰い金玉袋」など、金玉をネタにこの無限の想像力! すばらしい。言葉がおもろいだけやなく曲がまた全部かっこよいのもポイント。あと名古屋弁の方言がたいへんビビットで、すべてのバランスが絶妙に最高で何回もリピートして聴いてしまう。気になった方はぐぐってみてください。飯田さんが帰っていき、夜、台本が結構セリフ量あるので地道にセリフ覚えをちょっとやって寝た。

 

3.24日

4時起きで朝から労働。労働中、ちょっとした事件あり。同僚の23歳人妻ちゃんが、急に「わたしだけなんでこんなに頑張らないといけないの!」と言って突然泣きながら怒り出して、ええ~とみんなで狼狽える。しかし今日は日曜日、鬼のように忙しいのであんまりじっくり話聞いてあげられるような暇もなし。23歳、若いなあと思う。仕事はよく頑張ってくれてるのだけど、なんというか、わたしからしたらバイト如きにそんなエモーショナルになれるんがすごいなあって感じ、そもそもわたしは誰か人間に対して感情を爆発させるということが、たぶんもう10年以上出来ていない。10年どころやないか、20年とか? かもしれない。感情的になれるってある意味うらやましい。といってわたしは決して冷静沈着な人間というわけでもないのだけど、よく怒るし。でも職場では基本、低温である。喫茶店のウエイトレスは低温なくらいが適温やと思うし。どうやったら彼女が納得するんかわからんまま、時間になって退勤。帰って、セリフ覚えをやって日記を書いて寝た。

3.11~17日記

3.11月

5時起きで朝から普通に労働。職場の同僚たちはだいたい20代なので、当然ながら言葉遣いが若い。こんなことを言うとすごくおばさんくさくって嫌なのだけど、どうやらわたしは若者言葉が嫌いらしい。中でも「~み」というのがたいへん鼻についてしまう。「わかりみ」とか「やばみ」とかって使うんだけど、気持ち悪くてしょうがない。「~み」てゆうのは「悲しみ」や「苦しみ」のためにある一文字なので乱用はやめていただきたい! あと「ワンチャン」というのも苦手。なんやのワンチャンって。ぷんぷん。その他特筆すべきことはなし。

3.12火

5時起きで朝から普通に労働。終わって、渋谷に出て、夜はユーロスペースで映画『月夜釜合戦』を鑑賞。この映画はわたしの大好きな西成、釜ヶ崎が舞台を舞台に、ヤクザや私娼や泥棒や神父や子どもたちが大暴れする喜劇。しょっぱなから三角公園の炊き出しシーンで、フィクションなのだけど本当に西成の町で撮っているので現地のおっちゃんたちが普通にたくさん映っていることに驚く。西成を知っている人間ならこれが如何にすごいことかがわかるのだけど、そもそも西成はあんまり公にカメラを回したりしたらあかん町。そこでこんな大袈裟に16ミリフィルムを回して一大喜劇を撮ってしまった監督のパワーはとんでもない。主要キャストはもちろん役者さんが演じているのだけど、中には現地のおっちゃんもがんばって芝居をしていたりして、なんか胸がいっぱいになる。わたしもライブさせてもらったことがある難波屋のマスターとチカさんも登場して、フィクションやのにドキュメンタリーかのように錯覚を起こす不思議な触感の映画だった。聞くところによるとこの映画にもたくさん映っている、西成のシンボルでもあるあいりんセンターはこの3月に取り壊しで移転させられてしまうらしい。難波屋も改装してしまうからこの映像に残っている姿はもうない。西成は星野リゾートが土地をだいだいてきに買い取ったらしく、ゆうてる間にがらっと景色は変わってしまうのやろう。わたしの好きなしょんべん臭いあの西成の町は消えてしまうのやろう。かなしい。おっちゃんたちはどこへ行くのやろう。ひさしぶりに西成の町を見て、西成が無性に恋しくなった。会場は満員で立ち見までいたそうな。みんなが釜ヶ崎を見てくれたことがなんかうれしく誇らしい気持ちになって、わたし別に映画の関係者でもなんでもないのに、何様? て感じだけど、青春を過ごした町で西成は第二の故郷のような気がしているので、西成がちょっとでも盛り上がったなら、わたしは素直にうれしい。帰りに監督に「わたしの大好きな釜ヶ崎をフィルムに残してくれてありがとうございます」と言って帰路。電車でアイホンを見ていたら、ピエール瀧氏がコカインで逮捕のニュース。わたしは電気グルーヴは通ってないのだけど、俳優としてのピエール瀧氏が大好きだったので、もう見られないのかと思うと結構ショック。新井浩文も好きだったから立て続けにショック。だけど大麻覚醒剤じゃなくてコカイン辺りがなんかちょっとかっこええやん、さすが瀧! みたいな気持ちにならんでもない。

 

3.13水

天気がいい。朝から洗濯をして、リュックにパソコンと本と詰めてはるばる西荻へ。うちから電車を乗り継いで1時間以上かかるのだけど、わざわざ行きたくなる喫茶店それいゆへ。今日はひとりで。喫茶店トロールはわたしの中ではレジャー。

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平日の昼下がり、それいゆは結構混んでいた。ナポリタンを食べてお紅茶を飲んだ。それいゆはお紅茶ポットで出してくれるのでお得。パソコンを広げて2時間ほど小説を書いた。しばらく停滞していた某小説の執筆を密やかに再開。家では何故か筆が進まないのやけど、それいゆでは結構捗った。トイレに立ったら、S川さんとばったり会った。そうやった、S川さんはこのへんにお住まいやった。2時間でパソコンの充電が切れたので、あとは読書。もう一件ぐらい西荻の喫茶店まわろうかと思ったけど、小説の続き書きたくなったので、パソコン充電しに帰宅。しかし家に帰ってしまうと急に書く気が失せて結局書かず。ま、そんなもん。

 

3.14木

朝から霞ヶ関東京地裁へ。ひさしぶりに裁判傍聴に行く。ついたらキャビンアテンダント?の人たちがなんらかの運動をしていて、地下鉄の出口から東京地裁までの道でずらっと並んでビラ撒きをしていた。手荷物検査をして本日のメニューをタッチパネルで見てめぼしい事件を探す。なんか今日はハズレっぽい。とりあえず一件目、強制わいせつ。被告人はずんぐりむっくりで色白丸顔の40代のおっさん。ただの痴漢事件かと思いきや、ちょっと変わった事件で、おっさんは埼京線の中でマイクロミニスカートを履いたギャルのおしりを触り、浮間舟渡駅で降りたときに声をかけたらなんとギャルがめちゃくちゃに暴れておっさんを張り倒し、おっさんは服が破れるぐらいぼこぼこにされたらしい。おっさんはこれは傷害事件だ、確かに僕はおしりを揉んだがしかし、僕は傷害を受けた被害者でもある、と訴えていて、とても女の人の力だとは思えない、ニューハーフの人かと思った、とか言いだしてなんか色々ややこしい。しかしこの被害者の女性の正体がめっちゃ謎で、身長145センチと小柄で所謂黒ギャルと呼ばれる恰好をしていて、スカートは股上25センチ、そんな恰好でこの痴漢に殴り掛かり服が破れるくらいおっさんをぼこぼこにした、って一体どんな女よ! 痴漢も相手選ばな痛い目みるで~というお手本のよな事件やった。2本目は殺人未遂という案件で傍聴席満席だったのだけど、なんと被告人欠席のよくわからない事件だったので途中で出てきてしまった。3本目は住居侵入という罪名で、60代の店舗経営しているじいさんが夜な夜な色んな家を徘徊してマンションの敷地に入っては出てを繰り返していたらしいんだけどそれだけで罪になるのか? 下着泥棒とかなら窃盗とか罪名つくはずだし。途中から見た裁判やったので詳細分からず仕舞い。3本見たけど、今日はあんまりアツい裁判はなしでまあハズレかな~。お昼に霞ヶ関から淡路町に出て今日も喫茶店トロール、前から行きたかった珈琲専門店エースへ行った。

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神田という土地柄かサラリーマンたちでにぎわっている。珈琲専門店なだけあってコーヒーのお豆の種類がすごーくいっぱいあったけどわたしは詳しくないから無難にブレンド。あとこのお店名物ののりトーストを食べた。うすいトーストの間に海苔がはさまっていてほんのりしょうゆ味。パンと海苔意外と合う。わたしの労働先でも昔磯辺トーストっていうトーストをおにぎりのように海苔で巻くメニューを出していて、それを思い出した。2時間ほど滞在し、帰りは新御茶ノ水駅まで歩いて帰路。昼間はあったかくて散歩にいい季節になってきた。とはいえ日の差さない我が家はまだ極寒で家ではこたつに埋まっている。帰ってこたつで小説の続きとにらめっこ。

 

3.15金

5時起きで朝から普通に労働。労働中、なんでかおじゃる丸の話になって、エンディングテーマをみんなで歌いながら仕事をしていた。おじゃる丸のエンディングテーマはなかなか秀逸で、サビが♪まったりまったりまったりな~いそがずあせらず~まいろ~か~、という歌詞で、ばたばたと忙しい仕事中に口づさむと、あら不思議、自然と気持ちが落ち着いてなんか和むのである。魔法の歌をみんなで歌いながら働くと、忙しさも苦にならずたのしく働ける、歌ってすごいぜ! と思ったけど、あわただしい店内でウエイトレスが小声で♪まったりまったり~とか歌ってたらなかなか狂気の沙汰やな。労働上がって帰宅して、夜は日曜日のライブで朗読しなければいけないお題の小説を読んで朗読の練習をした。これ、企画者さん側からのお題の官能小説なんやけど、ほぼ100%濡れ場の描写で、家で壁も天井もうすい部屋で声に出して読んでいてもし隣や上の住人に聞こえていたらそれこそ狂気の沙汰やで、くわばらくわばら。

 

3.16土

予定が一個とんだので急に暇の休日。パソコン背負って、とりあえず近場の北千住に出て、北千住はめぼしい喫茶店がないのでコメダ珈琲。しかしコメダ舐めてた、超こんでた! 15分くらい並んで入店。しかしコメダは一席ずつコンセントもあるし、Wi-Fiも飛んでいる。全部ソファーで快適やし、これは混むわよな。3時間ほどパソコンあけて小説をかりかり書いたり、読み返したりにらめっこ。ところで最近、食道が痛い。固形物食べると胸がつまって喉の奥が苦しくなる。特に薬を飲んだあとが苦しい。今わたし、持病の薬+腕の感染症の抗生剤も飲んでて、でっかいカプセル3粒と、小さい錠剤2粒、ちょい大き目の錠剤1粒、中くらいのカプセル1粒、という計7粒を飲むんだけど、飲んだ直後、うっとなる。水をたくさん飲んでも症状変わらず。これなんやろう。病院いくべき? こわい。コメダを出ると、雨が降ったあとで地面が濡れてきらきらしていた。駅を出ると夕陽がオレンジに光っていて、夕陽とはいえさっきまでは俺太陽やったんやよってゆう名残がしっかり感じられる光でなんかかっこよかった。空模様にぐっとくるってなんかわたし、弱ってるんかなとか思った。

 

3.17日

ゆっくり起きて、シャワーを浴びて、今日はライブ、とゆうか官能小説の朗読をしなくちゃいけないので、お題の本6冊をざっとおさらいして読む。声に出して文字を読むって単純なようで意外とむづかしく、そしておなじ日本語でも文体によって読みやすさ読みにくさが結構違う。軽くピアノの練習もして、昼過ぎに家を出て、会場の新宿カールモールへ。企画者の店主マダムさんと打ち合わせ。マイクで軽くリハをさしてもらう。うーん朗読、むずい!本番まで2時間ほどあいたので、カフェアルルへ行くも日曜でおやすみガッデム!だったのであきらめてベローチェへ。文學界4月号の未映子さんの新作『夏物語』後編を読了。すごかった。前編後編あわして1000枚、未映子さんが人生をかけて書いたんやなってゆう超大作で、読みながら数え切れんくらい泣いた。女のこと、産むこと、生きること、死ぬこと、AID、そして孤独の最果てを見せてもらった気がした。これはまたあらためてしっかり感想を書きたい。胸がいっぱいになって会場へもどる途中、交差点でゲイカップルが熱い抱擁を交わし合っていた。戻って開演。今日はわたし以外に5組の出演者がいて、みんなマダムが選び抜いた童貞もしくは童貞臭いミュージシャンたちで、彼らが歌う前にわたしが一編ずつマダムがその出演者にむけて選んだ官能小説を5分ほど朗読し、そのあと出演者が30分歌い、そしてその後わたしは各出演者たちにひとことコメントをする、とゆうなかなかたいへんなミッションを仰せつかった。決してわたしは朗読が上手とゆうわけちゃうので、舌は縺れるし拙い朗読ですいませんって感じやったけど、みなさんしっかり聞いてくださって所々で笑ってくれてありがたかった。そしてひとことコメント、これがむずくて、なんかいじわるなことを言ってしまったりして、わたしごときがすみませんでしたって感じ。でしたが聞いていたら5人の出演者さん中、なんと弁護士さんひとり、司法書士さんひとり、国税局の人ひとり、とゆう肩書きの華やかな人が揃いも揃っていて、もはや童貞ってなんやの!?ってなってしまった。最後にわたしも自分の歌を3曲ほど歌って終了。初めての試みだったし、結局ずっと緊張していたのでなかなか疲れた1日だった。帰りに新宿の地下道を歩いていたら、「鼻毛脱毛、痛くありません」とゆうゲリラ鼻毛脱毛屋さん?が現れていて、初めてみたのでびっくりした。一応衝立みたいのはあったけど、靴磨き屋さんみたいなノリで鼻毛抜き屋さんがあって、抜かれる人もあんな人通りあるとこで恥ずかしいやろうに、お客さん果たしておるんやろうかね〜。

3.4~10日記

3.4月

5時起きで朝から普通に労働。仕事中、ミュージシャンのK坂R子さんが来店しばったり。偶然会えてうれしくてしばしおしゃべり。Rちゃん、会うたびにどんどん色っぽくなっていっている! いちばん色っぽいのは演奏中のRちゃんだけど。帰りに紀伊國屋書店をぶらぶらと流し、何も買わずに帰宅。特筆すべきことはなし。

 

3.5火

5時起きで朝から普通に労働。終わって夜は打ち合わせのため六本木へ。ちょっと空き時間があったので喫茶店トロール、と思ったけど六本木は高級店しかないのでびびって結局上島珈琲。『闇夜の底で踊れ』読了。

 

闇夜の底で踊れ (単行本)

闇夜の底で踊れ (単行本)

 

 元ヤクザで現無職のパチンコ中毒の主人公伊達が、街金で借金を踏み倒しまくっていたらヤクザに追われ、出し子、運び屋、美人局、挙句は殺し、と闇バイトをさせられる中で再会した山本組親分とのドラマなんだけど、最後がまさかの終結の仕方でふいを突かれた。とりあえず、言われがちやろうけど作者19歳でこれを書いていることがすごい。19でこのヤクザ知識闇知識、一体どうやって生きてきてん!て感じ。そして文章がいちいちおもしろい。会話は全部漫才のよう。ひさしぶりにごてごての大阪弁に浸れて、白こい、とか、ダボ(ドアホの意)とか、活字で触れたんいつぶり? 町田康ぶり! みたいな感じで、たいへん将来有望な作者やな~と思いました(えらそうにすみません)読み終わって、西麻布の新世界へ。今日は会場の方と夏にやるミュージカルの打ち合わせ。I田さん、C絵さんと新世界の店長さんと、会場を色々見せてもらいながら打ち合わせした。終わって、ちょっと打ち合わせの続きを、となり、しかし西麻布なんてどこも高級そうで怖いので安心なサイゼリアへ。みんなは100円ワインをぐびぐび、わたしはドリンクバーと、青豆の温サラダ。サイゼリアは安くておいしくて間違いない。打ち合わせもそこそこに、同い年の3人であけっぴろげな話で盛り上がった。結局11時すぎまで飲んで、乃木坂駅まで歩いて帰路。

 

3.6水

休み。朝から洗濯を干して、さあどうしよう。前から行きたかった喫茶店に行こう! と地下鉄を乗り換え乗り換え田原町。そこから10分くらい歩いて、喫茶らい。

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ストライプのテント屋根に、かわいいフォントで「らい」と書いてあり、カラフルな看板にもかわいい「らい」という字。外観から100点。扉をあけて、ひとりです、というと、マスターがジェスチャーでここどうぞと言ってくれる。そう、この店のマスターはなんらかの理由で口がきけないのです。が、不思議とコミュニケーションはとれるので問題なし。ナポリタンとコーヒーを注文。到着したナポリタン、の上には牛タンが1枚乗っている! ここのナポリタン、メニュー表にも「ナポリ舌」と表記してあって、舌=タンとかけてあるのである。小粋。サラダ部に何故か野沢菜が混ざってて、漬物好きとしてはうれしかった。ナポリタンはケチャップでしっかり炒めてある好みの味だった。コーヒーもカップに「らい」と書いてあるオリジナルカップでかわいい。ステンドグラス窓もかわいいし、二階席の壁には謎の象形文字とも前衛絵画ともとれる模様が描いてあって、全部がすばらしい。総合して100点満点な喫茶店でした。満喫して、家に帰って、さて確定申告を、とパソコンを開けてログインしようとするも、パスワードがないとE-tax出来ないことが発覚し、そしてパスワードを発行するためには税務署にいかないとあかんらしく、再び電車に乗って北千住の足立税務署へ。この時期窓口激混みでパスワード発行のためだけに1時間待った。帰ってログインし、四苦八苦しながら支払調書の入力をちまちましていたところ、なんと鶴瓶さんから電話が。今なにしてんねん~、よかったらごはん食べへんか~、とのこと! わあいうれしー! もちろん行きます! ということで、確定申告は中止! 着替えてお化粧して門前仲町。三重の海というちゃんこ鍋屋さん。店の前でばったり鶴瓶さんとお会いし、一緒に店内へ入ると、マネージャーさんと事務所のおねえさんと、あと女優さん、バイオリニストさん、美術作家さん、と素敵な方々がいらっしゃった。緊張しながらも、みんなでたのしくごはん。鶴瓶さんはなんとこの日、文部科学大臣賞というのを受賞されたおめでたき日。鶴瓶さんはすごい方なのに全然相手を威圧しないし、常にみんなをいじって気遣い、笑わせ、神さまのような方やなあと思った。映画の撮影現場でもいつもそうやった。鶴瓶さんがいるとみんな笑顔になって和む。あったか湯たんぽのような存在。そんな鶴瓶さんはもう映画クランクアップしたのにも関わらずまだダイエットを続けていらっしゃるそうで、お鍋のシメの雑炊は召し上がらなかった。炭水化物はやめているらしい。しかしお鍋、超おいしかった! ちゃんこ鍋ってこんなにおいしいんですか!? 上品で食べやすくて無限にいける感じ。メニューを見ると全部結構なお値段だったのでなかなかの高級店。そらそうか。身も心もおなかいっぱいになった贅沢なひとときだった。鶴瓶さん、ごちそうさまでした。タクシーで帰っていかれる鶴瓶さんをみんなでお見送りして、電車で帰った。鶴瓶さんのおかげでたのしいしあわせな休日だった。

 

3.7木

朝から病院のため虎ノ門。ついでに銀行へ行ったり、虎ノ門書店で文學界の新刊を買ったりして、せっかく虎ノ門に来たので喫茶店トロール。ヘッケルンでコーヒープリンセットをおひるごはんに食べた。

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病院はいつも通りの流れ作業的に、血液検査、尿検査、診察、お注射、と回って、終わったら16時頃。帰って、今日こそは! と確定申告の鬼計算。まずは医療費や、と領収書をかき集めると、ぶあつさ単行本一冊分くらいあって、合計なんと43万円! ひええ~。ちなみに、二回目の入院は年をまたいでしまったので含まれておらず、それあわせるとわたしの去年の医療費50マン超えということになります。過去最高。いや~わたし、ほんまによく生きてたな。。。だって年収120万ぽっちやで。くわばらくわばら。医療費の計算だけで力尽きて、続きは今度、とパソコンを閉じ、ピアノの練習をして寝た。

 

3.8金

ゆっくり起きて、今日のライブの曲順を考える。何気に曲順曲選び、時間がかかるのであーる。決まってお風呂に入ってピアノの練習練習練習。しかし家が極寒。手がかじかんでピアノ弾くのがたいへん。夕方、ちょっと早めに家を出て、高円寺。ライブの前に喫茶店トロールネルケンと迷ったけど今日は名曲喫茶ルネッサンス。いつもは結構お客さんいるイメージだけど、今日は貸し切りだった。濃ゆいコーヒー飲みながら、文學界未映子さんの『夏物語』後編を読んだり、歌詞を書きかけたり、爆音でオペラが流れているけど不思議と家より落ち着く空間。店内写真撮影は禁止なのだけど「今誰もいないので撮っていいですよ」とおねえさんが言ってくれたので撮影させてもらった。

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時間になったので円盤へ。しかし寒い。今日寒いのやね? 服のチョイスをミスった。店主田口さんとおしゃべりしながら、リハ。田口さんはいつも照明をすごく絶妙な加減に調節してくれていて、ほの暗いけどぎりぎり譜面が見える暗さ、を今日も作ってくれた。ピアノの上には可愛いランプシェードも乗っている。田口さんはおっさんだけど可愛いをよくわかっていらっしゃるなあ、というのは円盤に並んでいる雑貨や食器を見ればわかるよね。一旦控室で休んで、20時から本番。今日は「わたしのライオン」の曲多めに、普段あまりやらない曲をやったりしました。今月もお越しくださったみなさま本当にありがとうございました。名古屋からはるばるいらしてくださった方がいたりしてうれしかった。こんなわたし如きを見に、聞きに、時間を割いて労力を割いて、お金まで払ってきてくださるなんて、本当にありがたいなあとライブをするたびに思う。本当に細々とだけど、続けていきたいと思う回です。来月も第二金曜日にやります。どうか来てね。

 

3.9土

今日こそは確定申告をせねばならない。ということでちゃんと早起きしてパソコンに向かう。毎年やってるのに毎年やり方を忘れてしまう。半信半疑な状態でちまちまと入力、計算。めんどくさい。医療費の入力を、病院ごとにやらないといけないのがたいへんめんどくさい。しかしこんなけ病院かかってる人も珍しいやろうな~と我ながら思う。途中ダレて、昨日円盤で買ったオクムラユウスケさんのアルバム『クズの夢』をラジカセで聴く。すばらしくて落涙。ひさしぶりに歌詞カードをじいっと見て歌詞を追いながら音楽を聴いた。オクムラさんの描く歌の中にいる男たちが愛おしくて胸がつまる。なんやろうこの気持ち。わたしは女やから、共感ではないんやけど、でも他人事じゃなくて、とにかくオクムラさん、生きていてくれて、歌っていてくれてありがとう、みたいな気持ちになる。こんなに揺さぶられる歌い手、なかなかおらん。夜、再び確定申告と格闘し、なんとか仕上がって送信! コンビニ行ってネットプリントで印刷もして、書類添付して発送もした! よく頑張ったわたし! これで5月くらいにびびたる額ですが還付金がもらえるぜ☆

 

3.10日

4時起きで朝から労働へ。昨夜はなんでか睡眠薬が全然効いてくれず、ひさしぶりに殆ど寝れんかったので一日身体がしんどかった。しかし確定申告が終わったというだけでたいへん気持ちが朗らかに過ごせる。ここ2週間くらいずっと気が重かった。わたし如きでこれだけ重荷なのやから、世間のフリーランスでご活躍&お稼ぎのみなさんはさぞかし大変なことでしょう。まあそういう人は税理士さんとかがついてるんかな。

2.25~3.3日記

2.25月

5時起きで朝から労働。同僚の25歳フリーターAくんと、新人の19歳のボインちゃんが付き合っているのかあやしい感じでみんなの関心事はもっぱらそのこと。なにやら出勤前にふたりでニトリデートをしたりしているらしく、ニトリデートっちゅーのが絶妙にエロい! 映画デートや居酒屋デートなんかよりよっぽどニトリデートってエロい! もう絶対セックスしてるやろ! などと邪推してたのしんでいる。仕事終わって帰って、ナックルズの原稿とにらめっこ。今月も文字数を減らすのに難義したが、なんとか仕上げて編集さんに送信。

 

2.26火

5時起きで朝から労働。特筆すべきことはなし。上がって急いで西荻へ。今日はMさんと西荻デートなのである。Mさんもわたしも大好きな西荻の喫茶店それいゆで待ち合わせ。仲良くカフェオレを飲みながらおしゃべり。Mさんもわたしも喫茶店で働いているので喫茶店労働あるあるで盛り上がり、わたしの店は時給が安すぎるということが発覚したりもしてぎゃふん。2時間ほどそれいゆでおしゃべりしたのち、居酒屋に移動。ここのお店はMさんの喫茶店同僚の女の子がかけもちで働いているお店で、この女の子はわたしの労働先の元同僚Hくんの彼女さんということもあって、色々つながっている。レトロなポスターが貼ってあったり、BGMも昭和歌謡で、座敷席のおちつけるいい飲み屋だった。ふたりでしっぽり飲みながら、周囲の愉快なおじさんたちのはなしや、ニトリデートのエロさや、こんなところには書けない踏み込んだお互いの恋愛のはなしなんかで盛り上がった。Mさんの性のはなしがたいへん女前でかっこよくて、それに比べてわたしの私生活は乾いていていかんなあ、Mさんを見習いたい、と心の底から思った。11時くらいまで飲んで帰路。西荻はそれいゆもあるし、町並みも好きやけど、帰り道が遠すぎる。最近引っ越したい気持ちが盛り上がってきていて、ふと帰り道アイホン西荻の物件検索をしてみるも、想像以上に家賃が高くてわたしには住めないわと断念。やっぱりしばらく足立区を出られそうにない。

 

2.27水

珍しくなかなか起きれず12時頃まで布団でうだうだしてしまった。映画見に行こうかな~と思うも、ちょうどいい時間のがなくて諦める。夕方から池袋。タカセ9階のコーヒーラウンジタカセでOくんとお茶をする。池袋のど真ん中やのにあんまりお客さんいなくて席も広くていい。穴場の喫茶店。ケーキセットでプリンを選択。ケーキ屋さんに売っている、カップのプリンにちょびっとフルーツとか生クリームが乗っている食べ物を実家でよく祖父が買ってきてくれていて、この食べ物のことを実家ではチョックと呼んでいたのだけど、果たしてそれが方言なのか、それともうちの実家だけの呼び方なのかわからない。でも地元のケーキ屋さんにはチョックという名称で売られていたような記憶。チョックを食べながらOくんと映画のはなしや、下世話なはなし。毎日どこかしらの映画館で映画を見まくっているOくんに、今やってるおすすめ映画をおしえてもらってメモメモ。1時間半ほどおしゃべりして、それから一緒に芸術劇場シアターイースト、ブス会*のお芝居『エーデルワイス』を見た。鈴木砂羽さんのスター感に惚れ惚れしつつ、おはなしは自分は醜いという呪いにかかってしまった女の子がさまざまな男たちと戦って歳を重ねていく女の大河ドラマ。わたしも自分は醜いという呪いにかかっているのでわりと他人事ではなく、最後どうやって呪いが解かれるのか切実に知りたかったのだけど、最後の最後だけ、どうやって呪いが解けたのかわからないまま終わってしまいちょっと残念だった。とはいえ、役者さんたちはみなさんすばらしく、二重構造の演出も、歌やダンスや紙人形劇もおもしろく、見ごたえのある2時間やった。金子清文さんは出てきただけで笑ってしまったし、演劇での水澤紳吾さんは新鮮で大きい声出せるんや!と驚いたり、キャスティングもよかった。カーテンコールで役者さん7人しか出てこなくて、なんかもっといっぱい出てきて印象やったのに、たった7人だけでやってたんや!すごーと感心。終わってOくんについていき楽屋で金子さんや水澤さんにご挨拶。初日乾杯にもお邪魔してしまった。金子さんの奥様から退院祝いにといちごをいただいてしまい恐縮。さすがに打ち上げには行かず、ひとりで帰路。足立区につくと雨が降っていた。

 

2.28木

 雨。確定申告をそろそろ準備しはじめないといけないのだが、全然やる気がおきない。まあええか。パソコンでサイトの更新をしたりメールの返信をしたりして、夕方から新宿。紀伊國屋で増島拓哉著『闇夜の底で踊れ』を購入。早速イタトマに入って読み始める。

 

闇夜の底で踊れ (単行本)

闇夜の底で踊れ (単行本)

 

 すばる文学賞受賞のこれは先日鈴木さんとの対談時にも話題になったヤクザ社会が舞台の小説で、著者は何とまだ19歳。ヤクザ社会の闇の深みはそこまで描かれてないけど、文章のリズムが非常に軽快で会話はいちいち漫才のようでおもしろい。ちょっと町田康を彷彿する。ひさしぶりにごりごりの大阪弁を目から摂取してなにかがチャージされた心地。わたしは大阪が嫌いで東京に出てきたはずやのに、なんやかやで大阪が好きなんかもしれへん。嫌よ嫌よも好きのうち。夜はシアターPOOで、飯田華子さんの月例企画『女の星座』。今月のゲストは坂田明さん。名前はよく拝見していたけど、演奏をみるのははじめてやった。サックスはもちろんのこと、いきなりうなりながら歌い出すパホーマンスがめっちゃかっこよかった。わたしはジャズとかインプロビゼーションとか得意じゃないので全く無知なんだけど、坂田さんの演奏は落語とか浪曲みたいで楽しめた。ふたりのコラボも、坂田さんの出鱈目なMCから入っていく感じが女の星座っぽくて、おお、だった。「化け物になれるから、わたしは新宿が好き」という飯田さんのセリフが沁みた。「売春1回1万円、紙芝居1回2500円、でもその売春の値段が最近紙芝居の値段に近づいて行っています」というのが笑ったけど切ない。飯田さんのセリフは笑えるんだけどリリカルで心に残る。今月もいいものを見た。来月はついに最終回。そしてなんとゲストはわたし。どうなるんでしょうか!おたのしみに!

 

3.1金

5時起きで朝から労働。フォーメーションが、AくんSさんカップルと3人編成になったので、単刀直入に「ところで君たち、付き合ってるんだってね!」とずばり言ってやったところ白状した。我が職場、これでカップル3組目である。わたしもうこの職場に10年いるんだけど、こんなこと前代未聞であーる。社内恋愛は結構なことやが、仲良いときはいいんやけど喧嘩したりするとこれが厄介で困る。AくんSさんカップルも厄介事を引き起こさんでくれることを祈る。仕事終わってマッハでバルト9へ。夜は片山慎三監督の映画『岬の兄妹』を鑑賞。先日ブス会のときに主演の和田光沙さんにチラシもらって、これはぜひとも見ないとあかんやつやと直感し初日早々に鑑賞。映画の日ということもあるのか、満席であった。衝撃の映画やった。すばらしいの一言。こんな映画が日本で生まれるんやと度肝を抜かれた。びっこの兄と自閉症の妹のふたり兄妹は、親もいなく身寄りもなく貧乏の極みで港の長屋に暮らしている。食い詰めてゴミを漁ったりしてソースの袋を舐めたりする日々。あるとき、脱走して帰ってきた妹のズボンのぽっけから1万円札が出てくる。下着には精液。妹は「冒険」という。悟った兄は妹を使った売春をはじめる。ピンクチラシを作ってポストに撒き、やがて電話がひっきりなしに鳴るようになる。売春の意味をわかっていない妹は楽しそうに「お仕事」といって抱かれに行く。タブーってなんやろう、救いってなんやろう。こんなことを映画でやってしまっていいんか、いや、映画でしか出来ひんであろう。とにかくすごい。妹役の和田光沙さんがめちゃくちゃいい。みんなぜひとも見るべきです!http://misaki-kyoudai.jp/

 

3.2土

はやくに目が覚めたので、朝から銀座。シネスイッチ銀座にて、O野くんオススメ映画のアンドレア・パラオロ監督『ともしび』を鑑賞。なんの罪かは明かされていないのだけど恐らく盗撮かなんかの罪で夫が突然逮捕されてしまったおばあさんの日常を淡々を追っていくだけの静かな映画。セリフもほとんどなく、最終的な答えもなく、なんの光も希望もない。事件のせいで、実の息子からも断絶され、孫の誕生日会も追い返され、会員制の水泳クラブからも追放され、飼い犬からも懐かれず、徹底的な孤独に陥っていく。こんな地獄のような老後ってあるんや、という絶望を見せつけられた気持ち。主演のおばあさんがずっと無表情なのも怖かった。ふと、実家の祖母のことが過った。わたしの祖母も、ベクトルは違えど相当な地獄の老後を今も送って生きている。可哀想で祖母のことを思うと胸が痛まない日はないんだけど、ここ10年ほど逡巡した結果、わたしに出来ることはなにもないという結論に至って後、なにも手を差し伸べられていないわたし。老後の地獄を思えば思うほど、長生きはしたくないと思ってしまった。映画終わって客電がつき、客席を見渡すと銀座という場所柄か小奇麗なおばあさんたちばっかりやった。おばあさんたちはあれを見てどんな気持ちになったのやろう。どんよりした気持ちで映画館を出ると、土曜の銀座。いい天気だったので日比谷まで歩いて、帰路。帰って洗濯したり日記を書いたり読書したり、休日をだらだら満喫。

 

3.3日

からしとしと雨の日曜。4時起きで労働へ。雨やから暇かな?という期待はハズレ、めっちゃ忙しかった。最近、労働中急に足が攣る。これはなんかの予兆なのか? それとも持病の症状の一環なのか? 謎。足が攣るのは水分不足という噂を聞いたので、水を飲むようにしているのやが、意味あるのかないのか。なんやろう。これ以上変な病気持ちたくない。しかしまたしても寒い。家が極寒。石油ストーブ復活させて凌ぐ。今日はおひなまつりか。女の子の日、って別に祝われたことないわ~。まあもうババァですが。ところでひなまつりのあの定番の替え歌って、全国共通ですか? ♪明かりをつけましょ爆弾に ドカンと一発禿げ頭 五人囃子は死んでます 今日はたのしいひなまつり

2.18~24日記

2.18月

午前中、所用で下赤塚という土地へ。千代田線で明治神宮前まで出て、副都心線小竹向原有楽町線に乗り換えて地下鉄赤塚駅。遠い。東京を横断。1時間半くらいかけて到着したのだが、用件は一瞬で終了。滞在時間約20分。ついでに喫茶店トロールでもしていこうかと調べるも、この町には喫茶店がない! なんということや! そんな町に用はない! とそそくさと帰路。また1時間半かけて足立区までひいこら帰った。帰ると外はぽかぽかなのに部屋は相変わらず寒く、布団にくるまっていたらそのまま昼寝してしまった。特に生産的なことはなにもしない、だめな日。

 

2.19火

5時起きで朝から労働へ。どうやら日曜日のわたしが帰ったあとにちょっとした事件が起こっていたらしい。滝藤賢一似の男前社員Sさんと、25歳フリーターAくんがバトったらしい。Aくんは如何にもな京都男子なので普段からたいへん嫌味や屁理屈がうまく、言い方がいちいち持って回っていて喧嘩を売っているように聞こえがち。対してSさんは曲がったことが大嫌いで、完全縦社会を実践しようとするところがある37歳。立場的にも言い分的にも、Sさんの圧勝に終わったようだけど、ああその場面に居合わせたかった~。わたしはトラブルミーハーなところがある。そんな強いSさんから、僕のマリさんが昨日わたし宛にもってきてくれた新作エッセイ集を受け取る。仕事終わって、シネマート新宿へ。レイトショーでわかみほさんのオムニバス映画『プレイルーム』のチケットを引き換えて、夜まで時間があるので、カフェアルルへ。ここは猫カフェではなく、普通に店内に猫ちゃんがうろうろしている喫茶店。コーヒーを頼んだだけなのに、バナナとお豆とウエハースがついてきた。コーヒー飲みながら、僕のマリさんのエッセイを読む。大阪の喫茶店めぐりの部分で、わたしも好きな店がたくさん出てきてニヤニヤする。読み終わって、るみたんへの手紙を書く書く。るみたんから先週突然ポストにお手紙が届いたのでそのお返事。このご時世にわざわざ手紙というのがいいなあと思う。お気に入りの小鳥のレターセットをおろした。ところでレターセットの便せんと封筒の数って、合わへんと思いませんか? この小鳥のレターセット、便せん12枚に対して封筒4枚で、全然便せんが足りない。結局便せん6枚使ってしまったので、封筒だけ大量に余ってしまう計算。困る。封筒4枚なら便せん24枚は入れといて欲しい。お手紙書いていたら、とっても小顔美人な店員さんから「もしかして北村さんですか?」と話しかけられ、はい、というとどうやらバンドをやっているかわいこちゃんらしく、本当は去年12月にわたしと対バンするはずだったのだけどわたし入院でキャンセルしちゃって対バン叶わず、だったのらしい。ああ、その節はすみませんでした。挨拶ついでに追加のお菓子を持ってきてくれた。しかも大好きなルマンド。うれしい。21時いにお店を出て、こそぶる雨の中シネマート新宿へ。客席に何と片桐はいりさんがいた! めっちゃ洋服オシャレでスタイルもよくてかっこよかった。映画は、大好きなストリッパーで女優の若林美保さんが主演のオムニバス映画。5人の監督がわかみほさん主演で撮っているのだけど、どれも全然毛色が違って楽しめた。これまた好きな渋川清彦さんとカップル役だったり、猫だったり、ロボットだったり、子どもを亡くした母だったり、わかみほさんの、何をやってもちゃんとわかみほなのにすごく透明な存在感が眩しくて眼福だった。どれもよかったけど、「熱海の路地の子」って短編のわかみほさんが素朴でかわいくてでも危険ですばらしかった。終わっていい気分で帰宅。

 

2.20水

午前中に家を出て有楽町。日比谷シネマシャンテでずっと見たかった映画『劇場版バーニング』をやっと見に行った。が、ちょいちょい前評判でも聞いていたが、聞いていた通りになんともたるく、退屈で不覚にも寝てしまった。。。腐ってもイ・チャンドンやろ、つまらないわけがなかろう、と思っていたが、原作が村上春樹なせいもあるのか? 「シークレットサンシャイン」や「ペパーミントキャンディ」のあの頃の感じはもはや全く感じられず。残念。微妙な気持ちになって映画館を出たら、入口で女優のN村M来ちゃんとばったり会う。M来ちゃんもバーニングを見に来たそうで、わたしの次の回を見るとのことで入れ違い。そうやよね、やっぱりイ・チャンドンやもん、みんな見るよね~。せっかく有楽町に来たし、夜の予定まで時間があったのでしまの屋パーラーに一人で行き、フルーツサンドを食べた。新橋~有楽町界隈は良い喫茶店が点在している。夕方店を出て山手線で渋谷。今日は映画の打ち上げなのであーる。会場近くのコンビニでマネージャーMッキーと待ち合わせていたら、共演のS川K彦さんとばったりお会いし、しばし談笑。していたら、目の前のハチ公バスの運転手さんとそれにからむおっさんが超でっかい声で喧嘩をしだして一触即発、運転手さん怒り狂って外にまで出てきて、あわや乱闘の気配だったが、おっさんがすごい勢いで走って逃げて行った。もっと見ていたかった。わたしはトラブルミーハー。会場に入り、共演者さんとひさしぶりの邂逅をよろこびつつお話。と、鶴瓶さんがなんと! わたしの恰好をして登場! 会場大爆笑! 

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ドレスに赤いカーディガンでおかっぱヅラと赤メガネ。面白すぎる。隣に並ぶとみんな撮影ラッシュ。写真を見ると本当にわたしと似ていて、どっちがわたしかわからない。こうやって打ち上げでもみんなを楽しませてくれる鶴瓶さん、さすがだな~と思った。打ち上げは立食パーティ。飲んだりつまんだりしつつ、出演者ひとりずつの挨拶タイムがあって、まさかわたしまで回ってくるまいとぼんやりしていたらなんとわたしまで回ってきてしまい、考えてなかったのでなんにも面白いことが言えず反省。挨拶タイムが終わって談話タイム。超豪華な共演者さんとおしゃべりが出来て終始とってもたのしかった。1次会の最後、メイキング映像の上映があった。ら、これがすごくよくて既に感極まってうるうるしてしまった。キャスト陣もスタッフさんも本当にめちゃくちゃ作品への愛が溢れていて、改めてすばらしい現場やったなあ。1次会おわり、鶴瓶さんからみんなへ記念品のパーカーの贈呈があった。鶴瓶さんは現場でもお揃いのネックウォーマーの差し入れをしてくれたので再び。〇〇組と笑福亭鶴瓶のロゴが入ったイカしたパーカー。うれしい。鶴瓶さんの車に乗せていただき、2次会会場へ。今度は普通の居酒屋。みんなでわいわいと飲んだ。ふと、我に返ると、テレビや映画で見ていたあっち側の人たちが目の前にわんさかいる状態に眩暈がした。わたしなんてただの喫茶店の店員なのに。これは夢なの? いいえ現実。改めて夢のような現実に震える。なんと監督とプロデューサー、我が職場の喫茶店でこの映画の打ち合わせを何度もしていらしたことが発覚。なんということでしょう。これは運命やったのかもしれない。鶴瓶さんと監督が、まじめな落語談義をしておられて、鶴瓶さんの落語への真摯な姿勢を垣間見て感動した。23時半頃になり、まだまだみなさんは飲んでおられたけど、わたしは終電が近づいてきたので泣く泣く帰路へ。ああ、本当にたのしかった。映画っていいなあ。わたしは長年孤独に活動してきたので、こうやって大所帯でモノづくりをする現場への憧れが強い。映画の完成が心の底から楽しみ。帰りの電車で、横に立っていた男性が直立不動のまま垂直に嘔吐。返り血ならぬ返りゲロをちょっと浴びる。わたしはまだちょっと浴びただけやったけど、反対隣に立っていた女の子はもろに浴びてしまっており、コートゲロまみれになっていて泣いていた。かわいそうすぎる。そしてゲロをまき散らした本人は眠ったままで自分がゲロをまき散らしていることにも気づいていない様子。死ねばいいのに、とひさしぶりに他人に殺意を抱いた。

 

2.21木

朝から洗濯をしたり、家のことをして、午後から神保町。今日はナックルズの連載対談収録日。ミリオン出版は去年11月でなくなって大洋図書になったのだけど、入口、まだミリオン出版の看板が残ったままでホッとした。ロビーで待っている途中、後ろでエロ本の打ち合わせが行われていて、漏れ聞こえてくるワードのどぎつさに、さすがミリオン出版!いや大洋図書! っと思った。今日は会議室ではなくて、ナックルズ編集部の隅の応接コーナーでの収録。バーガー菊池さんのデスクがすぐ側で、ちょいちょい話に入ってくださって楽しかった。対談相方鈴木智彦さんは最近突然ダイエットをはじめて、1週間4キロずつ痩せていっているらしく、このままでは3か月後には俺いなくなってるから、とのこと。確かに、かなりのハイペース。最近の鈴木さんは、料理にピアノのお稽古にダイエット。まるで女子じゃん!(注:職業はヤクザライターです) 対談終わって、ごはん食べようとなり、神保町でタコスをごちそうになった。タコス屋さん、最近東京にじわじわ登場しているようで、ファーストフードちっくだけどお値段はまあまあする。味は沖縄で食べたタコスを思い出し、おいしかった。特に柔らかい生地のやつがおいしかった。鈴木さんはダイエット中だけど1日一食は好きなものを食べていいらしい。そんな激やせ中の鈴木さんに、「北村さんこそ痩せた? てゆうか魂が痩せた気がする!」というお言葉をいただく! がーん! わたしは痩せてなくて寧ろ入院中にちょっと太ったし、おまけに魂が痩せたって! それ最悪じゃないですか! 魂は太ましくありたいものですね。たのしくごはんを食べて帰路。

 

2.22金

5時起きで朝から労働。ひさしぶりに社員のWさんとフォーメーションが一緒になったので、お互いの最近の喫茶店トロールの報告をしあい、喫茶店談義。Wさんは39歳男で最近結婚もした社員なのだが、仕事ぶりは超ぽんこつで、すぐテンパるし、めげやすく、カッとなりやすく、尚且つ15歳年下の妻には尻に敷かれている。分かりやすくダメな男なのだけど、喫茶店好きという面では気があう。たぶん同僚の中でいちばん喫茶店話が出来る男。午後からは妻の方とタッグを組んで働いたのだけど(妻の方も同僚、要するに職場結婚であーる)、まだ新婚なのに家も喧嘩しまくりらしく、大丈夫かこの夫婦? と勝手に心配する。まあ余計なお世話ですね。夕方仕事上がって帰って、ナックルズ原稿をちょっとやって寝た。

 

2.23土

朝8時、上階の部屋から響く日曜大工のトカトントントカトントンの振動で目が覚める。や、トカトントントカトントンどころではない。ドンドンバキバキキュイーンガチャパコーン!みたいな感じ。上階のおっさんは日曜大工が趣味なのか、よくこういった騒音が鳴り響くのだけど、今日はいつにもまして賑やかで、テレビをつけても騒音でテレビの音声が一切聞こえない。苛々しつつ起きて、そや、白髪染めいこ、と思い立ち、ホットペッパーで美容院を探す。わたしは美容師さんが嫌いなので長年、もう20年くらい髪の毛は自分でお風呂で切っていたのですが、さすがに白髪がすさまじい勢いで増えてきた最近。家で白髪染めにチャレンジしたこともあったけどこれがなかなかちゃんと染まらなくて悲しい思いをしたので、去年末入院中に院内の美容院で白髪染めしたのである(年明けから映画の撮影があったのでさすがにごま塩ヘアーで映ると役柄的に意味不明になりそうだったので自ら染めた)。そしたら思いの外綺麗に真っ黒に染まったのでうれしくて、それが二カ月経ってそろそろ白髪プリン状態で見すぼらしくなってきたので、そろそろ染めなくてはなのである。近所の美容院を探し、一番安い店をネットで当日予約。そんなこんなで苦手な美容院へ。安いからなのか、なかなかに混んでいた! 鏡の前に座らされ、放置されること45分。まあ、やむなし。しかし美容院にある雑誌ってなんて興味湧かないものばっかりなんやろう。所謂女性誌ってやつなんやけど、主にヘアー、メイク、高いお洋服、を美人モデルさんたちが紹介してくれてるのやが、全く以て触手が動かない。しかしこれが世の女性たちの主な関心事で、こういうのを購読して日々おしゃれにいそしんでおられるのか~と思うと、そらわたし、友達出来ひんはずやなと納得した。忙しそうであるが、なんとか白髪染めをしてもらい、シャンプーをしてもらい、散髪してもらった。が! 重いままのおかっぱにしてくれといったのに、なんかすごく梳かれてしまって、おかっぱってゆうかボブってゆうの? なんかそういう感じになってしまった! がびーん! だから美容院嫌いやねん! 泣きたい。ああ、はやく伸びてください髪の毛さん。そして、もう二度とこの美容院にはくるまい。なんやかやで終わったらもう夕方。悲しい気持ちでとぼとぼ帰路。見事にピンクに染まった夕焼けがなんか余計に悲しさを演出してくれちゃって、落ち込む。だから美容院嫌いやねん。えん。えん。

 

2.25日

4時起きで労働へ。案の定髪の毛が変で、アイロンしてもなにしても決まらん。朝からつらい気持ち。仕事は日曜日らしくたいへん忙しく、息つく暇もなくどたばた働いた。帰りに紀伊國屋書店に寄る。クイックジャパンのマリさんの記事を立ち読みしたくて行ったのに、なんと紀伊國屋書店クイックジャパン置いてなかった!うそでしょ!天下の紀伊國屋書店本店やで!? 取り寄せになると言われ、正直買う気はないのでいいですといって引き下がってしまった。なんでやろ~。天下の紀伊國屋が弱くなったのか、それともクイックジャパンが部数減っているのか。どちらにせよ、こういうのは悲しいね。店内でお母さんに連れられて来ている5歳くらいの女の子が「おかあさん、このお店また来たい!」と言っていて、なんかほっこりするいい光景だった。

2.11~17日記

2.11月

4時起きで朝から労働へ。祝日なのでばたばたと忙しい日だった。忙しすぎて食器が足りなくなり、洗っても洗っても洗い物が終わらない。これはわたし、家でもそうなのだけど、流しに洗い物がたまるのがほんまストレスで、食器類はすぐに洗いたい。が、職場だと当然洗い物以外にも仕事は山のようにあるのでそうもいかず、気づいたら洗い物の山が出来ていて、これが地味にストレス。ぐったりして帰宅。夜はアマゾンプライムで『大阪蛇道』という映画を見た。ら、なんとわたしがここ半年ほど前からずっと気になっていた、ツイッターでフォロワーさんのリツイートで時々タイムラインに流れてくる顔だけでなんとなく好みでかっこええな~と思っていた人が主演でびっくりした。坂口拓さんというその人は俳優でもあり、今はいちばんはアクション監督さんらしいんだけど、顔つきとヒゲと体型、全部のバランスが絶妙で、わたし容姿だけでタイプとかあんまりそういうのないつもりやったのやけど、この人はタイムラインに流れてくる顔だけでいつもどきっとし惚れ惚れしていた。アクション専門の俳優さんだけあって、超強いヤクザの役なんだけど、とにかく動きがきれっきれで、動いているところを見たら尚更惚れた。映画としてもたいへんおもしろく、仁科貴さんもめっちゃよかったし、なんでわたし今まで見てなかったんや~。この監督、大阪のネオヤクザもの三部作を撮っているらしいので全部見よう。

 

2.12火

朝から普通に労働へ。午前中は雪がぱらついていた。雪なのに平日なのにまたしても忙しくてやられた。新人ちゃんが入ってきて、19歳、はじめてのバイトではじめての一人暮らしだというたいへん初々しい女の子。こわいもんで15歳も年下ということになる。ひえ~。年齢差ありすぎて何をしゃべったらいいかわからない。せめてお局さんと思われないようになるべくへこへこへらへらするよう気を付けよう。帰って、明後日のIKAZUGOKEワンマンのおみくじを作った。下ネタ恋おみくじ、ほんまのおみくじを冒瀆しているとしか思えないひどい内容三昧やけど、考えていたら結構たのしくて後半のりのりで書いている自分がいた。コントのセリフの練習、ラップの練習、ダンスの練習などして寝た。

 

2.13水

昼から相方飯田さんが家にやってきて、明日のワンマンの練習。コントもののセリフ合わせをやり、ラップの練習、ダンスの練習をやり、通し練習を3回ほどやってばっちり。途中、飯田さんがわたしのマイハッピーお葬式に合わせてベッドの上で飛び跳ねてオタ芸を打ちはじめて爆笑。掛け声が「ヘイっヘイっヘイ、葬式!」で、なんじゃそれって感じ。18時半頃まで練習して解散。夜、先週からちょびちょびやってるけど全然進まない内職仕事をちょっとやって、しかし途中で意味がわからなくなって中断。先方に質問を投げて終了。これ、ほんまに終わるんやろうか。わたし、出来るんやろうか。じわじわやる気が失せて行っているのも事実。うーむ。

 

2.14木

寒いので布団から出られず、10時半頃までうだうだ過ごす。意を決して布団から出てお風呂入ってライブの準備。ピアノの練習。冬はピアノの鍵盤が氷のように冷たいのでピアノを弾くのにもエイヤっが必要。コントのセリフ練習をしてラップの練習をして、ダンスの練習をして準備満タン。駅で飯田さんと待ち合わせして、いざ六本木。行きしなの電車の中で飯田さんはおみくじ作りをはじめていて、えっここで!?とびびる。小吉、お花畑でうんちする、とか書いていて、傍目に見たら完全にいかれた人である。乃木坂駅から六本木へ歩いて向かう。六本木、西麻布界隈なんて普段縁がない来ることがない土地。でも民家もふつうにあって、どうゆう人が住んでいるのやろうか。スーパーとかあるんか? 明治屋しかないんちゃうん。なんて思いながら会場へ。入ってステージやスクリーンの配置などをスタッフさんと相談しつつ、リハ。今日はワンマンなので時間に余裕があったので、全体の通しリハをさせてもらえた。ありがたい。ポンだしと呼ばれる、音楽をポンと出すタイミングなども、一回のリハでスタッフさんばっちりやってくださり感謝。物販を並べて開場。今日はフードでリリーさんがおでんを出しているので、いい匂いが漂いはじめおなかがすく。楽屋でセリフ合わせなどをしつつ、今日は激しめの踊りもするので柔軟体操。飯田さんは仕込みの電飾つき段ボールをガムテープで下半身につけたりしてて爆笑。飯田さんはここ1年くらいで手の込んだ演出が増えたように思え、その度毎回こうやって身体にブツを仕込むことになっているのやけど、何も知らん人が目撃したら完全にどうかしているイカれた光景で、わたしは毎回間近で拝めてたのしい。オンタイムで開演。最初わたしの賛母歌をふたりで歌い、スクリーンを幕のようにして途中で幕があがっていくという飯田さん発案の演出がなかなかキマっていたと思う。そこからわたしのソロをやって、途中飯田さんが例のオタ芸を打ちながら乱入。みんな引くかと思いきや、結構会場がオタ芸で盛り上がっていた感触。そして一部ラストでは一個目の山場、レディーガガのバッドロマンスで張り切ってダンス。楽しかった。普段のライブでは基本ピアノの前にじっと座って動かないので、ダンスって真逆やけど、意外とこれがやってて楽しかった。身体を動かすのは気持ちがいいですね。二部はバレンタインクッキングコントをやってラップではたまた踊り狂い、飯田さんのソロを挟んでわたしは楽屋で水着に着替えて、罵倒~新曲ラップ「恋の虫」を歌い、最後は定番「後家殺し」をやって客席を投げ銭おみくじ箱を持ってまわって終了。みなさんたくさん投げ銭くださってたいへんありがたかった。感謝感激。わたし→てんとう虫の水着、飯田さん→ゴキブリの水着、で最後に記念撮影してひとはしゃぎし、お客さんにジュースおごっていただいたり至れり尽くせり、おでんもいただいておいしかった。着替えて片づけて帰路。足立区帰って、居酒屋で精算をしつつ、3時頃まで飯田さんとふたりで飲んだ。あ~退院出来て、またこうやってライブが出来て本当よかった。たのしい一日だった。

 

2.15金

3時間くらい寝て起きて今日は朝から駒込病院へ。レントゲンして血液検査して診察。今日は主治医がちゃんといた(前回の通院時は主治医は緊急手術が入ったとかで全然知らん先生の代診だった)。抗生剤はなんと6カ月は飲まないといけないらしく、6月末まで飲まないとあかんと宣告される。えーめんどくさい。でっかいカプセルを一日3回3つぶずつ飲んでいるのだけど、これが飲んだあと口の中にニガニガが残って地味に気持ち悪いのである。診察終わって会計に並び、終わってお薬に並ぶ。2カ月分を渡されたのだけどこれが凄まじい量で、大袈裟じゃなくジャンプ1冊分くらいの質量。ずっしり重い。かばんがぱんぱんになる。病院の外に出ると雪がぱらついていた。今週はほんとに毎日寒い。100円バスで巣鴨に出て、喫茶ポピーというお店に入る。

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13時までモーニングをやっていたので、遅めのモーニングを食べながら読書。文學界未映子さんの新作『夏物語』を読む。

 

文學界 2019年 03 月号 [雑誌]

文學界 2019年 03 月号 [雑誌]

 

 

『乳と卵』の緑子ちゃん、巻子、夏子ものの続編。これは読みたかったやつ!とほくほくと読む。前篇だけで500枚あるのでかなりボリューミー。でも読み終わるのが勿体なくて、ゆっくりじっくり読む。帰って、昨日あんまり寝てないのでなんとなく眠い気がして布団に入る。しかし特に眠気は来ず。起きて、失敗して帰ってきた請求書をもう一回書いたり、メールの返信をしたりして、あとはぼんやりこたつでテレビ見たり動画でザ・ノンフィクションの新・漂流家族の回を見てなんとも言えない気持ちになったりして適当な時間に寝た。

 

2.16土

7時に目が覚め、お風呂に入って、さあ今日何しよ。特に予定はない。今月は定期を買ったので電車に乗らないと損な気がしてとりあえず駅へ。豊田道倫さんの「♪明日わたし何をしよう 駅について決めよう~」を歌いながら電車に乗って、湯島で下車。そこから湯島天神の方へぶらぶら散歩して、そのまま本郷三丁目まで歩いて、名曲喫茶・麦へ。ここは名曲喫茶だけど、渋谷のライオンみたいにごりごりではなくて程よく所帯染みていて、ソファーのシートとかも可愛くて好き。モーニングのメニューが豊富で、ハムエッグトーストを選択。

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寒かったけどここはコースターが銀で可愛いのでアイスカフェオレを頼んだ。わたしはあんまりグルメな方の人間ではないのだけど、喫茶店グルメは結構好きで、ひとりでちょっと遠出してモーニングをキメるのは趣味のひとつ。モーニングって、値段も手軽やし量もそんな多くなくて食べやすくて、色々ちょうど いいのであーる。モーニング食べながら、未映子さんの『夏物語』の続きを読む。1時間半ぐらい読んで店を出て、また湯島まで散歩がてら歩いて電車に乗って帰宅。いよいよ締め切りが差し迫ってきたので、午後は例の内職仕事をかりかりやる。文章を書くのだけど、色々すごく事細かに決まりがあって自由度はなく、それでいて自分で考えて書かないといけないので絶妙に難しくて、正解がわからず、なかなか文字数が増えない。なんとか一応書けたので、えいやっと夜先方に送信。やりがいはあまりないのに、なんか疲れた。

 

2.17日

4時起きで朝から労働へ。労働中、お客さんのかばんから落ちたらしい、トゲトゲの形をしたスーパーボールみたいなものが床に転がっていて、じいじがそれを拾おうとして失敗して落とし、転がし、みたいにひとりで悪戦苦闘している様が、玉転がししてる猫みたいとゆうかなんとゆうか、じいじは体躯がちんちくりんで、映画『ダークナイト』に出てくるペンギンと人間の合いの子みたいなやつに似てるんやけど、そんなペンギン人間が玉転がしてるの、可愛くて面白すぎて爆笑。それから先日入ったばっかりの19歳の新人ちゃんを、Aくんとゆう25歳男子の同僚が早速ごはんに連れて行ったらしく、二人とも満更でもない面持ちで仲良さそうにしていて、おやおやって感じ。鬼忙しいけど、みんな楽しそうに働いていて、平和といえば平和な職場。仕事終わって、夜はミュージカルの打ち合わせのために秋葉原。空き時間、ベローチェに入って未映子さんの『夏物語』の続きを読む。観覧車のところで胸がいっぱいになってひとり泣きそうになる。

「子どもんときに誰かが教えてくれたんやと思うねんけど、誰やったんかな、観覧車ってさ、横からみたら薄いし、打ちあげ花火みたいやし、すかすかやし、どう考えてもゆれたりしてこわい感じするやんか。なんかあったら、いちばんに倒れそうやん。でも、どんなに強い風が吹いても、どんなにひどい雨が降っても、大きい地震がきても、びくともせんねんて。観覧車はむかってくるそういうちからをうまく逃して、ぜったいに倒れへんようになってるねんて」わたしは言った。「それ聞いたとき、まだ子どもやったからさ、ほしたらみんな観覧車で生きていったらええやんかって、わりに本気で思ったわ。観覧車を家にして、みんなおんなじ窓から手ふって。糸電話とかで、隣のゴンドラとやりとりしたり、長いロープ渡して洗濯もん干したりな。子どもやったからな、よう絵に描いたわ。世界中に、観覧車がいっぱいある世界。地震がきても台風がきても安全で、みんながおなじように、大丈夫な世界」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー川上未映子『夏物語』
かと思うと次のページの葡萄狩りのところで、家が貧乏なため遠足の葡萄狩りに行けなかった夏子に、姉の巻子が家のタンスや棚や電気の傘に洗濯物ロープを張って、そこに靴下とかタオルとかぶら下げて、葡萄狩りやでってやってあげるシーンで号泣。もう、ページめくるごとにすさまじいシーンを連発してくる、未映子さんの今作、まじでやばい。

ひと段落して夜、待ち合わせの時間になったので、待ち合わせの四文屋へ。C絵ちゃんとI田さんと3人でミュージカルミーティング。主宰で何本もお芝居を打っているC絵ちゃんに、予算の組み方から詳しく教えてもらいたいへん勉強になった。当たり前やけど、お芝居をつくるのにはお金がかかる。何にどれくらいお金がかかって、の総額を概算で出して、会場のキャパが何人で、チケット代をいくらにすれば赤字にならずに済むのか。会場費が交渉次第でまだわからないので、そこをまずは交渉してみないとわからんねってことになって、ひとまず仕事の話はおしまい。そこからはプライベーツな話で3人で普通にたのしく飲んだ。2時間で四文屋は追い出されたので、近くにあった養老の瀧に移動して、閉店まで。こんなところには書けない話のオンパレードだったけど、たのしいひとときだった。

2.4~10日記

2.4月

朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。それが嫌だというわけではないけれど、労働はルーティンなので退屈といえば退屈。わたしは週3回しか働いてないけど、これを週5,6で入っている同僚たちには本当に頭があがらない。えらい。尊い。御年70歳のじいじも週6で働いている。そろそろ身体がきついらしく、暇なときはソファーで休んでもらうようにしているが、そら70歳の肉体で毎日8時間の立ち仕事はそらきつかろう。わたしでもきついし。日本人は働き者やなあとしみじみ思う。終わって家でIKAZUGOKEの新曲ラップの歌詞を覚えるべく練習。入院して以降の地味な実感なのだけど、わたし、前より舌が回らなくなっている、確実に回らなくなっている。これは入院生活でずっと誰とも喋らない生活をしていて脳と舌がやられたせいか、それとも手術のときの全身麻酔の後遺症的なもの? がもしあるんやとすればそれなのか。謎。しかし困った。

 

2.5火

朝から霞ヶ関東京地裁。今日は病院なので虎ノ門にいくので、あいた時間に午前中だけ趣味の裁判傍聴へ。放火の事件の裁判。池袋のマンション一室が全焼した放火事件なのだけど、被告人はここに住んでいた49歳のゲーム関係の会社役員の男性。タイ人妻ともう1か月くらいずっと喧嘩しており、その日も喧嘩後、怒りを鎮めるべく風呂に1時間以上籠城していたところ、心配した妻が向かいのコンビニへ駆け込み、警察がやってきてしまい、男性は更に怒り心頭。玄関にあった靴や傘を投げたり台所の電子レンジを投げるなどをしたのち、威嚇のために近くにあった妻が大事にしていたクッションに火をつけたところたちまち燃え広がり、部屋中火の海に。動揺したところ警察が家に入ってきて現行犯逮捕されたらしい。こんなちっさな放火の事件なのに消防車19台がかけつける事態だったそうで、なんか火事ってそうらしいね、小規模のボヤでもこれくらいかけつけるものらしい。幸い被告人宅だけが全焼して隣の部屋もちょっと煙が入ったくらいで、マンション自体は無事だったらしく、管理人さんには700万の損害賠償金を支払って謝罪して話がついてて、あと500円分のクオカードとお詫びの手紙をマンションの全住人に書いて渡したりしたらしく、被告人も特別サイコパスな感じもしなかったけど、夫婦喧嘩ってこんなことになるなんて、怖いな~と思いました。午前中で裁判所を抜けて、郵便局で一件北村直販の発送をして午後から病院。3時間待って、検査して診察してエコーしてお注射して、お薬貰って帰宅の頃にはもうすっかり日が暮れていた。夜は読書。『82年生まれ、キム・ジヨン』読了。

 

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

わたしは子持ちでもなければ韓国人でもないから共感とかは特にないけど、いい本だった。30代、同世代の女性が子を持ち、働き、生きて行く上で目の当たりにした現代のしんどい女性問題あれこれなんだけど、フェミニズム気取りな方向性ではないところから女性の生きづらさを綴っていて、とても読みやすかった。ママ虫って言葉があっちの国にはあるんだって。あっちの女性にとっては侮辱の言葉みたいなんだけど、ママ虫って日本語の語感で読むとちょっとかわいいし、別に悪い意味はなさそうに思っちゃうね。 

 

2.6水

雨。東中野で文筆家女優のM下Kさんとその息子くんと先輩ミュージシャンMTと4人でおランチ会。息子くんはまだ2歳なので座敷のある店がいいということでソナムという韓国料理屋さんに集合し、ビビンバを食べながら平日の昼下がり優雅にごはんを食べた。まだ2カ月くらいの頃に会って以来だったので、息子くんすっかり大きくなっていた。大人しくてお目目がくりくりでほっぺがぷっくりしててとってもかわいい。まだあんまりおしゃべりはしないんだけど、じっと大人達を静かに観察していて、わたしこのくらいの子どもちゃんと接するといつも脅威を感じる。まだちいさいけどきっと頭は聡明、腹の中では色々感じていて、このババア頭悪いな~とか思われてるんちゃうかと思うとおそろしくないですか? かしこそうな子ほどこわい。時々お会いするMTの息子くんももう小6なんやけどたいへんかしこい少年なのでいつもびびる。ごはんを食べながら、MTとKさんはマッコリも飲みながら、たわいもないはなしを2時間ほどしてたのしいひととき。息子くんがうんちをもよおしてきたので解散に。MTとふたりで新宿に出て、ベルクでコーヒー飲もうと思ったら店内でU波さんにばったり会い、しばし3人でおしゃべり。本の話や映画の話や音楽の話やお金の話をした。高島屋に御座候を買いに行くというMTと別れてわたしは池袋へ。夜はミュージカルのミーチングで池袋のこせりというカレー屋さん。I田さんとA太さんと3人で今年の夏に公演予定のミュージカルの音楽部門について話あった。そう、今年の夏、『二十四の瞳ちゃん』以来3年ぶりに、ミュージカルをやります! どうぞおたのしみに☆ ミーチング帰り、I田さんと駅前のまちおかで14日のIKAZUGOKEワンマンで配るお菓子を買って帰った。

 

2.7木

朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。帰るとポストに『文學界』が届いていた。そう、今号の文學界、わたしは恐れ多くも西村賢太さんの新刊『羅針盤は壊れても』の書評を書かせていただいております。入院中、豚小屋のような病室のベッドの上で一生懸命書きました。拙いですが、よかったら読んでください。そしてなんと今号の文學界、なんと川上未映子さんの待望の新作大長編『夏物語』が載っている! 前編だけで500枚! すごい大作! 今から読むのがたいへんたのしみ。夜、マネージャーMッキーとちょっととあることで長電話をした。それから明日のライブでやる曲を考えて、ちょっとコントのセリフ覚えをやって寝た。

 

2.8金

朝からひとりでラップの練習をしながら洗濯を干し、お風呂に入り、それから今日はまる2か月ぶりのライブなのでピアノの練習練習練習。夕方家を出て高円寺へ。駅で店主T口さんとばったり会う。ちょっと早かったのでわたしはその前に名曲喫茶ネルケンへ。入ってもしばらくママさんが出てこなくって、10分くらいかけてすみません~と10回くらいゆってやっと出てきてくれた。まあそういうこともあるよね。ネルケンのお気に入りの席。ライブ前、ひとりコンセントレーションするこの時間は結構大事。1時間くらいして店を出ていざ円盤へ。円盤のピアノを触るのは11月以来だから3か月ぶり。しばし店主T口さんとおしゃべりして、リハをして、一旦控室。8時になって開演。いつも通りに1時間たっぷり歌った。いつも通りだけど、このいつも通りのことが出来ない苦しみというのを入院生活をしていてしみじみ実感したので、こうやって歌えること、歌わしてくれる場所があること、そして聞いてくださる人がいることは本当に奇跡みたいなことが重なって成り立っているんやで、と自分に言い聞かせながら歌った。終わったあとのトークコーナーでは入院の豚小屋地獄話を中心に、あとここには書けないけど入院から派生したたいへん悲しい、ん? 悲しい? というより悔しい? 腹だたしい? 出来事について喋った。いや~入院して、人の温かさにもたくさん触れたけれど、おなじくらい世知辛さも噛みしめたのでした。終わって、お客さまから快気祝いと称してお菓子や果物やパンなどいただいた。ありがたい。抱きしめて帰宅。

 

2.9土

しとしと雪。家の中が極寒でこたつ&石油ストーブフル稼働で過ごす。こんな雪の日に、上の階の斜め上の部屋のお子さま連れの一家が引っ越して行った。まだ小学校低学年くらいの女の子がいる家族だったのだけど、よく階段でグミチョコパインあそびをしていて可愛かったし、若いおかあさんもたいへん感じがよく、わたしが緊急入院でゴミが出せなくなったとき、ゴミの日までゴミをあずかってくれたことがあった。別に仲良かったほどじゃないけど、いなくなっちゃうと思うとなんか淋しい。昼から電車で原宿へ。今日は友人K純ちゃん宅に遊びに行くのである。K純ちゃんは素晴らしい映画監督で大好きで、わたしが足立区に引っ越してくる前初台に住んでいたとき、ご近所さんでよく遊んでいた。K純ちゃんには子どもがふたりいて、長女ちゃんを何時間かおうちであずからしてもらったりもしていた仲で、しかしわたしが足立区に引っ越してからは全然あっていなくてとてもひさしぶり。それとわたしの高校の同級生Mちゃんが偶然K純ちゃんとママ友になっていて、おまけにこれまた偶然にもMちゃんの旦那さんはこないだわたしが出演させていただいていた映画のスタッフさんやって、そんなこんなの縁で、3人であそぼうとなり、しかしK純ちゃんには子どもちゃんがふたり、Mちゃんには子どもちゃんが3人もいるので、お外に出かけるのはたいへんなのでK純ちゃんちに集まることに。ひさしぶりの再会をよろこび、雪の日の土曜日午後、たのしく過ごした。K純ちゃんちは色とりどりのかわいいものが夢のようにたくさん詰まった家全部が大きな子ども部屋って感じで、これは子どもちゃんたち毎日しあわせやろうな~。Mちゃん一家が到着するまでしばらく娘ちゃんふたり(超絶美人姉妹)とあそんだのだけど、子どもたちは本当に元気に走り回るのでおばさん一瞬でバテた。MちゃんとMちゃんのお子ちゃんたちがやってくると、子どもたちは子どもたちだけで仲良くあそびだしたので、大人3人でまったりおしゃべり。ふたりとも本当にすごくしっかりしたお母さんをしていて、本当にすごいとしかいいようがない。子どもの成長や学校のことなど、悩みもたくさんあるようんだけど、すばらしく立派にお母さんしていて、わたしなんかとは暮らしぶりから何から全部違う、おなじ人間と思えないような尊さだった。子どもたちは家の中で鉄棒をしたり(家の中に鉄棒があるんです)、おかあさんごっこをしたり、会社ごっこをしたり楽し気。いちばん小さいMちゃんの末っ子ちゃん(2歳)はひとりで洗濯ばさみを一個ずつ鉄棒につけていく作業を一生懸命していて可愛かった。子どもってやっぱりかわいいしおもしろいな~と思うけど、それどころじゃないたいへんなことが死ぬほど山盛りあってのそれだから、わたしは到底無理であろう。という前にわたしは身体的にたぶん無理。だからこうやって友達のお子ちゃんたちと触れ合える時間は貴重やなあと思った。19時くらいにMちゃんの旦那さんがお迎えに来てお開きに。雪がぱらぱら降る中足立区へ帰った。

 

2.10日

4時起きで朝から労働へ。早朝、布団を出るのも家を出るのも極寒すぎて決死の覚悟が必要。長野にいたときは耐えられたのやけど、東京の寒さはなかなか耐え難い。なんの違いがあるのやろう。まあ気持ちの問題かな。出勤すると入口に酔っ払いが吐いたゲボが落ちていて、朝イチで片づける羽目に。ああ、なんという朝だ。新宿はこれだから困る。世間は3連休の中日ということで、寒いけど天気はよかったから一日忙しかった。帰ってIKAZUGOKEのセリフ覚えとラップの練習とダンスの練習をした。