3.11~17日記

3.11月

5時起きで朝から普通に労働。職場の同僚たちはだいたい20代なので、当然ながら言葉遣いが若い。こんなことを言うとすごくおばさんくさくって嫌なのだけど、どうやらわたしは若者言葉が嫌いらしい。中でも「~み」というのがたいへん鼻についてしまう。「わかりみ」とか「やばみ」とかって使うんだけど、気持ち悪くてしょうがない。「~み」てゆうのは「悲しみ」や「苦しみ」のためにある一文字なので乱用はやめていただきたい! あと「ワンチャン」というのも苦手。なんやのワンチャンって。ぷんぷん。その他特筆すべきことはなし。

3.12火

5時起きで朝から普通に労働。終わって、渋谷に出て、夜はユーロスペースで映画『月夜釜合戦』を鑑賞。この映画はわたしの大好きな西成、釜ヶ崎が舞台を舞台に、ヤクザや私娼や泥棒や神父や子どもたちが大暴れする喜劇。しょっぱなから三角公園の炊き出しシーンで、フィクションなのだけど本当に西成の町で撮っているので現地のおっちゃんたちが普通にたくさん映っていることに驚く。西成を知っている人間ならこれが如何にすごいことかがわかるのだけど、そもそも西成はあんまり公にカメラを回したりしたらあかん町。そこでこんな大袈裟に16ミリフィルムを回して一大喜劇を撮ってしまった監督のパワーはとんでもない。主要キャストはもちろん役者さんが演じているのだけど、中には現地のおっちゃんもがんばって芝居をしていたりして、なんか胸がいっぱいになる。わたしもライブさせてもらったことがある難波屋のマスターとチカさんも登場して、フィクションやのにドキュメンタリーかのように錯覚を起こす不思議な触感の映画だった。聞くところによるとこの映画にもたくさん映っている、西成のシンボルでもあるあいりんセンターはこの3月に取り壊しで移転させられてしまうらしい。難波屋も改装してしまうからこの映像に残っている姿はもうない。西成は星野リゾートが土地をだいだいてきに買い取ったらしく、ゆうてる間にがらっと景色は変わってしまうのやろう。わたしの好きなしょんべん臭いあの西成の町は消えてしまうのやろう。かなしい。おっちゃんたちはどこへ行くのやろう。ひさしぶりに西成の町を見て、西成が無性に恋しくなった。会場は満員で立ち見までいたそうな。みんなが釜ヶ崎を見てくれたことがなんかうれしく誇らしい気持ちになって、わたし別に映画の関係者でもなんでもないのに、何様? て感じだけど、青春を過ごした町で西成は第二の故郷のような気がしているので、西成がちょっとでも盛り上がったなら、わたしは素直にうれしい。帰りに監督に「わたしの大好きな釜ヶ崎をフィルムに残してくれてありがとうございます」と言って帰路。電車でアイホンを見ていたら、ピエール瀧氏がコカインで逮捕のニュース。わたしは電気グルーヴは通ってないのだけど、俳優としてのピエール瀧氏が大好きだったので、もう見られないのかと思うと結構ショック。新井浩文も好きだったから立て続けにショック。だけど大麻覚醒剤じゃなくてコカイン辺りがなんかちょっとかっこええやん、さすが瀧! みたいな気持ちにならんでもない。

 

3.13水

天気がいい。朝から洗濯をして、リュックにパソコンと本と詰めてはるばる西荻へ。うちから電車を乗り継いで1時間以上かかるのだけど、わざわざ行きたくなる喫茶店それいゆへ。今日はひとりで。喫茶店トロールはわたしの中ではレジャー。

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平日の昼下がり、それいゆは結構混んでいた。ナポリタンを食べてお紅茶を飲んだ。それいゆはお紅茶ポットで出してくれるのでお得。パソコンを広げて2時間ほど小説を書いた。しばらく停滞していた某小説の執筆を密やかに再開。家では何故か筆が進まないのやけど、それいゆでは結構捗った。トイレに立ったら、S川さんとばったり会った。そうやった、S川さんはこのへんにお住まいやった。2時間でパソコンの充電が切れたので、あとは読書。もう一件ぐらい西荻の喫茶店まわろうかと思ったけど、小説の続き書きたくなったので、パソコン充電しに帰宅。しかし家に帰ってしまうと急に書く気が失せて結局書かず。ま、そんなもん。

 

3.14木

朝から霞ヶ関東京地裁へ。ひさしぶりに裁判傍聴に行く。ついたらキャビンアテンダント?の人たちがなんらかの運動をしていて、地下鉄の出口から東京地裁までの道でずらっと並んでビラ撒きをしていた。手荷物検査をして本日のメニューをタッチパネルで見てめぼしい事件を探す。なんか今日はハズレっぽい。とりあえず一件目、強制わいせつ。被告人はずんぐりむっくりで色白丸顔の40代のおっさん。ただの痴漢事件かと思いきや、ちょっと変わった事件で、おっさんは埼京線の中でマイクロミニスカートを履いたギャルのおしりを触り、浮間舟渡駅で降りたときに声をかけたらなんとギャルがめちゃくちゃに暴れておっさんを張り倒し、おっさんは服が破れるぐらいぼこぼこにされたらしい。おっさんはこれは傷害事件だ、確かに僕はおしりを揉んだがしかし、僕は傷害を受けた被害者でもある、と訴えていて、とても女の人の力だとは思えない、ニューハーフの人かと思った、とか言いだしてなんか色々ややこしい。しかしこの被害者の女性の正体がめっちゃ謎で、身長145センチと小柄で所謂黒ギャルと呼ばれる恰好をしていて、スカートは股上25センチ、そんな恰好でこの痴漢に殴り掛かり服が破れるくらいおっさんをぼこぼこにした、って一体どんな女よ! 痴漢も相手選ばな痛い目みるで~というお手本のよな事件やった。2本目は殺人未遂という案件で傍聴席満席だったのだけど、なんと被告人欠席のよくわからない事件だったので途中で出てきてしまった。3本目は住居侵入という罪名で、60代の店舗経営しているじいさんが夜な夜な色んな家を徘徊してマンションの敷地に入っては出てを繰り返していたらしいんだけどそれだけで罪になるのか? 下着泥棒とかなら窃盗とか罪名つくはずだし。途中から見た裁判やったので詳細分からず仕舞い。3本見たけど、今日はあんまりアツい裁判はなしでまあハズレかな~。お昼に霞ヶ関から淡路町に出て今日も喫茶店トロール、前から行きたかった珈琲専門店エースへ行った。

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神田という土地柄かサラリーマンたちでにぎわっている。珈琲専門店なだけあってコーヒーのお豆の種類がすごーくいっぱいあったけどわたしは詳しくないから無難にブレンド。あとこのお店名物ののりトーストを食べた。うすいトーストの間に海苔がはさまっていてほんのりしょうゆ味。パンと海苔意外と合う。わたしの労働先でも昔磯辺トーストっていうトーストをおにぎりのように海苔で巻くメニューを出していて、それを思い出した。2時間ほど滞在し、帰りは新御茶ノ水駅まで歩いて帰路。昼間はあったかくて散歩にいい季節になってきた。とはいえ日の差さない我が家はまだ極寒で家ではこたつに埋まっている。帰ってこたつで小説の続きとにらめっこ。

 

3.15金

5時起きで朝から普通に労働。労働中、なんでかおじゃる丸の話になって、エンディングテーマをみんなで歌いながら仕事をしていた。おじゃる丸のエンディングテーマはなかなか秀逸で、サビが♪まったりまったりまったりな~いそがずあせらず~まいろ~か~、という歌詞で、ばたばたと忙しい仕事中に口づさむと、あら不思議、自然と気持ちが落ち着いてなんか和むのである。魔法の歌をみんなで歌いながら働くと、忙しさも苦にならずたのしく働ける、歌ってすごいぜ! と思ったけど、あわただしい店内でウエイトレスが小声で♪まったりまったり~とか歌ってたらなかなか狂気の沙汰やな。労働上がって帰宅して、夜は日曜日のライブで朗読しなければいけないお題の小説を読んで朗読の練習をした。これ、企画者さん側からのお題の官能小説なんやけど、ほぼ100%濡れ場の描写で、家で壁も天井もうすい部屋で声に出して読んでいてもし隣や上の住人に聞こえていたらそれこそ狂気の沙汰やで、くわばらくわばら。

 

3.16土

予定が一個とんだので急に暇の休日。パソコン背負って、とりあえず近場の北千住に出て、北千住はめぼしい喫茶店がないのでコメダ珈琲。しかしコメダ舐めてた、超こんでた! 15分くらい並んで入店。しかしコメダは一席ずつコンセントもあるし、Wi-Fiも飛んでいる。全部ソファーで快適やし、これは混むわよな。3時間ほどパソコンあけて小説をかりかり書いたり、読み返したりにらめっこ。ところで最近、食道が痛い。固形物食べると胸がつまって喉の奥が苦しくなる。特に薬を飲んだあとが苦しい。今わたし、持病の薬+腕の感染症の抗生剤も飲んでて、でっかいカプセル3粒と、小さい錠剤2粒、ちょい大き目の錠剤1粒、中くらいのカプセル1粒、という計7粒を飲むんだけど、飲んだ直後、うっとなる。水をたくさん飲んでも症状変わらず。これなんやろう。病院いくべき? こわい。コメダを出ると、雨が降ったあとで地面が濡れてきらきらしていた。駅を出ると夕陽がオレンジに光っていて、夕陽とはいえさっきまでは俺太陽やったんやよってゆう名残がしっかり感じられる光でなんかかっこよかった。空模様にぐっとくるってなんかわたし、弱ってるんかなとか思った。

 

3.17日

ゆっくり起きて、シャワーを浴びて、今日はライブ、とゆうか官能小説の朗読をしなくちゃいけないので、お題の本6冊をざっとおさらいして読む。声に出して文字を読むって単純なようで意外とむづかしく、そしておなじ日本語でも文体によって読みやすさ読みにくさが結構違う。軽くピアノの練習もして、昼過ぎに家を出て、会場の新宿カールモールへ。企画者の店主マダムさんと打ち合わせ。マイクで軽くリハをさしてもらう。うーん朗読、むずい!本番まで2時間ほどあいたので、カフェアルルへ行くも日曜でおやすみガッデム!だったのであきらめてベローチェへ。文學界4月号の未映子さんの新作『夏物語』後編を読了。すごかった。前編後編あわして1000枚、未映子さんが人生をかけて書いたんやなってゆう超大作で、読みながら数え切れんくらい泣いた。女のこと、産むこと、生きること、死ぬこと、AID、そして孤独の最果てを見せてもらった気がした。これはまたあらためてしっかり感想を書きたい。胸がいっぱいになって会場へもどる途中、交差点でゲイカップルが熱い抱擁を交わし合っていた。戻って開演。今日はわたし以外に5組の出演者がいて、みんなマダムが選び抜いた童貞もしくは童貞臭いミュージシャンたちで、彼らが歌う前にわたしが一編ずつマダムがその出演者にむけて選んだ官能小説を5分ほど朗読し、そのあと出演者が30分歌い、そしてその後わたしは各出演者たちにひとことコメントをする、とゆうなかなかたいへんなミッションを仰せつかった。決してわたしは朗読が上手とゆうわけちゃうので、舌は縺れるし拙い朗読ですいませんって感じやったけど、みなさんしっかり聞いてくださって所々で笑ってくれてありがたかった。そしてひとことコメント、これがむずくて、なんかいじわるなことを言ってしまったりして、わたしごときがすみませんでしたって感じ。でしたが聞いていたら5人の出演者さん中、なんと弁護士さんひとり、司法書士さんひとり、国税局の人ひとり、とゆう肩書きの華やかな人が揃いも揃っていて、もはや童貞ってなんやの!?ってなってしまった。最後にわたしも自分の歌を3曲ほど歌って終了。初めての試みだったし、結局ずっと緊張していたのでなかなか疲れた1日だった。帰りに新宿の地下道を歩いていたら、「鼻毛脱毛、痛くありません」とゆうゲリラ鼻毛脱毛屋さん?が現れていて、初めてみたのでびっくりした。一応衝立みたいのはあったけど、靴磨き屋さんみたいなノリで鼻毛抜き屋さんがあって、抜かれる人もあんな人通りあるとこで恥ずかしいやろうに、お客さん果たしておるんやろうかね〜。