2.25~3.3日記

2.25月

5時起きで朝から労働。同僚の25歳フリーターAくんと、新人の19歳のボインちゃんが付き合っているのかあやしい感じでみんなの関心事はもっぱらそのこと。なにやら出勤前にふたりでニトリデートをしたりしているらしく、ニトリデートっちゅーのが絶妙にエロい! 映画デートや居酒屋デートなんかよりよっぽどニトリデートってエロい! もう絶対セックスしてるやろ! などと邪推してたのしんでいる。仕事終わって帰って、ナックルズの原稿とにらめっこ。今月も文字数を減らすのに難義したが、なんとか仕上げて編集さんに送信。

 

2.26火

5時起きで朝から労働。特筆すべきことはなし。上がって急いで西荻へ。今日はMさんと西荻デートなのである。Mさんもわたしも大好きな西荻の喫茶店それいゆで待ち合わせ。仲良くカフェオレを飲みながらおしゃべり。Mさんもわたしも喫茶店で働いているので喫茶店労働あるあるで盛り上がり、わたしの店は時給が安すぎるということが発覚したりもしてぎゃふん。2時間ほどそれいゆでおしゃべりしたのち、居酒屋に移動。ここのお店はMさんの喫茶店同僚の女の子がかけもちで働いているお店で、この女の子はわたしの労働先の元同僚Hくんの彼女さんということもあって、色々つながっている。レトロなポスターが貼ってあったり、BGMも昭和歌謡で、座敷席のおちつけるいい飲み屋だった。ふたりでしっぽり飲みながら、周囲の愉快なおじさんたちのはなしや、ニトリデートのエロさや、こんなところには書けない踏み込んだお互いの恋愛のはなしなんかで盛り上がった。Mさんの性のはなしがたいへん女前でかっこよくて、それに比べてわたしの私生活は乾いていていかんなあ、Mさんを見習いたい、と心の底から思った。11時くらいまで飲んで帰路。西荻はそれいゆもあるし、町並みも好きやけど、帰り道が遠すぎる。最近引っ越したい気持ちが盛り上がってきていて、ふと帰り道アイホン西荻の物件検索をしてみるも、想像以上に家賃が高くてわたしには住めないわと断念。やっぱりしばらく足立区を出られそうにない。

 

2.27水

珍しくなかなか起きれず12時頃まで布団でうだうだしてしまった。映画見に行こうかな~と思うも、ちょうどいい時間のがなくて諦める。夕方から池袋。タカセ9階のコーヒーラウンジタカセでOくんとお茶をする。池袋のど真ん中やのにあんまりお客さんいなくて席も広くていい。穴場の喫茶店。ケーキセットでプリンを選択。ケーキ屋さんに売っている、カップのプリンにちょびっとフルーツとか生クリームが乗っている食べ物を実家でよく祖父が買ってきてくれていて、この食べ物のことを実家ではチョックと呼んでいたのだけど、果たしてそれが方言なのか、それともうちの実家だけの呼び方なのかわからない。でも地元のケーキ屋さんにはチョックという名称で売られていたような記憶。チョックを食べながらOくんと映画のはなしや、下世話なはなし。毎日どこかしらの映画館で映画を見まくっているOくんに、今やってるおすすめ映画をおしえてもらってメモメモ。1時間半ほどおしゃべりして、それから一緒に芸術劇場シアターイースト、ブス会*のお芝居『エーデルワイス』を見た。鈴木砂羽さんのスター感に惚れ惚れしつつ、おはなしは自分は醜いという呪いにかかってしまった女の子がさまざまな男たちと戦って歳を重ねていく女の大河ドラマ。わたしも自分は醜いという呪いにかかっているのでわりと他人事ではなく、最後どうやって呪いが解かれるのか切実に知りたかったのだけど、最後の最後だけ、どうやって呪いが解けたのかわからないまま終わってしまいちょっと残念だった。とはいえ、役者さんたちはみなさんすばらしく、二重構造の演出も、歌やダンスや紙人形劇もおもしろく、見ごたえのある2時間やった。金子清文さんは出てきただけで笑ってしまったし、演劇での水澤紳吾さんは新鮮で大きい声出せるんや!と驚いたり、キャスティングもよかった。カーテンコールで役者さん7人しか出てこなくて、なんかもっといっぱい出てきて印象やったのに、たった7人だけでやってたんや!すごーと感心。終わってOくんについていき楽屋で金子さんや水澤さんにご挨拶。初日乾杯にもお邪魔してしまった。金子さんの奥様から退院祝いにといちごをいただいてしまい恐縮。さすがに打ち上げには行かず、ひとりで帰路。足立区につくと雨が降っていた。

 

2.28木

 雨。確定申告をそろそろ準備しはじめないといけないのだが、全然やる気がおきない。まあええか。パソコンでサイトの更新をしたりメールの返信をしたりして、夕方から新宿。紀伊國屋で増島拓哉著『闇夜の底で踊れ』を購入。早速イタトマに入って読み始める。

 

闇夜の底で踊れ (単行本)

闇夜の底で踊れ (単行本)

 

 すばる文学賞受賞のこれは先日鈴木さんとの対談時にも話題になったヤクザ社会が舞台の小説で、著者は何とまだ19歳。ヤクザ社会の闇の深みはそこまで描かれてないけど、文章のリズムが非常に軽快で会話はいちいち漫才のようでおもしろい。ちょっと町田康を彷彿する。ひさしぶりにごりごりの大阪弁を目から摂取してなにかがチャージされた心地。わたしは大阪が嫌いで東京に出てきたはずやのに、なんやかやで大阪が好きなんかもしれへん。嫌よ嫌よも好きのうち。夜はシアターPOOで、飯田華子さんの月例企画『女の星座』。今月のゲストは坂田明さん。名前はよく拝見していたけど、演奏をみるのははじめてやった。サックスはもちろんのこと、いきなりうなりながら歌い出すパホーマンスがめっちゃかっこよかった。わたしはジャズとかインプロビゼーションとか得意じゃないので全く無知なんだけど、坂田さんの演奏は落語とか浪曲みたいで楽しめた。ふたりのコラボも、坂田さんの出鱈目なMCから入っていく感じが女の星座っぽくて、おお、だった。「化け物になれるから、わたしは新宿が好き」という飯田さんのセリフが沁みた。「売春1回1万円、紙芝居1回2500円、でもその売春の値段が最近紙芝居の値段に近づいて行っています」というのが笑ったけど切ない。飯田さんのセリフは笑えるんだけどリリカルで心に残る。今月もいいものを見た。来月はついに最終回。そしてなんとゲストはわたし。どうなるんでしょうか!おたのしみに!

 

3.1金

5時起きで朝から労働。フォーメーションが、AくんSさんカップルと3人編成になったので、単刀直入に「ところで君たち、付き合ってるんだってね!」とずばり言ってやったところ白状した。我が職場、これでカップル3組目である。わたしもうこの職場に10年いるんだけど、こんなこと前代未聞であーる。社内恋愛は結構なことやが、仲良いときはいいんやけど喧嘩したりするとこれが厄介で困る。AくんSさんカップルも厄介事を引き起こさんでくれることを祈る。仕事終わってマッハでバルト9へ。夜は片山慎三監督の映画『岬の兄妹』を鑑賞。先日ブス会のときに主演の和田光沙さんにチラシもらって、これはぜひとも見ないとあかんやつやと直感し初日早々に鑑賞。映画の日ということもあるのか、満席であった。衝撃の映画やった。すばらしいの一言。こんな映画が日本で生まれるんやと度肝を抜かれた。びっこの兄と自閉症の妹のふたり兄妹は、親もいなく身寄りもなく貧乏の極みで港の長屋に暮らしている。食い詰めてゴミを漁ったりしてソースの袋を舐めたりする日々。あるとき、脱走して帰ってきた妹のズボンのぽっけから1万円札が出てくる。下着には精液。妹は「冒険」という。悟った兄は妹を使った売春をはじめる。ピンクチラシを作ってポストに撒き、やがて電話がひっきりなしに鳴るようになる。売春の意味をわかっていない妹は楽しそうに「お仕事」といって抱かれに行く。タブーってなんやろう、救いってなんやろう。こんなことを映画でやってしまっていいんか、いや、映画でしか出来ひんであろう。とにかくすごい。妹役の和田光沙さんがめちゃくちゃいい。みんなぜひとも見るべきです!http://misaki-kyoudai.jp/

 

3.2土

はやくに目が覚めたので、朝から銀座。シネスイッチ銀座にて、O野くんオススメ映画のアンドレア・パラオロ監督『ともしび』を鑑賞。なんの罪かは明かされていないのだけど恐らく盗撮かなんかの罪で夫が突然逮捕されてしまったおばあさんの日常を淡々を追っていくだけの静かな映画。セリフもほとんどなく、最終的な答えもなく、なんの光も希望もない。事件のせいで、実の息子からも断絶され、孫の誕生日会も追い返され、会員制の水泳クラブからも追放され、飼い犬からも懐かれず、徹底的な孤独に陥っていく。こんな地獄のような老後ってあるんや、という絶望を見せつけられた気持ち。主演のおばあさんがずっと無表情なのも怖かった。ふと、実家の祖母のことが過った。わたしの祖母も、ベクトルは違えど相当な地獄の老後を今も送って生きている。可哀想で祖母のことを思うと胸が痛まない日はないんだけど、ここ10年ほど逡巡した結果、わたしに出来ることはなにもないという結論に至って後、なにも手を差し伸べられていないわたし。老後の地獄を思えば思うほど、長生きはしたくないと思ってしまった。映画終わって客電がつき、客席を見渡すと銀座という場所柄か小奇麗なおばあさんたちばっかりやった。おばあさんたちはあれを見てどんな気持ちになったのやろう。どんよりした気持ちで映画館を出ると、土曜の銀座。いい天気だったので日比谷まで歩いて、帰路。帰って洗濯したり日記を書いたり読書したり、休日をだらだら満喫。

 

3.3日

からしとしと雨の日曜。4時起きで労働へ。雨やから暇かな?という期待はハズレ、めっちゃ忙しかった。最近、労働中急に足が攣る。これはなんかの予兆なのか? それとも持病の症状の一環なのか? 謎。足が攣るのは水分不足という噂を聞いたので、水を飲むようにしているのやが、意味あるのかないのか。なんやろう。これ以上変な病気持ちたくない。しかしまたしても寒い。家が極寒。石油ストーブ復活させて凌ぐ。今日はおひなまつりか。女の子の日、って別に祝われたことないわ~。まあもうババァですが。ところでひなまつりのあの定番の替え歌って、全国共通ですか? ♪明かりをつけましょ爆弾に ドカンと一発禿げ頭 五人囃子は死んでます 今日はたのしいひなまつり