12.4〜10日記

12.4月

ほぼ眠れずに朝。6時頃に布団から出て、シャワー浴びてコーヒー飲んで、日記を更新。してから、警察に持って行く資料を見直す。支度して出発、9時半頃に渋谷に着いて、職場のみんなに迷惑かけたお詫び差し入れドーナツを買って渡して、先輩と少し打ち合わせ。先輩同伴で、10時過ぎに渋谷署へ向かう。生まれて初めて、警察署の門を潜った。受付で個人情報などを書いて提出して、病院の面会カードみたいな首からぶら下げるやつを受け取って、生活安全課へ向かう。なんか、市役所みたいにカウンターがあって、みたいなのを想像してたんだけど、どちらかというと学校の職員室みたいなつくりで、生活安全課の部屋があって、入り口近くにいた人に、「本日アポ取っていた者ですが、◯◯さんいらっしゃりますか」というと、廊下で待つよう言われる。廊下は本当に病院の待合室みたいに、革張りの長椅子があって、そこでしばし待機。結構人通りが多く、当たり前なのだけど、ここでウロウロしてる人ほぼ全員警察官なんや、と思うとドキドキする。15分くらいしたら金曜日にお電話で担当してくれた刑事さんが「お待たせしました」と呼びに来てくれて、奥の取調室へ入る。先輩は同伴する気満々で張り切ってくれていたのだけど、わたしだけ入ってくれと言われる。まあ、そらそうやわな。大人やし。ユニットバスくらいの小部屋に、椅子二つと机があって、対面して刑事さん。お電話でもよく通る野太いバリトンボイスだったけれど、想像通り分厚い胸板の勇ましい、ザ・刑事(と書いてデカと読む)という感じの方だった。先輩の指示で予め作成してきた、今回の性被害の時系列を書いた報告書のようなものをお渡しすると、「お、いいね!助かります」と褒めてもらえた。一文一文読みながら、詳細を聞かれて答えていく。どうしても、内容的にわたしの音楽活動をお伝えしなくてはいけない展開になり、目の前で刑事さんがわたしの名前を検索して、YouTubeなどを見て「確かに、あなたですね」と言われ、恥ずかしい。3、40分くらいお話ししてわたしの心配事や要望を伝え、「では加害側にこちらから警告出来るように準備します」と言われて取調室を出た。廊下に戻ると、先輩は自分が入れなかったことがもどかしい模様だったけど、まあやむなし。一緒に一旦職場に帰って、管理室で先輩と少し話して、この一週間のお礼をして外に出た。9月からずっとしんどかったものがやっと吐き出せて、だいぶ悩んだけどやっぱりこうして行動して良かったと思っている。午後から人間関係で恋人と待ち合わせ。恋人の顔を見たらホッとした。2時間ぐらいお話しして、張り詰めていたものがだんだんほぐれて行く。途中何度か刑事さんから電話がかかってくる。パルコで少し遭難した後、夕方ル・シネマへ。映画『ゴースト・ワールド』を一緒に鑑賞。なのだけど、ここ何日もいつも以上に寝れてなかったのと、恋人に手繋いでもらって安心の魔法をかけてもらったのもあり、わたしはすやすや夢の中へ旅立ってしまったので、肝心の映画は断片的な映像が残っているだけでほぼ覚えていない。なんてことや。ゴースト・ワールドは恋人は20年ぐらい前に見て結構思い入れのある映画だったらしいのに、隣ですやすや寝られてがっかりだったことでしょう。自分でも落ち込みました。しょぼん。映画終わった後、ヒカリエのそばの安い中華屋に入って、焼きそばや水餃子などを分け分けして食べた。ふたりともお酒飲まないくせにまあまあ長居したので、お店からしたら迷惑だったことでしょう。「今日は疲れただろうから」とやさしい恋人の気遣いで、早めに帰宅。なんとも振れ幅の大きい一日だった。

 

12.5火

久しぶりにものすごくよく眠った。やっぱり知らず知らずわたしは心身ともにとても疲れていた。ちゃんと眠ると、起きたときちゃんと爽快なんやなあ。8時半頃に、渋谷署の担当刑事さんから電話がかかってくる。昨夜のうちに、加害側の会社を突き止め、上司と共に署に呼び出して、警告し、今後一切北村には近づかない、という念書を書かせた上で、仕事場も異動してくれると決まったらしい。すごい。さすが警察は仕事が早い。これで100%安心というわけではないけれど、一応落ち着くところまで落ち着いたってことでいいのやろうか。でも、これからしばらくは、というか、今後一生、「もしかしたらもしかするかもしれないこと」を常に頭に入れながら行動しないといけないと思うと、気が抜けない。刑事さんも、しばらくは1か月に一回くらいは、安否確認のお電話くれるらしい。気持ちを落ち着かせるためにはやっぱり好きな喫茶店に行くのがいちばん。仕事前にちょっと遠回りして、大好きな名曲珈琲麦へ。

f:id:warabisco:20231208183919j:image

お気に入りの席でモーニングいただきながら読書。雨宮まみさんの『40歳がくる!』を泣きながら読了する。未発表原稿の「だんだん狂っていく」の章が、本当にきつかった。色んな方が寄稿されているまんまなのだけど、本当にまみさんは、自分を切り刻みながら最期まで文章を書いておられて、その痛みが、苦しみが、すごく鮮明に綴られていて、目から水が止まらなくなった。まみさんは、わたしたち読者、こじらせ女子と呼ばれる、自分に自信がない自己肯定感が最低の女の子たちの、いつも先陣を切って最前線で戦ってくれていて、後ろにいるわたしたちに凛々しい背中を見せてくれていたんだけど、でも本当はずっとずっと、最前線でズタズタに傷ついておられたんやなあと思うと、本当に胸が潰れる思いだ。まみさんがいなくなってしまった世界で、わたしは再来年40歳になる。

午後から出勤。詳細は書けません。何も書けません。何も書けなくなりました。書けることはといえば、10時間労働になったこと。長い! 以上! おもんなくてすみません! もう金輪際、労働については書けませんので悪しからず。

 

12.6水

6時半に起きて、シャワー浴びてコーヒー飲んで、午前中渋谷の美容院へ、白髪染めに行く。警察沙汰でバタバタしてる間に、白髪がだいぶ見窄らしくなっていた。最近行ってた新宿最安の美容院がいつの間にか値上げしていたので、だいぶ前に行ったことある渋谷の美容院。店内わたししかお客いなかったけど、大丈夫だろうか。白髪染めの後、2センチ切ってくださいていうたら、たぶん4センチ切られた。美容院って2センチて言ったら1センチくらい、3センチていうたら2センチくらい、大体なんか少なめにしか切ってもらえないイメージだったのだけど、今回の美容師さんは、ざっくりと気前よく多めに切る人で、ちょっと切られすぎました。ワカメちゃんになってしまった。38歳でこの髪型は、結構やばい気がする。マフラーで隠しながら、出勤。今日はシフトが半分だけだったので、19時に上がれた。せっかく早めに帰っても、なんかぼんやりしてしまって特に何も出来なかった。花瓶のチューリップがついにポキンと折れた。

 

12.7木

6時半に起きて、シャワー浴びてコーヒーを飲みたいところやけど、今日は健康診断なのでコーヒー禁止。炭酸水で薬だけ飲んで、ちょっとぼーっとして、9時に家を出る。なんと中央線人身事故で止まってて、総武線もめっちゃ遅れている。やっと来た電車に乗るも、めちゃくちゃパンパン鮨詰め状態。病院に着くまでにぐったりしてしまった。ついたらまず血圧測るんだけど、満員電車で圧迫されてたからか、血圧が見たことない数字になっててびっくりした(時間おいて計り直したら戻ってました)。身長体重は、去年と全く一緒だった。すごい。わたし家に体重計ないから本当に全然測ってなかったのだけど、たぶん人形みたいに身体はずっとこの大きさなのかもしれない。その後、聴力や心電図や胸のレントゲンなども撮って、バリウムはキャンセルした。だって今日はこの後10時間労働でトイレもなかなかいけないので、仕事中にお腹痛くなったら終わりだからね。健康診断終わって、出勤までまだ2時間あるので、カフェミヤマへ。ここは前にH書房のKさんと打ち合わせのときに初めて来たのだけど、めっちゃ穴場。ほんまにここ渋谷?てくらい静かで、すっかり気に入ってしまった。

f:id:warabisco:20231209112313j:image

ランチのサンドイッチはカツサンドしかなかったので、しゃあなしでカツサンド。サンドイッチはよく食べるけど、カツサンドは10年ぶりぐらいかもしれない。添えてあるお豆のサラダが甘辛くておいしかった。コンセントもあるし、コピー機もあるし、本当に仕事してくださいよ〜て感じの喫茶店で、よく見るとルノアール系列なのだね。わたしもしばし原稿とにらめっこ。その後、出勤。今日も10時間労働。よく働いた。

 

12.8金

6時半に起きて、洗濯して掃除して、10時に家を出て、早稲田のマリアパジムへ。いつもは火曜日に行くのだけど、今週はバタバタしてて行けてなかった。今日は会員さんもうひとりいて、スーさんのキックボクシングのクラスを1時間ちょっと。ラダーやって、ミットやって、サンドバックやって、スパーリングも少しやった。楽しく汗を流していたら、ジムの事務員さんが来て、床に寝そべっておしゃべりタイム。この時間も楽しいので好き。マリアパジムは、スー代表はじめみんな楽しく明るくおもしろい人たちなので、本当にアットホームなほっこりしたジムです。だらだらしていたら、柔術クラスのエースで元RIZINガールのモネちゃんが来て、みんなでおしゃべり。モネちゃんがわたしのミット見たいと言ってくれたので、スーさんにまた1ラウンドおかわりミットしてもらった。モネちゃんは柔術初めて2ヶ月くらいなのに見るたびにどんどん上達しておられて、スパーリングもしておられてすごい。事務員さんに3人で座ってる写真撮ってもらったら、本当に家族写真みたいになってて笑った。楽しい時間を過ごしてお暇。モネちゃんと、来週は一緒にキックも柔術もする約束した。バスで新宿に出て、カフェアルルへ。並んでたけど少し待ったらすぐ入れた。

f:id:warabisco:20231209121442j:image

オムライス食べてアイスコーヒー飲んでしばし読書。遠藤周作先生の『わたしが・棄てた・女』を読了。

主人公吉岡が大学生の時にワンナイト遊んだ女のミツは、ハンセン病だと思い込まされて療養所に送られたのだけど、その後医者の誤診だったと発覚。娑婆に戻れるのに、ミツは療養所に残るといい、修道女と一緒に患者の世話をして過ごす。ミツの善人ぶりと、吉岡の糞男ぶりが対比で際立っててなかなかおもしろかった。 新宿駅まで歩いて、紀伊国屋書店に寄って、銀行に寄って、電車で吉祥寺へ。最近気に入ってるマルイのお花屋さんでクラシカルな色味のバラを買って、いつものスタバ。iPad開いて日記を書く書く。すっかり夜も更けて帰宅。あ、年明けのワンマンの告知はじめました。2024年1月9日(火)阿佐ヶ谷よるのひるねです。予約お待ちしてますね。

f:id:warabisco:20231209120507j:image

 

12.9土

昨日は早めに寝たので5時半には目が覚めてしまった。そして、3ヶ月ぶりに生理が来た! 今回の警察沙汰の性被害が始まった9月から、実は生理が止まってて、まあ元々不順ではあるんだけども、でもやっぱり精神的なものが結構大きい気がしてきた。身体は正直やね。午前中、図書館に行って、その後いつものスタバへ。日記の続きをしこしこと書く。いつも声かけてくれるおねえさんが名前で呼んでくれてうれしはずかし。午後から出勤。一瞬来ていた所長から、また怖いことを言われる。警察沙汰は一旦落ち着いたと思っていたけれど、大変なのはこれからで、わたしを置いておくとリスクしかないので会社的にはこんなめんどくさいお荷物早く追い出したいのやろうなあ。疎まれていると思うと辛いししんどいし、そろそろこの仕事、やめどきかもしれない。そんなことを考えていたらメンタルヤバくなってきて、ため息ばっかり出る。そんなわたしを慰めてくれるのは、読書しかない。乗代雄介さんの『それは誠』読了。

乗代さんの小説は、だいたいいつも主人公が中高生で、今回は高校生の少年が修学旅行の思い出を綴っている設定。大人になっても、あの時期の行動や心の揺れなんかを細やかに覚えていて書けるって、すごいなあと唸る。それから昨今の高校生は修学旅行の自由行動中、一人一人GPSをつけられていて、先生にどこにいるか監視されてるらしい。令和ですね。わたしが学生の頃はまだガラケーでそれすら持ってる子と持ってない子半々ぐらいやった記憶。便利いい世の中やけど、息苦しい世の中でもあるね。

 

12.10日

4時に寝たのに6時に起きちゃう。また寝れんようなってきている。シャワー浴びて、コーヒー飲んで、こたつでパソコン作業。ため息ばっかり出て全然やる気が出なくて、なかなか進まない。情緒不安定で、急に涙出てきたりする。しんどいな〜。でもちゃんと労働には行くわたし、偉い。働けるうちは働いとかないとあかん。通勤中、イチョウの木が見事にやまぶき色に紅葉していて、綺麗だけど今のわたしの死んだ心にはあまり響かない。年末のRIZINの追加カードが発表されていて、平本蓮VSヤーマンが決まった。会見の平本連、謎にツバの大きなハットをかぶっていてちょっと笑った。でもコメントにはグッときてしまった。RIZINウエハース、コンビニ行く先々で探してるけど全然売ってないね。深夜帰宅。今週もしんどい一週間だったけど、恋人とジムと読書に救われた。