3.23〜29日記

3.23月

5時半起きで朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。帰って、唐組『さすらいのジェニー』の劇中歌、ジェニーの大事な歌を作曲。なかなかいいメロディが出来た! 唐十郎さんの言葉にメロディをつけるという作業はたいへん恐れ多いのでびびりながらなのだけど、自分でいうのもあれですが、たぶん、わたしの作曲の癖とかメロディラインの癖とか実はすごく相性がよくて、ハマればすごくいいものが出来る! 出来ている気がしている! そしてこの曲は、我ながらすごくいい曲が出来た! うれしくってひとりで部屋でわりと大きめの声で歌いながら寝た。

 

3.24火

5時半起きで朝から普通に労働。出勤すると、御年73歳のじいじの前歯が2本なかった。昨日歯医者で抜いたらしい。差し歯が出来るまでは歯抜けのまんまらしいのだけど、なんか赤ちゃんみたいで可愛かった。みすぼらしくない? と一応気にしているところも可愛かった。仕事終わって、夜はキンチョーのCMに出演させていただいたときのCMディレクターK籐さんと、キャスティングのK賀さんと西荻で飲んだ。というのも、先日偶然ばったり、朝西友でK賀さんとお会いし、最近引っ越してきたんです~というと、じゃあ飲みましょう~となったのである。一軒目は珍味亭というカウンターのみの不思議なお店へ。知る人ぞ知る名店らしく、俳優さんや小説家さんも来ているらしい。豚のタンや耳や、手羽先や、変わった料理をつまみ、最後にみんなで焼きビーフンをわけっこ。これがあぶらっこくておいしかった。料理もおもしろいのだけど、大将(K籐さんは学長と呼んでいた)と息子さん(K籐さんはジュニアと呼んでいた)のおしゃべりがたいへんおもしろく、西荻の豆知識をたくさん教えてもらった。一軒目を出て、二軒目はちょっと歩いて、スナック慕情というお店へ。若い美人のママがひとりで切り盛りする昭和感あふれるお店。なんとママ、わたしのことをご存じであった! びっくり! アウトデラックスを見ていらしたそうである。K籐さんは、有名CMをたくさん監督されている売れっ子映像ディレクターなのだけど、酔っぱらうと愉快なおっさんで、何故かおねえ口調でオモチャのマイクで歌いだしたり、たのしいひとときだった。わたしは素面なのに赤裸々な話をしすぎてしまい、みんな爆笑してくださったけど、ふと、ここはおしゃれタウン西荻だってことを思い出してちょっと恥じた。結局12時すぎまで飲んで、みなさんはまだ飲まれるみたいだったけど、わたしは一足お先にお暇。店を出ると風が強くて極寒で、家までの道中凍え死にそうになった。

 

3.24水

ゆっくり起きて、洗濯干して、そうじ。おひるは近所に住む血のつながらないお兄ちゃんN島さんとsingというかわいいカフェでお茶をした。

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いつもは喫茶店ばかり行っているけど、たまにはスタイリッシュなカフェもいいね。コーヒーがすごくおいしかった。桜のクッキーもおまけでつけてくださって、これも手作りですごくおいしかった。N島さんと、プライベーツな話で盛り上がり、1時間くらいしてN島さんはお仕事へ。わたしは自転車でそのまま唐組の稽古場へ。2幕に入っていて、これまたにぎやかでたのしい展開になっていた。ジェニーの歌を、女優さんに歌ってもらってキーを決めたりして、久保井さんともあとまだ出来てない2曲の打ち合わせをした。夜は、ちょっとどうしても見に行きたい映画があり、こんな時期ではあるけれど、ひとりでTOHOシネマ新宿へ。映画『三島由紀夫VS東大全共闘』を鑑賞。ひさしぶりに、ものすごく頭使って映画を見た。が、わたしのあんぽんたんなオツムでは5%くらいしか理解出来なかった。途中からは三島のセクシーさに萌えるというアホの見方をしてしまった。わたしはムキムキの人は基本苦手なのだけど、何故か三島だけはかっこいいと思ってしまう。あと肉体もだけど、なにより目。三島は馬面やけど、目がめちゃくちゃかっこいい。東大全共闘側で、芥正彦氏が赤ちゃんを肩車しながら登壇していて、討論すらパホーマンスになっていておもしろかった。映画館を出て、帰りの電車でツイッターを開くと、小池百合子が東京都民、週末外出自粛令を出したとかで騒がしくなっていて、たぶん呑気に映画見ている場合じゃなかった模様。わたしはあんまり、安倍ちゃんをディスったりとかしたくないんだけど、それでも現在の日本、めちゃくちゃやなあとは思う。こんな日本、もし今三島が生きていたら、どんな発言をしていたんやろう、とふと思う。

 

3.25木

朝から作曲作業。引っ越し段ボールからMTRを引っ張り出してきて、多重録音。2曲作ってデモを録音。午後から、金田アツ子さんの個展を見に、初台ザロフへ。実はわたし、7年くらい前まで初台に住んでいたので、ひさしぶりに降り立ってなつかしい気持ち。しかし駅前、めちゃくちゃ変わってて、王将とか出来ててびっくりした。ザロフへ行くと、アツ子さんに会えた! ちいさい店内、ぎっしりアツ子さんの絵が飾ってあって堪能。離れの小部屋にわたしを描いてくださった絵も3枚飾ってくださっていた。アツ子さんの絵はいつ見ても、その筆使いや色使いから、アツ子さんの人柄が滲み出てきていて、見ていて胸がいっぱいになる。中でも春の夢という絵がすごく好き。しばしアツ子さんとおしゃべりして、アツ子さんお手製のケーキも購入し帰路。帰りに、行きつけのそれいゆに寄って、ナポリタンを食べた。

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お紅茶も飲んで、しばしパソコン開いて小説を書き書き。最近、わたしのお気に入りのお兄さんがいない。辞めちゃったのかな? 帰りに西友に寄ったら、野菜もお肉も米も麺も牛乳も豆腐も、なにもかもがなくなっていた! ひええ! これが世にいう買い占めってやつか! やばい! うちに食糧全然ないんですけどー! お菓子くらいしか買えなかったけど、わたしはとりあえずお菓子あったら生きれるので大丈夫でしょう。帰って、朝作った曲をパソコンに取り込んで編曲パートナーU波さんに送る。曲作りもして、アツ子さんの絵も見て、小説も書いて、充実の一日。

 

3.26金

5時半起きで朝から普通に労働へ。店内換気のため、朝からずっと扉を開けっぱなしで営業しており、しかし制服は半そでなので極寒、これコロナ以前に普通に風邪ひくんですけど、と震えながら働いた。さすがにいつもよりは暇だった。暇とはいえ、ほぼほぼ満席で並ぶ時間帯もある。この土日、東京は外出自粛令が出てて、デパートとか映画館とか全部閉めるそうだけど、うちの店は開けるのか? という問い合わせ電話が朝から何件かかかってくる。ちょっとまだわかりませんとしか言えない。15時くらいに店長が本社の会議に出ていき、結果、営業するそうである! うっそーん! まあ、そんなときこそ営業するのがうちの店、というのはなんとなく予想出来ていたけれど。夜は中目黒の104GALERIE‐Rというところへ、財団、江本純子『わたしを信じて(仮)』というお芝居を見に行った。財団えもじゅんのお芝居はこれで3回目。毎度、こんな芝居、どうやってつくるんやろ!?と度肝を抜かれる。演劇って、台本があって、決め事の上ですべてが成り立っているものと思っていたら、すべてをひっくり返される。財団えもじゅんに出演される役者陣はみなさんは、それぞれしっかり力があられる方々ばっかりだから、これが成り立つのであって、これ素人でやったらほんま地獄絵図やろうなと思う。途中、まさかの水責めに遭い、唐組かと思ったら、すごいタイミングで小林麻子さんがストールを投げてくれて助かった。はじまりもおわりもわからない、どこからが芝居でどこからがスなのかもわからない、不思議な時間だった。帰りに目黒川沿いを歩いていたら桜が綺麗だった。せっかく咲いた桜も、今年はお花見自粛であんまり愛でられなくて可哀想やね。

 

3.28土

この土日は東京都外出自粛令が出ている。が、家に食べるものがないので、とりあえずコンビニへ。しかしコンビニに食べたいものがなく、急に料理がしたくなり、しかし西友には数日前からお肉も野菜もなんにも売ってない。だが八百屋さんにはたくさん野菜が売っているのを発見。あるところにはあるようである。八百屋さんでキャベツとたまねぎとりんごを買った。そしてコンビニでウインナーを買って、家でホーロー鍋でポトフを作った。前のおうちはプロパンガスだったので、ガス代が死ぬほど高く、ほぼ料理していなくても毎月ガス代4000円近くかかっていたのだけど、東京ガスさんはすごく良心的で、今月のガス代、まあ引っ越したのが3月6日やったからちょっと短いというのもあるんだけど、ガス代なんと1100円で、これなら心配せずに料理出来るやんと思い、張り切ってポトフを煮込んだ。しかし自分で作ってひとりで食べるごはんはやっぱりあんまりおいしくないね。午後からは唐組の稽古場へ。こんなときですが、唐組さんは元気に稽古に励んでいらした。もう毎日、日本でも新たなコロナ感染者がどんどん増えていて、いつ首都封鎖になるかもわからない、一寸先は闇、ほんとはわたしも、小池百合子の言いつけを守るなら、今日は家にいないといけないのかもしれないけれど、正直なところ不安すぎて無理だった。なので唐組のみなさんの頑張ってくれている姿を拝見出来て、ものすごく救われた心地だった。唐組のみなさんだって、正直なところ、本当に春公演が上演出来るのか、不安でたまらないことでありましょう。それでも前を向いて、ひたむきに稽古に励む姿は本当に美しいなあと思い、そこにほんのちょっとでも混ぜていただけているということが、今のわたしがなんとか沈没せずに立っている理由かもしれないな、と思った。どうかコロナが一刻も早く終息して、平和な日常が戻りますように。

 

3.29日

朝から普通に労働へ。外出自粛要請に加え、朝から大雪で極寒。こら、みんな家におるわな。電車もがらがらであった。がしかし、我が職場はこのデパートや映画館がほぼ全部閉まっている新宿のど真ん中で、元気に営業するのであります。こんな日に、誰が喫茶店なんか来るねん、と思っていたら、さすがに午前中はガラガラだったけど、午後からは普通に忙しく、いつの間にか満席になっていた。ねずみ講の連中も来店していた。奴らはこんな日にも活動するのか! 店内から雪を眺めるのはなかなか気持ちよかった。定時に上がり、帰りに西友によったら、野菜と果物とお肉は復活していた。別に買い占めするわけではないけど、スーパーにものがあると思うとなんか安心するな~と思った。数日前の、あのすっからかんのスーパーは本当に怖かったものね。