5.15〜22日記

5.15月
なんか頭痛いな〜と思って寝起きに体温計ると37.5。普段わたしは平熱5度台の人間なので、これは結構微熱、いや高熱。そして身体がだるい。昨日までは喉の名医にもらった漢方やら栄養ドリンクを毎日ドーピング生活してたけど、その薬も飲み終わって、昨日は休みやから栄養ドリンクも飲んでなかって、そしたら瞬く間にこの有様ですかって感じ。あ〜つくづく健康が欲しい。とはいえ、常用している持病のお薬の中にはステロイドやら炎症止めなんかもバキバキに入ってるから、それを飲んだら熱も下がって頭痛も消えた。のでいつもと変わらず朝から労働。特筆すべきことはない感じ。でもやっぱり帰っても身体がだるいので、これはツアー疲れがまだ後を引いてるのかもしれない。

5.16火
いつもは目覚ましもなんにもつけなくても4時には起きてるのでゆっくりシャワー浴びたりコーヒー飲んだり準備してから労働行くのやけど、3度寝くらいして起きたらもう電車に乗る30分前。これはわたしの中ではあるまじき寝坊。頭も痛いし、声は一応出るようになってるけど、身体全体としてはまだ病みあがってもいない。そんなこと考えてる場合ではなく、マッハでシャワー浴びて猛烈にドライヤー振り回して髪の毛を乾かし、1分で歯磨き、1分で化粧、1分で着替えて、5秒でいつもの朝のお薬9錠を飲み下し、なんとかいつもの電車には乗れた。新宿についてレッドブル飲みながら更衣室で着替えて、夕方まで普通に労働。やっぱり身体がしんどいまんま。でもこれは先週ヨボヨボすぎたせいでいつもの12000円のお注射を打ってもらえなかったからなのかも? 体調不良のときには打ったらあかんのらしい。けどそのお注射先延ばしのせいで更に体調不良になってるんですけど先生〜って、こっちの持病の方の病院は超予約厳守でそんなフランクに唐突に駆け込める病院じゃないので我慢するしかない。帰って、明日の円盤ワンマン『早樹子、高円寺気分』のプランを考える。

5.17水
お熱がついに37.8ってもうこれ結構高熱の範疇やん(当者比)とびびりながらも、ステロイドはえらいもんで、飲んだら一応熱は36.5とかに下がる。ケミカルはすごいけど、怖いね。でも熱も下がったので、今日の円盤ワンマンを考える。月例で毎月、わたし一人のライブをやるので、早樹子のてきとう新聞というのを作って、会場だけで配ることにしようと思い立ち、手書きでしこしこ書く。そしてコンビニでコピる。また栄養ドリンクを買ってしまう。この栄養ドリンクって元気の前借をしてるだけやから、あとあとどっと疲労がくるから常用したらあかんとよく聞くのやけど、このところかなりそのループにまんまとハマっている感じ。そんな半ラリ状態で(めちゃめちゃ合法ですけど)ピアノを弾いて、なんとなく今日やる曲を練習してたら宅急便が来て、『裸の村』チラシが到着! 当初は19日に着くってきいてたのに、まさかの前ノリ! ありがたい! ほな今日のワンマンから配れるではないか〜。そんなこんなでチラシを抱えて高円寺円盤へ。ライブは夜ですが、急遽、『裸の村』青山ブックセンターさんで取り扱ってもらえるようになったので(6/13に末井さんと対談させていただけるおかげ)しかも結構な注文数くださっていて、しかし在庫が、ない! ので、早急に作らないといけないのであーる。そう、この超特殊装丁の小説は、著者自らが切ったり貼ったりハメたりして組み立ててるので、ものすごーく手間暇かかるんであります。でもこんな手作り小説が、青山ブックセンターに並ぶなんて、こんな夢みたいな話ないので、がんばって円盤上のタコ部屋で内職。今日は飯田さんいないのでひとりで孤独に内職。3時間くらいがんばって、疲れたのでライブのリハをしたり、鯉のぼりの衣装に着替えてまた直前まで内職したりして、あれ、これ、意外とコンセントレーション(最近覚えた言葉です)に内職って、いいかもしれないわ!とか気づく。そしていざライブ。今月からワンマン企画がはじまったわけですが、円盤はこじんまりしてるとはいえお客さん全然いなかったら淋しいな〜とどきどき降りて行ったら、少なくはあれどまあ丁度いいくらいの方はいらしてくださってホッ。一部は鯉のぼりでラップをして、そしてトークコーナーで今月を振り返り、休憩(わたしのお色直しタイム)を挟んで、2部は1時間こってり、ピアノと歌の弾き語り。これが、ほんとうに数年ぶりに、1時間一切拍手の起きない、お客様誰もぴくりともがたりとも動かない、曲間も静まり返った緊張感が続く神聖なライブが出来た! でも、そう、もともとはわたし、こういう芸風やったなあ。MCも一切なく、淡々と歌を畳みかけて去っていく、そんな芸風やったのですが、ここ数年は、サービス精神とは何かとか考えちゃって、あと、曲が暗い分、面白いMCとか挟まないとみんなしんどいんちゃうかとか考えてしまって、それでお客さんも気を遣って微妙にぱらぱら拍手したりしてくれて、みたいなのが続いてて、でも、それがほんとに数年ぶりに、チーンと静まり返った緊張感が途切れることなく1時間続くライブが出来て、あれは、ものすごく照明を暗くして、ぽつんと可愛いランプシェードが点くだけの演出を円盤田口さんが作ってくれてたからかなあ、そしてお客さんもわたしだけを見に来てくれてるって思うと、なにも不安がなく自由に歌えたので、たぶんあの空間に一切の不純物がなかったのだと思われる。いや、居合わせくださった数少ないみなさん、そして田口さん、本当にありがとうございました! おかげで初心にかえれました。この月例ワンマン企画はこのスタイルで続けていけたらいいなあ。来月は6月21日なので、みなさまどうかよろしくお願いします。お客様が減ってわたしの心が折れたらすぐ終わってしまう企画なので、どうか、どうか、よろしくお願いいたします。そんな静まり返ったライブをしたけど、終わってピアノの横を見ると、まさに、わたし以外に着る人おらんやろっていう、ハチさんの羽根付きワンピースが売ってて、その場で試着し、即購入。田口さんも「さっちゃん以外に買われた嫌だなあとおもってた」とかゆってたし、自分でゆうのもあれですけど、似合ってたよね!? って、その場に居合わせた人しかわかりませんね。終わって、見に来てくれたC子せんせいとH代さんと一緒に、お気に入りのねじり鉢巻きおじいちゃんがいる大衆酒場馬力へ行く。実はこの3人と、あと一人大きい男のひとを誘って、お芝居を作ろうと計画しているのであります。その相談を結構まじめにやった。太ってて力持ちそうな役者さんをみんなで案を出し合いながら、アイホンで検索したりして探して、結局まだこれぞという人は決まってないけど楽しかった。太っちょを真剣に探すって、そんな会議なかなかない笑 終電が近づいてきたのでわたしだけ帰路。おふたりはもう一軒行かれたようでした。足立区に帰り、今日はザギンへお勤めのI田さんにメールして、もし帰りが同じくらいになったら、ちょっと一杯飲みたいな〜(わたしはどうせお茶だけど)と思ってメールしたら、もうI田さんは帰宅したみたいやったけど、でも夜のウオーキングのためにちょうどいいから行くよ〜てゆってくれて、庄屋で結局朝方閉店までおしゃべりした。チラシの仕上がりもはやく見せたかったし。内職もし、ライブもし、太っちょを探すお芝居の会議もし、友達とも飲み、珍しく丸一日充実した一日でした。

5.18木
本当はユジク阿佐ヶ谷で今やっててみんなにオススメされる韓国映画『お嬢さん』を見に行きたかったのやけど、やはりここのところ寝起きはだいたい熱あって頭いたくて、お薬効くと治るのやけど、ちょっと体力的に諦めて夕方まで家で過ごす。でもおかげでポストにお宝が2つも届いて、ひとつは今度対談させていただく末井昭さんの新刊『結婚』、もうひとつはちょっと誌面に登場もさせていただいてる杉作J太郎さん大大大特集の雑誌『点線面』の見本誌が届いていて、喜び勇んで読み始める。どっちも普通に読者として読みたかった本やからうれしさひとしお。

結婚

結婚

点線面〈vol.3〉人生が愛おしくなる!Jの本気力。

点線面〈vol.3〉人生が愛おしくなる!Jの本気力。

夜はアゴラ劇場へ、先日唐組見に行ったときにばったり会ったサンプルのマッキーからチラシ貰ったお芝居、『バージン・ブルース』を見に行った。なんの前情報もなく見に行ったのやけど、これが衝撃的におもしろくて、もう楽日も終わってるからネタバレもおっけーかとおもって書きますと、生まれながらに巨乳の男子フジタリアンと、おちんちんが1年に10センチずつ伸びる病気で今や右足にぐるぐる巻きつけて暮らさないといけなくなっているバーミリオン(ふたりともテレビでもよく見かけるベテランおじさん俳優さんが熱演)と、その娘(ということになっている)であり、でも走馬灯(フジタリアンは開演後すぐ死にます)の中では学生時代は弱者やったバーミリオンとフジタリアンを率いていたみんなの憧れのカリスマ美男子で生徒会長やったブラック(この娘さんとブラック役の2役を小瀧万梨子さんという美人なのに男前でかっこいい若手女優さんがやっておられた)の3人芝居なのやけど、どどど下ネタに笑かされつつ(だってね、ブラックは男子なのに妊娠し、しかもお尻ではなく、おちんちんで妊娠し、出産後おちんちんは当然破裂、ブラックは即死…とかそんな設定なんやもん!)、しっかりカタルシスもあるから最後にはわたしは号泣してしまっていた、本当にちょっとひさしぶりに新しくおもしろいものを見た! と戦慄し、しかも不思議なことに、この作演出をやってるのが、実はわたしの高校時代の書道部の1つ後輩の大池容子さんという人やって、お互い暗黒の思春期真っ只中やったから当時は口もきいたことないレベルやったのが、こうして東京で再会し、しかも彼女はまだ31歳とかなのに、こんなテレビでみるようなベテラン俳優とか使って、こんなに面白い芝居を作る天才になっていたなんて! とわたしはすごく、色々感慨深くもあって、そしてその才能に震えたのでした。楽屋でちいさく打ち上げがあって、交ぜていただいて少しおしゃべりしたら、向こうもわたしの最近の動向、(実は歌ってたりお芝居もちょっとやってたりとか)を意識してくれていたそうで、なんか、15年ぶりくらいに、はじめてちゃんとおしゃべり出来て、おしゃべりしたら、当時お互いシャイで暗かったから話さなかったけど、実はすごく似たような自意識と葛藤していたことが発覚し、ああ、あのとき仲良くなれてたらよかったのに、なんて思ったけど、でもこうやってお互い三十路になってから再会したからこそ、よかったのかもしれない。いや〜、我が母校、大阪府立今宮高校は町田康以来スターが出ていませんが、大池さんがやってくれるんじゃないかと、わたしはひそかに期待しています。ふふふ。

5.19金
朝はやはりずっと身体がしんどく熱もあって、それをいいことにだらだら読書。末井昭さんの『結婚』が本当に、目から鱗のすばらしい本やって、しかも今のわたしにとっても為になる本やって、付箋を貼りまくりながら読了し、そして、影響されやすいわたしは、あんなに結婚や家庭というものを忌み嫌ってこれまで生きてきたにもかかわらず、何故か猛烈に結婚したくなってしまった。しかし、今夜は阿佐ヶ谷よるのひるねで『母親教室』という定例イベント、今夜は飯田さんがわたしの半生をインタビューしてレジュメ化してくれて、なぜわたしがこんな、「母親になりたくない病」になってしまったかを分析し、壇上で攻められ突かれまくることになっている日。それなのに、たった今のわたしは、猛烈に結婚したいとか思ってる。あれ〜これはちょっと根底からおかしなことなるんちゃうん!?と焦る。とはいえ、結婚したくなってるとはいえど、やっぱり母親になれる気は全然しないので、変わらんか。夕方飯田さんと駅のホームで待ち合わせて一緒に阿佐ヶ谷へ。作ってくれたレジュメを見ながら、喫茶ギオンで綿密に打ち合わせして、いざよるひる! この企画、回を重ねるごとにお客さんも順調に減ってきて、はじめての一桁。まあでもこれくらいの規模でしか話せないような濃厚な話を出来た気がします。それもこれも、飯田さんがすごくがんばってレジュメを作ってくれたおかげ! あのレジュメには結構出回るとやばいわたしの恥部が箇条書きにされてたりするので、来てくださった方は密やかに持ち帰って誰にも見せびらかさずに隠しておきましょう。なかなか濃厚なトークが出来たのでわたし的になかなかいい時間だったと思いますが、SとMだと今回はわたしがMで飯田さんがS役をやってくれたわけですが、これはたぶんセックスでも同じと思うのやけど、SはサービスのSといいますがまじでそうやとおもいます。大変なのは実はS役で、M役は受け身でいいので楽です。だけど次回の最終回はわたしがS役になって、飯田さんをいじめなければいけないので、結構今からドキドキである。かなり頑張らないといけません。しかも次回は最終回だし! 色んな落とし前がちゃんとつくように考えます。足立区に帰って、魚民で反省会というかお疲れさま会をふたりでひそやかにやって、今日は早めに3時頃に帰った。

5.20土
朝から家を片づけ片づけ。何故なら、今日はかの末井昭さんが我が家に練習にやってくるから! 6月6日のアップリンクでご一緒に演奏することになっていたので、練習してみましょうとなったのやけど、これが、練習してみると意外なマッチングですごくおもしろい! し、しかも泣けちゃうくらいキューンともなる! わたしサックスの方と演奏するのははじめてだったから、そういう意味でもおもしろかったのかもだけど、でも本当にわたし、一緒に音を出して、合う人と合わない人、ぱっくり分かれるタイプなので、末井さんとはたぶん、すごく合うと、おこがましいながら思いました! 末井さんはペーソスのメンバーでもあるので、5月31日のペーソス・北村早樹子ツーマンでも、2、3曲吹いていただくことになりました!わーいたのしみ! 今も昨日の練習の録音を聴いていますが、すごくいいです! みんなに聴いてほしい! 6月6日のアップリンクは早々にチケット売り切れてるみたいなので、5月31日をおすすめします! わたしは末井さんの著作のファンなので、最初はすごくどきどきしていたのだけど、おしゃべりしてみると末井さんはすごく気さくだしこちらの緊張感を抜くように喋ってくださるので、たのしいひとときでした。血液銀行のはなしとか、骨粗鬆症は手のひらに日光を当てるいい、とか教えてもらった。末井さんをお見送りし、わたしも準備して雑司ヶ谷鬼子母神さんへ。夜は神蔵さんとデート☆ 神蔵さんと喫茶店でケーキとコーヒー飲んで食べて、それから七曲りに連れてってもらい、こっそりピスケンさんちを見たりして、それからご一緒に唐組を拝見。わたしはもうこの春公演『ビンローの封印』3回目の鑑賞でしたが、全部会場が違うので、音の聞こえ方も違って、鬼子母神は花園神社と違ってすごく静かな場所なので、音楽が逆に小さく聞こえたり、でもセリフはつーんと通ったり、そして3度目にしてやっと、色々内容がわかってきたこともあった。あの製造くんが拘ってる配線をバッタモンローレックスの中に入れるのも、あれは偽物のギラギラの声を聞くためなのか〜とか(わたしの感想なので本当は違うのかもしれない)、赤いビンローの封印を壺に垂らすシーンも、あれは日本人と中国人海賊が「同志!」っていう、あれはすごく美しい契りやったのか〜とか、最後の屋台崩しのあとのシーンも、リヤカーを引いてるのがグジの少年役福原さんであるのは、製造くんについていくと決めた彼(彼女)の決意の表れである、すごくグッとくるシーンやったのか〜とか、唐組のお芝居は本当にセリフ量も情報量もすんごいから、1回見たくらいではなかなかわたしくらいの低能には理解できない。だから何回も見に行っちゃう、というのもあるけど、あの紅テントという空間に入るところから含めてわくわくしちゃうし、他では絶対味わえない興奮を確実にもらえる、だからまたきっと4回目も行ってしまうことでしょう笑 終わって社務所での打ち上げにも図々しくお邪魔し、神蔵さんをみんなにご紹介したり、巌谷國士さま(高校時代『シュルレアリスム宣言』を拝読しましたが、アホのわたしにはさっぱりわからなかった…)のお言葉を拝聴したり、久保井さんやGちゃんとたのしくおしゃべりしたりした。なんやかんやで終電も近づいたので11時半くらいにお暇。今日も今日とて、たいへん充実した一日でたのしかったけど、こんな日ばかりが続くとわたしはダメかもしれない。

5.22日
ひさしぶりに何もない日。洗濯してだらだら読書をして、某溺死ジャーナル用のかなり気合を入れて覚悟を決めて書かないとあかん原稿の第一稿を書いたりしてたら一日が終わった。
今、パラパラと読んでる本。

末井昭のダイナマイト人生相談

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あひる

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僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実

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落花生

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