7.25〜31日記

7.25月
労働に復帰。帰って夜は文章の宿題。お芝居期間中放置していたのをいくつか今週で仕上げないといけません。

7.26火
労働中、熱湯消毒しようとして誤って沸騰した薬缶のお湯を左腕にざばーんとぶっかけてヤケド。どんくさいまぬけの極み。お薬箱でヤケドに効きそうな薬さがしたけどオロナインぐらいしかなくて、オロナインを腕真っ白になるぐらい塗ったら結構効いた模様でさっきまでめっちゃ赤かったのが肌色を取り戻した。オロナインなめてた、ごめん。帰りしなに紀伊國屋に寄って村田沙耶香さんの『コンビニ人間』と平山夢明氏の『ヤギより上、猿より下』を購入。読みたいけどとりあえず宿題やらなあかんからおあずけ。

7.27水
朝から宿題をもりもり書く。昨晩からメルマガ用の『女中たち』振り返り文を書いている。書きながらまた色々思い返して、己の身分について考えている。お稽古で着ていたC子せんせいに借りていた襦袢をクリーニングに出そうと思ってクリーニングやさんに持っていたら10000円と法外なお値段を言い渡されてすごすごと引き返す。ネットで調べたら、コインランドリーでドライクリーニング出来るところがあると出てきて、自転車で行ける圏内にどうやらそのコインランドリーがあるっぽいので行ってみたら、とっくにつぶれていた。ガッデム。諦めて、夜は隣駅のシネコンへふらっと今更『クリーピー』見に行った。特に興味なかったのやけど、こないだの『女中たち』打ち上げでS崎M紀さんがこの映画はかの北九州一家監禁殺人事件の松永太がちょっとモデルになってるよって教えてくれて、それは見ないとあかん! と思って行った。確かに、はっきりとじゃないけど電気ショック拷問的なシーンあったし、あの香川照之の自分の手は一切汚さずに家族を殺しあいさせていく手口は松永と一緒やったけど、これはある意味サイコパスの洗脳の典型なんやろうなあ。帰ってまた宿題の続きをやって夜中に一個提出。

7.28木
朝から宿題の直しをやって提出し、おひるからI田さんがおうちにくるので張り切って下手くそなお料理なんかしちゃう、まるで彼女気取りのわたし! ひさしぶりに遊んだ。いや、名目はIKAZUGOKEでの8/12の黄金町試聴室ワンマンの打ち合わせやったけど、それももちろんやったけどこの1か月全然I田さんと遊べてなかったのでおしゃべりしたいことがいっぱいたまっていて、ひさしぶりにいっぱいおしゃべりして超楽しかった。友達って大事やな〜。夜は某スナックに移動して、IKAZUGOKEでの初の取材を某誌がしてくださるというので、例の衣装でキメて撮影してもらってインタビューしてもらった。その後、再び我が家に戻って12時頃までI田さんとふたり家飲みした。ほんとは帰りに我らの行きつけ飲み屋Kに行こうと寄ったけど混んでてしかも前回めっちゃ絡まれた某常連組のおっさんおばはんが勢ぞろいやったのでこれはちょっとめんどくさくなりそうやな〜と思い、今日はやめといた。久しぶりに一日I田さんと過ごせてご満悦の日やった。

7.29金
某大学病院へ通院のついでに渋谷に出てユーロスペースで『FAKE』を見た。これまた今更感あるけど平日昼間からすごい満席近かった。でもわたしは寝てしまった! いちばん記憶に残ってるシーンはさむらごーちが豆乳大好きってゆって1リットル飲み終えるまで晩ご飯のハンバーグに手をつけないところ。あとは最後の最後、チョコレートケーキをまじまじとみて、すごい感動していたところ。あとはあんまり覚えていません。映画館は涼しくて快適で寝やすいね。夕方、病院。特に変わったことはなし。

7.30土
宿題ひと段落したので『コンビニ人間』と『ヤギより上、猿より下』を連続で読んだ。どっちもおもしろかった。村田沙耶香さんはわたしは『殺人出産』で衝撃を受けて『消滅世界』でさらにぶったまげてファンになったのやけど、この『コンビニ人間』はまた全然毛色の違う作風で最初???と思いながら読んでいたのやけど、最終的にやっぱり震えた。毛色は違うと思ったけど一環してこの人は人間をすごく軽やかに冷ややかに扱っていてもはや有機物ともみなしていていない感じがこわいけどおもしろいって毎回思います。平山夢明氏の新作も、『デブを捨てに』に続いてこれまた最低最悪の極みを見せつけてくれて期待通りに超おもしろかった。表題作の「ヤギより上、猿より下」はいかれたちょんの間の姐さん3人と客引きオバチャンと雑用のおかずちゃんのものすごくゲスくて悲惨やけど最終的には心洗われる胸キュンストーリー。経営難からヤギの甘汁ちゃんとオラウータンのポポロちゃんという獣をふたり(二匹?)雇い、そこから色々とはちゃめちゃな事件が起こりまくり、でも本当に最後の結びの一文がものすごくキュートで、平山夢明てこんな芸風もあるんかよ! てなりました。I田さん演出で瞳ちゃんのメンバーで劇にしたら超たのしいやろな〜なんて勝手に妄想。

ヤギより上、猿より下

ヤギより上、猿より下

コンビニ人間

コンビニ人間

読書が楽しくなったので夜、ひさしぶりに中央図書館に自転車を走らせる。の前に選挙の期日前投票へ。わたしはマック赤坂が立候補し続ける限りマックに入れ続けます。ほんでひさしぶりに東京拘置所まわりをぐるっと自転車でひと回りして物思いに耽りながら、北千住の中央図書館へ行く。けど色々寄り道してちんたら自転車漕いでたので、ついたら閉館30分前であんまりゆっくり出来なかった。閉館で追い出されて外に出たら、ちょうど隅田川の花火大会で、遠くの方にちっさくオモチャみたいな花火がポコンポコンと上がっていた。わたしは人ごみとかお祭り騒ぎはファックなので、花火大会はこれぐらいの距離で通りすがりに見るぐらいがちょうどやなと思った。

7.31日
おひるにC子せんせいと渋谷のアツコバルーというところへ都築響一さんの『神は局部に宿る』という展覧会を見に行った。全国のおもしろラブホの写真や秘宝館やイメクラの写真がたくさんあって、秘宝館から女体も何体か来ていて、ふたりではしゃいだ。オリエント工業ラブドールちゃんも来ていて、触ってみたら確かにダッチワイフとは違って柔らかかったけど、ゴム感は否めない感じやった。しかしこの展覧会、おしゃれガールやアートなボーイ、あとイケイケなカップルなどで大繁盛やった。エロ産業はアートな切り口ではすごくポップでファンシーになるんやな〜。展覧会みたあと、文化村の近くのシャルマンという喫茶店でお茶しておしゃべり。まだ『女中たち』終わってから一週間しか経ってないのに、すごくひさしぶりにC子せんせいに会った気がした。2時間ぐらいおしゃべりして、一緒に山手線に乗り、新宿でお別れしてわたしは高円寺円盤へ。昨日T口さんからCOMICミツザワの新しいの出来たから取りに来て―とメールもらったので行ったけど、T口さんは不在やった。COMICミツザワ「ボーイフレンドその3」という小説を寄稿しています、創刊準備号からずっと連載している連作短編小説です、読んでみてネ。円盤を出てぼんやり歩いてたら、すごくひさしぶりに某女性をみかけ、うっかり目が合ってしまい凍り付く。「きも。どこ見てんだよ!」と瞬速で罵られた。こんなに出会い頭に悪意剥き出しにされる相手って、そうそういるもんじゃない。もう6、7年ぐらい前のことやけど、ちょっと因縁ある女性で、と言っても別に男を取り合った過去があるとか全くそういう類ではないのやけど、でもわたしも当時はすごくしんどい思いをしたし、未だに反射的にびびってしまう数少ない相手でもある。わたしが声を大にして高円寺が嫌いというおおもとの理由はこの女性の存在のせいかもしれない。けど、今思うと、そんな大したことじゃなかったような気もする。せやけど当時はわたしもまだ20代前半でピュアで傷つきやすかったのです。当時のしんどかったことを色々思い出してしまい、なんか帰り道すごく落ち込んだ。あーわたしもまだまだやな。