10.19〜25日記

10.19月
謎の悪熱&腹痛で目覚める。この寒気は絶対熱あると思って体温計咥えるも、37度ちょいで微熱程度。まあでも瞳ちゃんが終わってなんか気が抜けて調子が狂っているんやろうなあと思ってなるべく安静に過ごす。瞳ちゃんLINEグループがあって、主に連絡事項とか情報を共有し合ってたやつなんやけど、その瞳ちゃんLINEが朝からひっきりなしに鳴っている。写真とかがまわってきたり、それぞれの翌日の心境なんかがぐるぐる。瞬発力で返信を繰り出すのが得意でないわたしはみんなの盛り上がったままのトークになかなか参入できず。ツイッターで瞳ちゃんエゴサーチをしたらすごい量の感想が出てきて感激する。改めて、おもしろい劇やったのやなあと実感。

10.20火
平常運転の平日がはじまる。普通に労働。もう頭の中でセリフのおさらいとかしなくていい。けどついつい口をついて出てしまいそうになる。あんなにゴキゲン自信満々にタブー用語を叫ぶことは人生最初で最後やろう。お芝居の中の演技やったとはいえ、なんらかの発散になっていたんやろうなあと今更思う。歌うのんとはまたちょっと違うけど、叫びながら確実に脳みそで快感ドーパミンが出ていた気がする。「かわいいものはシャブみたい♡」というセリフがあったんやけど、いけない言葉もシャブみたい♡。

10.21水
11月2日のわらびすこ舎プレゼンツでやる、本DJに向けて選書に励むべく、本棚の前でにらめっこ。抜き出して読みだして閉じて、の繰り返し。夜はちょっくら渋谷に出て、瞳ちゃん終わったら絶対見に行こうと思ってた映画『木屋町DARUMA』を見に行った。わたしの好きなもんが詰まった男臭い良い映画やった。キャスティングがほんとすばらしくて隅々まで好きな俳優さんがたくさんでうれしかった。宇野さんのヤクザっぷりは白石作品での芸風を彷彿してニヤニヤしまくりやった。映画全体はすばらしかったのやけど、終わった後に監督のティーチインてゆうのがあって、男前の監督が饒舌にしゃべくりまくってらしてそれがちょっと、うそーんって感じやった。勝手に朴訥とした人を想像していたからやけど、芸人かよって感じのしゃべくり方でびっくりやった。客席、某DH映画部のみなさんがいらしてて、最初映画館入るときに閉まりかけのエレベーターに走って滑り込んだらエレベーター開けてくれた優しい人がいて、ありがとうございますってゆったら、あれ?ってゆわれて、O野さんとばったり。まさかって思ったらロビーにはDH映画部ご一行さまがいてらして、実はわたしもこの映画部に2,3度参加したことがあって、でももうだいぶご無沙汰していたのでこんな形で偶然はち逢うのはなんだかちょっと気まずい。でも半面、お会いできてちょっとうれしかった。


10.22木
朝からソワソワ。実はとある地上波テレビ番組にお声かけていただいて、その収録へ。お台場はフジテレビ湾岸スタジオ! 我らが足立区からはなかなかの道程。でもゆりかもめに乗るのは興奮する。テレコムセンターなる駅でおりて、てくてく湾岸スタジオへ。入口がどこにあるかわからずぐるぐるまわってしまった。わたしみたいなどう考えてもフジテレビに用なさそうな、マネージャーもおらへん一人もんで華のない女が、堂々と正面から入ってつまみだされへんか心配なりながら、受付で番組名&名前を伝えると、首からかけるパスポートを発行され、自動改札機みたいなところを通って更に警備員さんにパスを見せて中へ入る。3階へ、といわれてエレベーターで3階あがりると、楽屋の表が貼ってあって番組名と名前を探して楽屋を発見するも、これ勝手に入っていいのであろうか、わたしみたいなのが勝手に楽屋ゾーンの廊下を歩いてたら不審者と思われるんちゃうか、楽屋ついたら電話くださいってプロデューサーさんにいわれてたのやけど、どのタイミングで電話したらいいものか、とかとか悩んでたら、すぐそばのテーブルで会議してはったぽいプロデューサーさんがわたしを発見してくれて、楽屋までつれてってくれた。ホッ。楽屋はホテルみたいな一人部屋で洗面台もついてて、綺麗な6畳くらいの和室に鏡があって冷蔵庫もあって、すげーって感動する。ディレクターが打ち合わせにくるのでそれまで待っててくださいって言われて、座布団に座るも落ちつかない。なんでこんなに落ち着かないのかなと思うと、鏡に囲まれてるからやん! と気づいたりしつつ、おしっこしにいったり、並びの楽屋の名前がテレビでよくみるゲーノー人さまだらけで(この番組のレギュラーの方々やからそら当然なのやけど)なんかどえらいとこに紛れ込んでしまったんやなあってなんか笑けてくる。落ち着きなく楽屋でそわそわしてたらトントンってディレクターさんが現れて、全体の流れとか説明され、だいたいこういう感じでしゃべってほしいですけど、まあ収録なので考えすぎず楽しんでください、大丈夫ですよ、MCのふたりはプロなので、上手におもしろくしてくれるので! と心強いお言葉をいただき、色々の不安がふわっと軽くなる。そうや! 相手は超がつくプロのお方やねん! なんの心配もないわ! 時間になってスタジオのフロアへ。おや、すんごくいい匂いがすると思ったらこのスタジオフロア、番組ごとに立派なケータリングコーナーがあって、それも高級ホテルのディナービュッフェみたいなやつがずらーと並んでいる! すげー! フジテレビスゲー! きんちょーしながら前室でマイクなどをつけてもらい待機。時間なって呼ばれて、セットの裏側で待機。MCのおふたりに名前呼ばれ、ADさんに扉あけてもらってセットの中へ。ウワ〜すごい! テレビでみてた景色そのまんまがある! しかもテレビの中の人が今目の前で動いている、わたしにしゃべりかけてくれている! 実はMCの片方の方のこと、わたし結構ファンで存在としてソンケーしていて、だけどその分驚異でもあり、きっとわたしみたいなんが出ていくと瞬時にすべてを見透かされて、あんた何もわかってない! とかってお叱りをうけるんではなかろうかとびびっていた。のやけども、実際おしゃべりしてみるとものすごくお優しく懐深いお方で、わたしの緊張をほぐしてくれつつおもしろく転がしてくださり、楽しくおしゃべりしていたら本当にあっという間に時間が過ぎた。あーたぶんこれ、いま、この瞬間、わたしの人生のある方向でのピークや。こんな華々しい場所に呼んでもらえるなんて最初で最後やろう。プロデューサーに楽屋まで送ってもらう道すがら、よかったらご飯食べてってくださいっていわれて、普段ごはんとかあんまり好きじゃないし正直緊張しすぎておなか全く減ってなかったけど、フジテレビのごはんを食べれるなんてアトラクションは金輪際ないかもしれんっと思い、よろこび勇んでいただくことに。ホテルビュッフェみたいなおかずが入った銀の四角いぐつぐつがいくつか並んでて、ギャルモデル風のおねえさんがよそってくれるのやけど、このおねえさん(たぶんわたしよりは年下)のわたしへの、こいつ誰やんってゆう軽蔑の目が、この日いちばん怖かった。でもごはんはとってもおいしかった。廊下でたくさんのゲーノー人を見かけた。みなさんお美しく華々しかった。人生なにがおきるかほんまわからんわ〜と噛みしめながら、しかし思い上がってはいけません、調子こいてはいけませんっと自分を戒めながら帰った。

10.23金
早朝から労働。帰宅して本DJ用の最終選書をしてコンビニで大量にコピーし、わらびすこ舎副舎長にレターパックで送る。N村Pからアルバムのミックスが届いたので聴く。パソコンからCDRに焼いてプレイヤーで聴きたいのに何故かCDRに焼く行程が何回やっても出来ない。途中で挫折して寝る。

10.24土
3時ぐらいに起きちゃって、郵便物とかの棚を整理しててふと、請求書の束をみて、あれっわたし、わらびすこ舎業務、6月から請求書一個も書いてないやんって気が付き、一気に4か月分書きまくる。これで総額まあまあになるではないか! 実は労働減らして財政きびしかったのでちょっと助かった。昨日挫折したCDRに焼き、結局昔の古いパソコンをひっぱりだしてなんとか成功。わたし普段は本当に音楽全般を聴かない&自分の音楽なんてほぼ聴かないのやけど、アルバム制作のこの行程、ミックスしてもらうときだけ、毎回CDウォークマンに入れて持ち歩いて外でイヤホンで聴きまくる、ていう習慣があって、なんか電車の中や街の中、東京の景色を見ながらどう聴こえるんかな〜みたいなのを大事にしたい感じがあって、今回もウォークマンで聴きながら、池袋へ。なんと唐組の秋公演『鯨リチャード』を、既に一回見たにもかかわらずまた見に行ってしまった。池袋から鬼子母神さんへイヤホンで自分の曲聴きながら歩く。先に番号引き換えて、開場までの時間、夕方の鬼子母神界隈をぐるっとお散歩。実は東京に出てきて一番最初に住んだのが目白と池袋の間らへんやったので、あーこのへんで迷子になったことあるわ〜とか懐かしくなりながら歩いた。ナイスな古本屋往来座で2冊購入し、再び紅テントへ。整列してたら木村健三さん率いるマシュマロウェーブご一行さまとばったり。開場して運よくまたしても最前列がひとりぶん空いててはまりこむ。『鯨リチャード』は二度目やけどやっぱりおもしろくって、一度目とは全然違う視点で見えて色々発見やった。前回は主演の田口役とリチャード役と薬売人エリ役のお三方の、恐らくは唐組の若手群の輝きがすばらしくって感動したのやけど、今回は2幕から出て来る、頭部・右前足・左前足・右後ろ足・左後ろ足・しっぽからなる、お馬さんに釘付けやった。このお馬さんの人たちが担っている役割ってすごく重大で、少ないセリフの中にもすごく人間としてハッとなる言葉がちりばめられてて、改めて感動した。いちばん最後のシーンも、前回の御茶ノ水でみた演出と変わっていて、屋台開きのあと鬼子母神の森の中をぱっかぱっかと走っていくお馬さんがすごく素敵やった。終わってマシュマロのみなさんと一緒にちょびっと打ち上げにお邪魔。近くで見るヒロイン藤井さんのお美しさにどきどきした。女優さんて、ヒロインって、こういう造形物として非の打ちどころがない美しさあってこそやな〜としみじみ思った。打ち上げを離れ、マシュマロのみなさんとベローチェでお茶して帰った。

10.25日
中学校のときにお世話になっていたとある方と、ひょんなことから久しぶりに会いましょうってなって、江戸川区の平井というところへ行く。当時は阪大の大学院で仏文を学んでらしゃって演劇もやってはった、ひと回り程年上のこの方は、昔のひ弱な文学青年な香りはどこぞへって感じで今は社会保険労務士というむつかしいお仕事をされていてご自分の会社を取り仕切ってばりばり稼いでらしゃる貫禄たっぷりの成功者の顔付をしてらっしゃり、わたしの周囲には全くいないタイプなのでなんやか新鮮やった。昼間っからステーキなんかをご馳走になってしまって恐縮。ちゃんと社会に参入し確固たる地位を築いて揺るぎない上昇志向で成りあがっていかれた男の半生を聞き、15年前のこっち側の顔を知っているだけに色々と不思議な感じやった。しかしそんなご立派な成りあがり社長は現在ももクロにどはまりしていらっしゃるらしく、いちばん鼻息荒く語ってはったのはももクロの魅力についてやった。ところで家が寒い。もうこたつに埋まり込む生活をしているのやけど、それでも寒い。冬が来るなあ。まだ全然年末ちゃうけど、すでになんか振り返りモードになっている。今年はまさかのお芝居に3回も出たり、ちょびちょび文章を書いたり、テレビなんかに呼んでもらったり、色々思ってもないことをたくさんやらしてもらったなあ。まだあと2か月ちょいあるけど、もう今年たのしかったからあとはなんでもいいかって気持ち。