遠足みたい

夏休みが終わる、てゆうてもわたしみたいのぷらぷらしてる人間はずっと夏休みみたいなもんか。ちょっと遠くへ行きたくなって、なんとなく夏くさい感じの場所、鎌倉に行った。普段自転車で動ける範囲しか基本おでかけしないので、1時間以上電車のるなんて結構なレア体験。東横線、車窓から外を眺めていたら玉川あたりかな、どわーっと大量の高層マンションが団地郡のように乱立しまくってる場所があってちょっと興奮。なんかわからんけどわたしはどでかいマンションとか団地の類をみるのがすきで、そこに暮らす人々のプライベーツやら経済状況やらを勝手に想像していつもニヤけている。わたしは大阪のベッドタウン的な街の近くで生まれ育ったので、わりと団地やらには見慣れてるのやけど、東京のベッドタウンはなんちゅうか格が違うよね。てゆうか普通に家賃が全然違う、よって階層が全然違う感じ。そんなこんな風景をみながら横浜について、横須賀線に乗り換えていざ鎌倉。降り立って早々、なにこの暑さ!死ぬる!どろどろの汗みずくになりながら小町通りを抜け、目的の神奈川県立近代美術館鎌倉別館へ。最初間違えて鎌倉館の方にいってしまったら全然違う展示がしてあって焦る。ガードマンに聞くと別館はさらに遠い。あかん、暑すぎて熱射病的なあれでひっくり返りそう。なんとか鎌倉別館に到着。そうです、わたしがはるばる鎌倉にやってきたのは、この野中ユリ展をみるため!

わたしはベタに澁澤龍彦経由で野中ユリに到着した感じなのやけど、彼女の装丁の本がどれもこれもだいすきで、彼女のコラージュ、青水色エメラルドの宇宙で埋め尽くされた美術館内、どの額縁の中を覗いてもどきどきしてそわそわして、本当に最高やった。この感じ、完全に忘れていた。この数年で脳みそのおっさん化が著しく進行してしもたわたしは、世俗にまみれた下衆い事件や下世話な物事にしか心動かんようになっていた。でもひさしぶりにこの感じ、思い出した。うまいこと言葉にできんけど、額縁の中に吸い込まれて野中ユリ宇宙の藻屑となって漂って、唐突な不思議に遭遇して、驚いてときめいて、はああああ〜なんてたのしいの!そんなに広い館内じゃないのやけど2時間ほどぐるぐる観覧、もっとずっとおりたかったけど強烈な冷房でキンキンに冷え切った身体がもうギブ!てなったのでおしまい。図録買ってかーえろっておもったらなんと売り切れでした、ちーーーーん。腹いせに、帰りの小町通りでバターせんべいなるものを買って帰った。帰りの電車、人身事故で1時間ぐらい遅れてて、おなか減りすぎてバターせんべい半分ぐらい食べてしまった。電車でおやつ、遠足気分でたのしかったけど、普通にお行儀悪い大人です、ごめんなさい。


妖精たちの森―野中ユリ画集

妖精たちの森―野中ユリ画集

これほしいー!!!!