ほんまにあかんやつ、あかん部位

中村うさぎ『狂人失格』名誉毀損うんぬん問題で、その訴えた優花ひらりのモデルになった女性のブログがまじでアレがアレすぎて、いやもうほんまにまじであかんやつ、ひさしぶりにまじであかんもんを見てしまった感じ、こわいこわいこわい、でも面白くて遡ってめちゃめちゃ読んでしまっている。出てくる土地的な景色が、重ねたくはないけどわたしの母親の故郷の近くなもんで馴染みある固有名詞ぼろぼろでてくるから色々うわわわ〜です。しかし読んだのは結構前やけど『狂人失格』は文句なしに面白い小説で、この絶対どう考えてもあかんやつ、あかん部位、超絶デンジャラスゾーンに踏み込んだうさぎさんはやっぱり間違いなくかっこいい!そして小説読んでもブログ読んでも名誉毀損は見当違いとしかおもわれへんよね!

狂人失格 (本人本)

狂人失格 (本人本)



本貼ったついでに、最近読んだり観たりしたもんを思い出したやつだけてきとーに報告。

飛田ホテル (1971年) (角川文庫)

飛田ホテル (1971年) (角川文庫)

わけありな人々って東京にはあんまりおらへん、いや行くとこに行けばおるんやろうけど、西の方が断然多いやろなあとおもう。飛田ホテルってゆうのはホテルやなくてアパートなのやけど、わけありな人々が住んでいて、パン助が男連れ込んであれこれしてたりやのでそうゆう呼び方されてて、まあそこの住人の女性が死んで……的な事件ものの小説なのやけど、西成のあのへん、いま現在でも実際にあるあるな話やろうなあとおもう。でも表題作よりその次の「口なしの女たち」てゆう、売春で生計をたてている唖の女たちが集まる神戸新開地の中華料理屋さんがあって、そこに通ってたびっこの大学生が殺されて父親が犯人探しに行く話がとてもよかった。


岬 (文春文庫 な 4-1)

岬 (文春文庫 な 4-1)

中上健次紀州、和歌山の部落集落出身てゆうのは有名なはなしで、芥川賞受賞のこれは具体的に部落云々って描いてるわけやないけど、みんなだいたい土方仕事で身を立てていて、中には女人夫もいて、豚の糞尿にまみれ豚小屋のそばの溝を掘ってたら、金持ち集落の方から悪戯でソーセージを入れたコンドームが流れてきて、それを塩焼きにして食べる青年たち。腹違い種違いの兄弟がわらわらいて、刃傷沙汰も珍しくなく自殺者も多い。もつれまくる家族関係親戚関係やら近所の人々、すべてが貧しく苦しく切羽詰っていて、最終的には己の血を呪うあまり、妹と性交てゆう結末。この手のはなしを読むと、学生時代バイトしていたコンビニの常連の前歯がないおばさん一家をおもいだす。その人にはもうとおに成人してるのから幼児まで10人ぐらい子どもがいてみんなおなじ顔をしてて、たぶん特定の旦那はおらず、すごく小さい狭そうなアパートにみんな一緒に住んでいた。そこの息子のひとりがなんと一緒にバイトするはめになり、しかしもう18歳やのに字が殆ど書けず、饒舌で口はめっちゃ達者やねんけど嘘ばっかりつくし、色々困ったけどその一家の事情を勝手に妄想して感慨深くなったりしていた。あ〜あの一家はまだ健在かなあ。


とあるきっかけから自分内で空前の本橋信宏ブームが起きて読み漁っていて、インタビューとか風俗ルポとかでもなんか文学臭とゆうか拭い去れないインテリ臭みたいのが染み付いてる文章やなあておもてたけど、小説読んだらなるほど!とゆう感じ。エロとかアウトローとかのど真ん中でがしがし稼いできた中年男子の、ひそかな心許なさが結構しみる。太宰に近いなーと勝手おもいました。


山田詠美とかわたし、中学生の頃『風葬の教室』読んだぐらいで特に好きじゃなかったのやけど、この新刊はほんまにすごかった。家族崩壊もんの小説は多々あるけど、これはちょっとたぶんピカイチやとおもう。詠美、超わかってるわ〜。ほんまに家族を壊したことのある人しか書けん作品とおもう。あれ、山田詠美て所帯持ちやっけ。



これ、最高やったね!


遠浅の部屋

遠浅の部屋

ひさしぶりに漫画買った!あかん、胸きゅんやわ〜!




一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ

一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ

あとこれは読んでませんが、遠野なぎこが気になりすぎる最近。。。