続・文化摂取

適当に読書録などを。



ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)

ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)

なんかおとなしめの洋物を読みたいなあとおもて図書館で借りたのやけど、結構きついおはなしでした。読書魔で本の虫で倉庫で本の整理の仕事をしながら密やかにつつましく過ごしてきたソーネチカちゃんが、結婚して女の絶望の中をめっためたになりながら生きてゆく、どんなに最低最凶な不幸の只中にいても、誰も憎まず荒れず怒らず、苦を噛み締めても静かに微笑んで生きて老いていく、救いのない話やった。なんか野溝七生子の『山梔』をおもいだした。阿字子ちゃんが、あのラストの後どんな風に生きてったんかなって、いや山梔のラストってあれ、あのまま死んだ説が濃厚やったけ。どっちにして、本の虫の成れの果てに普通のしあわせはないらしい。
山梔 (講談社文芸文庫)

山梔 (講談社文芸文庫)





観光 (ハヤカワepi文庫)

観光 (ハヤカワepi文庫)

これもおとなしめ洋物とおもて借りたのやけど、土臭いアジアンな描写の連続にちょっと胸がヤケヤケ。でもおはなし自体は貧しい兄弟の思春期真っ只中の青くさい物語でほっこりできました。




共喰い

共喰い

なんか受賞時色々ゆわれてたけど、読んでみたらめちゃんこ古典的なザ・芥川賞もんって感じで、しかも寧ろこてこての石原イズムな(政治家石原じゃなくて小説家石原の方)描き方やんかーておもた。古臭くて暗くてねちっこくて読みにくい本やけど、ほんまのおかあちゃんは手のないカタワもんやとか、父親が息子に、「おまえもばっしばっしやりながらじゃろが」「どんどこどんどこやったったらええ」「なんやったら俺とおまえでやったって親子ふたり分の子産ましたったらええ」的な、暴力セックス礼賛な吹き込みをしまくる感じとか、まじで女をなんともおもてない感じが酷くて爽快でおもしろかったです。




きことわ

きことわ

いまさら読んでみたけど、想像通りに優雅すぎておくちに合いませんでした。




群像 2012年 04月号 [雑誌]

群像 2012年 04月号 [雑誌]

なんか群像のデザイン、まだ違和感やわ〜。しかし、川上未映子阿部和重町田康、て三本柱に並べるとか、なにこの感じ!露骨!とかって正直おもいましたけど、木下古栗の新作まで載ってて小島信夫の再掲まであったので久しぶりに文芸誌を買っちゃった。みえこさんの新作、前回の『すべて真夜中……』は血圧下げ気味やったのに今回の『お花畑自身』はまた頭血のぼってて良かったわ〜。古栗の『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』も、相変わらず無意味にいかれててええわ〜っておもてたら最後いきなし「来るべき消費税増税に抗議して自殺する」て憂国精神を剥きだして終わるなんて!町田康の『ホサナ』はたぶんゆうてる間に単行本なるであろうと予想して途中で読むのやめました。安部何某は興味ないので読まない。





あとシアターNでこれを見た。

超興奮したわ〜!監督の大畑さん、ポレポレのコント夢芝居にいらしてくださってて、おはなししたらなんと同郷、箕面の人やってん!数少ない、北摂のスターやなと誇らしくおもいました。