おぼんきらい

先週末は諸事情で父親が我が家にウルルン滞在しにきており、近所をお散歩して代々木八幡さんにお参りしたり、勝新のマンションを拝みにいったり、日高屋でラーメン食べたり、夜は寝転んで親子ではあんまり話せんようなアダルトな話が弾んだり、どれもこれも当たり前のことのようで実はこの歳になってはじめてかもってことだらけで、なんか新鮮でおもしろ体験でした。父がわたしの本棚の本読みながら時間つぶしてるのをみて、その昔中高生の頃、父の本棚から本抜いて読んでいたなあなんておもたりして、わたしは文化的な血筋は断然、母より父の血が濃いやろなあて改めておもてしみじみした。しかし父とふたりで、表面上はわりとたのしく過ごしつつも、いや本題を話し始めるとほんまに途方もない解決しようのない大問題がそびえていて、わりと冗談抜きでこれ一家心中もんやで、とか頭を過ぎって、はあ、全くもって笑えない。


なんとなく最近の読書



群像 2012年 09月号 [雑誌]

群像 2012年 09月号 [雑誌]

海猫沢めろん『モネと冥王星』  母VS娘て形態をとっているけど、理系VS文系の話でもあり現実VS物語の話でもあって、心の有無、夢の有無、死の意味、典型的な哲学の命題をわたしレベルの脳みそにも届くように丁寧に紐解いてくれてるおはなしやった。でもやっぱりめろんさんなだけあって最後は情緒的なものが勝つ、青々しくて胸がきゅうんとなるええはなしでした。しかしめろんさんは毎回作風がぜんぜんちゃうからびっくりする!



新潮 2012年 06月号 [雑誌]

新潮 2012年 06月号 [雑誌]

松浦理英子『奇貨』  いつもの松浦もん定番のレズビアン要素もあるけどどっちかとゆうと、同棲ではない同居人同士の嫉妬から来る軽犯罪がテーマて感じで、ちょっと身に覚えありな部分あったのでぶるっとした。このおはなしではわかりやすく同居人の盗聴なのやけど、気付いていてもすぐは問いただせない感じとか、はっあの感じ!とどきどきした。でもなんかすごいあっさり終結してちょっと拍子抜けた。
川上未映子『十三月怪談』  女性はだいたい二十七歳あたりで免疫ががくんと下がって……とゆう前振りからはじまって主人公ほんまに不治の病になって死ぬからよ、歳もおなじやしおいおいおい全くもって今のわたしやんけ!て焦った焦った焦ったわー。で、妻がそうやって死んでしまうのやけど、お化け的なアレになって旦那を見守ってるって話やから、最近のみえこさんぽい感じの純愛もんでした。



新潮 2012年 05月号 [雑誌]

新潮 2012年 05月号 [雑誌]

綿矢りさ『ひらいて』  前半ものすごいタルくて読むんやめよかとおもたけど、途中から、え、りさたんがまさかのレズもん!?(最近では百合もんてゆうやね)て感じでひっくり返されて楽しめました。これ新潮掲載でええんか、オール読物の方ちゃうんか、とか余計な心配してしまうぐらい気合はいった性描写やったわー。て、だいぶ遅れて図書館で借りて文芸誌読んじゃうのでわたし、先日本屋行ったら既に普通に単行本なってた。



冥土めぐり

冥土めぐり

ついに鹿島田真希芥川賞とりはったー!てうれしかったけど、読んでみたら、え、これで?とおもてしまいました。断然、『女の庭』がよかったなー。いや、それより前の『ゼロの王国』が一番好きやった。鹿島田氏自身が確か結婚してクリスチャンなったとかで、なにかと倫理観念うんぬんで評価されがちやったり、今回の受賞作も病の夫を介護する妻の慈愛、みたいなテーマやってなんかなー。鹿島田氏て、もともと毎回スカトロがデフォルトで純文学ぎりぎりきわきわ攻めまくりの作風やったのにね、ちょっと残念よ。