幸福の幻想

「実は母を探してるんです」「どんな外見ですか」「夢のような女性です。突拍子もなくて、気まぐれで、いつもビールをたのむんだけど、けっして飲むことはなくて、名前はアリス、でも本人は気に入ってなくて、『気狂いピエロ』とフランソワーズ・アルディを熱愛してます」       (ジュスティーヌ・レヴィ『あたしのママ』より)

あたしのママ

あたしのママ

柄にもなく引用なんかしてしまいました。全然名前もタイトルも聞いたことない本やけど、図書館の外国文学コーナーうろうろしてて何の気なしに手にとって借りて、そしたらめちゃめちゃどストライクで今年読んだベスト5に入るなってぐらいよかった。スキャンダラスでバイセクシャルでシャブ中のママを、愛して追いかけてぼろぼろになった娘の話なのやけど、もう何回もわんわん泣いてもうた。ママの秘密を探るために自らママの錠剤(たぶんシャブ)を飲んで死にかけたり、たった5歳でママとその恋人(女)に3Pさせられそうになったり、エピソードの一個一個もなかなか凄まじいのやけど、そんなことよりも、7歳でスーツケースにぬいぐるみとワンピースとお絵かき帳を詰めてママのもとを去って、18歳になってママを待っている今もずっとずっと一途に激烈にママを愛している、でもママは、
「あなたをしあわせにする時間もなかったのよ。あたしは自殺しなくちゃならなかったし、女の人と寝なくちゃならなかったし、盗みに入らなくちゃならなかったし。ごめんなさい、あたしは自分の人生をぶっ壊している最中。こんなひどいところに、あなたの居場所があるわけないでしょう」  てさ!泣泣泣泣泣

はー、ちょっとまもなくあれだもんで、わたしがとても嫌いなあれ、あの日までカウントダウンだもんで、問答無用に情緒不安定なっておる。なんでわたしはこうも、普通誰もがはっぴーでよろこばしいおめでたいことの全般がこんなにも嫌いなんやろうな。

もう今年も終わりやね。今年は、、、なんか全然あかんかったな!一応アルバム『明るみ』リリースしたのんは今年の1月なんか。もう遠い話。今年は、きたむらじおなんかはじめたり、カシオトーンでの曲作りに目覚めてシングル『マイクを握って』作って文字通りマイクを握って歌ったり、なんかだいぶ横道逸れてきてしもてる感が否めない感じの年やった。あ、でも11月にポレポレでワンマン企画さしてもろたり、憧れの溺死ジャーナルに寄稿させてもらえたり、うれしいこともあったはあったね。だけど一番の願いはほんのほんのちょっぴりしか叶わんかった、ほぼ叶わんかった。どうか来年は叶いますように。

どんより暗い今年の締めで、あかんね、こうゆうとこがあかんのやな、わたし。今日は今年最後のイベントで、高円寺円盤にて毎月やっている「月刊オトナの円盤」のきたむらじおの日です。今年最後がきたむらじおで、実は来年の一発目もきたむらじおなんや。。。しかも渋谷のO−NESTです、1月9日。いや、ほんまそんなおっきな場所に風呂敷ひろげるようなことちゃうんやけどな、どうするんやろう。。。もうほんま、みなさまのお悩み相談だのみです。たすけてくんろ。。。お悩みは随時募集しておるからね、warabisco15@ヤフーのアドレスになんでも、送ってください。で、同日おなじくNESTで、月刊オトナの円盤チームで竹田氏のミュージカル・プレレビューをするらしいのやが、『二十四の瞳ちゃん』てタイトルやったとおもうんやが、こちらでわたし瞳ちゃん役で歌って踊らされるらしい、、、しかし、まだなんも知らされておらん!脚本ももらてないし、練習なんか一回もしてへん!絶対むりむり!どうするねん!と、来年も早々不安しかありませんが、きっと来年は今年以上に自分でもわけからん活動が増えそうです。どうか生温かく適当に笑って見守ってくだされば、うれしくおもいます。どうぞよろしくお願いいたします。来年のあたまの予定はだいたいこんな感じ→http://sound.jp/kitamura_sakiko/live.html