5.6~12日記

5.6月

いい天気。今日は労働を休んだ。何故なら文学フリマに行くからであーる! 全国から作家さんたちが手作りジン・同人誌などを持って集まってくる一大フリマイベント。10時半頃に家を出て、いざ会場の流通センターへ。3回乗り換えて、最後は浜松町からモノレール。モノレールに乗るのは2年に1回くらいだけど、毎回スローなジェットコースターに乗っている気分を味わえてたのしい。下に海が見えるのもたのしい。流通センター駅を降りると、ほんのり潮の匂いがした。風も海風て感じでしっとりしていて、おなじ東京でも足立区に吹く風とは質が違う。12時頃に会場に到着。むむむ、すごい熱気ムンムンでその迫力に気圧される。入口で配られたブースの紹介冊子の地図とにらめっこしながら、お目当てのブースを探す。軽く迷子。人波をかき分けてなんとか僕のマリさんのブースに到着。マリさんのお顔を見たらホッとした。マリさんにご挨拶して、マリさんの新刊の「2人の2月」って日記と、「恋とコーヒーとネオン」というマリさん原作の漫画を買う。それから夫のちんぽが入らないのこだまさんのブースを探し、「でも、こぼれた」「寝ないと病気になる」を購入。こだまさんとはツイッターでしか繋がってなくて面識はないのに、「あ、北村さん!」と声をかけてくださりうれしかった。強烈なお面をつけてらっしゃったけど目はよく見えてはるらしい。その後うろうろしながらぐるっと回って、松本亀吉さんのブースへ行く。亀吉さん、居心地悪そうにしているかと思いきやすっかり馴染んでいて楽しそうにしてらっしゃった。このあたりでわたしもようやく場の雰囲気が読めてきたので、落ち着いてぐるぐる物色して回る。風俗大好きおねえさんという人がいて、気になってちょっと立ち読みしたり、ノンセクシャルというのを提唱してはる方のブースで立ち読みしたり。うろうろしてたらばったり俳優のM崎T夢さんにお会いする。「溺死ジャーナル買いましたよ」と言っていただき恐縮。T夢さんとは色んなイベント会場や映画館などでばったりお会いする。飯塚めりさんという人のブースで「東京喫茶録」という本を購入し、そろそろ人混みに疲れてきたのでぼちぼち退散。トイレに行こうとしたらすごい列でびびった。そらこんなけ人がおるとそうなるよね。帰りはバスで大森へ出て、前から行きたかった喫茶店、珈琲亭ルアンに行く。はじめて行ったのだけど、建物からかわいくて、壁とか絨毯も味わい深くて気に入った。コーヒーのメニューが豊富なので悩んだ挙句、ウインナーコーヒーを注文。すごい、金ぴかのカップで出てきた! 王様の飲み物って感じ。

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さっそく、さっき買った本たちを並べてにやにやする。まずは「でも、こぼれた」を読む。こだまさんの「ミヤケの身の上話」にほっこりしつつ、マリさんの「健忘ネオユニバース」で泣いた。マリさんのバイトする喫茶店でのエピソードなのだけど、なんて素敵な店なんだ、と何度も唸りながら読んだ。マスターはちょっと色々狂っているけど本当にバイトの子たちのことを可愛がっていて、店が愛で溢れている。羨ましい。残念ながらわたしの働く喫茶店とは正反対である。うちの店の今の店長は心がない、血も涙もない。カワノさんというお客さんとのエピソードもとっても胸きゅんだった。出来事や登場人物がいいのもそうだけど、でも何よりマリさんの文章が本当にうつくしいなあと再確認した。文章に痺れまくった。2時間くらい読書して帰路。帰りには京浜東北線でゆっくり帰った。大森、普段こっち側に来ることはないけど、ルアンはまた行きたい。

 

5.7火

今日は病院なので、ついでにひさしぶりに裁判傍聴へいくため、朝から東京地裁。一本目、罪名ストーカー。被告人は69歳の竹ノ塚在住のタクシー運転手のじいさん。じいさんはウォーキング友達だった女性と交際することになり、愛をはぐくんでいたがある日突然彼女の息子を名乗る男から別れてくれという電話がかかってきて、それきり彼女とも連絡がつかなくなり怒り心頭し76回にわたって電話やメール攻撃したのち、アイスピックを持って脅しに行ったとのこと。じいさんは酒を飲んでいるとカッとなってしまう節があり、嫉妬から彼女の前で包丁をちらつかせたりしてしまったことがあったりして凶暴なじいさんで、過去には傷害事件を起こした前科もちなんだけど、彼女はすごくよく出来た女性で、じいさんが耳が遠いのを悩んでいたら55マンもする補聴器を買ってくれたり、じいさんの息子が家賃を払えなくて困っているといったら貸してくれたり、じいさん曰く「こんなにすばらしい女性はいないです」とのこと。総じて、なんか法廷で大々的にのろけ話を聞かされてるような裁判だった。二本目、罪名監護者性交。被告人は39歳のフィリピン人の男性。結婚しており、妻もフィリピン人で、妻の連れ子がひとりと、あと二人子供がいるとのこと。今回の被害者はこの妻の連れ子。女子高生の義娘を、被告人は3歳のときから面倒を見てきたため、普段からごはんを作って食べさせたり、運動会などの際は積極的に親子競技に参加したり、実子のように可愛がっていたとのこと。そんな義娘に可愛さ余って手を出してしまったのが今回の事件。高校に入ってから義娘は何度となく寝込みを襲われており、怖くて辛かったが母親には相談できず我慢していた。が、さすが現代っ子でその旨をSNSに告白し、それを読んだ友人たちの後押しもあって高校の先生に相談し、今回事件が発覚した。被告人は無罪を主張。陰部を触ってはいたが性交はしていませんとのこと。ちなみに病院で検査したところ、陰部が傷つけられた後は見受けられなかったが、処女膜も見受けられなかったとのこと。ここでわたしはびっくりしたのだけど、処女膜って本当に形として存在するもんなんですね!わたしははじめてのセックスの際も別に血は出なかったし、破れた感覚もなかったので、処女膜なんてゆうのはてっきり男子の幻想が生んだ言葉だけの存在と思っていたのですが、こんな風に堅苦しい裁判中に言及される、しかも病院で検査の末ってことは、本当に存在するってことかー。そしてその処女膜が見受けらなかったとゆうことは、この義娘はすでに処女ではなくなっていたことになり、その相手は普通に彼氏なのかもしれないし、やっぱり本当にこの義父なのかもしれない。ドラマや小説ではありがちな設定やけど、現実にこうやって聞かされる結構キツいし、そして裁判になるような事件なんか〜と思うと結構重い話である。そして陰部は触っていたが性交はしていないので無罪を主張するこの義父だが、じゃあペッティングはセックスに入らないのか?とゆう問題になり、性交の定義ってなによって話になってくる。挿入のみが性交なんですかね。挿入ってそんなに大事なんですかね。わたしはペッティングこそ、前戯こそが愛の行為だみたいな考えなので、これにはちょっと疑問を呈したい気持ち。まあただの傍聴人にそんな権利はない。裁判を二本見て、午後から虎ノ門の病院へ。いつものように検査して診察入っておなかに高級お注射して会計。隣の薬局で大量のお薬をもらって帰路。地元についてまだ夕方だったのでベローチェに入って読書してから帰った。

 

5.8水

4時半起きで朝から普通に労働。なんと労働先、ふたりめのインフル患者が出てしまった! ぎゃ~! 絶対うつりたくないので、水飲み予防法(20分に1回水を飲むことで喉にくっついた菌を流して感染を防ぐ予防法、病院のお医者さんなんかがやってるらしい)で水を飲みまくっていたらおしっこ近くなりまくりで困った。しかし世は10連休が明けたからか、今日はあんまり忙しくなかった。帰って、10日の円盤ライブで配る新聞の原稿を書いて寝た。

 

5.9木

4時半起きで朝から普通に労働。仕事していたら、おばさまに「あなたバービー人形みたいね」と突然言われて狼狽える。どこをどう見たらバービー人形なんてことになるんだろうか。せいぜい市松人形やろ。おばさん、だいぶ目悪いな……。ところでインフル発病した女の子は目下職場恋愛中で同僚に彼氏がいるのだけど、今日はわたしは一日その彼氏の方とタッグを組むことになり、インフルうつらないかいちだんとびびりつつの労働。彼氏曰く、俺は発病してないけどたぶん菌は持ってると思う、とのこと。やだ~。その他は特筆すべきことはなし。帰って新聞のレイアウトに原稿を流しこむ作業をして、ピアノ弾いて本読んでテレビ見て寝た。

 

5.10金
すごく天気がよかったので朝から布団を干す。こたつ布団も干したかったけど、外はポカポカなのに陽の当たらない我が家はまだこたつなしじゃ暮らせない寒さなのでこたつ布団は干さず。昨日作った今日のワンマンで配る新聞をコンビニにコピーしにいき、帰りにパンを買って食べる。お風呂に入って濡れ髪のままピアノの練習。新曲をやるのでそれを中心に。髪乾かして準備していざ高円寺へ。行きしな、電車のおなじ車両に高校のダンス部と思しき女子高生軍団が15人くらいいて、すごいわたしをチラチラ見ながら笑いあってて、自意識過剰なんかもしれけど確実に嘲笑われててキツかった。わたしは電車乗ってるだけで嘲笑われる。そんなに不細工なんだろうか。不細工なんだろうね。落ち込みながらも高円寺、早く着いたので名曲喫茶ルネッサンスでライブ前の一服。わたしは喫茶店行きまくってるわりに舌がバカなのであんまりコーヒーの味わからんのだけど、ルネッサンスのコーヒーは酸味がなくて香ばしくて好きな味。1時間ほどコンセントレーション。時間になったので円盤へ。リハをさせてもらって4階で待機。4階は控室兼円盤の色んな在庫の倉庫なのだけど、今日は謎の楽器がたくさんあった。8時になって降りていき、1時間ほどみっちり歌った。新曲もやった。途中、二度ほど急激に咳がこみ上げてきて我慢が出来なくなり、歌いながらゲホゲホしてしまった。たぶん人生で初。びびった。一回咳込むモードに入ってしまうと、喉がそういう態勢にハマってしまって、ライブ中ずっと喉がかゆかった。ああいうときの対処法ってなにかあるんだろうか。なんとかしたい。今日はお客さんが過去最低人数だったけど、新曲をやるのはそういう時の方が案外いいかもな~なんて思った。帰りの電車でも咳込んでしまい、もしや風邪か? インフル? そんなアホな! 絶対信じない! と決め込みながら帰った。

 

5.11土

風邪ではないと思うんだけど、身体がだるくて元気が出なくてなかなか布団から出られず。一回起きて洗濯干したけどまた布団にリターンして、結局一日布団入ったり出たりしながらだらだら過ごした。夕方からおでかけしようと思っていたけど中止。ギャオでタルコフスキーの映画『ノスタルジア』を見た。学生時代も見たけど意味わからなくて、そろそろ大人になったからわかるかな~と思って見たどやっぱり意味わからなかった。映像がかっこいいことだけはわかったけど、たぶんこれ、意味とかじゃない映画ですよね? マリアさまのおなかから大量の小鳥たちがピヨピヨ飛び立つシーンがよかった。それ以上の感想はなし。ひさしぶりにメンタルに大きな暗雲がたちこめている。薬をばきばきにキメて早めに布団に入った。


5.12日
昨夜寝る前に、溺死ジャーナル特選随筆集「もっとひどいやつをお願い」の雨宮まみさんの文章を読み返していて、ああまみさんはもうこの世界にはいないんだなあとしみじみ感じて、まみさんが亡くなって2年半が経つけど、まみさんの文章によって救われていた部分を埋めてくれるような何かは見つかっていなくて、なんか急に生きることがキツくなってきて、そしたらツイッターで、とある画家の方の訃報が流れてきて、わたしは別に面識はない人なんだけど、いい絵を描く人だなあと思っていたのでうっとなった。今日になって自死だったとゆうニュースが流れてきて、歳も一個違いだった。同年代の自死はキツい。そんな気分だけど今日も4時起きで労働。同僚たちと最近見た映画の話になり、39歳男&25歳女「ポケモン」37歳男「コナン」と言われ、なんともいえない気持ちになった。別に映画の趣味に貴賎はないが、全く文化的じゃない同僚たち、ここまでくるとちょっと微笑ましく思った。