5.13~19日記

5.13月
4時起きで朝から普通に労働。37歳の副店長S水さん(滝藤賢一似のイケメン)はドリームジャンボ宝くじを買っていて、それの発表が明日とのことで、ウキウキしておられ、もし3億当たったら……妄想をしながら楽しく働いた。S水さんは当たったら翌日から仕事バックれるので探さないでくれ、とのこと。3億当たったら何がしたい?と聞かれ、とりあえずわたしは引越しがしたい、3LDKくらいの広い部屋に引越しして、書斎的な本なんぼでもおける部屋をつくり、渋谷の丸善ジュンク堂書店で、カートで本を爆買いして、毎日好きな喫茶店行ってだらだら読書して暮らしたい、もちろん労働はやめるでしょう、が、そんな暮らし1ヶ月もしたら飽きるやろうな〜、わたしは何を望むって、欲しいものって、結局はお金では買えないものばっかりやなあ〜とゆう結論に至った。まあお金も欲しいけどね。

5.14火
4時起きで朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。労働後、紀伊國屋書店で赤松利市著『ボダ子』を購入し、夜はE本さんとデート。三平ストアの5階にある、はやしやとゆう、レトロな洋食屋さんに行った。靖国通りが見下ろせて夜の新宿を感じながら、オムライスを食べた。E本さんと会うのは入院中お見舞いに来てくれた以来だったので(その後一回ライブにもきてくれたけどゆっくり話は出来なかったので)、お互いつもる話が出来て楽しかった。E本さんはわたしより9歳も年下なのだけど、上下関係なく(のつもりだけど気遣わせてしまってるかもしれない)きゃっきゃとたわいも無い話を出来る貴重な女の子だな〜と思った。2時間くらいでお店を出てもう一軒いこかってなって、ミスドに入り、カフェオレお代わりしながらさらに2時間半くらいおしゃべり。お酒なしで健全におしゃべり。E本さんの最近出来た曲を聴かせてもらったらこれがすごいよくて、フレンチポップスみたいなオシャレな曲調なんだけど歌詞はしっかり言いたいことがある内容で、E本さんのこうゆうところが好きだなって思った。E本さんは見た目も山口小夜子似の美人さんだしすごくおしゃれさんで音楽の趣味もよくって楽器も何でもできる最高ガールなんだけど、ちゃんと嫌なことは嫌ってゆうし、主張がある女の子なので信用できるなあと思う。E本さんとのトイピアノユニットのライブも、そろそろまたやりたいねって言い合いながら、小雨の降る新宿を歩いて帰路に着いた。

5.15水
天気が良いので朝から洗濯。昼から自転車でI田さんちにミュージカルのチラシを取りに行き、しばし金太(猫)を撫でて、天気もいいので外に出てちょっとふたりで散歩しながら最近のムカつき話でひと盛り上がりした。I田さんと別れ、自転車でいつもとは違う道で、そうゆえば綾瀬コンクリート殺人事件の現場この辺やったな〜と探りながら帰った。今は静かな住宅街になっていて何の面影もない。いろんな種類のカラフルなバラが咲き乱れているおうちがあってしばし見惚れる。バラの季節なんやね。帰って、昨日買った赤松利市の『ボダ子』を読み始める。

ボダ子

ボダ子

 

 住所不定無職の62歳、平成最後の大型新人現る!と歌われていたデビュー作の『鯖』もすごかったけど、今作は赤松さんの人生がすごい筆圧で描かれていて、すごい人生すぎて目眩がしながら一気に読んだ。ボダ子のボダとはボーダーライン人格障害境界性人格障害からきていて、主人公浩平は境界性人格障害の娘がおり、それだけでもたいへんなのに、浩平の人生はそれだけではない。結婚3回以上している上に、薄幸の美人が好きすぎて宮城の田舎の極貧の愛人を囲い、日夜肛門を責めまくりの性奴隷に育てている。仕事は土木系のコンサルタントをしていて、いいときはめちゃくちゃ稼いでおり正規の仕事の他に裏金の収入も山盛りあったんだけど最終的には全てを失い、家族もめちゃくちゃになり、ボダ子も一時は病気も回復の兆しを見せボランティア活動に励んでいたと思っていたのだけど本当はそのボランティア先で最悪なことに手を染めていた挙げ句の果てに失踪、金も失い、娘も失い、最後の父親としてのあとがきがつらすぎて泣いた。こんな小説読んだことがない。これが小説として書かれたことが衝撃やし、奇跡やし、私小説の極みを見せられて、身の毛がよだち、五臓六腑および肛門の震えが止まらなかった。すごい読書体験やった。赤松利市、何者なんや。今いちばん気になる作家。

5.16木
4時起きで朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。

5.17金
ゆっくり起きて、準備して800枚のミュージカルのチラシを抱えてヨボヨボと電車。今日は唐組さんの公演『ジャガーの眼』にチラシ折り込みさせてもらいにいくのである。その前に喫茶店トロール東池袋にある喫茶マーガレットに行った。

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高架下の、前にみちくさ市打ち上げでお邪魔したサン浜名とゆう量がすごい居酒屋の並びにあった。テント屋根に「マーガレット」と書かれたフォントが可愛くて外観からたいへん好み。11時過ぎだけどまだモーニングいけますよとママさんに言われたのでモーニングを注文。プレートにゆで卵置きが付いていて、トーストは小さく切ってくれてて食べよい。ふと、なんか違和感と思ったら店内無音であった。だいたい喫茶店って有線とかラジオとか何かしらBGMがついてるんだけど、このお店は完全無音。斬新。奥にサラリーマンがいたけどおしゃべりしてなかったので、完全なる静けさが立ち込めていた。12時すぎたら近くの昼休みのOLさんたちが何人かランチにやってきて少し賑やかに。しばらく読書して、12時半くらいに店を出て、歩いて鬼子母神さんを目指す。アイホンの地図を頼りに歩く。日差しが強くてもはや夏のように暑い。13時から、紅テント横の小屋で折り込みに参加させていただいた。色んな唐組に所縁ある演劇の団体さんが折り込みに来ていらっしゃってて緊張した。1時間くらいかけてせっせと折り込み。指の油がなくてカスカスなので紙めくるのに苦労したけど、単純作業好きなので結構楽しかった。折り込み終わってまだ14時、明治通り沿いをあるいて古本屋さんの往来座に寄る。往来座は取り揃えが素晴らしいし本棚も見やすいし、良い古本屋さんやなあ〜といつも思う。こっそり棚見てたら店主さんに「あれ、北村さん?」と話しかけていただき、腕の心配をしていただいた。恐縮。往来座をでて、テクテク歩き、今度はジュンク堂に寄る。立ち読みしていたら、若い可愛い女性店員さんに「北村さんですか?大好きです!応援してます!」と声かけていただきびっくり仰天。ありがたい。雑誌、文芸、文庫、新書、ゆっくり店内をパトロールして帰路。上京してきて初めて住んだのは実はこの辺、目白と池袋の間くらいやったんやけど、当時は池袋の感じがどうにも嫌いで近寄りたくなかったんやけど、今になると普通に便利やし、いい具合に野暮ったくて居心地悪くないやんかと思った。交通費節約のため地下鉄乗り継ぎで遠回りして帰った。

5.18土
9時に家を出て、築地へ。今日はナックルズの連載企画でS木T彦さんと築地豊洲遠足なのである。10時に築地市場正門でS木さんと担当編集H川さんと待ち合わせ、S木さんのアテンドで築地場外市場を歩く。築地市場自体は豊洲に移転してしまってるけど、お店やさんはまだたくさん出ていてたのしい。テリー伊藤のお兄さんの玉子焼きやさんで玉子焼きを買い食いし、食べ歩き。しかしガイジン率がすごい。ほぼ外国って感じ。市場は閉鎖されているけど、屋上に登ると塀の中が見えたりして、S木さんに説明してもらいながらぐるっと探検した。それから勝鬨橋を歩いて渡り、豊洲方面へ。途中からタクシーに乗った。豊洲についてびっくり、築地とは全く違ってすごく近未来的なつくりの建物がずーんとそびえていて、どこに市場が?って感じ。中に入っても実際の市場は上からガラス張りの中を覗くくらいしかできなくて、なんか水族館みたいな感じだった。でもS木さん曰く、築地は観光客が市場内うろちょろしててターレーでぶつかりそうになって危なかったし、すぐ手の届くところにマグロとか転がってるから泥棒も多かったみたいで、そう考えると豊洲のこの感じが理にかなっているのかも。飲食店もデパートのレストランフロアみたいになってて、築地の路地裏にごちゃごちゃみたいな情緒は全くなくってつまんない。しかもトンカツ屋とか吉野家とかまであって謎。ぐるっと見学し、お昼時になったけど豊洲はどこもいい具合の飲食店ないから、タクシーで再び築地へ戻ることに。しかしS木さんは逐一「トイレ大丈夫?」とか「疲れてない?」とか「タバコ大丈夫?」とか聞いてくれてすごく気遣いの方やなあ〜と感動。築地に戻って、S木さんの案内で、路地裏にあるすべてのメニューが時価とゆう本気の海鮮居酒屋へ入る。壁にずらーと短冊のメニューがぶら下がってるんやけど、ひとつも値段が書いてない。プライベートやと怖くて入れないけど、今日はナックルズ様がついてるから大丈夫。お刺身盛り合わせ(アワビ入り)をつつきながら、昼間っから乾杯。しかしわたしは生魚食べられない&下戸なので、お刺身には手をつけず烏龍茶をちびちび飲んでいた。海鮮が好きでお酒好きな人にはたまらない環境なのに、我ながら勿体ないなーと反省。そこで2時間ほど対談を収録。後半はS木さんもだいぶ酔ってらして使えない話ばっかりだったけど楽しかった。14時に頃に店を出て、わたしは次の予定が池袋だとゆうと有楽町線が便利だからと新富町駅までみんなが送ってくれることに。駅で解散し、わたしは東池袋で降りて、鬼子母神さん近くのファミマの2階でI田さんと落ち会う。今日は夜、一緒に唐組『ジャガーの眼』を観るんである。ファミマの2階につくと、よぼよぼに憔悴したI田さんが。昨夜飲みすぎて最強の二日酔いらしい。たいへんや。コーヒー飲みながら、たわいもない話をしつつ、23日のIKAZUGOKEライブの打ち合わせをした。ファミマの2階が快適だったので18時すぎまでそこでだらだら過ごして、鬼子母神さんへ。ミュージカルの宣伝美術担当のI嵐さんとも落ち会って、3人で整列。夜は唐組『ジャガーの眼』二回目を拝見。二回目にしてやっとこさ全体の辻褄が理解出来た!3幕で伏線がばばばっと鮮やかに回収されていく下りがめちゃくちゃかっこよくって、そして改めてすごくすごく良い話で、初見以上に感動。唐組は何度も見れば見るほど、噛めば噛むほどに素晴らしさが滲み出てくるなあ〜と毎度思う。最後のテント空いたあとの借景が花園神社とはまた違って、森の中に消えていくラストが綺麗だった。終わってK井さんにご挨拶し、3人で帰路。二人は飲みに行くみたいだったけどわたしは明日も4時起きで労働なので泣く泣く断ってひとりで帰った。朝から夜までこってり大充実の一日だった。

5.19日
4時起きで朝から普通に労働。副店長S水さんは結局ドリームジャンボ600円だけ当たったらしい。ドンマイ☆ しかし今日は色々ついてない1日であった。詳細は書かないけど。