1.25〜31日記

1.25月
アルバムのリリースがいよいよ明後日ということで、色んな進行がばたばたの週明け。とはいえ普通に労働へ行って働く。休憩時間にメールあけたら某H澤氏から特設サイトのラフが出来たから確認してくれとのむねが書いてあり、開くといちばんトップにでかでかと【北村早樹子new album『私はライオン』】と書いてあり、ぶったまげる。わたしはライオンではない。タイトルは『わたしのライオン』である。しかも漢字の私ではなく、ひらがなの、わたし、である。発売元のレーベルの直属の担当ディレクターであるH澤氏が、タイトル間違っててどうするねん。私はライオンって。そんな歌ちゃうし。全然歌の意味わかってへんやんけ。と、怒りが沸々とわいてきたのやが実はこれには前置きがある。わたしの怒りが煮えくり返ったのは、これが完全にデジャブやったからである。去年の秋にやったとあるイベントのチラシのデザインを、H澤氏が確認してくれと送ってきたので開くと! 堂々といちばん大きく表記している大物ゲストさんのお名前が! 間違っていたのである! しかもその間違えた名前のチラシデザインを! ゲストさんご本人にも堂々と送り付けていたのである! わたしはこのゲストさんのことをそれはそれは超大好きで尊敬していて、そんな方にそんな特大の失礼をかましやがったH澤氏に超切れた。切れたけれどももう送ってしまったものは消せないし、ご本人は見てしまわれたしでどうしようもなく、ただただそのゲストさんに平謝りするしかなかった。名前を間違えられるのはすごくショックなもんでしょ。それは日常生活でもそうやんか。それを、こういう大事なここぞで間違える、間違ってることに気づかない無神経さ。驚愕である。という事件が4か月ほど前にあった。そして今回のこれである。H澤氏がミスったのか、H澤氏昵懇のサイトのデザイナーがミスったのかは知らん。が、4か月前のときとおなじデザイナーが作ってくれてると聞いていた。その時点でわたしはH澤氏に、不安を伝えていた。やっぱりやないか! ほれ見たことか! あなたたちのタッグは本当に適当なお仕事をなさるのですな〜。と、労働の休憩中に怒り狂ったので休憩にならず。夕方労働終わって、タワレコ新宿店10階へ、ご挨拶がてらバイヤーI田さんに会ってちょっとおしゃべりして元気もらってから帰宅。夜、先日インタビューしてもらった原稿が来て、これまた曲名を堂々と間違えて表記されていたりして、なんかさーみんなそんな感じなん? 仕事上で固有名詞間違ってても平気なん? とこれまたぷんすか怒りながら赤を入れまくり、たぶん過去最多の赤字原稿を送り返す。サイト問題で夜中、N村Pと長電話。その後H澤氏と長電話。そしてまたN村Pと長電話。疲れ切って瀕死のところに、先週頼んでいた応援コメントが、色んな方面から届きだす。それがどれもこれもわたしへのラブレターのようなコメントで、ほんとにうれしくてありがたくて泣けました。応援コメントに超応援され、なんとか生きながらえました。

1.26火
なにもかもがどたばたの進行すぎて、本当に明日がリリースなのか? だってアルバム発売のチラシがねまだ出来ていないの。これじゃあ宣伝するにも出来ないぜよ。チラシはジャケットと同じ、今回アートワーク全般をやってくれた市川力夫さんが作ってくれているので、力夫さんの仕事は超信用できるしデザイン的にもなんの心配もない。けれどもこれまたH澤氏が、依頼するのが遅すぎたせいでこんなことになっている。ラブレターのようなコメントがどんどん届き、それだけを生きる糧にしてあとは怒りを押し殺し、また別件のインタビューの直しを入れたり細々とした業務をやったりメルマガの原稿の宿題を書きまくったり。アルバムの発売日は明日、とはいえ今日からお店には並んでいて、だからほんまはお店まわりをするべき日であろう、とわたしは労働の休みをとっていたのやけどH澤氏は別件の仕事が、とかいうので夕方、ひとりでお店に繰り出す。新宿のタワレコは、わたしが今以上に誰にも知られていない頃から、売れずともずっと押し続けて展開してくれいるので、バイヤーI田さんに会いに一刻も早くお邪魔したかったのである。今回も10階&8階の2フロアで、どどーんと展開してくださってて感激しつつ、I田さんとコーナーの前で記念撮影したりなんかして、色々おはなしきいてもらう。(昨日も会いにきたのやけど)いつも思うのやけど、I田さんがたぶん作ってるのであろうあの手作り看板がすごく好き。画用紙にマジックで手書き感。そして画用紙を切り絵みたいな感じで飾ってあるの。保育園のお楽しみ会感。今回新宿店では市川力夫さん撮影のパネル写真展も開催してくれてて、山谷でバット持って元気に行進してるわたしなんかが見られますのでぜひ探してみてネ☆いっぱい写真撮ってもらったのに、例の変なジャンパーで来ちゃったことを軽く後悔しながら帰宅。

1.27水
いよいよアルバムの発売日! しかし朝からどたばたで、特設サイトがやっと出来上がって、H澤氏から、もう時間ないからこれで勘弁、とのむねで送られてきたのやが、まあ最初に来た奴に比べたらデザインもいくらかまっしやし(最初に来たやつはタイトルも間違ってるけどデザインもほんとにダサかったのである。。。)一応タイトルは合ってるし、なによりみなさまからのラブレターのようなコメントがどーんと載ることによって、どんなデザインでも許せるくらいありがたページになったので許す。そしてそれの告知をなんとかやりおえてから、都会に繰り出し、一日お店まわり営業ツアーに繰り出した。昨日と違ってH澤氏とずっと回らなければいけない、これは現在のわたしにとってとても苦行である。色んなことに苛々してしまってあかんのやけどとりわけ我慢ならなかったのは、H澤氏がPASMOもSUIKAも持ってないということ! このお店まわり営業ツアーはたくさんたくさん電車に乗るわけです。その度に足止め食らって、H澤氏が切符を買うのを待つ、という余計な時間が加算されていく。H澤氏はすぐなくすからPASMOは持たない主義! と堂々ともっともらしくおっしゃるわけですが、それさ〜一緒に行動する人への迷惑とか一切考えてないよね。。。そういう精神性がもうあかんねん、と苛々しながら、渋谷、下北、新宿、中野、御茶ノ水タワレコディスクユニオンをまわりまくり、それから下北の古書ビビビさんと、中野タコシェさんに納品にお邪魔したりもした。ビビビさん超いい取り揃えの古本屋で、ゆっくり見てまわりたいところを我慢して高速で物色して一冊だけ購入。イエスの方舟事件の千石イエス著『父とは誰か、母とは誰か』を購入。中野タコシェさんでも中原昌也氏の新刊『軽率の曖昧な軽さ』を購入。本買ってちょっとだけストレス解消できたような気持ち。とはいえ、展開してくださってるお店の様子を拝見できたのはとてもうれしかったです。新宿のユニオンへ向かってる途中、ばったりS石監督に遭遇。開口一番「北村さん大丈夫?なんか顔真っ白なってるよ」といわれた。ええ、ストレスでもうきちがいになりそうなのを平静装ってるからこんな面になってますねん。。。でも一瞬S石さんのお顔みれて元気が出た。そんなこんなで精神的にかなり参った営業行脚でしたが、みなさまツイッターに不細工なグラサン女の写真あげまくってタイムライン汚して失礼いたしました!帰って夜、デザイナーの力夫さんからチラシのデーターが届く。赤と水色でかっこよくて良い感じ大満足である。しかしこれが1週間前に出来上がってたらなあ。。。と、力夫さんには全く罪はないのやが、色々悔やまれて苛々しちゃってなかなか寝付けず。

軽率の曖昧な軽さ

軽率の曖昧な軽さ

1.28木
普通に朝から労働。夜は労働先の飲み会に誘われていたのやけど、なんかもうそんな余裕は一ミリもない現在なので断って帰宅。メルマガの原稿を編集M井さんに送って、ゲラのやりとりなどをし、突然ストーブの上に鍋を置いておでんなどを炊きはじめる。石油ストーブに醍醐味ね☆ 夜はC子せんせいとのセリフ覚えをして寝た。

1.29金
おひるに飯田さんが我が家にやってきて、来週の母親教室の打ち合わせがてら家で飲む(我が家の冷蔵庫には飯田さんの置きビールがある)今週の本当にたいへんだったあれやこれやを飯田さんに聞いてもらい、だいぶ楽になった。飯田さんとしゃべってるといつもほんとに楽しくて、今日は確かなんかおちんちんの形状とかの話をしたような、飯田さんが打ち合わせのメモにおちんちんのスケッチをはじめてて笑った。まじめな打ち合わせも1時間くらいはやったかな。あとはお互いの近況報告をいつもの感じでだらだらおしゃべりして、夜は飯田さんバイトがあるのでお別れ。雪ふるという予報やから心配やったけど、意外と全然降らなかった様子。しかし家が寒い。ストーブの真横に座ってこたつに埋まってないと身体中が死体の温度になってしまう。今年は灯油が安いとはいえ、すごい減りなことに気づきちょっとびびる。

1.30土
お昼に高円寺の円盤に納品にお邪魔。店主のT口さんは残念ながら不在だったのやけどM汐さんが店番してて、「ちょっと〜みたよ〜」といきなり言われ、なんのこと???てなったけど、どうやらアウトデラックスを見て下さったようでした。M汐さん、相変わらずお綺麗だった。少しおしゃべりして、今度は大久保へ。夕方からアイヌ料理屋さんで、ドルショック竹下さんに誘ってもらって、わたしの敬愛するノンフィクション作家の上原善広さんとお会いした。上原さんの本はわたしほぼ全部持ってるくらいファンで、もともと学生時代ナックルズが愛読書やったわたし、目の前にはあの上原さんとドルさんがおるのやで! という状況に、ふと我にかえると恐れ多くてちびりそうになる。しかし上原さん、文章の感じとはまた違う、インテリジェンスな雰囲気をかもしつつもすごい気さくで下ネタもばんばん打ち返しはる、素敵なお方やった。ドルさんも上原さんも、おふたりとも本当に品が良い。ドルさんもいつもおちんちんの話ばかりしているけど、基本、すごくお品が良い。だから全然気色悪くなくて楽しい。そうか、ナックルズって実はすごく上品な雑誌やったのではなかろうか? とか考えた。途中から、上原さんの仲良しの編集さんやファンの方が集うオフ会とやらになり、AV監督からうら若き学生くんまでが集うわいわいした飲み会に。出て来るアイヌ料理はほぼ見たことがない食べ物ばかりで、飲み物もソフトドリンクも不思議なものが揃ってて、ハスカップティーとくまざさ茶というのを飲んだ。あと行者にんにくというのがおいしかった。途中で抜けてドルさんと恋バナなんかをしながら帰宅。カバンの中にはサインもらい損ねた(勇気が出なかった)上原さんの本が入ったままやったけど、たのしかったからいいかー。しかし件のH澤氏が実はまた行方を暗ましている。だいじな業務上のメールも全無視で、昨日今日と音信不通なのである。夜何回も電話したら、やっと出た。体調不良でした、といういつもの言い訳。体調不良を武器に失踪という、もう何回も、飽きるぐらい聞いているその言い訳にうんざりして、せっかく楽しかった一日もぶち壊しである。

1.31日
午前中にチラシが事務所に届くてはずになってるので、わたしは即取りに行って、各種の送り先に送ったりお店においてもらいにまわろうと準備していたのやけど、12時頃にH澤氏からメールで、佐川が遅延して届くのが16〜18時になった、といわれまたまた憤慨。そんなことあるか? どうせH澤氏が寝坊して朝事務所へ行くの間に合わんくて不在票入ってたんちゃうんか?! と、これがH澤氏ではない人やったら、そうかそらしゃあないわと思えたんやろうけど、H澤氏はこういった嘘八百を数々ついてきた経歴があるので全く信用出来ない。嘘つく、人のせいにする、逃げる、がお得意なんである。くそう、またやられたやんけ、と苛々してたらだんだん左奥歯が痛くなってきた。夕方から下北、C子せんせいとお芝居のお稽古。今日まで一場のセリフを入れてきてという宿題が出ていて、がんばったつもりやったけど、ところどころ出てこなくてつまっちゃって全然やった。本は持たずに動きに専念してやった。K子さんがプロンプを出してくださるんやけど、その声がええ声すぎて笑っちゃった。しかし稽古中しゃべりっぱなしやので、終わる頃には体力的に結構草臥れた。でもさわやかな疲れという感じ。わたし部活とか運動したことないけど、たぶんああいう感じなんかな。このままさわやかな疲労感のまま帰って眠りたいぜって思ったけど、こんな夜中にこれからわたしは赤坂の事務所までチラシを取りに行かないとあかんというミッションが。おかげでC子せんせいがごはんに誘ってくれたけど断るはめに。赤坂の事務所はじめて行ったけど、夜中で夜道ひとっこひとりいなくてまっしろいラブホが聳えててちょっとこわかった。事務所でチラシを受け取り、すぐ帰るつもりがH澤氏が失踪していた間に話し合えてなかったあれやこれやを話してしばしミーティング。ぐったり帰ってから更に夜なべして内職してお手紙を書きまくった。しかし最近夜中1時くらいになると上の階のおっさんがジイ行為をはじめてリズミカルな呻き声が聞こえる。今まで聞こえてこなかったのに、最近急にである。恐らく年齢的には40〜50代くらいの独り暮らしのおっさんなんやけど、突然性欲びんびんになったのか、それか発声法を変えたのか? わからんけど、まだまだお元気なようでよかったです。

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