10.10〜16日記

10.10月
昨夜のライブ後、飯田さんと朝まで飲んでいたので朝帰り。せっかく眠りについたと思ったら壮絶なクラクション音に起こされる。時計を見ると朝7時。怖いから見に行ってないけど、たぶんすぐ側の道で車がクラクションを30分ぐらい鳴らし続けていた。まじで30分ぐらい鳴り続けていた。うるさ過ぎて切れそうになったけど、たぶん鳴らしてる人の方が怒りがはち切れてらっしゃると思うから、ご近所の人誰も怖くて文句言いにいけないんであろう。足立区のこの種のヤカラは下手に関わるとすごい因縁つけられそうやしね。ところでクラクションて連続で12回しか鳴らないシステムになってるのやね、12回ごとに息つぎが入る。車のことよくしらんけど。しかし先週の壮絶な深夜のピンポンダッシュもそうやったけど(先週の日記参照)足立区のめんどくさい人たちは何をするにも過剰なんやなあ。ピンポンダッシュなんて普通1ピンポン〜3ピンポンぐらいやん? クラクションかって、数回鳴らせば伝わるでしょ? それを凄まじい回数鳴らしまくるのが足立区の民度の低さなんやなあ。でも、そういうバカさは嫌いではない。寧ろ足立区のそういうところがなんか可愛いと思っちゃうから好き好んでこの町に住んでいる。お昼にKさんがやってきて今強烈に追い詰められている某映画劇伴音楽制作用にエンジニアK西さんがアナログシンセを貸してくださってそれを配達してくれた。立派なやつが2台もやってきて、早速音出してみるも全然使い方がわからない! ツマミの量が多すぎるし名前が全部英語表記やからちんぷんかんぷん。色々いじくって使えそうな音を探ってみたけどこれ使い方習得するだけでわたしレベルの脳みそでは半年はかかる。でももう1週間後にはレコーディングや。メカに疎すぎる自分を呪う。

10.11火
もう1週間後にはレコーディングが迫っているという某映画の劇伴音楽制作、監督からオッケー出ている曲が3曲しかなく、作れど作れどボツりまくってあと15曲とか作らないとあかんくて切羽詰りすぎて、今日は労働やけど労働先にもパソコンとICレコーダー持って行って、昼休みもずっと作業しているわたし偉すぎでしょう。帰ってもずっと作曲。誘っていただいてたライブがあったけど余裕なくて断念。

10.12水
夜中もちょっと寝ては起きてこちょこちょ作業して、またちょっと寝て、とかそういう作り方をしてしまってるけどこれはとっても効率悪くてあかん、デキない人の作り方やとやっていて実感。わたしは集中力がすごく短時間しか持たないので必然的にこういうスタイルになってしまうのやけど、学生時代もお勉強できる人はぐわーっと集中して、ほんでちゃんと寝るときは寝てたもんね。寝てるような起きてるようなふわふわした状態ではあかん、進まん。そんな悪循環ぐるぐるのまま朝を迎え、今日も労働なのでよぼよぼと出勤。帰って作業。そろそろなんかノイローゼ気味になってきた。だってもう1週間切ってて、今回の音楽、わたしから声おかけした大好きな某大物チェロ弾き奏者S本H道さんが参加してくれることになっているのやけど、S本さんにデモや譜面を送らないとあかんでしょ、こういうのって準備もあるし、S本さんにだってアレンジしていただかないとあかんのに、1週間切ってなんにも素材が来ないってこれ、相当失礼なのです。わたし逆の立場やったら嫌やもん、おいおいどないなってるねん大丈夫かよって思うもん。わたし、興味ない人に対してはどう思われても怖くないから無礼な態度余裕でとるけど、自分が好きで尊敬している方には絶対失礼ぶっこきたくない気持ちがめっちゃ激しくて、だからもう既にめっちゃ失礼ぶっこいてしまっているし時間が過ぎれば過ぎるほどに失礼が膨らんでいくことがもう辛くて辛くて、そんな気持ちの中で作曲しまくらないとあかんてもう死にたいノイローゼ。でも監督オッケーが出るまで頑張るしかない。夜監督と電話会議して、また作業。

10.13木
午前中病院。通院中の電車から、なんか追い詰められてるせいか頸動脈がめっちゃ不規則な早鐘を打っていて、何この症状、わたしもう死ぬんかな。いつも通りの検査をしたのち診察、先生にこの頸動脈バックバクを訴えると、じゃあ2週後の診察のときにエコー撮りますっていわれたけど、2週後じゃ意味ないんですけど! 今がやばいんですけど! えーん。看護婦さんも今日は悉くハズレで採血も下手くそな新人さんやったし、診察時の助手的な人もめんどくさそうに流れ作業だけやりよるデブっちょのわたしの嫌いな看護婦さんやった。しかし1本12000円の高級なお注射ぶっこまれてちょっと症状はましになった、ような気がする。帰ってまたおうちで作業。今回エンディングテーマは二転三転したけど結局、監督が書いた歌詞にわたしが曲を書き下ろすことになって、その歌詞が昨日来たばっかりやねんけど、それにすごくがんばって曲を書いていて、しかしがんばった甲斐があって、自分的によっしゃこれは間違いないでしょ! って思える名曲が書けた! 自信満々で夕方監督に送る。夜、監督から電話。褒めてはもらえなかったけど、でももうさすがにS本さんに送らないとあかんむねを説明し、じゃあこれで行きましょって話がまとまった。ふう。監督と電話会議しつつ、別件で25日に一緒にイベントやるタブレット純さんとも電話会議。色々追い詰まっていたところで純ちゃんとお電話したら癒された☆ 25日の「タブ純早樹子のムーンライト赤坂」、この日しか出来ないであろう特別なことをやりますよ、うきうき。電話会議後、やっと監督からGOが出たので、すべての譜面を書く。といってもわたし、ちゃんとした譜面は書けないので、S本さんにはすごい面倒かけてしまう。申し訳ない。あ〜しかしわたしったらこの2週間ぐらいまるでミュージシャンのよう。だって五線紙だらけの部屋で借り物のシンセサイザー並べてパソコン開いてレコーダーつないで電子ピアノとカシオトーンも弾いて、全部のコードがぐるぐる巻きに身体に巻き付いて絡まって立ち上がって転んだりしてるんやで。まるでミュージシャンの部屋ではないか! でも本来わたしはミュージシャンなんやったかな。一応な。もはや何の人かわからんようになってきてるし、そもそもミュージシャン臭が全然しないってことで定評がある北村さん。ミュージシャンって呼ばれたらちょっと困るし。じゃあ何の人なの?て聞かれたら、何の人なんやろ? わたしって何の人なんやろ? 

10.14金
一刻も早くS本さんに音源と譜面を送らないとあかん分刻み状態のメンタルに陥っていたので昨夜すごーく頑張って譜面を書きまくり、しかし手書きの譜面な上にスキャナーとかないから、手書きのノートに書いた譜面をアイホンで写真撮って送るという、超原始的な方法でS本さんに素材を送り終え、さすがに頑張りすぎて今日はもう脳みそが動かない。昨日あんなけ頑張ったんやから、もういいやろ、今日はご褒美に、唐組観に行かせていただきます!(先週の初日も行ったからすでに二回目) と自分に言い聞かせて、でもそろそろ特選小説の連載原稿の締め切りも近づいてるので、パソコン持って御茶ノ水ドトールで2時間ほどパソコン広げて下ネタコラムを楽しく執筆。ミュージシャンのふりして無理してた2週間やったから、文章書くのが楽しい楽しい。下ネタ書くの楽しい楽しい。そして夜は紅テントでまたまた唐組『夜壷』を観劇。今日は後ろの方で見ようと思ってたけど偶然空いてたからまたしても最前列の上手側。某シーンで天花粉ミサイルを顔面で受け止めることになる愉快な席を確保。今日は色んな人物のそれぞれのドラマをじっくり感じながら観た。主人公の織江ちゃんはマネキン工場のマネキン技師なのやけど、マネキンを愛しすぎてそれぞれに名前を付けてそれぞれに物語まで作ってマネキン同士の関係性とかも緻密に想像して、そういうちょっとぶっとんだ女の子で、きっとあの子は処女やろう、でも年はそこそこ妙齢やから性への関心はしっかりあって、だから確信犯的に尿瓶をプレゼントしちゃうし、「尿瓶♡」とセリフの中で叫ぶシーンもすっごくうれしそうに楽しそうな顔をしている。ちなみに相手役の有霧さんも童貞説が濃厚。処女ちゃんと童貞くんの物語、というのはわたしの勝手な穿った邪推ですが、直接的な描写はないけどすごく官能的なお話やなあ。マネキン、靴、歯、モノを偏愛しすぎてモノに憑りつかれてしまった男女のロマンチックで残酷なお話。最後、織江ちゃんは赤い靴が履けて幸せやったのかなあ、でもあれはもしかしたら現実ではないのかも? とか唐組のお芝居はとっても謎が多いから何回か見ないとわからない。来週も再来週も予定があけば行っちゃうでしょう。終わってテント飲みにもお邪魔して帰路、最寄り駅について電車降りたところでI田さんから着信。I田さんが電話してくることは珍しいのでどうしたのかな? もしや同じ電車に乗ってたんかな? ほんなら会いたいな〜とか思って電話に出たら、今銀座の仕事帰りで20分後くらいに帰るから飲みませんかのお誘い。こうやって気軽に会おう飲もうって言ってくれる友達がいるってうれしいぜ☆ お互い積もり積もった聞いてもらいたかった話を話して(て4日前にもこってり飲んだばっかりやけど)白木屋で朝まで。今日は下ネタ執筆〜唐組観劇〜I田さんと会って、一気にノイローゼから脱した。

10.15土
朝帰りで寝て、昼から高円寺、円盤へ納品しにいく予定で家を出たのに、なんかすごい車内で眠気に襲われて気絶するように眠り、終点代々木上原で駅員さんに叩き起こされる。はっ乗り過ごした! 慌てて反対の路線に乗って(この時点ではまだアイホンは確かに持っていた)2駅戻って明治神宮前から山手線に乗り換えて、新宿に着いたとき、あれっアイホンがない! 鞄をひっくり返して探してもない! 嘘でしょ? いつなくしたんやろ! 引き返した千代田線に置いてきたんかな、と、東京メトロ新宿駅忘れ物センターへ駆け込む。何時何分に代々木上原を出た千代田線車内の3号車にアイホンを忘れてきました、と、駅員さんが探しやすい説明の仕方がすっかり身についてしまっているわたしはもう忘れ物マスターなのかもしれん。ちょっと前に、病院帰り生命に関わる大事なお薬袋を忘れて死ぬ思いをして、そのときに身につけたのであーる!(そもそも短期間に何度も忘れ物しててどんくさいだけなので全然自慢にならない)薬忘れたときは結構駅員さんにめんどくさそうに色んな部署をたらい回しにされてつらかったけど、今回は最初に担当になったおじさんがすんごくやさしいおじさんでめっちゃ親身になってさがしてくれて、ものの30分くらいで、見つかりましたーと言ってくれて、明治神宮前の駅にあるとのことで、しかも忘れ物取りに行くまでの経路の無料切符まで作ってくれた(こんなシステムがあるのしらなかった、前回は自費やった)そんなこんなでわたしは確信した。失せ物は、出る!!!! と油断してたら痛い目を見そうなので金輪際大事なものは忘れないように気を付けますが、電車でアイホン自体なくしたのも二回目やけど二回とも出てきたし、実はわたし、結構ついているのかもしれません。なんやかやで1時間ぐらいはロスしてしまったけどぶじ高円寺について円盤へ。品切れていた母親教室コントDVDと旧譜の「明るみ」を納品し、店主T口さんとしばし談笑。T口さんが今こっそり執筆している本の話を聞かせてもらって目から鱗。この人やっぱりめっちゃ狂ってる!と信頼をこめて実感。飯田さんとわたしが一緒に今書いている本、これも今月末には書き上げないとあかんのやけど、この企画を持ちかけてくれたのもT口さんやし、そもそも飯田さんと出会わせてくれたのもT口さんやし、もっと遡ればわたしがまだ大阪在住時代に、度々ライブしに呼んでくれたのもT口さんやからほんとにお世話になっている。とはいえT口さんは絶妙の距離感を保って接してくれるから東京のギョーカイ人にありがちなべっちょりした社交の仕方や上っ面だけの社交の仕方は絶対しないから信用出来るし、疑心暗鬼にならなくって済むので好き。しかも円盤はもはやCD屋さんなだけでなく、昨今は採れたて野菜を売ってたり、今日行ったら可愛いレトロ食器がたくさん増えててもはや何屋さんかわからない! でもすごい良心的な価格でレトロ食器が売ってて久しぶりに可愛いものに目がくらんでガラスのコップを4つ散財。にこにこと抱えて帰った。

10.16日
3時くらいに目が覚めて、早朝にひさしぶりに小説の続きを執筆。6時くらいから元気に洗濯機を回して干して、午前中ひさしぶりに近所を散歩。駅前のパチンコ屋にすさまじい行列が出来てて、まだ開店1時間前やのにみんなすごい情熱、ほんでスーパ―の前通ったらこちらもすごい行列。何に並んでるのかわからんけど。しかし東京の人は行列に並ぶ精神力があってすごいなってよく思う。わたしはイラチな大阪人の典型なので並ぶという行為が出来ないため、混んでるお店は瞬速でやめます。帰って某映画の劇伴音楽の残りの一曲を作って、明後日のレコーディングのために楽譜を整理したりピアノを練習したり、段取りをやりとりしたり。あーもう一息やからがんばろ。