8.31〜9.6日記

 会社では一応事務要員なんだけど、掃除やお茶汲みやおつかいなどの雑用も業務で、今週は掃除してたら室内にフナムシが2匹もいてギョッとした。ちなみに会社は全く海辺ではなく、和歌山でもわりと都会の方にあります。海ないのになんでフナムシおるん!しかも室内で! わたしは昆虫はわりといけるクチというか、ゴキブリとかも動じず無表情で殺生出来るタイプなんだけど、フナムシはあの造形がどうにもあかん。なんか足とか触覚とかふさふさで多すぎてきしょい。しかも厳密にはフナムシは昆虫ではなく、エビとかカニの仲間らしい。わたしはエビやカニを食べれるようになったのも最近で(ただし加熱済みのものに限る、ナマはNG)、甲殻類の造形が生理的にあかんようです。

 最近は日々とても平穏に淡々と暮らしている。家事をして、お料理して、小説書いて、本読んで、映画やドラマをおうちで見て。東京にいた頃は、常にどこかしらの映画館でおもしろそうな映画もやってるし、友人知人の演劇を見に行ったり、ストリップを見に行ったり、毎週のように何かしら見に行ってたけれど、和歌山の映画館はシネコンしかなくてラインナップが死んでるのでなかなか見たいものがなく、大阪まで行くとなると最低でも交通費が往復2000円以上はかかるので、なかなか腰が上がらない。なのでおうちで配信ばっかり見ているが、十分これで満足できているので、別にわたしはそこまで映画も演劇も好きだったわけでもないんかなあとか思う。唐組のお芝居だけは行きたいけれど、秋公演は東京まで見にいくの厳しいかも。11月のわたしの出稼ぎライブの頃にはもう公演終わってることに気づいた。唐組と出会ってから10年が経ってたぶんこの10年は全公演拝見しててそのうち何作品かは音楽作らせてもらってたから稽古場にもお邪魔してたから、見れないのはさみしいな。

 家事に目覚めてから、スマホでは料理のレシピばっかり検索している。昔からわたしを知る人は、あの北村さんが!マジかよ!とお思いではなかろうか。一時期はお菓子とりんごしか食べてなかったし、そんな食生活を心配した友人が家に来てお味噌汁の作り方を教えてくれたり、定期的に友人の実家にお呼ばれしてごはんを食べさせてもらったりなどしていた。いや、やる気になればそれなりに出来るのです。ただ、やる気にならなかったのです、この10数年。やる気が一切なくなったきっかけは、たぶん持病の膠原病で、手指の関節が腫れすぎて痛くて包丁を触れなくなり、握力も赤ちゃんレベルなので鍋ふったりなんて以ての外になって、全やる気を奪われていたのです。今はおかげさまでお薬でだいぶ関節も腫れなくなり、握力もないなりの動かし方を習得できたので、たのしくお料理できている。逆にお菓子をほぼ食べなくなった。ごはん食べてたらお菓子を食べるタイミングってなかなかないですな。40過ぎてやっと気づいた。我ながら遅すぎる。

 

【今週の喫茶店記録】

〈和歌山ブラクリ丁 コーヒーショップナカムラ〉

友人とモーニング会をときどき開催していて、ただ喫茶店でモーニングしながら2時間くらいおしゃべりするだけなんだけど、今回はぶらくり丁のコーヒーショップナカムラさんへ。朝からシャツにネクタイしめてベストもペシっと着こなしているおじいさんがホールで、ママさんがお料理担当。時々娘さん?ぽいおねえさんや小学生のお孫さんがお手伝いしていてほっこりする、気取らない感じの町の普通の喫茶店。友人に近況報告をして、わたしのひと夏のラプソディーを聞いてもらったり。ここには書けない極私的なことを話せてたのしい時間だった。

〈和歌山三沢町 喫茶山〉

山さんは和歌山でいちばん好きな喫茶店なんだけど、ちょっとご無沙汰してしまっており、久しぶりに来れた。ひやっとした雨上がりの朝だったのでお紅茶でモーニング。山さんのママさんは、わたしが働いてた海辺のレストランにも何度も会いに来てくださったりしていたので、辞めたことをやっとお伝えできた。軽く事情をお伝えしたらぶったまげておられた。しかしママさんも、長年ご自分のお店でお商売されている方なので、言葉の厚みがさすがだった。結局は店主のお人柄よなあとしみじみ思った。山さんは、いつも愉快な常連さんたちがママさんに会いに来ておられて、本当にいいムードが溢れているお店で、モーニングもこんなに品数がたくさんでコーヒー紅茶付きで700円だし、店内の装飾のセンスが素晴らしすぎて最高すぎて大好きなお店。和歌山に来たらぜひ行ってくれとおすすめしまくっていたら、この日記を読んだ方が何人かが本当に行ってくださったらしくてうれしい限りです。

 

【今週の読書記録】

ミランダ・ジュライ著『はいつくばって』(新潮クレストブックス)

大好きなミランダ・ジュライ先生の9年ぶりの待望の新刊。今作は、45歳でアーティストである主人公が夫と子どもを置いて、車で旅に出て、その先々で様々な人と出会い(男とも女とも)セックスをしたりダンスをしたりして、そこで更年期の肉体的精神的なあらゆる症状と格闘し、たまに夫や子どもとも会うが関係はうまくいかず、仕事もうまくいかず、煩悶しながら這いつくばって生きていく小説で、ミランダ・ジュライご本人がはっきり公言してるわけではないけれどかなりオートフィクション的な内容らしい。実際ミランダ・ジュライは2022年に、映像作家マイク・ミルズと、共に子育てはするけれどロマンチックな関係は解消したと発表していて、ゆきずりの男たちとのエピソードもあまりにミランダ的すぎて生々しすぎて最高だった。(ゆきずりの男の尿を浴びたり、タンポンを抜かせたり挿入させたり)わたしの身にも数年後には起こり始めるであろう更年期のあらゆる変化や不調を、こんなに自由でええんや!と教えてくれて、道しるべになってくれたような気がするので、40代女性は全員読むべき本です! 翻訳文学ですが、岸本佐知子さんの流麗な翻訳はとても読みやすいので安心してください。

『アンチ・グッドモーニング』八木詠美著(河出書房新社)

不眠症の話だった。わたしももう20年、睡眠薬なしでは一睡もできない人間なので、眠れないまま朝を迎えるときの絶望感の描写とかが既視感ありまくりだった。主人公はあまりに眠れないのでメンタルクリニックに行こうとするも旦那に止められる。そして旦那は代わりにアニマルセラピーと言ってニワトリを持って帰ってきて、飼わなければいけなくなる。さらに職場の上司にもメンタルクリニックへ行くことを止められる。なんか、わたしはあまりにも当然のようにかれこれ20年精神科に通ってるので、まだ世の中的に精神科ってこんなに偏見の目に晒されていて毛嫌いされてるのかとちょっとびっくりした。眠れない人のための読書会に参加したり、あなたの魂と引き換えに眠れるようにしてあげます、というどう考えても怪しい団体に魂を売りそうになったり、後半なんか急にファンタジーなるのはちょっと謎だったけど、なかなか面白い一冊だった。

 

【今週の鑑賞記録】

『しあわせは食べて寝て待て』

NHKのドラマシリーズらしくって、わたしは最近知って後追いで鑑賞。膠原病に罹患してしまった38歳独身女性が、これまでのようにフルタイムで毎日は働けなくなってしまって、団地に引っ越し事務のパートをして慎ましく暮らしている日常の穏やかなドラマなのだけど、あまりにわたしにドンピシャすぎてびっくりした。彼女はシェーングレンで、わたしはリウマチ&線維筋痛症という、同じ膠原病の中でも違う病名ではあるんだけど、身体のしんどさ、関節の痛さ、職場や周囲に伝えることで受ける苦しみ、少ない収入、無理解な母親、そして38歳という年齢。既視感ありすぎて震えた。それでも決してしんどい闘病ドラマではなくって、団地のお向かいに住んでいる大家さんのお婆さんと仲良くなったり、その同居人でニートの男前に薬膳を教わったり、地方移住を夢想したり、季節の野菜でお料理したり、慎ましいながらもたのしそうに暮らしていて、そこも最近のわたしと近くって、なんだかほっこりして救われた。続編もたのしみ。

『ミーツ・ザ・ワールド』

金原ひとみ先生原作の映画化で、去年公開時、観に行こうと思ってたけど引っ越しとかのバタバタで結局行けないままに、アマプラに来ていたのでようやく観た。陰キャでオタ活腐女子のユカリちゃん役が杉咲花ちゃんって可愛すぎるやろ無理あるて、と思いながら見始めたけど、全然ありやった。あと中華料理屋のエキストラの客で金原ひとみ先生と尾崎世界観が映っててハッとした。小説の映画化ってむずいけど、これは金原ひとみファンも納得の出来栄えだったと思います。

 

【ライブのお知らせ】

2026年10月30日(金)

『お還りなさい十六周年 営み』

和歌山市 本町文化堂にて

17時半開場18時開演

前売3500円当日4000円

出演:ナカジマシンイチ(goateatspoem.)、北村早樹子、お寿司のともみ

ご予約はこちらから

https://t.co/Qub5AcPaPH

最近goateatspoem.で新譜をリリースしたナカジマさんは公私共になんやかんやもう20年以上お世話になってる人、東京でも大阪でもお互い色々あったけれどこうしてまた対バンできることが嬉しいです。お寿司のともみさんは、和歌山に来て多方面からお名前を聞く方で、いつかご一緒したかったので楽しみです。ぜひご予約お願いします。

 

【北村早樹子から直接届く北村直販

warabisco.base.shop