12.30〜1.5日記

12.30月

4時起きで朝から普通に労働。盗難事件によりみんな戦々恐々としている。わたしはといえばわりと他人事なのでじいじとふたりで私設探偵団を結成し、探偵ごっこをしている。じいじとひそやかに情報収集し、事件発生した日に出勤していた子はあの子とあの子とあの子とあの子、アリバイがないのはあの子です、あの子が怪しい、いやあの子や、あの子は最後に自分も盗られた被害者やと名乗り出たけれど、たぶん嘘ついている、などと勘ぐって遊んでいる。しかし店長は全然動き出す気配がなく、課長や部長や専務たちへは隠している様子でそれはそれで腹立たしい。犯人は合わせて10万くらい盗ってるわけで、これは警察突き出してもいいレベルの事件やのに、めんどくさいことはなかったことにするのが我が店長。盗られた子らの気持ちを思うと可哀想でならない。仕事上がって、足立区に帰り、夜飯田さんに後家殺しEPを渡す用事があって駅で落ち合う。一緒に百均へ。わたしはモバイルバッテリーのつなぐ線を買いにいったのやけど、飯田さんは2020年の手帳を百均で買っていた。意外と百均の手帳売り場、充実していてびっくり。わたしも買おうか迷ったけど、実質最近は全部グーグルカレンダーに入れちゃうから紙の手帳あんまり使わないんよな~と思い買わなかった。


12.31火

4時起きで朝から普通に労働。大晦日までなんでこんなに街に人がいるんやというくらい、本当に忙しい。みんな長居はしないから回転がよくてずっと走り回っていた。個室に会計をもらいにいくと、某Y本のえらい人でガキ使によくでてはる方がいてらして、思わず、「今日の笑ってはいけない、たのしみにしてます!」とゆってしまう。労働後、ちょっと気になることがあって、阿佐ヶ谷へ。ちょっと人と会ってお話、年末最後にお顔見れてよかった。その後、せっかく阿佐ヶ谷に来たので、好きな喫茶店gionへ。

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机の青いランプが素敵で、飾ってあるユリの花も素敵で、gionは置いてあるもの隅々まですばらしい。マスターがお正月かざりをヨーカドーに買いに行ってきたらしく、こんな立派なのが100円になってたんだよ!とうれしそうにウエイトレスさんに話していて微笑ましかった。ウインナー珈琲を飲んで1時間ほど読書。いい喫茶納めが出来てよかった。帰って夜はガキ使からの千鳥ちゃん。テレビっこして夜更かし。我がアパートは目の前に除夜の鐘を鳴らすお寺があるので3時頃までめっちゃうるさい。毎年のことやけど、結構ストレス。でもそれも今年でもうおしまい。3月に引っ越してやるからな!

 

1.1水

わたしはお正月に帰る家もなければ共に過ごす人もいないので、毎年お正月は徹底的に孤独に過ごすと決めている。12時頃に家を出て、いざ浅草ロック座へ。ひとりでストリップ初め。浅草駅で降りると、信じられないくらい人がいた。そうか、みんな浅草寺へ初詣へ行くのか。開演30分前くらいに入ったのに、びっくり、もうお客さんぎっしりで殆ど席が埋まっていた! 元旦の一回目からこんなにストリップを見にお客さんが湧いているとは! 一個だけ空いてた席を見つけて座り、開演を待つ。見事におっさんばっかり。隣のおっさんがなんかカビ臭くでちょっと嫌だけど他空いてる席ないので我慢。ロック座系列は各地にあれど、本拠地浅草はレビュー形式でバックダンサー付きと豪華で舞台も広く見ごたえがある。今回は新春公演とあって最初は7人の踊り子さん全員でお着物でご挨拶。わたしのお目当ては武藤つぐみさんとみおり舞さん。武藤つぐみさんは忍者の演目。なんと天井から吊り梯子が下りてきて、エアリアルシルクならぬエアリアル梯子にぶら下がりながらくるくるアクロバティックに回っておられてかっこよかった。梯子の上から無邪気に小判をばらまく武藤つぐみさんは少年のよう。武藤つぐみさんは川崎とかの完全フリーな場所での演目で見ても最高なんだけど、浅草のような流れや取り決めのある演目の中でもこんなに持ち味を発揮して伸び伸びやられるんやな~と感激だった。その後何人かはさんで、みおり舞さん。みんなお正月興行だから和で来る中、ひとりアメリカンにドレスにヒールでキメキメに踊っておられて、これまたみおりさんはみおりさん色が全開ですばらしいなーと思った。相手役がスーツの武藤つぐみさんってのがまたうれしい。浅草では振り付けとか構成が決まっちゃってるものかと思ってたけど、ある程度自由なんかな? と今回武藤さんとみおりさんを見てて思った。あーダンスショーって、いいなあ~。わたしはやっぱり、こう、生身のショウがすっきゃな~。ロック座を出ると、まっすぐ歩けないほどの人人人でどっと疲れたのでつくばエクスプレスでまっすぐ帰路。我ながら、いいお正月を過ごしたぜって気持ちで浅草を後にした。

 

1.2木

起きて洗濯して、パソコンもって近所のガストへ。先月末に美青年編集者さんにアドバイスいただいたのをもとに、小説の直しに着手。しかしむずい。最初から書くより直しの方が断然むずい。どうやって直せばいいのか全然わからない。難航。4時間くらい粘って力尽きる。帰りにセール中の駅前のブックオフに行くも、最近ツタヤと合併して店舗縮小していい本が全然置いてなくなったのでなにも買わずに帰宅。こたつで千鳥の漫才の動画を見たり、文藝冬季号を読んだり。 

文藝 2019年冬季号

文藝 2019年冬季号

 

文藝賞受賞作の二作を読む。宇佐見りん『かか』読了。文体が独自の方言きつすぎてわたしには読みにくかった。内容は娘が母親への色んな気持ちから「母を産んであげたい」って行きつくものでたいへん興味深かった。つづいて、遠野遥『改良』読了。女装癖がある男子大学生の性問題。文体は明瞭で読みやすかった。女になりたいわけではなく、美しくなりたいだけだったという主人公は女装をしてデリヘルを呼ぶし、女装をしてナンパされてうれしかったけど男性が好きなわけではない。トランスジェンダー小説といわれがちかもしれないけど、性は表面だけであって深部は自意識問題なんじゃない?って思った。

 

1.3金

4時起きで朝から普通に労働。まだ世の中は正月なので電車が空いていてラッキー。しかし新宿は初売りにたかる人だらけで我が店は繁盛しすぎ。階段の下まで大行列で自動ドアが開きっぱなしのため寒くてたいへんだった。上がって、新宿のブックオフに行くも、いつの間にか潰れていてお店自体がなくなっていた! ガッデーム。

 

1.4土

やっと3が日が終わった! やっと喫茶店詣でが出来る! 正月のなにがいやって、お気に入りの喫茶店がしまっているっとこと。ということで、行きつけの喫茶店本郷三丁目の名曲珈琲麦へ。いつものお気に入りの席に座って、6番モーニングを食べる。

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ああ最高。日記を書いて読書。文藝冬号の北野武の『足立区島根町』昭和史の中で、馴染みある足立区の景色がたくさん出てきて、ほんまに北野武ってこの辺で育ったんやな~と知れてうれしい気持ち。足立区ワールドカップの下りは笑った。カフェオレをおかわりして、小説を開き執筆3時間。うーんなかなか進まない。難航。結局麦に5時間居座ってしまった。居心地よすぎる。麦は適度にひろいので放置しといてくれるのもありがたい。今日はお休みかなって思っていたら途中からわたしの好きな眼鏡のやさしい言葉遣いの綺麗なおねえさんが出勤してきてうれしい気持ち。やっぱり麦は最高だ。去年間違いなくいちばんいっぱい通った喫茶店やけど、今年もいっぱい通おう。いつも長居しちゃってすみませんって気持ちでお会計。夕方帰って、引っ越し屋さんを色々調べる。まだだいぶ先やけど安いところを調査するも、結局わたしの荷物の条件的にどこの業者が安くつくのかがわからず。

 

1.5日

4時起きで朝から普通に労働。今日は一年でいちばん嫌いなアレの日。考えると憂鬱になるのでなるべく何も考えずに平常運転で普通に仕事して普通に過ごす。夕方仕事上がって、一年に一回の日やし自分を甘やかしてやろうと思い、しかしどこに行って何を食べたい?って思うと結局わたしは昨日も行ったのに、名曲珈琲麦に行ってしまった。ひとりプリンとコーヒーでお祝い。

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麦は週2で通ってるけど、プリンははじめて食べた。すが入った昔ながらのむっちりした固めのやつ。おいしかった。わたしの贅沢はたった600円で買えるけど、麦で過ごす極上の時間は何者にも変えがたい。ああ、麦があってよかったな。今年も一年無事生きられますように。