4.15~21日記

4.15月

4時半起きで朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。仕事中、はだしのゲン似のイケメン社員S水さんがふと「俺今年入ってまだ新宿から一歩も出てない……」と漏らし、え!と衝撃を受ける。確かにS水さんは家も新宿で職場も新宿。これといった趣味もないらしいので休みの日もだいたい家にいるらしく、そんなこんなで4カ月が過ぎて気づけば一歩も新宿から出ていないとのこと。それはそれは、なんというか可哀想すぎる。でもこういう人、実は結構いらっしゃるのかもしれへんと思い、なんともいえない気持ちに。職場と家の往復だけで休日も疲れて家で寝てるだけとかの人、リアルに結構いるよね。まじでえらいなあと思う。わたしはそんな休日に疲れを持ち越すほど働かないので、休日まあまあの頻度のでおでかけしている(たぶん)。とりあえずS水さんを新宿から出してあげたい。今度裁判傍聴でもお誘いしてみようかな(いやそういうことじゃない)。

 

4.16火

午後から荻窪へ。ちょっと時間があったので、喫茶店トロール。駅前のCoffee珈里亜に入ってひとりおランチ。喫茶店とはいえ、ランチ時なのに、うだつの上がらない感じのおっさん(マスターかな?)がワンオペで回しておられてたいへんそうだった。とはいえお店はよい雰囲気で、ショーケースの煤けた具合もよかったし、テーブルや椅子も可愛く、生花が飾ってあるのも好感度が高い。ナポリタンとトーストがちょっとずつ付いたセットを注文。おっさんが一生懸命作ってくれた。わたし喫茶店ナポリタンばっかり食べてるので、そろそろ味がわかってきたのだけど、この店は缶詰もしくはレトルトのナポリソースの味であった。わたしはケチャップで炒めたナポリタンが好きなのでちょっと残念。コーヒーはおいしかった。ちっちゃいコーヒーミルクが入ってる入れ物が見たことないタイプのやつで可愛かった。

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1時間くらい読書して店を出て、駅前のミスドで大量の差し入れのドーナツを購入し、てくてく歩いて某所。今日は日本でいちばんかっこいい某劇団の通し稽古を見学させていただくのであーる。稽古場ってある意味聖域な感じがするので、わたしなんかの部外者が入ってもいいものか毎度戸惑う。特にこの劇団は稽古場に舞台セットも全部組んでいて(このセットがまたうっとりするかっこよさ)照明とかも吊っているので本番さながらって感じで見るもの緊張する。詳細は書けませんが、今回の作品もすごかった。が情報量がすごすぎて一回見ただけじゃ脳みそパニックって感じで全然ついていけなかった。また本番見に行って(しかも何回も)しっかり物語を噛みしめたい。しかしこの情報量の戯曲を毎回演出されているK井さん、まじで脳みそどうなってるんやろうって思う。Kさんの戯曲はほんとに情報量多すぎて文字で追っていくだけではわたしのオツムではちんぷんかんぷんで全然消化できないのやけど、劇で拝見すると本当に涙が出る美しいシーンの連続で毎回震える。今回もパニックだったけど謎の感動で胸がいっぱいになったし、なんてリリカルで美しいセリフなんや!と何度も目から鱗が落ちた。内容に触れられないのでこれくらいしか感想は言えませんが、本当に素晴らしいものを見せていただいた。終わって、通し稽古終わり乾杯にも参加させていただき、たのしい時間を過ごさせていただいた。しかしわたしは常にひとりぼっちなので、劇団って、団体活動って、傍から見ているとすごく眩しくっていいな~と毎回羨ましい気持ちになる。だからといってわたしが出来そうかというと絶対ムリなのでない物ねだりやけどね。駅までの帰り道、K井さんから演出をしている上での衝撃的なことをお聞きし震え上がる! なんちゅ~怖いお人なんや! やっぱりK井さんは演出家としてぶっとんでいらっしゃるわと痛感した一日やった。

 

4.17水

朝から洗濯をしたり家のことをして、夕方自転車でI田さんちへ。今日は夏にやるミュージカルのチラシ撮影の日。I田さんちへ着くと、巨大なすごい段ボール絵が出来上がっていて、この真ん中に寝て欲しいと言われる。なんという試み。こんなチラシ見たことがない。さすがI田さんである。衣装はもちろん段ボール。パンツ一丁になって段ボールを身体に貼り付け、ポーズ。最初は寝転んで撮影していたのだけど、寝転ぶと髪の毛がぺたーんとなってしまうのでわたしがそれいややと駄々をこね、結局絵を吊り下げて立ちで撮影することに。2時間くらいで撮影は無事終わり、しばらく猫ちゃん(金太)を撫でて談笑。わたしは動物に懐かれない体質なのだけど、金太だけは懐いてくれるので好き。今日も太っていて可愛い金太。終わって、I田さんとデザイン協力のI十嵐さんとで近くのガストに行ってごはんを食べて、また自転車で帰った。暑くもなく寒くもない自転車が気持ちいい季節になった。

 

4.18木

4時半起きで朝から普通に労働。とある社員のW田さん(39歳既婚)は話が壊滅的におもしろくない。と、わたしも前前から思っていたのだけど、今日S水さんに「ねえ、W田くんってなんであんなに話つまんないだろうね」と突然言われて、確信した。わたしも別に自分の話に自信があるとかではないのやけど、一応さ、おもしろく喋ろうと努力して喋っているわけで、まあほんのちょっとの努力やけど、それ、みんなするやん?みんなしてるもんやん当然、と、思って生きてきたけれど、どうやらそうではないらしいね! 大阪人は先天的に面白く思われたい願望が産まれた時から埋め込まれているので、なんかしらおもしろく喋る人が多い印象やけど、東の人はそういう意識が全然ないのかな。いや東の人でもおもろい人はいっぱいおるからやっぱり個人の問題やろか。わからんが、とにかくW田さんは本当におもしろくない。にもかかわらず、15歳年下の妻を娶った! ということは、結婚におもしろさはあんまりいらんのかもしれへんね。いやでも旦那がおもしろくないって地獄やわ。と、ひとりで堂々巡り。仕事上がって、ちょっと病気関連で読みたい資料があったので、家だと読む気にへんので、ベローチェに入って読んだ。ふとアイホンを開くと、豊田利晃監督逮捕のニュース。しかも今回はシャブじゃなくて拳銃所持とのこと! えー! なんでそんなん持ってるねん! わたしは「ポルノスター」から豊田監督の映画のファンなので、結構ショッキングである。でも拳銃所持ってちょっとかっこいいけどね。

 

4.19金

朝から駒込病院の方の通院デー。血液検査してレントゲン撮って診察に並ぶ。待合室今日はわりと空いていたので早く呼ばれるかな~と期待するも、そんな甘い話はなくて結局2時間くらい待った。検査結果は良好とのことで、しかし抗生剤の治療は続けましょうと言われ、ドデカカプセル一日9粒の処方は変わらず。お会計して、お薬が出てくる窓口に受け取りに行ったら、2カ月分の処方やのやけどわたしのお薬、病院中のお薬自体が残り一か月分しかないらしく、足りない分は郵送しますと言われた。そんなんあるんやね。しかし一か月分だけでもすごい質量。電話帳一冊分ぐらいある。ずっしり。12時半くらいにすべてが終わり、まだお昼、そうや映画を見に行こう! ということで、田端駅まで歩く。道中、彫師の彫猿さんのアトリエを発見。こんなところにあったんや! わりと病院の目と鼻の先であった。彫猿さんは12年ほど前、友人の魔女るみたんと結婚していて、わたしも当時結婚していて、旦那さんはタトゥー何個か入ってる系の人だったので、彫猿さんを紹介してもらい、ここのアトリエで施術してもらったのである。もう全員離婚してばらばらになったけど、ひさしぶりに彫猿さんに会いたいような気がして扉を開けようか迷ったけどやっぱりやめた。なんか懐かしい気持ちで、春の陽気も手伝って切ないような泣きたいような気に一瞬なった。田端から山手線に乗って有楽町、からちょっと歩いてシネスイッチ銀座で、今さらやけど映画『ROMA』を鑑賞。前評判がよすぎたので期待しすぎてたのもあるけど、アーティスティックすぎてあまり好みではなかった。メキシコの、中流階級の子供4人がいる大家族と、そこに遣える家政婦の女の子の話なんだけど、テロがあったり暴動があったり、竹槍訓練?みたいなシーンがあったり、、家政婦の女の子は妊娠してて出産するのだけど(死産だった)保険にも入れてなかったり、メキシコってこんなんなのか~て、今までメキシコのことなんか考えたこともなかったからはじめて知った。ストーリーは特にぐっとこなかったけど、画は終始モノクロでかっこよくて、海で溺れるシーンは感嘆ものだった。銀座という土地柄とあとレディースデーなのもあって(950円だった。やっす!)客席は銀座マダムたちで埋まっていた。帰りは日比谷まで歩いて地下鉄で帰宅。今日もベローチェ寄って、手紙をひとつ、富士吉田のN植さんに書いた。

 

4.20土

昨日派手にコーヒーを袖に零したので、朝から染みとり作業に勤しむ。ネットで調べたところ、台所洗剤がいいとのことだったので、台所洗剤をかけて湯に浸し、ハブラシで擦ったりしこしこやってたら、あら不思議、コーヒー染みが綺麗に落ちました! 漂白剤使わなくても落ちるんやね! すごー。それからピーピースルー(業務用でネットでしか買えないすごい薬剤)を使ってお風呂の排水溝詰まりをそうじして、パソコンあけてとある写真選び作業などをし、夜は浅草銀幕ロックに、飯田華子さんと若林美保さんのツーマンショウを見に行った。まずはふたりによる寸劇。芸術家が自分の理想の女を絵に描いたところ、絵から美女が飛び出してきてそのままいっしょに暮らすことに。わかみほさんは前々から美人画のような美しさだなあと思っていたので、額縁にはまって微笑んでいる姿は本当に美しくてため息が出た。美女は生を受け現実に飛び出して来たはいいけど、自分勝手にヤンチャに振る舞い、ついには生みの親の芸術家を殺してしまって、最終的には芸術家の弟子の蕎麦屋のおばさんによって絵の中に引き戻されてしまうラストの構図もかっこよかった。飯田さんの芸術への怨念と憧れが詰まっていて、そっちの意味でもぐっとくる大作であった。そのあとはわかみほさんのソロ、「賞味期限の女」。劇場でもないし、ステージも狭いのに、全く狭さを感じさせない舞いは本当にすばらしくて、3曲目にブルーハーツの曲でオナニーするシーンにはうっかり落涙してしまった。この世にこんなに切ないオナニーがあるとは。オナニーで泣くなんて。何度か客席に降りて来ていらっしゃって、絡まれたお客さんみんなすごくキラキラした目をしていて、まるで天から女神様が降りて来たようであった。休憩を挟んで後半は飯田さんのソロ、卑屈すぎる女と卑屈すぎる男の奥ゆかしすぎるホテル情事とその後の展開がご本人もおっしゃってましたがフランス映画のようで美しかった。そしてラストは飯田さんが昔某ストリップ劇場で投光さんのバイトをしていた時のコントで、10年前には名前も知らないバイトちゃんだった飯田さんが今こうして堂々とわかみほさんとツーマンをしているって、なんか泣けるやんって思った。1時間半ほどだったけど濃厚な良いツーマンショウを堪能。物販をちょっとお手伝いさせてもらい、みんなとちょっとおしゃべりして帰路。あー飯田さん、かっこいいな〜と相方の活躍ぶりを拝んでしみじみしながら帰った。

 

4.21日
4時起きで朝から普通に労働。通勤中、新宿を歩いてたらネズミちゃんがちょこんと座っていて、それをおじいさんがガラケーのカメラで一生懸命写真に撮っている場面に出くわす。新宿は場所柄ドブネズミなんてわんさかいるけど、みんなすばしっこく逃げていくから、あんなちょこんと座って人形のように動かないネズミちゃんがいるなんて、かわいくて朝から和んだ。労働中、はだしのゲン似イケメン社員S水さんが「今日家から店までに何人のハゲがいるか数えてみた、25人だった!」と謎の報告をしてきて笑う。S水さんなりにハゲの定義があるらしく、この人はセーフ、この人はアウトー、って数えて行ったら25人だったらしー。その報告を受け、わたしも帰り道にハゲを数えてみようと試みるも、わたしの身長じゃおっさんたちの後頭部は見えないことが発覚。そして恐らく、逆にちんちくりんのわたしの後頭部はほぼ道行く人全員に見られている可能性があり、よって白髪丸見えなんであろう。そろそろまた白髪染めせんとあかんな〜。