6.25〜7.1日記

6.25月
朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。さすがにそろそろ家が暑い。扇風機を出した。今年も扇風機は首が折れているのを割りばしギブスで無理やり立たせて使っている。扇風機くらい新しいの買えばって思うけど、最近の扇風機って見た目がかわいくないやん。今使ってるのは古道具屋で買った昭和な羽根が透明緑のやつ。今年もこれでいくつもり。

6.26火
朝から普通に労働。おひるに漫画家のK泉さんがいらっしゃり、北村さん、と声をかけてくれてうれしかった。なのにK泉さんの席のオーダーを同僚の遅刻魔が間違えていて、タマゴサンドをオムライスでオーダー通していて、腹立つし悲しいしなんというかもー!って感じになった。帰ってひさしぶりに近所のブックオフに行った。桐野夏生の『ハピネス』を購入。しかし暑い。まだ6月なのに。わたし冬場は足がめちゃくちゃ冷え性で足が冷たくて眠れなくなるんだけど、夏場は足が熱を持って火照って焼けるように暑くて眠れない。扇風機を足にだけ当たるようにしてるんだけどそれでもめちゃアツ、これも病気関係あるんやろうかな。あーいやだいやだ。

6.27水
早朝6時半に家を出て、はるばる多摩センターというところへ行く。集合時間は8時半だったのだけど、我が足立区からは片道1時間45分くらいかかるのであーる。遠い。途中何度か乗り換えて、見事に中学生高校生の通学の群れにバッティング。みんな車内テスト勉強をしていた。そんな時期か。勉強とかもう15年くらいしてへん。多摩センター駅で降りて、知らない町を歩く。ここは東京? 神奈川? それもわからん。何故かマンホールが全部キティちゃんの絵が描いてあって、そういえば駅の看板や時計も全部キティちゃんだった。多摩はキティちゃんの町なのかな。わたしはキティちゃんに似てるとときどき言われる。たぶん顔がでかくて二頭身、目がちっちゃい、オーバーオールを着がち、などの理由からそういわれるんでしょう。今日もデニムのジャンパースカートだったから、頭におリボンつけたらすぐキティちゃんになれる。そんなことはさておき、なんでこんな朝もはよからキティちゃんの町に来ていたかというと、某事務所で某説明を受けるためだったのだけど、詳しくは端折ります。1時間ちょっとで終わり、駅に戻ってもまだ10時。こんな多摩までやってきたし、そのまま直帰するんもな〜夜には目黒で用事あるし、ってので今日はレディースデーやしとりあえず渋谷に出て映画でも見ることにする。ヒューマントラスト渋谷でホン・サンスの『夜の浜辺でひとり』という映画を観た。暗くて静かな映画やった。長回しが多くてちょいちょいダレて寝てしまったのが悔やまれるけれど、映画はとてもよかった。主演のキム・ミニという女優さんがとても素晴らしかった。映画館を出て、カフェ人間関係へ移動し、夜まで読書して時間を潰す。昨日買った桐野夏生の『ハピネス』一気読みした。夜は目黒で、ライターM本K吉さんとMTを囲む会。鳥貴族でK吉さんとMT、MTの息子くん、カメラマンN光くん、映像作家のI淵さん、某音楽サイトのしゃっちょさんK谷さん、そこへMTが「あと会ったことない女の子を呼んでいる」(!)と言って現れたのが、なんとわたしがずっと気になっていた僕の天使マリさんであった!! ツイッターで知人のRTから流れてきて、ちょいちょいブログを拝読していて、気になっていた女の子と偶然にも会えてしまった! おまけに彼女はわたしの好きな喫茶店で働いているということも発覚し、他にも共通点があったりして、色々うれしかった。K吉さんやMTたちといつものように下世話な下ネタで盛り上がったりしてひさしぶりに楽しかった。21時半頃までワイワイ飲んで、その後セブンイレブンに行ってマリさんの最新エッセイをネットプリントで購入。大の大人が60円握りしめてコピー機に整列してひとりずつプリントしてて面白かった。その後近くのベローチェで残ったメンバーでお茶をした。なんか、みんなそれぞれのギョーカイでそれなりにすごい人々なのに(わたし以外)何のビジネスにもならない話しかしない感じがすごく楽チンで終始たのしくて、ああ、こういう人たちとこういう瞬間、本当にかけがえないなってすごく思った。帰りの電車で僕のマリさんの文章を読んでいたら危うく落涙しそうになった。

6.28木
朝から病院。待合室での待ち時間、僕の天使マリさんのブログを遡って読みまくり、結果全部読み終えてしまった。マリさんの瑞々しいたましいが爆発した、切実な文章を読んでいて、ふと、文章でこうやって感受性を刺激されることってしばらくぶりだなあと思った。今わたし僕の天使マリさんに夢中。読み足りなくって彼女の手作り文集『ばかげた夢』を注文。一旦帰って家で特選小説の直しをやって編集O高さんに送信し、夜は新宿、シアターPOOで飯田華子さんの月例企画で今回は物販のお手伝い。といえど、ライブ中は普通にお客さんのようにしかと拝見。今回のゲストは黄倉未来くん。未来くんと飯田さんのコラボ、これはすごいことになるであろう、と思ってたけど、これがまた想像を絶する振り切れ方だった。未来くんは金髪のヅラを被って女装で現れたのだけど、これがまたすごくセクシーで驚愕。男性が女装をすると、爆笑、というか失笑、みたいなことになるか、色っぽく化けるかの五分五分やと思うんやけど、未来くんは完全に後者。しかもなんか切なさまでにじんでいて、最後マンホールの中へ入っていくシーンは落涙もんであった。未来くんはめちゃくちゃをする男という肩書をもつ人なので、それはそう、本当に中盤は結構なクラッシャーで暴れまわっていたのだけど、そんな未来くんと二人芝居?をする飯田さんも相当な度量&力量で、ふたりともすごかった。どちらが負けることもなく、守りに入るわけでもなく拮抗していた。改めてふたりのポテンシャルの高さに感服。いいものを観た。終演後、しばし物販売り子をやって、締めて、一足先に帰路。

6.29金
朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。労働後、浅草東洋館へペーソスのワンマンに行こうかと思ってたのだけど、労働終わったら18時すぎていて、今から浅草向かっても間に合わない気がしたのと疲れていたのでやめて帰路につく。しかしお金がない。どうして今年はこんなにお金がないのでしょう。懐が淋しいと何もする気が起こらなく、暗くなる。早めに寝たろうと思い、ひさしぶりに睡眠薬三種を缶チューハイで煽る。2時頃に激烈な頭痛で起きる。バカ。

6.30土
やや頭痛が残ってはいるが6時頃に起床。シャワー浴びてシャキッとする。早起きして洗濯機を回して干すと、それだけで自分偉いって思うわたしは自分に甘い。昼から駅のホームでI田さんと待ち合わせて、ふたりでI田さんの実家へゆく。この度お引越しなさるとかで荷物の整理中なそうで、I田さんが小2のときにきていた服がわたしに似合いそうだからよかったらもらってってゆってくださり、ご実家にお邪魔することに。新宿区の素敵なマンション。友人の実家にお邪魔するなんて、そういう感じ20年ぶりやな〜とか思う。お母さんがお紅茶とそば粉のパウンドケーキと梅ジャムをおやつに出してくださった。これなんだけど、と出してくれた洋服を試着。I田さんが小2のときにきていたというので、さすがに33歳のわたし、入るかな〜と思ったら、なんと入った! 赤いビロードのワンピース。可愛い。ライブでおめかしするときに着よう。それから白いふわふわの毛皮のコートも出して下った。こちらもぴったり。それからお母さんお父さんの本棚から好きな本や漫画持ってっていいよと言っていただき吟味して、高村薫幸田文吉村昭久坂部羊西村賢太などを頂戴する。あと、お母さんのいらなくなった可愛いお鞄もふたつ頂戴した。夕方Hさんが車でやってきて、I田さんの持って帰るものとわたしの持って帰るものを車に乗せて運んでくれた。一旦足立区で荷物を下ろして、夜は十条でI田さん、I田さん母、Hさん、わたしで酒池肉林ごちそうになった。まずは斉藤酒場という大衆酒場で軽く飲む。カボチャの浅漬けという変わった食べ物がおいしかった。それからHさんが気になっていたという、メソポタミアレストランへ行った。食べたことないものを色々食べた。串刺しの羊の肉を食べたり、クスクスなども食したり(←町田康の真似)。世の中には食べたことない食べ物がまだまだあるんやろうなあ。I田さんのご家族にはよくしていただきまくりで、わたしは本物の家族とは縁も切れたも同然で全く付き合いがないけど、その分をI田さんのご家族にお世話になっている。持つべきものは友やなあ。

7.1日
読む本がたくさんあるのでほくほく。今日は家でだらだらしよう。ポストを開けたら僕の天使マリさんの『ばかげた夢』が届いていてさらにほくほく。冷蔵庫から賞味期限が1か月前に切れたマウントレーニアのカフェラテが出てきて、ひとくち飲んだけど全然いけそうだったので全部飲んだ。おなかも壊さず。わたしハイパー便秘っ子なので、ちょっとくらいおなか壊してもいいねんけどな〜と日々思っているのだけど、全然壊さない。『ばかげた夢』よかった。姪っ子とホテルに泊まって一夜を過ごして、姪っ子と架空の会話をするシーンで落涙。

 「今度はパパとママと、生まれる赤ちゃんと来たい。」
 ―わたしも来たかった、お父さんとお兄ちゃんと、お母さん。
 「さみしくない?」
 ―さみしいよ。一人が好きって言い聞かせてるけど、それは強がりで、誰の前でも泣けないから大人は辛いよ。
(僕の天使マリ『ばかげた夢』)