4.23〜29日記

4.23月
ドヤで目覚める朝。日記を更新するためにパソコンを立ち上げようとするも、やっぱり充電が出来ていない! 実は三日前からパソコンが全く充電されなくなってしまっていて、コンセントを刺したままなら問題なく使えるのだけど、電池マークがばってんになったまま。とりあえずドヤで日記は更新し、西成を朝散歩。西成は喫茶店天国なので、どこで今日はモーニングをキメようか30分くらいお散歩して、緑色の看板がイケていた喫茶バロンに入る。モーニングはシンプルなトーストとゆで卵とコーヒー。しかしトーストが変わっていて、すごくうっすいパンの耳が全部落としてあって、おまけに変な幾何学模様のような形に切ってある。普通にふたつ切りとかじゃなくて、なぜか斜め切りを駆使して小さく5つに切ってあり、うすくて小さいトーストはこの町に合わせてそうしてあるのかな? ニーズは主に歯のないおじいさん、というのがこの町の常識。だってお弁当屋さんでも白米かおかゆか選択できるシステムなんだぜ。そんな謎のモーニングを食べて店を出て、お天気がよかったのでそのまま天下茶屋の方まで更に散歩。西成〜天下茶屋近辺がわたしのお気に入りタウン。ああ、この辺に別荘欲しい。天下茶屋の駅に入っている天牛書店というのがこれまたなかなかイケていて、新刊本と古本がどっちも置いてある変わった本屋さん。大阪にだけ何店舗かあって、確か天神橋筋商店街にもあって昔、扇町DICEというライブハウスに出るときにはついでに寄るのを楽しみにしていた。そんなことを思い出しつつ古本コーナーを物色。あんまり読みたい本がなかった。だけどなんか買いたい気持ちになって、新刊本コーナーも一通り物色して、結局文芸誌の新潮5月号を購入。村田沙耶香さんの新作が載っていたからね。本を買ったらそれを読むのにまた喫茶店に行きたくなり、西天下茶屋の方まで歩いて喫茶マル屋へ。ここは去年もひとりで来たのだけど、恐らくわたし日本の喫茶店でいちばん好きかもしれない。創業八十3年(←何故かこうゆう表記で書いてある)らしい、色々びっくりする喫茶店。看板は謎の七夕の短冊みたいなのにたくさんメニューを書いてぶらさげてあるし、メニューは何十年使ってるんですかってゆうびりっびりぼろっぼろのが置いてあって、何回も価格改正して消して書き直してんやけど、このご時世なのにその価格改正がどんどん安くなっていっているのである! ちなみに、コーヒー160円、ソーダ水100円、オレンジジュース100円、カレー250円、オムライス250円、うどん250円、トーストサンド120円、ホットケーキ80円。何もかもが信じられない安さ。さっきコーヒー飲んだのでソーダ水と、あんまりおなか減ってないけど安いからオムライスを頼んでみた。ソーダ水、グラスに買ったときのシール貼ったままでてきて微笑ましい。オムライスはお子様サイズでちょうどいい感じ。だけどちゃんとスープもついていて、オムライス自体はごはん部分がケチャップ味じゃなくて、これなんの味? 謎すぎてひと口ではわからず、食べ終わる頃に、ああ、炊き込みご飯か! 具なしの! 意外と合う! 密かな名店なので結構お客さんは途絶えず来ていて、しかしこの安さやったらお客来れば来るほど赤字なんちゃうの? と心配になる。ちょび髭で赤いチョッキがお似合いのおじいちゃんマスターがひとりで切り盛りしているのだけど、おじいちゃんマスターだいぶ御高齢なので、次来るときまで生きていてくださいってまじでお祈りしたい気持ちです。喫茶店を満喫して、またドヤまでてくてく歩いて帰って、パソコンをどうしようか問題をしばし悩む。困ったときはインターネットさん。ツイッターできいてみると、どうやらバッテリーが死んだ症状の様子。親切な方が、お修理窓口まで教えてくれて、大阪窓口が日本橋にあるとのことなので、ドヤから歩いていけそうだったのでパソコン抱えて駆け込んでみると、窓口のおっさんに故障扱いで修理に出すことになる&2週間はかかる、費用は2万はかかる、などと落ち込む内容を聞かされたので、しばらく様子見ます、といって諦める。とぼとぼ難波まで歩いて、喫茶ロアに入り、冷コー飲んで一服。1時間くらい読書してたらもう閉店ですといわれたのでお会計して、味園に遊びに行こうか迷ったけど明日は早朝6時にドヤを出ないとあかんのでやめておとなしくドヤに帰ってお風呂入って寝た。

4.24火
朝6時にドヤを出て梅田、1年ぶりに梅田に来たらまた色々地理が変わっていて、スカイタワービルがどういったらいいかわからない。人に聞いてなんとか到着。今日は東京に帰るのですが、貧乏故、帰りはバスなのです。東京〜大阪間をバスで行き来するのはひさしぶり。ウィラードバスは前に広島へツアーのときに使ったら結構快適だったので、東京までも大丈夫かなっと思ってチケットとったのだけど、いざ乗ってびっくり満席ぎゅーぎゅーで、4列シートで隣が密着してるので結構つらい。広島への道中は隣がいつも空席だったから快適やっただけでした。これなら普通にJRバスにすればよかったかも。バスの中ではやっぱり眠れず。しかしわたし窓側でお隣の通路側の方がお太りになられている女性でしかも爆睡で、トイレ休憩のサービスエリアでも全然起きてくれないので、外に出ずらくてなかなかの拷問であった。諦めて昨日買った新潮の村田沙耶香さんの『地球星人』を読んでいた。最初は絵本のようにかわいくやさしくはじまるのに、どんどんタブーに次ぐタブーが盛り込まれてハードな話になっていく、村田沙耶香さんは今現在の人間の在り方を全部信用していない、だからこんな話が書けるのやろうなあと、今作も震えるオモシロさやった。

新潮 2018年 05月号

新潮 2018年 05月号

夕方、無事東京に到着。何故か大崎駅という中途半端な駅で下ろされる。足立区まで帰るのに小一時間かかった。丸一日移動していただけの日だった。

4.25水
朝から普通に労働。社員さんがひとり病に倒れたらしく、心配であるがこのゴールデンウィーク前に人手がピンチよ。

4.26木
朝から普通に労働。モーニングから信じられないくらい混んだ。ヨボヨボになって仕事あがって夕方からとある打ち合わせでらんぶるへ。どうしてこんなに近くなのにらんぶるはいつも穏やかなのか? うちの店めっさ並んでたで? とか思いつつ、作曲依頼のお仕事の打ち合わせ。ちょっとやったことない毛色のことだけど、色々イメージをお聞きしてなんとか出来るかなあ。打ち合わせを終えて、夜はシアターPOOに相方飯田華子さんの月例企画イベントを見にいく。すごい、POOの中お客さんぱんぱんであった。A子さんをみつけて、お隣で見た。改めて飯田さんの凄まじさを見せつけれられた気持ち。飯田さんの人生がかかった怪作やった。人生がかかったものを見せつけられると言わずもがな震える。「ヒロインにはなれなかったけど、バケモノにはなれるから、わたしは新宿が好き」という言葉がとても刺さった。わたしもヒロインにはなれなかったからバケモノになろうと思ってこんな仕上がりになったクチ。衣装や美術の演出も飯田さんらしく、いやこんな演出飯田さんしか思いつかないよねっていう素晴らしさやった。最後の決着のつけ方がすごくかっこよくって、来月もつづきが気になるから見に行こうと思った。感動したのと同時に背筋が伸びた。わたしも人生かかったことをやっていかないとあかん。

4.27金
朝から普通に労働。三連勤とかしたのひさしぶり。でも普通にお勤めしておられる方は当たり前に5連勤とか、もっと長い連勤をしておられるんやなあと思うとすみませんって気持ち。仕事終わって、充電されないパソコンちゃんをこれからどうするか、ビックカメラに行って悩む。1.お修理センターに2週間入院させてバッテリーを変える。(2週間パソコンなしで暮らすのはきつい&2万くらいかかる) 2.安いパソコンを買い替える。(3万5千円くらいで買える) 3.パソコンはこれからは家専用にして、お外用にポメラを買う。(ポメラはお値段3万くらい) ビックカメラの店員さんに色々質問し、結局決められずに帰ってきた。うーん。ところで高気圧頭痛? 昼過ぎくらいからずっと頭が痛くて帰っても痛くてロキソニン投入するタイミングを逃してしまって一日頭が痛かった。

4.28土
起きてもまだ頭がずっきんずっきん痛い。だいたい寝たら治るのに。お熱かな? と思って測ってみると平熱でお熱ではない様子。朝のお薬と一緒にロキソニンも飲む。薬ばっか飲み過ぎな気がする。お薬のおかげで昼過ぎには頭痛引いてきて、なんとなく先週100均の布で作ったクッションカバーが可愛くなくって腹立ってきたので、ワイルドに引きちぎって捨て、日暮里のトマトに布を買いに行く。ここはいつ来ても種類豊富すぎて選べない。結局空色のリボン柄のやつを購入。帰って早速縫う。我が家はミシンなんてハイカラなものないので手縫い。うむ、かわいく出来ました。クッションに寝転んで、積読コーナーに積みっぱなしやった中村文則の『R帝国』を読み始める。

R帝国

R帝国

4.29日
特選小説の連載原稿の直しをやって編集さんに送信。そうこうしてたら4駅隣に住んでいる友人H田くんから、「タケノコ狩りに行ってきたので食べに来ませんか?」とお誘いもらったので喜び勇んでお邪魔する。その前にご近所で古本市やってるらしいのでついでに寄っていくことに。古本市自体では収穫はなかったけど、古書ほうろうでいい本を見つけたので購入。駅前で今川焼きと、あとおつかいで大根を買ってH田家へ。H田家は家具からなにから一個一個がこだわりの品々で超いいおうちであった。H田くんは職業は写真家なのだけど、趣味でお茶を習っていたり、木から家具をつくったり、陶芸をやったり、なんでもやっちゃう男子で、料理の腕前もすごかった。なんとてんぷらフルコースでもてなしてくださった。一品一品ずつあげたてをテーブルに運んできてくれて、まじで料亭にきた気分。食器も全部がこだわりの焼き物って感じでハイセンス。こんな風に暮らせる男子っているんや……と感激しきりであった。共通の友人SさんとTさんとともにもりもりてんぷらをいただいた。てんぷらなんて、普通家じゃ食べれないもんね。男子3人女子ひとりという配分であったが、なぜか下ネタで盛り上がった。楽しいごはんにお呼ばれ、おなかも気持ちも満たされた。ああ、ちゃんと丁寧に暮らしている人をみると、自分も改めねばって思うけど、思うだけじゃはじまらない。