12.25〜12.31日記

12.25月
今日はクリ〇〇ス? いや、普通の平日ですよね。わたしは平らに暮らします。昨日CD交換した蜂鳥あみ太さんのアルバムを聴く。ライブより更に入り組んだカオスミュージックでぶっとびー。昨夜、蜂鳥あみ太さんのバックでピアノ弾いてはった超絶テクニシャンなピアニストのおねえさんがIKAZUGOKE見て「プログレでした」と言っていただき、そんな馬鹿な! 恐れ多すぎる! というか蜂鳥さんのが完全にプログレでした。一見一聴すると、クリ○○スに似合いそうなお方だけど、ほんとは心の中ではクリ〇〇スファック! て思ってらしゃりそうなことが信用できるし、クリ〇〇スはクリ○○スでも、完全に悪夢のクリ〇〇ス、コドモの声とかもあざとく使っててほんと最高やな〜とCD聴きながら思いました。家が寒すぎるのでもう湯船にちゃんと浸かろうと思い立ち、湯船を洗ってお湯をためてお風呂に入った。お風呂読書のお供はナックルズ、それから鈴木智彦さんが渋々語る人生で最も絶望した日が漫画化されてるコンビニ本『絶望24時』。お風呂あんまり過ぎじゃないと思ってたけど、ちゃんとぬくもれる環境があれば最高やなあ。但しうちはプロパンなのでガス代激高なのでそう頻繁にはつかれない。


12.26火
朝から普通に労働。特筆すべきことはなし。きたむらじおの原稿を書き始める。例年に増して長くなりそうや。

12.27水
夕方からI田さんとN釜さんとで大久保のベトナムちゃんというお店でごはん会。名前からもわかるようとっても可愛いお店で、食器とかも全部可愛い。ベトナム料理ってパクチーがなんでも入ってるイメージだけど、それをよけたら結構好きかもしれない。いや、このベトナムちゃんのお料理が食べやすかったからなのかな? なんでも葉っぱで巻き巻きして食べる式で、ベトナムたこ焼きなるものがあり、日本のたこ焼きみたいに丸くなってなくて、要するにひっくり返してない半月状のたこやき、だけどタコなのかいやタコ以外のものも入っていたような、不思議な食べ物だった。しかもこれも葉っぱで巻いて食べるの。野菜が高騰中なので、ふんだんに野菜食べられるのはいい! しかし料理もさることながら、N釜さんのおはなしが今日も色々おもしろくって、いちばんウケたのは「スーパードラッグ・バファリン事件」昔、夜行列車でヨーロッパを旅行されていたN釜さん。長時間の移動なので、近い席の外人と仲良くなり、N釜さんが頭痛くてバファリン飲んだら、それをくれくれとせがまれ、ひとつぶあげた。すると、「ワーオ!ファンタスティック!」みたいになっちゃって、他の部屋からどんどん友達の外人連れてきて列をなして、何故かN釜さんはバファリンの売人状態に。その後、スペインかなんかの国境で、そのバファリンでキマっちゃった外人は全員パスポート持ってなくて不法入国者やってしょっぴかれていったけど、最後までN釜さんには「サンキュー!」てゆうてきて、なんかすごい感謝されたワ〜というお話。バファリンなんか、鎮痛剤の中でもゆっるいゆっるいやつでしかも半分はやさしさで出来てるんやで? そんなんでもヤク中はバッキバキになるんやね。すごいね。いい話でした。その他も、『私設銀座警察』とか『太陽の墓場』とか面白い映画の話をいっぱい教えてくれた『私設銀座警察』はわたしも見たことあるのに、N釜さんはセリフ殆ど覚えてるくらい見ててさすが! 『太陽の墓場』は西成の話らしいのでぜひ見よう。今年は本厄らしくただでさえ少ない友達が何人か消えた1年だったのだけど、N釜さんとお友達になれたのは数少ないいいことやたな。

12.28木
朝から大学病院へ、親知らず抜いた後の傷口がどうなってるか見せに行った。ほんとに見せるだけで一瞬で終わったけど、こんなんのために朝から電車で出てきたんかと思うとあほらしい。なので神保町まで歩いて、喫茶店さぼうるでひとりモーニングしながら手紙を一通書いて、読書。花房観音さんの『神さま、お願い』読了。誰かの願いが叶う=その分誰かの願いは叶わない、ていうのは宇多田ヒカルの歌詞にもあった気がするけど、この小説は「安産祈願」「学業成就」「商売繁盛」「不老長寿」「縁結び祈願」「家内安全」という、どれも神社でよくあるお願いごとのサンプルやけど、実はどれも怖い、願い=呪いであるという小説。わたしは反スピリチュアルな人間なので、お願いごと全般否定派なんやけど、わたしには本当に魔術が使える魔女の友達がいて、彼女は魔術で人殺したりも出来ちゃうぐらいマジな人なのやけど、彼女も一時期、「歩き巫女をするねん」といって修業というのかなんというのか、とりあえず全国を行脚して神社仏閣を巡って各地で〇〇〇をしたり、あと占いに近いような、誰かの願いを叶える系のことも出来る人で、まさにこの本にあるようなエピソードも度々聞いたなあ。でもこの本読んでいてつくづく思ったのは、願っても願っても、そしてその願い自体は叶ったとしても、結果、万事が自分の思うように行くことはない、願いが叶った結果、みんな地獄に落ちていたりする。花房観音さん、さすがやわ〜わかってはる。わたしがゆってほしかったこと、だいたい書いてある、そんな本やった。

神さま、お願い

神さま、お願い

読み終わったあと、ドトールに移動して(さすが神保町のドトールはコンセント完備が異常に行き届いている!)パソコン開けて明日のきたむらじおの原稿を書きまくった。1年を振り返っていたら色々思い出し怒りがすごい漲ってきて、筆が乗る乗る。気づけば1万4000字とかになっていた。帰って、今度は音の仕込み。ジングルと、『思い出のアルバム』、『今日の日はさようなら』、を弾き語りで録音して仕込み完了。

12.29金
また寝るの失敗して、だから行きしなの電車でめっちゃ爆睡して代々木上原まで行ってしまった。ほんまは大手町で乗り換える予定やったのに。あほや〜。結果わりと高円寺円盤についたらぎりぎりの時間。まあ間に合ってよかった。始まる前に田口さんに釜ヶ崎詩集みたいな、ほんまにほんもんの路上生活者のおっさんが書いてるようなひらがなばっかりの詩がいっぱい載ってる本を見せられて、買いたい!てゆうたら、「売らないよ、これは俺の本だよ」といわれた笑 きたむらじおは今回、思っていた以上に内容がありすぎて時間が足りなくなって最後曲流したりが全然出来なくて時間切れになってしまった、残念!時間配分もちゃんと考えないとあかんなあ。いや〜ラジオってむずいよ〜と改めて思いました。ライブするよりよっぽど準備期間かかってるしね! 円盤結構おきゃくさんぎゅうぎゅうで、三村さん穂高さんのライブを見たりして、見に来てくれてた飯田さんが抜けるタイミングで一緒に抜け出す。夜はちょっと約束があったのだけど、結局なしになってしまってショボン。渋谷に行けばMTライブがあって、途中からでも行けば気分も晴れたのかもやけど、あんまりそんな気になれなくて足立区へ帰還。きたむらじおでも言えないことが実はいっぱいあるんだよね。駅前のヨーカドーさんで飯田さんが来年の手帳を買うというのでついて行く。ヨーカドーさんは高いしそんないいもの売ってへんておもてたけど、意外となんでも売ってて御見それした。わたしも500円のねこの人形なんか買ってしまった。なんじゃこの買い物。別にわたし猫好きちゃうのに。アホみたい。でもアホになりたい夜もあるよね。

12.30土
普通に労働。朝、ふとヘアアイロンを見ると、ランプがついている。えっアイロンなんかいつつかったっけ? 思い出せないくらい昔。いや、使ってたとしてもそれから3日は立っておる。三日間、もしくはそれ以上、アイロンつけっぱなしやったということは、電気代はどうなってるのでしょうか?! あれってドライヤーとおなじで短時間でめっちゃ電気食うやつでしょ! 最悪すぎる! 1万とかになってたらどうしよう。それによって、この1か月の暮らし方がリアルに変わってくる。それくらい切羽つまった暮らしを送っています。明日もシフト入ってると思ってたけど意外と入ってなくて今日が労働納めになった。休憩中、秋吉理香子『ジゼル』を読了。バレエ漫画ってたくさんあるけど、バレエ小説ってそういえばないよね。煽り文句に「小説版ブラックスワン!」とか書かれてたけど、確かに似たような展開でミステリーな事件が起きたりもするんやけど、バレエのいちばんえげつないところをちゃんと書いてあって、おお、この人はバレエをちゃんと知ってる人やなあと思った。コンクールで審査員長が優勝者に「君には覚悟が出来ていますか?」と詰め寄るシーン。バレリーナというのは本当に残酷な職業で、いや職業に出来た人はまだしも、出来なかった人はその他の業種では全くつぶしがきかない。バレエというのはものすごく特殊な世界なので、だいたい小さい頃からそこそこ才能があって打ち込んできた子は、普通の日常生活を送っていない。義務教育すらも、あまりちゃんと受けられていない。そんな状態で、17、8歳で、バレエの外側に放り出されて、自分は世界に通用するバレリーナではないという知ってしまうと、もうその後に人生は真っ暗である。そしてここで審査員長がグランプリの少女にたたきつけたのはそんなことだけではなくて、コンクールは失敗しても自分が泣けば済むし、たかだか数分間の踊りだけである。けれども本当にプロのバレリーナになると、プロの世界では自分ひとりの失敗では済まず、演目を台無しにし、バレエ団そのものの名誉を傷つける。そこまでをすべて背負って立つバレリーナになる覚悟が本当に出来ているか? とわざといじわるなくらいしつこく聞くのであーる。この作者は相当バレエの内側を知ってる人やな。秋吉理香子さんて知らなかったけれど。文章も読みやすいし、バレエって美しくって可愛くって夢の世界〜♡みたいに思ってる人は読んでがっかりした方がいい本やと思いました。

ジゼル

ジゼル

それとは関係なく、ツイッター上に流れてきた情報で、今大阪吉本新喜劇にメンバーに限りなくバレリーナなヒロインみたいな子がいるんやね。短い動画とかみたけど、ほんとに上手で、変な話、元バレリーナでした的な女優さんのそれとは格段にうまい本物臭がしたので、調べてみたら、わたしが通ってた公立小学校中学校のすぐ近くのミッション系のお嬢様学校卒業後、わたしとおなじ(学科は全然違う)大学を卒業して、その後どっか外国のカンパニーからオファーがあったのを蹴ってまで吉本新喜劇に入ってきたんやって。大阪メンバーの吉本新喜劇は東京ではやってへんからな〜。見てみたい。

12.31日
労働入りそうだからあけていたけど結局入らず。今年は一緒に年越しする友達(飯田さん)もご家族の事情で会えず。ということで、大晦日、お正月をフルでひとり過ごすことになった。これがこの時期でなければ、別段わたしも病まないのだけれど、この時期は個人的にもっともナーバスになる時期。でも飯田さんという友達が出来る前までは、当たり前にひとりやったじゃないか! どれだけわたしは飯田さんに依存していたんだ! 反省しろ! ハイ! って感じで、わたしは本当にこういう時期に共に過ごす相手がいないのだということをあらためて噛みしめながら大晦日を過ごした。みんな忘年会や家族や恋人なんかとあたたかな場所で楽しく過ごしているらしい。ツイッターなんかをか眺めると苛々する。わたしは心が狭い。そして本当に天涯孤独なんだやと噛みしめる。帰るべき場所もなく、一緒に過ごしてくれる恋人も友人もいない。でもそれはすべて自分が選んだ生活じゃないか。昼間、家の中があまりに寒いので近所のベローチェさんに避難。書き出していた小説の続きを書く。そこそこ捗る。でもまだまだ。夕方帰って、そばでもなくお餅でもないういろうをひとりで食べて、kindleで買った溝口敦著『食肉の帝王』を読み始める。今年最後の読書かな。

食肉の帝王 (講談社+α文庫)

食肉の帝王 (講談社+α文庫)

夜はひさしぶりにガキ使の笑ってはいけないを流し見ながら、今年一年を振り返って、ああ、本厄の最後の締めらしいどん底の孤独というやつやな。