12.18〜12.24日記

12.18月
朝から普通に労働。昨日までツアーで帰ったばっかりやので休みたい気持ちもあるけど、経済状態を考えると入らなければいけない。労働後、駒場東大前。新宿から京王線で明大前乗り換えで井の頭線で行こうと思ってたのやけど、京王線が人身事故でちょっと前まで止まってたらしくて本数も減ってるからか新宿駅からものすごい人人人。京王線沿線沿いには住めないなあとなんとなく思った。昔初台に住んでたけど、京王線が嫌すぎてどこでもチャリで行っていた。新宿も渋谷も六本木も阿佐ヶ谷も。とか思い出しながら人であふれかえるホームで待つ。結局本来20分くらいで着くはずが小一時間かかって駒場東大前。駅前のケーキ屋さんのような喫茶店で飯田さんと落ちあう。ツアー終わってバイバイしてから24時間でまた会ってる。でも昨日までとは全然違うわたしたち。250円でおかわり自由の珈琲飲みながら、このクリスマス23日、24日のライブの出し物の打ち合わせ。1時間くらいミーチングしてそれからふたりでアゴラ劇場へ。今日はブス会*を見に行く日! 谷崎の『痴人の愛』を男女入れ替えてやるという企画で、しかもナオミちゃん役を唐組の福本雄樹さんがやるという! すごく楽しみにしていた。登場人物はナオミちゃんを飼うことにした大学の女教授をブス会*の看板女優安東玉恵さんが演じておられ、唐組の福本さんが男の子のナオミで、あと一人、山岸門人さんという男優さんがあるときはバーのマスターあるときはナオミの恋人、あるときは不倫相手と、色んな役をコロコロ演じてらっしゃって、役者はこの3人だけなのに、全員うまい。そして音楽はチェロ奏者の美人さんが生で弾いてらして、しかもこのチェロ奏者さんまで登場人物に使うという無駄のなさ。美術も能舞台をお手本にしたらしい、木のハリボテセットしかなくって、本当に最低限のモノで最低限の人数で、これだけ見せられるというのは全員が当たり前に上手であることが大前提やからやなあとおもった。役者の数が少ないお芝居っておもしろいことが少ない気がしてて(注:わたしの趣味の問題です)やっぱり役者は色んなカラーの人が一通りそろってる方が見てて楽しめると思うのだけど、極限までシンプルなのにちゃんと伝わる、それに古典がもとのお芝居ってほんとに難しいと、これはわたしが去年『女中たち』というジャンジュネの古典戯曲をやってみて思い知ったのだけど、なのに、この『痴人の愛』はうまい具合に現代に置き換えられたりしてて、だからこそ笑えて、だからこそ残酷で、いや〜やっぱり力量のある方は違うなあって思った。演出のぺヤンヌマキさんにご挨拶して、偶然見に来ていたブス会*のウェブサイトを作ってるデザイナーO野くんともばったり会ったので、飯田さんとO野くんと、渋谷の山△家で飲んだ。O野くんから京都の闇をたくさん聞いてたいへん楽しい飲みやった。山△家は24時間営業の大衆酒場でいい店やけど、やっぱり足立区とは値段が全然違うね。足立区より基本全部200円くらい高い。しかも深夜料金が発生する! そしてお新香の漬かり具合が薄い! 綺麗な言い方で言うと上品なのかもしれんけど、足立区のお新香はチェーン店でもすっげーしょっぱい、しょっぱ好きのわたしにもしょっぱく感じるくらいなので、山△家のお新香は味が薄すぎてわたしは醤油をかけてしまいました。楽しく飲んで、まだ地下鉄がある時間の終電で帰宅。

12.19火
まだツアーから帰ってきてのトランクを整理できてない。部屋が散らかってきている。これは色々余裕がないことが原因です。わたし自分の部屋が度を過ぎて汚いのはストレスなので、ある程度まで来たら、いや来る前には片づける派なんやけど、部屋が寒すぎてこたつから出る気になれない。かと言ってエアコンの暖房は乾燥が恐怖やので嫌やし石油ストーブは部屋全体は暖まらない、局所的なそれなので、結局こたつから出られない、なるべく出ない方向で、全部をこたつの周りに置いて暮らしています。特選小説の直しをやって編集さんに送る。それからもう一個個人的に書きかけている小説をちょっと読みなおして続きを進めようと思ったけど、読み直してる途中で思考が止まってしまった。明日は円盤の月例ワンマンなので、その毎月書いてる新聞を作ってコピーしに行って、ライブの練習。実はツアーの途中から、いや行く直前くらいからやったんやけど、声が出にくくなっていて、しゃべる声は出るんやけど、わたしの本領発揮してるときのあの変な声が出なくて息も絶え絶えになってしまう。無理矢理出すと、すごいがんばっちゃってる系の歌い方になって、それはわたしは好みではないので、どうしたものか悩む。わたしはそもそもボイストレーニング的なもんを受けたことが一度もなくて、勝手に歌い出した歌い方でああなってるのだけど、どうもこの1年、春に一度声が壊滅的に出なくなってから完全には治ってない感じで、ずっと声は出にくい。声ががさついている感じがずっとある。先週のツアーで西成の喫茶店を行脚していて思ったのやけど、というか大阪に帰るといつも思うんやけど、大阪のおっさんもおばはん異常にダミ声率が高い。あれは、飲みすぎ&しゃべりすぎが原因とわたしは踏んでいるのやけど、わたしは飲まないし、普段は、心開いてる相手以外には無口な方なのです。(スイッチが入ればベラベラとゲスなことを喋りたくることも出来ますが、それは機嫌が悪いときです)でも、なんか大阪の女はある一定の年齢を過ぎるとダミ声にシフトしていくようプログラミングされてるのかもしれない。それぐらい大阪の中高年のダミ声率は異常に高い。そんな人のことはどうでもよくて、わたしの声です。これ、元の様に治るのであろうか。それとも、色々持病のあれとか薬の副作用とかもあるのかも。免疫がなくなっていく病だからね。もしも歌がうたえなくなったら…と、縁起でもないことを考えないでもない毎日。だから声が出るうちに聞きに来て欲しいなあと切実に思います。

12.20水
今日は高円寺円盤での月例ワンマンの日。19時前くらいに入って店主T口さんに、先日は(ベアーズイベントは)お世話になりましたとご挨拶。ベアーズについて思うところを話したりしながら、リハ。わたしの声の調子の悪さを春の時点でいちばんに察知していたのはT口さんで、そしてその右肩下がりようを聞いて、色々ためになるお話をしてくれた。すごく真剣に今後のことを考えて提案してくれた。そうやよね、その通りやよね。ハスキーボイスになっても力いっぱい必死で歌ってマスみたいなのってわたしの芸風ではない、そういうのは好みじゃないし。喉にアブラが足りてない感じはもう歌ってても聴いてても恐らくバレバレで、というかもう身体全身にアブラが足りてなくて全身かっさかさなのですが、喉だけにアブラ刺すわけにいかんし(なんか歌い手さんでライブ前にオリーブ油飲む人おるらしいけど、わからないではない。わたしはオエってなって余計に身体悪くなりそうやからしないけど)だけどT口さんが、「さっちゃんは、もう若い時みたいにヒリついたものをギリギリの音域でヒリヒリ歌わなくても、もうヒリついたものを伝える歌い方が出来る年齢になってるから。歌い方を変えてもいいんじゃない。メロディを変えてもいいかもしれないし。色んな歌があっていいんだから」と言ってくださって、人生に対する心配がちょっと落ち着いた。開場時間になったので4階の控室へ。急遽、高音域の歌をなるべく控える方向で歌う曲、曲順をいじくったりしていたらあっという間に本番。今日は忘年会シーズン真っ只中だし、今月はレテのワンマンもあったし、お客さんさぞかし少ないことを予想していたけど、片手で数えられる、常連さんのみのアットホーミーなワンマンでした。だけど本当に声が出てなくて自分でも落ち込みながら歌ってしまった。これからの歌との向き合い方を考えないとな〜というライブになりました。お付き合いいただいたお客様、ありがとうございました。ライブが終わって、T口さんにわたし宛に円盤に届いた小包みを受け取った。大阪の大常連のお客様からの小包で、プライバシーもあるので詳細は書けないけれど、とても心配なメールをくださっていて、ご自分もすごくお辛く、大変な時期なのに、わたしの病気のことや高額医療費のことも調べてくれて、その書類なんかも送ってくれて、あとはお菓子やプレゼントも入ってて、なんかすごくありがたくてうれしいことなのだけど、もしかしたらもうお会い出来ないのかもしれないのかと思うとすごく悲しいし、恐らく大阪でのわたしのライブをいちばん追いかけて見に来てくれていた方なので、もしものことがあると悲しすぎる。いや、縁起でもないけれど。わたしに出来ることってなんやろう、とか考えてしまった。それとは別で、「お歳暮です」といって電気毛布をくださったお客さんもいた。なんかわたし、この日来てたワンピースもこの日見に来てくれたK田A子さんにいただいたものだし、ほんとに身の回りのモノいただきもので成立してて、自分は乞食なんかなとか思ってしまう。だけど河原乞食なんて言葉もありますし、身分は低ければ低いほどいいと思ってるので、これでいいのかな。ライブの後は、近くで忘年会をしてらしたK井さんにお誘いいただき、某K組さんたちの忘年会の2次会か3次会?に混ぜていただいてたのしい時間を過ごさせていただいた。忘年会らしい忘年会は今年はひとつも誘われてないので(毎年のことですが)楽しかった。終電滑り込みで帰宅。

12.21木
今日は労働。特筆すべきことはない。街がどんどん年末仕立てになってゆく。クリスマスネオンも苛々するけど、スーパーの入り口なんかにお正月の飾り物コーナーが出来ていたりして、あれを見ると毎年ぐったりする。お正月=家族の団欒て感じがして、わたしには縁がないものやので勝手に落ち込む。といってもこの「帰る家なぞない!」という状況はわたし自身が好き好んで作り出してる状況やので文句もいえません。

12.22金
朝から家をかたずけて一応人を呼べるくらいのレベルんいして、昼から飯田さん来訪。ふたりでフリースタイルのラップの動画を撮ってはしゃいだりして、その後は衣装の転換とかも込みで明日のワンマンの練習をしっかりめにやった。途中、100均へ小道具を買いに行ったりして、帰ってきてまた通し練習。ツアーでの反省を生かし、練習はいっぱい出来るに越したことはないのでいっぱいやった。今回のワンマンは色々趣向をこらして、今までにやったことがないこともやります。投げ銭なのでね。投げ銭BGMを考えていて、やっぱレディ―ガガでしょう!わたし日本のレディーガガやし!とかゆって、ユーチューブでガガさまのPVを色々見ていたら、結構見入ってしまった。前々意味はわからんのやけど、変な小芝居を入れまくる感じとか、やっぱりシンパシーを感じる! そして曲かっこいい! 夜までずっとガガさまを聞いていた。

12.23土
横浜日ノ出町試聴室その3でIKAZUGOKEワンマンの日。今日は開演が早いので、家を出るのもはやめ。飯田さんと駅のホームで待ち合わせ、いっしょに横浜へ。祝日やからか、電車もだいたい混んでいていた。今回は衣装が多いし、物販もたくさん持ってったので、トランクもまあまあ重く、相方飯田さんにいたっては多量の段ボールをガラガラに括りつけているものやから、なんか変な二人組やったこでしょう。無事会場についてリハ。店主のM沢さんとおしゃべりしながら。遠いけど定期的に来たくなるのはこの店主のM沢さんの人柄あってこそやな〜とか思った。店主や主催者が感じ悪い店やイベントには誰も出たくないし、見に行きたくもないよね☆ そんなM沢店長がたくさんお客さんにお声かけてくださっていたからか、結構お客さんもたくさん。今日は隠れれる場所があったので、仕込みにも手間取らず。(というか今日こそ仕込みをやれる隠れスポットがなかったら色々絶対ムリやった)たくさん練習した成果もあってか、本番もいい感じで出来て、PAもM沢さんがバッチシ決めてくれたし、なかなかいいライブが出来たのではないかな? 季節感も取り入れてね☆ 投げ銭ライブやったということもあって、最後、飯田さんはバニーちゃん、わたしはてんとう虫の水着というあられもない恰好で客席を回ったら、みなさんものすごくお挟みくださって、わたしお札の襟が出来上がっちゃうくらいで、もうほんとに、お越しくださったみなさま、本当にありがとうございましたの気持ちです。そのうえ物販も買ってくださってうれしかった。本当にありがとうございました。横浜の人たちはあったかいね。いや、横浜というか、この試聴室に集うM沢さんを慕う人たちがええ人ばっかりなんかな。絶対そうやろうな。終わって、12人くらいの大人数で、近くの中華料理やさんで打ち上げをした。打ち上げも終始たのしかった。見に来てくれた、ミュージシャンのM輪J郎さんともひさしぶりにゆっくりしゃべれて、あと横浜といえばWッソン! Wッソンともしゃべれて楽しかった。わたしはスピリチュアルとか苦手やけど、この辺はすごく良い気が流れてるなあ〜とか思った。だってみんなライブも楽しんでくれてて、打ち上げも楽しんでいて、東京とはまた違う人の流れというか気の流れというか。とにかく終始楽しくて、ライブもいい気持ちで終われました。終電で飯田さんと足立区へ帰還。駅前の汚い中華屋に入って、お金の精算と、明日の打ち合わせを少しやった。昼から長丁場やったけど、全く嫌な気持ちになる瞬間がなくてノンストレスやったのであんまり疲れた気にならなかった。あ、最後の最後に最寄り駅で、ギャルにトランクおもくそ蹴られて、ギャルが「イッテ〜」とおっしゃったので、「すいません…」と一応謝ったら、すごく嫌味な感じで「いいえ!」てゆわれたのが唯一のイラっとした出来事かな。トランクなんか持って歩いてるわたしに非があるのか? いや、蹴っ飛ばした方も悪いやろ! でもそういう話が通じそうな相手ではなかったから、こっちが悪い感じでもうええんやけど。いや〜最近よく考えるんやけど、話が通じひん人って結構おるのだよね。

12.24日
世間はクリ〇〇スイブとやらで、公共の場で乳繰り合ってる男女の多いこと。今日は新松戸ファイヤーバードというところでIKAZUGOKEライブ。新松戸、都内からは遠い千葉になりますが、我が家からはなんなら近い。電車で15分くらいで到着。行ったらわたしら以外にまだいらっしゃらなかったので、リハ。終わって物販などを並べてちょっと待ったら、「顔合わせ」なるものがあって、店長がそれぞれを出演者全員に紹介し、そして本日のPAさんや照明さんは誰々でーすと説明があって、こうゆうのがあるライブハウスって珍しいので変な感じ。顔合わせ終わり、飯田さんとふたりで向かいに出来ていたコメダ珈琲で一服。丁度開演頃に会場に戻った。我らは三番手。お客さんの空気が温かく、笑ってもらえたので、成功かな? Mッキーが新婚の奥様(素晴らしい女優さん)を連れて見に来てくれてうれしかった。対バンはわりとカテゴリーに入れにくい色モン系の人らが集められていたイベントやったのだけど、中でも蜂鳥あみ太さんのパホーマンスが素晴らしかった。前から噂は色んな方面から聴いてて、ずっと見たかったのがようやく実現した感じ。いや〜最高やった。歌ももちろんものすごい強烈で素晴らしいし、MCも見せ方も面白い。照明スタッフを舞台に上げてつるし上げ、最終的には店長さんを舞台に上げて、咀嚼したバナナを口移しで食べさせるという、母鳥が小鳥にしてあげるあれをやっていた。とかってそういう部分だけ言葉で書くと、奇をてらった変な人なのかなと思ってしまうけど、決してそうじゃなく、歌がまず素晴らしいからなにやってもオッケーな空気で全部おもしろかった。終わったあとちょっとゆっくりお話しできる時間があって、お話させていただいたら、世の色々への憎悪がすごい方で、本当にわたしもむかついてることを代弁してくれている感じで、信用できる〜と思った。またどこかでご一緒したいなあと思える稀有な方でした。精算終わって外に出ると雨。ガーン。駅まで走って終電で足立区へ帰り、魚民で飯田さんとプチ打ち上げ。そう、IKAZUGOKEとしては今日がライブ納めやったのでした。今年を振り返り、そして来年のことを話し合って、結構まじめに話し合った。今年はわたし個人的には本厄らしい一年で、しんどいことが多く、たぶんストレスで白髪がどっと増えた一年やったけど、IKAZUGOKE活動がたのしかったおかげで救われた。クリ〇〇スなので、一応鶏でも食うかって感じで焼鳥を食べた。2時半くらいまで飲んで食べて帰宅。