10.23〜29日記

10.23月
ドヤでめざめる朝。昨夜は台風の雨風の中タクシーがつかまらず小一時間歩いて帰ってきたので、しかもその前にライブもして、営業も行って、打ち上げ後は味園ビルマンティコア銭ゲバで遊んだので、さすがに疲れたし眠れるでしょうと思っていたけど、きっかり2時間で目覚める。仕方がないのでこの日記を書いた。更新してシャワーを浴びて帰る支度。わたしはちんたら仕度に時間がかかるタイプなのだが、相方飯田さんは30分もあれば(シャワータイムも込みでね)余裕っしょて人だのですごい。朝、チェックアウト後、荷物をドヤにあずけて、今池商店街をぷらぷらし、いつもの喫茶ニュープリンスでモーニング。大阪は道頓堀下のドレミや、天下茶屋のマル屋、西成のロボ、伊吹、とか巡りたい喫茶店いっぱいあるけど、なんやかやでドヤからいちばん近くて金髪おにいさんの笑顔もちょうどよく、行く頻度が高いのがニュープリンス。名前もいいね。380円でコーヒー、サラダ、卵サンドまでついてくるし。しかし、驚くなかれ、飯田さんはこのモーニングをおかわりしたんだぜ! さすが飯田さんだぜ! といっても、コーヒーおかわりするのも、もっかいモーニング頼むのも同じ値段やからというのも大きいよね。喫茶店を出て、無駄に用もなく目のまえにあるスーパー玉出に行って、ドヤに荷物取りに行って、新大阪へ。ぷらっとこだまで帰京。台風やしピアノ運搬でバタバタしたり、色んなところで舐められてつらいこともあったけど、人間のあたたかみも知りました。ピアノ運搬を手伝ってくださったナイトサパーズさま……。本当にパホーマンスも最高だったけど、人間としてもサイコーだった。思い出にひたりながら居眠りをしながら、飯田さんと反省会をしながら帰京。お金的には黒字とはいえない旅でしたが、得たものは多い旅でした。各所であたたかく接してくださったみなさま、ありがとうございました。

10.24火
風邪はひかなかったけど2泊3日よく動いたので身体全体が痛い。今日はラジオの収録が夕方から。それまではトランクを整理したりして、でもまた今週末日曜から松山なので結局トランクだしっぱなし。ラジオ日経さんへ17時入り。ブース前の前室で、プロデゅ―サーさんと中野アナと、今回わたしをなんとかねじこんでくれたSさんことラジオ上では中沢不二夫さんと、かるく打ち合わせ。実はIKAZUGOKEで色々プロモーション活動をわたしなりにがんばっていたのだけど、去年はあんなにお世話になったニッポン放送からも音沙汰なく、そしてこのラジオ日経の番組にもプロモーションしていたのだけど、どうやらIKAZUGOKEという言葉、行かず後家という言葉が放送コードに引っかかるとかで、スルーされてしまっていたのやった。それを、この10月からディレクター兼アシスタントに入ったSさんがなんとか頑張ってプロデューサーを説得してくださり、一切イカズゴケという文言を出さなければオッケーという形で呼んでくださった。ほんまは飯田さんとふたりで来れたらよかったのだけど、残念。プロデューサーの女性はかなり厳格なバリキャリの姐さんて感じで、打ち合わせ中にドヤの話になったので、わたしが「でも最近は外人観光客も増えてますしね」とかぽろっといったら「外国人さんです!」と食い気味でつっこんで叱られ、放送業界はキビシーとおもった。いや、一応これでもわたしは常識的な人間なので、収録では言いませんよ〜て感じなんだけど。まあいいや。しかしこの女プロデューサーさん、仕事のお出来るお偉い方なのは威圧感でわかったけど、名刺交換から、打ち合わせ、収録、まで一回もマスクを外してはくださらなかった。別にごほごほ風邪ひいてはる感じもないし、たぶん自衛のためなのでしょうけれど、なんとゆうか……とおもっちゃった。とはいえ、こんなタブー扱いの人間をラジオに出してくれてありがたいっす! 収録自体は、ブース内には中野アナとSさんこと中沢不二夫アシスタントとわたしの3人で、イカズゴケという言葉を出せないこと以外はわりと自由にしゃべれたので楽しかった。どう編集されちゃうかわからんけどね☆ 終わってSさんがエクセルシオールでコーヒー奢ってくれた。色々ドヤの話や西成の話、つい先日のベアーズの話で盛り上がって楽しかった。Sさんとこにメールで、今K吉さんが東京に出張にきてるらしく、K吉会が夜あるらしいんだけど、20時半から目黒ということで、わたしは明日も朝から労働やから泣く泣く今回は諦めることに。放送業界ってたいへんやな〜っておもったけど、やぱりラジオは好きやな〜。またどこかでご縁あって出られますように。

10.25水
朝から普通に労働。雨。なんか10月ずっと雨なんちゃう? 寒いのか暑いのかわからんし。帰って郵便箱をあけたら、お宝小包が届いていた!! 感激すぎる! わたしの大好きな作家さんからサインとお手紙とお菓子付きで本が送られてきました。こうやって、さりげなくお手紙やセンスのいいお菓子(ムンクの叫びの飴ちゃんと和三盆)を添えられる女性って憧れる。ニヤニヤ眺める。夜はnetflixで、同僚の25歳のヤンキー上がりの出来る男H田くんに教わった映画を見た。タランティーノ若! とか思って、最初はややシリアスなアクション映画かいなとおもてたら、真ん中くらいからぐちょぐちょのゾンビが跋扈しまくるカオス映画になっていき、気づいたら終わっていた。なんやったんや。おもしろかったけど。

10.26木
朝から労働。なんかこんなことわたしがここで働きだしてからほぼなかったのですが、現在社内(店内?)恋愛カップルがおりまして、そのふたりが喧嘩していてすごく険悪なムードで最悪やった。公私混同はやめてくれ。せめて、それによって周囲を振り回していることを自覚してくれ。アー疲れた。帰路、飯田さんからメールがきてて、急遽レコ発東京編の打ち合わせをすることに。いつものベローチェさんで落ち合って、大阪編でやったことを新たに練り直した。ら、すごくおもしろくなりそうな予感です。アイホンのボイスメモに変な歌の断片を録音しまくった。隣の席ではTOEICの勉強をしてる学生さんがいて、さぞかしうざかったことでしょうな。使い方はまだ秘密ですが、帰りにダイソーさんによってシャンプーハットを購入。これは我ながら面白い小道具になる予感!(わたしは提案するだけして、作ってくれるのは飯田さんだから申し訳ないけど)

10.27金
朝から、昨日の打ち合わせで作った曲の断片をまとめて譜面に整理して、ピアノで伴奏つけて録音して、飯田さんに送る。そして夕方から歯医者。実は先月の円盤で、見に来てくれたM崎T夢さんから、すばらしい歯医者さんがあると教えてもらい、そこはもともとT夢さんも、かのスターであるO村Y幸さんから紹介してもらったところらしいのだけど、行ってみると、ここが本当に歯医者の待合室なの?というような本がぎっしり本箱に収まってて、しかも! 面だしで、わたしのアルバム『わたしのライオン』と『明るみ』まで飾ってあって、もちろん『裸の村』も置いてくださっていた。もう、入口から感激や。。。時間になって診察室へ通されると、ハッ! 見たことある方! そう、ライブにも来てくださったことがある、しかし決してべったりは接してきなさらない、とても品のあるすらっと背の高いロマンスグレーのおじさまで印象的やった方! そんな方に、わたしの汚いお口の中を覗かれるのはちょっとしたプレイというか、かなり恥ずかしい。なんか倉橋由美子にそうゆう小説あったよね。『聖少女』やったっけ。緊張したけど、でも説明せずとも、わたしのこと(持病のことや職業のこと)をわかってくださってるので、いらん説明をして疲れることもなくとてもスムーズに診てくださり、運命の歯医者さんに出会ってしまった!! いや〜吐夢さん本当にありがとうです。わたしなんかの本だけじゃなく、他のラインナップもすばらしくて、神蔵美子さんの『たまもの』もあったんだよ。今度は無駄に診察の1時間前くらいにいって、本読みたいわ〜。今まで歯医者だけは好きになれないと思ってたけど、ついに見つけた! そんなハッピーな気持ちで歯医者を出たら、予想外にもう1時間以上たってて、夜は某ネット番組の打ち合わせで乃木坂にいかないといけないのだけど、あと20分くらいしかない。駅までマッハで走ったら途中靴が3回脱げた。如何にぶかぶかの靴を無理して履いているのかということが自分でわかりました。乃木坂の、コーヒー1杯890円もする高級なカフェで、構成作家さんとスタッフさんと4人で打ち合わせ。ネット番組とはいえ、思っていたよりすごくしっかり作りこまれたネット番組であることが発覚。そしてネット番組だから自由度が高く、わたしの話って、一般的な倫理観念で生きておられる方にはタブー視されてしまって当然なのだけど(先日のラジオのように)、この番組は自由に話せそうで楽しみ。今日は運命の歯医者さんにも出会えて、打ち合わせも楽しくて、いい日だった。

10.28土
明日からの松山は3泊4日なので、その洋服や日用品をトランクにつめて、結局絶対パソコンは持っていかないと、色々仕事的にこまりそうやから詰めて、しかし飛行機は荷物の体重制限があって、7キロまでと来ていたので、埃だけの体重計をひっぱりだしてきて、荷物乗せたところ、ふつうに9キロあった! わたし的には荷物減らしたつもりやったのにー。ついでに超ひさしぶりに体重も計ってみたら、ちょうど荷物の4倍だった。ということは、普段は体重の1/4の荷物を持って移動してるってことか! 意外と力持ちでしょ☆ しかし9キロだと確か空港で膨大な追加料金をとられてしまうことは知っているので、トランクは宅急便で送ることにした。夕方から池袋、から歩いて鬼子母神さんへ。この秋二回目の唐組「動物園が消える日」を見にいった。途中道でばったり久保井さんと会って、これから晩御飯を買いにスーパー行くというので便乗。というのも、わたしも差し入れ何を買ったらいいかわからず、わたしは本当に差し入れやプレゼントセンスがないので、これは本人に直接きくのが正解だろうともって聞いてみたところ、ハナマサのどでかいソーセージがいいとおっしゃったので、ハナマサへ行ってみた。しかし! そのどでかいソーセージは本当にどでかくて、しかも5キロくらいあって5000円とかするので、ちょっと経済的に無理っす! ということで、結局ウナギとブドウという謎の組み合わせの微妙な差し入れを買ってしまった。差し入れをお渡しして、チケットを引き換え、それからしばらく時間があるので、東京で好きな古本屋ベスト3に入る、往来座さんへ。ここの店員のむみちさんが作っておられる名画座手帳というのが買いたくて、買った! ブロマイドはもちろん安藤昇さま。2017年はノンタン手帳という子供だましの手帳で過ごしたのですが、来年はハードに安藤昇手帳で行きます。まだ1時間くらい時間あったので、近くのベローチェへ。パソコン持ってきてたので、特選小説の連載コラムの直しをやった。ベローチェは不思議と仕事が捗ります。18時半頃にベローチェを出て鬼子母神。結構な雨。雨というのは濡れるだけで体力持っていかれる、というのは先週末大阪で身に染みて体感したのだけど、この状態でカッパを着て客入れをする劇団員さんたち、かっこいい。今日は最前列の下手はしっこの席をゲット。前回は上手よりだったので、また違う画がみれて新鮮やった。紅テントを雨が打ち付ける音がずっとなっている中でお芝居をするのは、その分声を張らないといけないし、テント一歩出たら濡れるし、すごくみんな大変な中で芝居をしておられるのだけど、その大変さを微塵も感じさせない、雨如きには全く動じないお芝居、かっこよかった。最後、屋台崩しのあと、どしゃぶりの雨に打たれてびしょんこの藤井さんが、思い出の香水瓶をあけて鬼子母神さんの暗闇へ消えていくシーンが、この大雨という環境も相まってめちゃくちゃ美しくて涙が出た。社務所で行われる打ち上げにもちゃっかりお邪魔、しちゃったけど、見るからにおえらい方々(状況劇場時代からの偉い人やら唐さんの編集者さんなど?)がいっぱいいたので、やっぱり帰った方がよかたかな〜とおもったけど、何度も紅テントでお会いしているH口さん(この方も岩波の編集者さん)がおしゃべりしてくれて、その後もM子さんや、紅テントでいつも会える知ってる方たちが話してくださって楽しかった。色んな方がいたけど、鼻髭でロマンスグレーの、おひょいさんにちょっと似ているダンディなおじさまがいたのだけど、あれはだれだったのやろう。結局23時半の締めまでお邪魔してしまった。池袋ははやくもハロウィン気分で仮装した品のない若者が溢れててちょっとした地獄やった。

10.29日
6時に起きて旅の準備。しかしちんたらしていたら、最安値で成田まで行ける京成金町経由では間に合わないことが発覚し、日暮里から特急のスカイライナーという高い電車で成田へ。LCCなので台風の影響で飛行機飛ぶか心配だったけど、空港内は全然平和な感じ。30分以上前には第三ターミナルに着いたから余裕こいてら、おしっこしてるときに放送で「松山方面へ乗車の、北村早樹子さま」と館内放送で呼ばれる始末。マッハで走って搭乗口(結構遠い)にいくと「本当はもう乗れないんですけどね!」とおねえさんに少し怒られながらなんとか搭乗、無事飛行機は飛んで、松山空港に12時半頃到着。飛行場に杉作さんがお迎えにきてくださってて、ひとまずシネマルナティックへ。そこで「ゴンドラ」という映画を上映でいらしていたTOHJIRO監督とばったりお会いしてご挨拶。独特の色気のある方だった。「『ゴンドラ』本日のはもうみれなかったけど明日必ず見ますとお伝えする」杉作さんに、鍋焼きうどんのあさひというお店につれていってもらった。ことり、というお店はもうしまっていたので残念。でもあさひの鍋焼きうどんもすごくおいしかった! とにかくおつゆが甘い。たぶん、お砂糖が入ってる。ふたりともおつゆまで全飲みしてごちそうさまして、ルナティックへ戻る。17時からわたしも劇伴音楽をつくらせていただいた「チョコレートデリンジャー」の上映。実は自分の音楽がついた状態で見るの自体ははじめて。色々反省もあるけど、チョコちゃんのテーマと三蔵のテーマと宇宙船のテーマらいへんはイイ感じだった。しかし、映画自体もまだまだ完成していないらしく、よって、音楽もまだこれからも作ります! トーク登壇もさせていただき、短い時間だったけれどたのしくお話できた。ネタばれになるけれど、杉作さんが病院に入院してるシーンがやっぱり神懸かっておもしろくて声だして笑った。赤犬の劇中歌も最高だし、遠藤賢司さんのやさしい主題歌も本当に最高だから、わたしも劇伴音楽、まだがんばるZE! トークのあとは、杉作さんいきつけの喫茶店、カフェトレインへ連れて行っていただく。ここが本当に最高の喫茶店やった。トレインというだけあって、列車をモチーフにした店内の内装も、やりすぎずちょうどいい感じ。ステンドグラスの壁も素敵で、豪華列車のレストラン号に乗っているきもち。しかもここ、120円で終日モーニングが頼めるというすばらしいシステム。しかもそのモーニングも10種類くらいから選べて、わたしは黒糖トーストとコーヒーにした。コーヒーも、よくある大衆喫茶のような煮詰まったコーヒーとは違って、一杯ずつ淹れくれている感じのブラックで飲んですごくおいしいコーヒー。しかも、マスターが顔をみてカップを選んでくださるみたいで、わたしのはお花模様のとっても可愛いコーヒーカップで来た。マスターがまた、素敵なおじさまで、こんな素敵な喫茶店近所にあったら絶対通うわ! 喫茶店を出たらなんだかんだもう9時すぎになっており、広島まで車で帰られるAさんを駐車場にお送りして、わたしと杉作さんは道後温泉へ。杉作さんはお風呂2時間入られるそうで、わたしは普段は行水なのだが、自己最高記録に挑む気持ちで入った。露天はぬるい金泉湯というのがあって、ぬるいから結構長時間つかっていられた。露天以外にも、ごぼごぼ泡立つお風呂とか、樽風呂とか、ミョウバン風呂、それにサウナも二種類あって、ちょっと規模の小さいスパーワールドみたいな感じで、結構楽しめた。これで500円はお得。閉店までいて、そこから晩御飯が喫茶店のモーニングでは栄養が足りない! という杉作さんの計らいで、ジョイフルというファミレスへ。しかし驚いたことに、このファミレスも終日モーニングがやっていて、ドリンクバーつきでライ麦パンと目玉焼きとソーセージとベーコンとサラダという立派なモーニングが出てきて、これで500円はやすいね! というか、わたしはモーニングくらいの量感がちょうどよくって好きなのやと発覚。ちなみに杉作さんは豚汁定食を完食した後、からあげとウインナーとポテトフライの盛り合わせを頼んでおられて、にこにこおいしそうに召し上がっておられた。しかし松山、いい。ってこれは杉作さんがエスコートしてくださってるからとゆうのも大きいけれど、東京の殺伐とした雰囲気から遠くに来れて大らかな気持ちで過ごせるし、ほどよく田舎でほどよく都会なのもちょうどいい。結局ジョイフルで3時くらいまでおしゃべりして、それからわたしが今日泊めていただく墓場プロの事務所へ。これが思っていた以上にすごかった! 段ボールの森の中にちゃんと寝床があって、決して綺麗な場所とは言い難いのだけど、不思議と落ち着く。温泉であったまったし、ごはんも今日はたくさん食べたからわりとすぐに眠れた。だけど2時間でおきちゃって、この日記を書いています。